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『ゴブサタノイイワケ』のこと。



manuscript

 次回は、などと言いながらさっぱり更新できていませんが、それもこれもこんなものを作っているせい。今月書き上げた原稿は20×20の原稿用紙文字数でプリントアウトという縛りのあるせいで、非常に手間。推敲するのに一度プリントアウトはじめると(私の愛用しているのは高速モノクロレーザープリンタ(こいつの旧機種を愛し中。このシリーズ。とても出来が良いプリンタです)だというのに、それでも)、プリントアウトのあいだに週刊少年ジャンプが半分以上読めてしまいます。ちなみに原稿用紙換算枚数で1000枚。文房具も扱う店の店員なので、閉店間際のレジで毎日のように500枚入りのPPC用紙を何冊も買って帰ります。非常に不経済です。レジっこたちのあいだでも「吉秒さんはなにをあんなに毎日印刷しているのか、もしかして怪文書でも街でばらまいているのだろうか」と噂されているに違いありません(被害妄想。もちろん直接訊かれますが、言葉を濁して謎のある男を演出してみる毎日です……にしてもモニタで見ると見つからない誤字脱字がプリントアウトすると見つかるのはなぜなんだろう)。綴じ糸で綴じた原稿のカタマリ(という感じだまさに。厚さは10センチを超える)を見つめていると、手書きで原稿用紙に小説書いていた時代の人たちは、こういうカタマリをまさしく「作る」感覚で書いていたのかもしれないなと思った。創作というよりも工作。そして、工作であるがゆえ、1000枚をパンチして糸を通し、机の上にどんと置いてみたら、いかにもできあがった気がして気分が良い。それにしてもだ……画面で書いたものを印刷するのではなく、直接原稿用紙に書いていた文豪たちは、推敲するためのプリントアウトなんてもちろんしないのだから、絶えず書く文字が完成稿の一文字だったということ。いくらでもいじり回して、10分少々で印刷し直せる私と、もう消すことのできない最後の一文字を最初から書く緊張感のなかでの執筆者と。どちらの言霊により強く魂がこもるのか。いやもちろん負けはしないさ私のほうが言霊を操っていると、胸を張って言える覚悟は持っておきたいですよねこの便利な時代にも。つーか便利な時代なのになぜどこの出版社もいまだに紙に印刷させて送らせるのかね。思うに「読む」ためのすばらしい装置がまだ開発されていないからだろう。紙が一番読みやすいんだ。不便でも。毎日配って回る面倒くさい新聞はニュースメールにとってかわられはしない。しないのかな本当に……数年後には、紙の本はなくならないなんて発言していたのを恥ずかしく思うことになるんだろうか。どっちかというと先端でネトゲーとかいじっていたりする私ですが、それでもそれはなんだかいやな時代だなあと、感じてしまうのは私が古びつつある証左なのでしょうか。この時代でも、かたくなに原稿用紙を使う人はいる。そんなふうに「新聞は紙に限るぜ」と高い金払ってわざわざ紙の新聞をがさがさ読むようなのが、レトロでハードボイルドだと呼ばれるようになってしまうんでしょうかしらん。でもこの紙の束、このカタマリ、わくわくするんだもの。見つめているとニヤけてしまいます。詰まってんだよ、ここに。

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