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 大阪在住です。
 地震でした。
 一週間程度は同程度の揺れに警戒ということで、高いところから落ちてきたものや大皿酒瓶の類は床に下ろしたまま生活していたのですけれども、そろそろ恐さよりも邪魔さが勝ってきてもとの場所にもどしつつ、これを書いているようなところ。

 写真を使うと身バレてしまうので載せませんが、電車に乗っていて線路に降りて駅まで歩いて運賃を払って外に出て、歩いて帰ってきたという状況でした。ええ、いつもの路線ならば定期券なのに、その日は別の場所に出勤だった。月イチであるかないかの朝八時くらいの満員電車に乗らざるをえない日で、その日に揺らされるという。

 郊外型の店を主戦場としているので、ふだんは通勤ラッシュと逆方向。そういうことで満員電車に耐性がないため後方車両の弱冷車に乗っていた。いくらか混雑がゆるいのです。それに、おかしな話に聞こえますが、弱冷車に乗っている男性は良い匂いがする。ガンガンにクーラー効いた車両でこそ、発酵臭がしているのに自身の汗になんの対策もしていないおっちゃんが吊革を握っていたりする。

 そういう乗客層のせいでしょうか。

 がたこーん!
 もっかいがたこーん!!

 となったあげく電車が止まったときにも、その車両には悲鳴をあげる女性もいなければ、舌打ちをする男性もいなかった。私は絞った音量でバンもんを聴いていた。

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 カナルイヤホンの奥、私の鼓膜前では『結構なお点前で』が、たゆたうようにかかっていた。万が一にも音漏れしない音量なので、遠く遠くで少女は教えてよわびさびと歌っている。

 緊急停止しました、というアナウンスはイヤホンを取らないでも聞こえている。風の強い日で、外の道路標識が揺れていた。いま思えば、風に加えて地面が揺れていたのだけれど。

 そう、電車に乗っていた私は。たぶん、私のまわりにいたひとたちも、地震だと思えなかった。置き石かなにかだと思った。脱線した、と感じた。死ぬかもな、と思った。思いながらも『結構なお点前で』を聴き続けていたので、私はきっと実際にいつか逝くときになっても、馴染みの本を読みながらとか、映画を観ながらとか、『Halo』は対戦ゲームなので相手に迷惑がかかるからやめておきたいが、バンもんを聴きながらとかで、あーあ、と諦めるのだろうと知る。死をシミュレートするくらいに、揺れた。いや揺れたというか、二度ほどの突き上げる衝撃として認知していた。

 ポケットのなかで携帯が震えた。
 Skypeの着信だった。ひとから請われる頻度は昨今圧倒的にLINEだが、私の側で選べるものならば古くからのユーザーなのでSkypeでつながっておきたい。結果、つながっているのはほぼ外人と家族。このタイミングでSkypeが入るということは、間違いなく家族だ。

 そうだった。
 モノが割れたりはしたけれどひとはみんな無事というメッセージだった。

 返信を書いた。

「地震なのか?」

 それではじめて、地震なのだと理解する。怖い。それは置き石よりも怖い。電車の車輪に線路のレールが食い込んでいる厚みなんてたかが知れている。さっきみたいに上下に揺れたら、きっと脱線している。

 やがて、その通りのアナウンスが流れた。

 脱線を確認しています。
 これにはしばらくかかります。

 文句をいうひとも、ため息を吐くひともいなかった。弱冷車だからだろうか。満員なのに。さいわいと言おうか、私は立っていたが背中は壁で、三方にはいずれも良い匂いのするおっさんだったから、三十分経ち一時間経ち、もぞっと動いて手が当たったりしても会釈で済んだ。密着しているのが女性だったら、倍は気をつかったし疲労困憊しただろう。

 実際、一時間が過ぎたあたりで、先頭車両のドアが開放されたこと、駅はすぐ近くにあり、そこでは水が出ていてトイレを使えること、がアナウンスされると、しだいに先頭車両へ向かうひとの流れができたが、私の体勢は変わらなかった。男ばっかりゾーンでは、まだまだ気持ち的には余裕があったのだ。メジャーデビューアルバムが終わってしまい、インディー時代の名盤を再生しはじめていた。

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 私自身のは試してみなかったが、まわりの状況を見るに電話はつながらないようだった。みんなLINEだ。Skypeでの会話も滞ることはない。スゴいぞインターネット。おかげで(妻が休みで家にいたから)、自宅でもグラスが割れるくらいには揺れたことを知り、ということは書斎のタワーPCも倒れた可能性があるなと知ってしまい、苦悩せざるをえなくなる。

 ケースが新品なのだ。触れただけですべるくらい、まだ置き場所に馴染んでいないのだ。

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『BTOを選択する』のこと。

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 データは自由の国インターネット網に随時アップしてあるから心配ないが、ハードなくして書きかけの原稿は進められない。買ったばかりなのにまたPC買い換えとか凹むなあ……と、どんよりする。生きていたから、どんよりできるのだ。そう、その時点で二時間に達しようとする缶詰状態。今日の出勤はないな、という諦めに達し、いかに自宅へ帰るかを考えはじめていた。

 そして、事態が動く二時間すぎ。

 脱線の確認から、線路の確認、全線の確認と推移してゆき、これにはまだしばらくの時間がかかる模様ですと伝聞アナウンスがなされていた、それが。

「少なくとも数時間かかります」

 になり、またしばらくして。

「復旧のめどは立っておりません」

 言い切った……

 それでも動かないまわりのおっさんたち。あくまでこの電車が動くまでいるつもりか。ごめんよ私は帰るよ。耳の奥では『ショコラ・ラブ』が流れている。ふだん白衣を着て仕事をしているので、あなたの白衣をチョコで汚したいというその曲は聴くたびに現実に割り込んでくるサイケデリックなイメージを想起させるのだけれど、さすがに先頭車両に向かって歩きはじめたとき、イヤホンを耳から抜いた。

 現実に帰ろう。
 列車を降りて、トイレへ行こう。
 ぼくは生きている。

 ホームにたどり着いても、やっぱり電話は通じなかった。通じないと通じたとき実は私の勤務先が超絶ブラックで「地震なんか知るか来い」という可能性もあるからホームで小一時間ほど座っていた。なんどめかのトライで、ようやくつながる。帰ってよし。そりゃ当然。処理上は有給休暇にしておきますとまで言われる。こんな休暇があるか。この時点で、六時起きで出て昼前なのだ。数時間弱冷車(電車が止まったあとは冷房が強めになった気がした。寒いと文句を言われることくらい熱中症で乗客が倒れることに比べれば、という判断なのだろうか)で着衣おっさん密着タイムをすごす有給。ホームで起きる混乱を警戒してか、改札の外でお待ちくださいという放送が流れているのに、改札へ行ったら閉まっていた。冒頭で書いたが、目的地に着いていないのに精算しないと出られない設定。理不尽な。

 出てみれば、ひとの流れがふたつ。
 いや、正確には、みっつ。
 動いていない流れがまず目についた。来てもいないバスやタクシーを待つ列である。呼びつけた知人の車を待っているひともいるようだ。しかしどう見ても道路の車列自体が動いていない。あとのふたつはもちろん、上りと下りのそれぞれに、歩き出すひとの群れ。

 ざっと計算する。
 地図では帰るまで十キロ強も歩けばいい。
 自宅からちょうど一キロほどのところにディスカウントスーパーがあって、よく行くのだが。歩いていくと、行って帰って三十分くらい。買い物時間を抜くと、十分一キロというあたりか。だとすると十キロ歩くには、百分。休憩を入れて、一時間半も歩けば届く。

 来もしないタクシーを待つより、たぶん早い。

 震源地を確認していないが、自宅の被害のほうがこっちよりも軽いようだから、近づくにつれて道路も空いて動いているかもしれない。

 梅雨とはいえ日差しが強烈だが、なんと今日は会議室をなんどか抜けてトイレで悪態を吐きながら顔を洗うことを繰り返すことになるだろうと経験上予測して、ふかふか吸水性抜群タオルを持って来ていた。首に巻いたら、うなじが日焼けして今夜枕が痛くて眠れないなんてことにはならないだろう。

 というわけで歩き出す。

 その後のツイート。

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Jun 18, 2018

・ ふだん乗らない満員電車で二時間缶詰になりホームに出て一時間、復旧のめどは立たずタクシーもつかまらないので十キロほど歩きと動きはじめたバスで帰ってきた昼下がり大阪。モニタ歪んでいるし外付け床に落ちていたがPC起動したよかった。ガスが止まっているが昨日の残り湯で汗も流せた。無事です。

・ 湯船の水、十キロ歩きで浸かってしまったから飲めないし、もういちど溜めなおしてくる。さっきまた揺れた。

twitter / Yoshinogi

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 その後の一週間で、数十回の余震。
 思えば、二十世紀末の阪神・淡路大震災のとき、早朝の揺れはじめで目が醒めて頭上に手をのばして生き延びた。あのとき眠ったままだったならば、眠る頭上に自分で設置したオーディオセットで頭蓋骨を割られて逝っていた。いまでは、落ちてきたら死ぬようなものが頭上に見えるところでは眠れない(そのせいで寝室と子供が入る部屋以外の壁は追いやられた本で埋まっているから起きているときに揺れればそれはそれで危険なのだが……眠りながら気づかず頭を割られて逝くのだけはイヤだ)。

 これはもう完全に人生の一部だ。
 揺れるところに棲んでいる。
 ここに生き続けるなら、またある。
 寝ているかも、列車に乗っているかも。
 今日かも明日かも。

 心底怖がるなら、揺れない場所というのは地上にはあるが、そういうところへこの国から移住すると、まったく揺れることを想定していない耐震性能皆無な街の作りに、かえって眠れなくなるかもしれない。隕石や核実験で地面が揺れることは地上のどこでもありうるのだし。

 怖がるのも大切だが。
 あらがえないところもある。
 そこそこ備えて、死ぬまで生きているあいだは、享楽にわれを忘れる時間が多くていいのではなかろうか。たまに乗った満員列車で見知らぬおっさんと圧死だミンチだがありえた世界線だと思ったら、わがままにむさぼって生きるんだと決意を新たにせざるをえない六月十八日の望まない有給休暇だった。




 今年もたのしいE3!!

 でも別にE3が始まろうが終わろうが、私は毎日プレイしている『Halo 5: Guardians』。

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『eスポーツとしてのHalo』のこと。

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 デイリーログイン徴発パックがいただけるのは毎日のことなのだけれど、数日前からプラチナ徴発パックなどというものが突如として現れ、パニックになった。

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 買ったおぼえがなのに、クソ高い徴発パックが引き出しに入っていたのである。世には酔狂なひとが多いもので、ギフトもできる徴発パックを私の引き出しにそっと入れておいてくれるなどということはままある。

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 しかし、そういう場合は、パック上に贈り主の名前が出るし、XboxLiveメッセージも自動で入る(おかげで男同士なのにバレンタインパックとか贈ってくるかなふつうという懸念も隠しオフで会いましょうなどという空気にならず贈り物には感謝感激というニュアンスを含めた返答を各国語で書くスキルが身についたこの数年)。

 気づかぬうちに買っちゃうなんてことあるかなあ、と首をかしげていると、こんなメッセージが流れてきた。

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 これを記念してのE3期間、毎日ログインプラチナパックプレゼントだそう。

 確かに久々のヘイロー関連重大ニュースである。

 毎日汗を流すeスポーツなので、そうそうしょっちゅうルールが変わっても困る。『Halo 5: Guardians』が発売されたのは2015年の暮れだったから、ざっくり二年半ほどが経っているけれど、ネット対戦が実装された『Halo 2』から数えれば、もはや十年以上。『2』から『5』で十年を越えるので、ルール変更なしで過ごした年のほうがずっと多い。

 私はネット対戦こそ毎日だが、ストーリーモードを協力プレイではいちどもプレイしていない。いちどもだ。シリーズ通してだ。十年以上、対戦ツールとしては愛しても、そこで語られる物語を映画のように他者と共有したり繰り返し愛したりはしないできた。そのように『Halo』シリーズを競技アイテムとして捉えていると、別に『6』が来ようが来まいが『5』が健全に堅牢に稼働し続けてくれていればOKなのだ。

 なのだ、が。

 とはいえテレビゲーム。シリーズを追うごとに、映像や音響、レスポンスなどの面で新しくなるたびに快適になり競技への没入度が増してきたのは事実。そういう意味においては、たとえばテニスの新コートが建設されても芝が気持ちいいねとか土が足に馴染むね、なんて感想にとどまるのと比べ、eスポーツの新舞台リリースは世界そのものの変化ではある。

 『Halo Infinite』

 それが新作タイトル?
 ……『6』じゃなくて?
 インフィニット?
 『Halo』サーガには、UNSC( United Nations Space Command ) Infinityという全長五キロメートル越えの母艦が登場する。インフィニティ=無限大と形容される、いやいくらなんでもそんなにデカく造る意味があるのかという宇宙船。

 インフィニットだと、無限、と訳せばいいのだろうか。なんにせよ、ヘイローフリークであれば、間違いなくあの母艦を想起する単語だ。それがタイトルにつけてある。

 そして、この映像が流された。



 ややこしいことに、新作ゲーム映像ではない。つまり『Halo Infinite』のゲーム画面ではない映像を『Halo Infinite』を発売しますというアナウンスとともに流してきた。

 だったらこれはなんなのかといえば『Halo Infinite』のために開発された、新たなるゲーム描写エンジンSlipspace Engineの技術デモだそうだ。

 どこかの濡れた洞窟……水を飲む鹿……砂漠と湿地帯、疾走するサイに似た巨獣の群れ……水中、そして砂と水の境界をまたいで伸びる影と、着色されたスモーク。

 草木の生い茂る小高い丘に、ヘルメットをさげた機械兵。ものすごく引いた画で、爆走するワートホグが跳ねる。

 そしてさらに画が引くと、兵士たちを含めたそれらの大自然が、宇宙に浮かぶ超絶巨大なリングの内側にあることがわかる。

 それが『ヘイロー』。後光、光輪、という意味よりも、この十年で宇宙に浮かぶ人造居住地区リングのことを指すようになった。そのヘイローそのものを背景にして、ぶちあげられるロゴ『Halo Infinite』。

 無限のヘイロー。

 というフレーズが頭に浮かび、ゲーマーならば、広大なヘイロー世界を自由に散策できるオープンワールドタイプのゲームなのかな、と予感する。となると、映画的にがっちりストーリーを描いてきたナンバリング『Halo』の続編『Halo 6』ではないのか。

 いてもたってもいられずにヘイロー公式に請うと、もちろんとてもすばやくブログが更新されている。

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Our Journey Begins | Halo Infinite | Halo - Official Site

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 The team also heard feedback loud and clear on the amount of time spent playing as the Master Chief in Halo 5. In Halo Infinite, the game will focus on the Master Chief and continue his saga after the events of Halo 5.

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 と、書いてある。

 ヘイローインフィニットはヘイロー五のあとに続くマスターチーフのサーガを見ています。

 ですか。
 それってふつう『六』って言いませんか。

 頭によぎるのは、Windowsのナンバリングが9を飛ばして10になったこと。マイクロソフトはこれが未来だとでも宣言するかのごとく、日本の小学生はだれも知らないXboxなるゲーム機との連携を大胆に盛り込んできた。

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『Windows10でXboxOneをストリーミングするレシピ』のこと。

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 ぶっちゃけ、マイクロソフトはWindowsもXboxも自社のサービスが走るということでは同じものだから、そこそこ売れてサービスに課金してもらうのが大成功という、そこそこ高級ホストクラブ方式にシフトしている最中である。そこそこ売れるそこそこ高級というところが大事だ。千円の酒しか飲まない女を十人機嫌をとってアフターサービスするよりも、一万円を落とすひとりを見つめて姫と崇める商売がしたい。

 Windows離れ、などという言葉がニュースになるような状況は許されるものではなく、彼らはなりふりかまわず、Windows9をすっ飛ばして清廉刷新された自分たちをアピールしてみせた。

 言うまでもなく、Windows8が賛否両論だったからである。

 さてヘイロー。

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『Halo5: Guardiansの物語』の話。

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 その記事の最後で、私は書いた。

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 Amazonのレビューが賛否両論うずまいている、その大半の原因が物語にあるというのは、良いことです。お約束の欠如に期待を裏切られたと感じるひとと、小説や映画を巻き込んでハードSFなタイトルへ変貌遂げようとする心意気に拍手を送る層に分かれ、Halo信者同士の内戦が起こり始めている。いずれ、カトリックとプロテスタントのような流派が確立されることでしょう。一方は初期三部作を聖書とし、もう一方は次作でこそコルタナ受肉化無限増殖によってマスターチーフの後天的インポテンツ奇跡回復が成し遂げられると見せかけて驚きのマスターチーフ機械生命化なんて展開なんだろうなと夢見ながらまた裏切られることを心待ちにする……どんな愉しみかたも自由になる。
 争わないで。
 否。
 争うことさえも、愉しんで。
 そういうふうに、なればいい。

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 『Halo』信者たちのあいだでマグマのように熱が噴出したのは事実だ。いちおう書いておくと、スポーツライクな側によってプレイしている私は、物語の変化は純粋にニヤニヤしながら見られて大歓迎という派閥であった。

 で、そこで徴発パックの話にもどるが。
 私は、ギフトを贈られることはあっても贈ることはない(数度の例外はある。あなたは特別だった)。自分自身のためにも、金の力を使って新しい装備を手に入れるというのはしたことがない。だからプラチナ徴発などというものが自分の引き出しに入っていたときに大慌てだったのである。

 つまり、ストイックに毎日の対戦プレイを日常として、ブロガーのくせに『Halo5: Guardians』の物語の変化についてはいちどのシングルプレイで言及をやめた。私は、千円の酒さえも飲まない、『Halo5: Guardians』というソフトを購入しただけの客だ。まあ、広い意味で初代Xboxからの有料会員ではあるのでマイクロソフトの大事な金づるではあるはずだけれど、こういうやからは物語がどう転ぼうとも常に金づるであり続けるので、課金層最底辺として放置しておけばいい。

 昨今の彼らのビジネスモデルにおいては、物語がひねったものであった結果、ヘイローサーガに見切りをつけたものたちがいるというのは看過できない事実であったはずだ。結局のところ、ナンバーワンに立つホストというのは正統派でなくてはならない。もっと言えば、店自体がイロモノを扱っていると見なされては狙うべき顧客層がブレる。『Halo』は、これまでなんども超大作映画化を失敗してきたが、それもすべてはマイクロソフトが『トランスフォーマー』であり『スターウォーズ』クラスの映画を作ろうとしたせいだ。『Halo』は、そうでなければならない。彼らはそう考えていて、そう作ったつもりだったのだが、『Halo5: Guardians』は、正統ナンバリングタイトルとしてはひねったものとして世界に受け止められてしまった。

 そこで、こんなことになったのではないか。

 『5』のあとを描く。
 しかし『6』を名乗らない。

 『Halo5: Guardians』の、そのあとを描く。『Halo5: Guardians』で、ヒロインのコルタナは行方不明で、主役マスターチーフは追われる身となって、プレイヤーは伝説の超戦士を追う若造たちを演じることになったけれど、そこは主役のマスターチーフに焦点を当てなおす。

 上のHalo - Official Siteブログで、明言されている。
 
 Slipspace Engineの技術デモではあるが、マスターチーフがかつて着けていた旧式のアーマーなのは『Halo Infinite』のコンセプトを象徴している。

 ……つまり原点回帰というやつか。
 超戦士マスターチーフを描く。
 ヒーローが宇宙を救う。
 そこに尽きる、と。

 そんなもん、もちろん大歓迎である。
 『6』は、いらない。
 『Infinite』を寄こせ、そしてよかったら『Infinite 2』を出せばいいのだ。映画『スパイダーマン』方式だ。ウケなくなったら仕切り直せばいいのである。監督も役者も変えたってマスターチーフのサーガは続く。正しい。実に正しい。

 マスターチーフと違って、だれも明言していないが、コルタナも間違いのない正統派美女優あたりをスキャンした姿になって、マスターチーフときちんと触れあってくれるに決まっている。正統派において、美しいヒロインが美しくさらわれて美しく救われ、ヒーローに口づけるのこそが正義だ。そういうのを描くのは小っ恥ずかしいものだ。特に、いちどひねった方向性へ行って新キャラも出して複雑化したあとでは。

 でもやれ。
 やってくれるのだ。

 『Halo Infinite』が、『5』の物語を継ぎつつ正統へ回帰する。

 ああもう、そうなのである。
 たのしみでしかない。

 とはいえ、私にとってはもっとも興味のある『Halo Infinite』の実際のゲーム中での動作の映像などは、けっきょくE3のあいだは放出されなかった。まだ煮詰まっていないのだろう。何年もかけて新しいヘイローを作るためのエンジンという「道具ができました」というところ。すばらしい彫刻刀ができあがったのでその切れ味を見せてくれただけで、それによって彫られたこれまでに見たことのないような彫像が示されたわけではない。

 まだしばらくは『Halo5: Guardians』が私の日常です。

 徴発パックの件でいうと、いちども課金せず武器乗り物は100パーセント収集済みで、着せ替え用のヘルメットとアーマーが、どちらも97パーセントを越えて、あと数個ずつ。プラチナ徴発とか四枚も送り込まれたから、レジェンド級のアイテムがさらに数個やって来てしまってオール100パーセントになってしまいそう。これだけの年月プレイし続けているひとの大半がこうなっているはず。コンプリートを促進させるのではなく収集物を増やして欲しいです切実に。

 私のゲーマータグはYoshinogi。

 どうぞ、お声をかけてください。
 日本の日付が変わるころに、よく彷徨いています。

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 通常の使用では壊れないのかもしれないけれど。いや、そういう信頼性のある製品だからこそ不特定多数の子供の手に触れるところに置いているのかもしれないけれど。

 結果として破損しているのである。

 店頭でモノを売る一員として、気持ちは実にわかる。モノにはイメージを増幅させる方向=箱から出さない。で、販促POPなどを大々的に展開したほうが売れるたぐいの毛色と、それとはまったく逆のアプローチで攻めずにはいられない毛色というものがある。

 つまり、自分がまず箱を開けてさわってみたいと思い、みんなにもさわらせてみたいと思うような猫。

 トランスフォーマーの玩具というのは、そっちなのだ。

 私が幼いころからトランスフォーマーというのは存在していたが、昨今では、実写映画化され過剰にデコられたデザインのものが玩具化の主力でもあり、足を折りたたんで頭をひっこめたらほらロボットが消防車(みたいな車)に変形するという程度だったむかしのそれがイメージとしてある私と同じような世代の店員さんが、近ごろの「どんだけ部品あんねんっ」そしてそのことごとくが「どんだけきれいにカチッとハマるねんっ」というような製品群に、「これはみんなにさわらせたいっ」と思ってしまうのは、やむをえない。

 あまりつっこんで考えてみることのないことではある。しかし考えてみればファミコンがやっとピコピコしはじめていたような世紀に、玩具設計者がコンピュータを使っていたわけがない。紙に定規だ。金型職人さんもまた手作業だったに違いない。そもそもアニメーション制作が完全に手作業だったのである。それで、ヒト型ロボがパトカーに変形できていたのだから、それはそれで、ものすごいことだとスタンディングオベーションすべきことだ。

 それがCGの世紀になって、映画やアニメのなかでもロボットは雰囲気ではなくちゃんと計算しつくされて変形するようになり、玩具も肉眼では測れないような正確さで小さな部品がカチリとハマったりするようになった。

 私は、プラモデルのバリ(金型からはみ出た製造のムラ)をヤスリで削ってカチリとハメるのが当たり前の時代に生まれたから、バリなどあったら即返品交換になる現代の精緻な玩具を扱うときにも、神の両脚の最奥を中指の先で刺激するときのようにやさしくふれるが。生まれたときからコンピュータで縫製された一分の狂いもない産着でくるまれた計算の世紀の子たちは、逆説的な意味で、設計者をひどく信頼しきっている。

 さあ遊んでみたまえ子供たち、と店員の差し出した見本品を、いとも簡単に壊す。なんだかもう年寄りの愚痴みたいになってしまうが、私の幼いころには、ロボットの関節なんて正しい方向にだってそっとていねいに曲げてやらないとガキッとなってパキッといくことが多かったのである。それを親に見せに行っても、製造メーカーが悪いなどと言われたことはいちどとしてない。正しい遊びかたでメイドインジャパンの製品がいともたやすく破損しても、買ってあげたのに壊しやがって大事にあつかうことをおぼえろと、私が怒られたものなのだった。

 最新型のバンブルビー。

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 メーカー設定の対象年齢は五歳以上。
 息子がつい先日、三歳になって、なにが欲しいと訊いたら「バンブルビー」だと言う。驚いた。トランスフォーマーをいっしょに観たことがなかったので。私が、子供も観られそうな映画のディスクをリビングに並べておいたのを、最新作からさかのぼって観て、実写映画化第一作にハマったらしい。なりたての三歳児にもわかるのに、映画化トランスフォーマーはどうして最新作になるほど観客が集中できなくなる作りなのか謎である。

 そのあたり、制作総指揮なんて名前だけとよくいうものの、第一作には、自身の子供と日本製のトランスフォーマーで遊んだことが映画化のきっかけと公言しているスティーヴン・スピルバーグの魂が強く宿っているような気はする。現場で「うちの息子が奇声をあげてよろこぶような感じで。よけいな描写はいらない」と声を張ってくれていたのだろう。ハリウッドトランスフォーマーシリーズも十年が経つので、新たな養子を迎えたというニュースも聞かないスピルバーグ家的には、直接的な熱はもはやあまりないのかもしれない。

 そうか……そしてつい先日発売された三千円くらいの五歳向けバンブルビーが第一作のモデル? いいとも買ってやろうさ、とオモチャ屋に行ってみて、それを目にした。

 バンブルビーがバッキバッキ。
 鍛えあげられているという意味ではない。壊れている。あのなあ店員。壊れたならかたづけておいてくれよ……たぶん、出したその日にはもう壊れていたのだと思うが。いかにも折れそうなところが折れている。これを買いに来て、いかにも折れそうなのが本当に折れているのを現物で見せられて、買うやつはまあいない。

 と、ここで、息子が予想外の反応を示す。

「こっち……」

 ん? ああ、コンボイ……というのは、ミクロマン時代の呼び名か。いまは、オプティマスプライムだな。息子が発音するといつも「マス」が抜けて「プライム」は「ドライブ」になり「おぷてどらーぶ」というような謎キャラになってしまっているが。バンブルビーがちゃんとバンブルビーと呼べるのに対し、あんまり興味がないから名前も呼べないのかと思っていたのに。

B079VKG1QD

 スーパーカーよりもトラック好きだから、カマロよりもこっちというのはわからないではない。映画では、オプティマスプライムがでかくてゴツいトラックだというのを見逃していたのか。オモチャとして目の前にしてみると、純粋に好きな車種としてこっちだったのか。

 でもこれ、さっきのバキバキバンブルビーと同時発売の同じシリーズなのだ。店頭に見本は出ていないが、きっと同じ思想の設計で、同じ強度で……

 迷う私の目の前に、彼がいた。

OptimusPrime00

 瞬速変形と書いてターボチェンジのルビ。対象年齢こそ同じ五歳以上だが、あきらかに本格変形オプティマスプライムでは細かいパーツになっているところが一体成形されている安心感。そして安くてデカい。あら、これ。

 好きなんちゃう?

 差し出したら、三歳児の瞳が輝いた。
 即決。解決。よかった。

 買って帰って(選ばせておいてプレゼント包装も頼んでまた夜開けさせて)、さっそく変形させてみた。

 意外に造形が、ややこしいバージョンのコンボイ様と変わらぬコンボイ感。

OptimusPrime01

 最後尾に、どう見ても足に見えるパーツが残っているのが残念ではあるが、ここを固定したことにより、ヒト型ロボに変形したとき、がっしりと大地に立つ。足首の可動がグラグラになって自立できなくなるというのはプラスチック変形オモチャあるあるだ。そしてたいてい破損も手首と足首から起きる。それを回避した。ターゲットがしっかりしている設計なのだ。うちの子に、乱暴にあつかってみやがれそれでもわたしは壊れないプライムなのである。頼もしい。

 コンボイの運転席部分を、がばっと外すと、一直線形状になる。

OptimusPrime02

 この時点ですでに完成が見えているので、なりたての三歳児でも、迷わず邪魔な運転席をヒト型にしたときでいう背面に移動させる。点が三つあればヒトの顔に見え、手脚があって直立していればヒトにしたがる。それがヒト。

OptimusPrime03

 この動作のとき、自動で両腕が左右に開く親切設計。運転席を背面に移動させるのに、まず胸板を広くするという、車型ロボではよくある手間が、見事に排除されている。

 そして自立する。

OptimusPrime04

 まさに一瞬。慣れると見ないでコンボイロボコンボイロボと胡桃の実をコリコリやるみたいに両手指の運動だけで行ったり来たり可能。

 胸のボタンを押すと、ぱしっ、と小気味よくスプリングで射出された金色のバトルヘルメットなるものをかぶったりする。

OptimusPrime05

 この簡単変形ターボタイプトランスフォーマーのバンブルビーの肩は、とても映画には出演できないほどでっぱっている。

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 でも、オプティマスプライムは、黙っていればちゃんとカッコいい。製品として付属の武器の類はないものの、両手には武器持たせ穴が開けてあって、おもちゃ箱のなかにいくらでも落ちているその手の武器を装着することはできる。足首と同様手首は固定してあるが、肘は曲がるから、いちおう銃を構えているゴッコ遊びはできなくもない。

 一晩のうちに自在に変形させるようになった三歳児は、なにかをおぼえた猿のように変形させては「カッコイイ……(タメイキ)」を繰り返して恍惚としている。シンカリオンごときでも、ときどき行き詰まっては「ひっかかったっ」と親の手を借りにくるので、立派バンブルビーなど与えていたら、そりゃもう呼ばれまくりだったか、曲がらない方向に曲げて早々に破壊したか。それが、ビッグコンボイ様のおかげで、なんという微笑ましい時間を過ごせていることか。

「映画やアニメでうちの子をたぶらかしたのなら、もっと簡単に変形できるトランスフォーマーを売りなさいよ!」

 と、対象年齢高めのロボしかなかったので仕方なく買い与えたら変形できないわ壊れるわで、そんな要望を強く出しておいてくださったみなさまのおかげで、今日の我が家は平和なわけだ。

 今年はバンブルビー主役のスピンオフ作が公開予定。



 フォルクスワーゲンとか、旧アニメ版やね丸っこいの来た。バトル超大作よりもファンタジーに寄ったデザインで、いくぶんシンプル。いい具合に変形しやすく、なおかつ頑丈な新バンブルビーの設計を、お願い申し上げます。買います。

(軍服姿のジョン・シナ様(見えっこない、で高名なプロレスラー。上の予告編の1:47秒に出てくる)も素敵なので、量産されるわりにまったく似ていないアメリカンプロレスラーフィギュアに対抗して、日本産のを作ってくれたらそれも買います)

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タカラトミーモール