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『キラメイグリーンのパンツ』の話。




 最近になって、そこそこコントローラーをあつかえるようになってきた四歳の息子に、ボコボコと壁にぶつかりながら車を走らせる以外のゲームもさせてみようと、いろいろプレイさせてみた結果。

「ミハルやろう?」

 と、言うようになった。
 彼女の名前。

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 平野美晴。私はセガ下町育ちのぬるぬるのセガっこなので、ぜひとも『バーチャファイター』のほうに食いついて欲しかったが。

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『Virtua Fighter 5 Final Showdown』 / Microsoft Store

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 格闘システムがどうとかいう問題ではなく、彼は、ヒラノミハル嬢を動かす沼に堕ちてしまった。

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『鉄拳タッグトーナメント2』 / Microsoft Store

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 Xbox360ゲームの多くはXboxOneでもプレイできて。『鉄拳タッグトーナメント2』は、以前、ゴールド無料配布されたから所有しているけれど、私自身は、ほぼプレイしないで放置されていた。

 それがいま、もっとも我が家で稼働するゲームソフトになっている。

 まったく勝てはしない。というか勝つ気もない。それは『鉄拳』ではなく、平野美晴なのである。

 他の女性キャラも眼前に差し出す。女子プロレスをいっしょに観るので、ルチャっぽいマスクマンの女性キャラなどどうかと。いや違うと。ミハルのなにがそんなにいいのかと、見ていたら、どうも登場シーンからニヤついている。

 ミハルは、鉄拳の著名な女性格闘家キャラの友人という設定。それゆえ「え?あたしは闘わないよ?」というスタンスの言動をくり返す。見た目も、格闘からはほど遠い、下着……いや、水着、ビキニ。デニムのホットパンツで下を隠してはいるが……ジッパーを開けたままでビキニの下が覗いているのは、狙うにしてもあざとすぎるという感さえある。

 そんな彼女を、ニヤつきながら勝つ気もなく動かすことに悦びを見出している四歳児。よろしくない。水着の女性キャラを愛でるのはいいとして、彼女を闘わせて勝たせるためにコントローラーを握っているのだという意識のないのはよろしくない。

 そんななか、この春から新スーパー戦隊『魔進戦隊キラメイジャー』(ましんせんたいきらめいじゃー)が放送を開始した。初回を観た。イエローの戦士が、eスポーツのスーパースターという設定。TVゲームにチャンピオンがいるというのも、いくつかのeスポーツ番組をいっしょに観るので、息子は認知はしている。『鉄拳』は『バーチャファイター』のeスポーツ化を事実上阻止して普及したタイトルである。おおむねセガのゲーム機からXboxという流れで生きてきた者には、世界に誇る日本新戦隊の一員が詳しい説明もなく職業ゲーマーだと設定されたことは、胸中複雑な想いもありつつ、だからこそ、あったかもしれない並列世界の光景を夢想しながら眺める現実として、こういう時代が来たのだという感慨も深い。

 生まれて初めてふれたスーパーヒーローがeスポーツの選手だったから。だから自然と私もそういう道へ進んだのです、というエピソードが、いつかプロチャンピオンの口から当たり前に語られる世界への端緒。

 憧れるがいい!!

 と願いつつ観ていたら、息子が食いついた。
 キラメイグリーンに。
 速見瀬奈。
 なかのひと新條由芽。

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 グラビアアイドル連れてきて、ホットパンツでダンスさせる。



 もちろん、それを売る。



 プレミアムバンダイの速見瀬奈パンツ。役者サイズで作ってある。たいていのひとが身には着けられない。着けさせる気はない。一万円のパンツを買って愛でろという公式の開きなおりかたはすさまじく、キラメイグリーンは陸上競技アスリートの設定。

 オリンピックイヤーだしな。

 でも……どう見ても、ホットパンツにヘソ出しタンクトップという短距離走者の高等衣装が、オリンピックイヤーに育つおさなごらへ「走れ!」と夢みさせるために設定されたとは思えず。むしろ私に対するサービスかと感じ入りつつ自己嫌悪感もおぼえながら息子のとなりで観ていたら。

「ぼく……グリーン好き……」

 つぶやいている。
 まんまと。
 そうか。
 肌色の露出に弱いだけか。
 そろそろ女湯には子供だからといって入れてはいけないお年頃。
 健全といえば健全ではあるけれども。

 とりあえず。
 『鉄拳』のミハルを着替えさせた。

TTT2M2

 キラメイグリーンだよ。
 ありものでさくっと作ったのでクオリティはプレミアムバンダイのキラメイグリーンのパンツに遠くおよばないが。肌色を隠してみた。

 最初は顔もマスクで覆ったのだが、さすがにそれは平野美晴ではないというブーイングを受け、はがす。かわいくないという注文もつけられて本人に選ばせたら猫耳が付属した。

 いやというほどデフォルトビキニ平野美晴でプレイしていたので、着替えさせられるというだけで悦んでいる。その姿を眺め、そういう性質というものは、学習によって後付けされていくものなのだと確信する。

 控えめな言動の少女が肌色を露出しているところに恋した少年は、いま、その少女が緑色の全身スーツで覆われたことに興奮している。当初の萌え要素からはズレて、一段ステップを上がったのか、それとも慣れによる感覚の鈍磨か。キラメイグリーンのコスプレをさせておいてそれを脱がせる行程を経ないと……という育てかたをしたいがためではない。私はただ、好きなキャラで闘って勝つという悦びを感じるプレイを後進へと勧めたいだけだ。そのはずなのだが。

「ミハル、キラメイグリーンや」

 うれしそうな彼の、ゲーマー魂を鍛えているようには、どうも思えず。別のなにかを育んでいる気がする。教育とは、なんだ。どうするべきなのだ。

 平野美晴のカスタマイズ衣装には、メイド服もスク水もあるが、それらを目に触れさせたくはない。と思う自分に問う。それらこそ、短距離走者の衣装に萌えるよりも高度な、圧倒的非現実を愛でるというヒトにだけ可能な思考遊戯であって、後付けしなければ発達しない感性。それを親だから先輩ゲーマーだからという立場なだけで排除していいのか。だいたい我が家には、毎週、週刊少年マガジンが転がっていて、非現実的なコスプレ少女の肌色多めな巻頭グラビアは、新聞のいち記事と同じように摂取されている。コスプレビキニ満載の東京女子プロレスを観戦しながらの夕餉で家族の会話がなされている。

 萌えは多いほど人生はゆたかではないか?
 だったら萌え幅を広げてやるのは良いことではないか?
 犯罪者を育てることにつながるのか?
 それは私が決めることか?
 決められることなのか?

 がっつりXboxOneにもマイクロソフトアカウントにもペアレンタルコントロールはかけてあるが。『鉄拳』がプレイできなくなることはない。

 ちなみにCERO(Computer Entertainment Rating Organization)のレーティングでは、eスポーツの大会で多く使われる格闘ゲームのほぼすべてがセクシャルとバイオレンスの表現において12歳以上、もしくは15歳以上の区分である。だが、格闘ゲームをプレイするeスポーツの中継はテレビで朝からやっている。今年に入って、神戸の中心部には大きな格闘場が建った。

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esportsアリーナ三宮

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 キラメイイエロー木原瑠生(きはらるい)は、eスポーツ界のNO.1プレイヤーで、シューティングゲーム部門賞金ランキング1位。という設定。シューティングゲームとはなんだ。FPSか。『Halo』か。

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『eスポーツとしてのHalo』のこと。

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 『Halo 5: Guardians』はCEROレーティングで17歳以上しか触れてはいけない。銃持って異星人を排除するのだから。バイオレンスしかない。そうでないシューティングゲームはあるのか。ないのなら日曜の朝から幼児に夢みさせるヒーローがプレイして賞金まで稼いでいるのは不適切ではないか。

 ん? キラメイジャーが、そもそも銃も剣も持って異星人を排除していませんこと。CERO区分どうなってんだ。これは親としてクレーム入れるべきか。でもたぶんいまはキラメイグリーンのパンツに対するクレーム処理で大忙しだろうから、少し待ってからにするか。スーパー戦隊の女性比率が低いのはけしからんという声に応えてのグリーンが女性という希有なところを踏み切ったのかと思ったら肌色倍増計画にしか見えないことに、私とは別の意味で興奮しているヒトも多いに違いない。キラメイピンクも医者設定にわざわざ美人すぎるなどとつけ加えて闘いをみずから生んでいくスタイル。否も応もある。それがヒトの世。令和の世。

 ヨシノギタクミは『魔進戦隊キラメイジャー』を応援しています。

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 余談ですが、それも後付けで学習するものだという観察事例。

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 レゴのマインクラフトというシリーズがあって。マインクラフトというのはスマホでもプレイされるくらいに認知されたマイクロソフトの権利ブツで。



 我が家ではマイクロソフトのゲーム機がリビングにあって。そこにマインクラフトがあって。

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Minecraft | Xbox

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 あ、レゴの。やりたい。やらせる。

 と、ずっと上を見てる。
 教えてやる。
 いつのまにか、こんどはずっと下を見てる。

 FPSにおける、移動と、視点の操作という概念が理解できない。直感的にわかりそうなものだけれど、いくら教えても前に歩きながら上を見て、自分がどこにいるのかわからなくなる。いわゆる3D箱庭系のゲームでは、もれなくそうなるため、ソニックアドベンチャーだとかバンジョーとカズーイだのも、あらぬ方向を向きながら歩くためゲームにならない。カーレースがちゃんとプレイできるのに、FPSの視点移動はどうしてもできないのだった。そっちのほうが簡単な気がするが、簡単かどうかという問題ではなく、たぶん猿もできない。自分の生きている実際の目は画面をまっすぐ見ているのに、画面のなかの自身の生きていないアバターは違う方向を向く、というのがわからない様子。それはヒトがおぼえた芸で、後天的に学習と特訓をしないと身につかないもののようだ。

 そんなわけで、我が心の故郷FPSヘイローユニバースを、彼といっしょに旅することはいまだできていない。広大な世界で、彼は上を向いてしまって、あれこれどうなってんのと訊くから教えてもいっこうに理解しないから。

halo55


 

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