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『ベビーパウダーの危険性』の話。

2019年11月07日17:22  未分類 写真あり



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 マクドナルドでもらった、マクドナルドのサンバイザー。機能はしないヘッドセットつき。総プラスチックの逸品である。

 マクドナルドといえば、英国でのプラストロー禁止法に先駆け、紙のストローに切り替えたらマックシェイクが詰まったとか。純正プラストローがオークションで十万円落札とか。ご苦労なさっている最近。

 たとえばレールフェスというようなイベントに行くと、子供は運転手の帽子をもらう。

 厚紙製。

 別にそれで困らない。なんなら名前が書けて、かえって愛着がわくくらい。

 ちかごろ、マクドのハッピーセットもプラスチックの玩具ではなく、小型の紙の絵本が選べたりして、むしろそれがいいというひともいる。

 だったらサンバイザーも紙でよさそうなものだが。

 やはり、玩具となると、難があるのか。ハッピーミール料金にコミコミなオモチャの価格。プラスチックと紙のマクドナルドサンバイザーを、左右それぞれの手に持ったドナルドが湖の底から浮かび上がって訊ねる。

「ユー、どっちすル?」

 紙の帽子を選ぶ子はいるだろうか。いても、そばに立つ金銭を払った親が、なんだか損した気分でプラスチック製を推したりはしないだろうか。

 そんなこんなの折衷案で、昨年から日本でも感動的なTVCMが流れている。

 幼児みずから、地球のために玩具卒業を決意。店舗の回収箱にそれを返す。

 ところでハッピーセットといえば、トイ・ストーリーもおなじみ。でも今回のCMに、ウッディもバズも出てこない。

「バイバイまた逢おうね」

 と手を振らせたら泣けるのに……

 2018年は127万個を回収。

 それらの玩具は10万枚のマクドナルドトレイに再生された。

「また逢えたね」

 シェイクをすごく運びやすいよ。
 いやいや……
 玩具の折り紙化を検討するよりも、ふにゃっとなる紙ストローよりも、トレイは紙ダンボールで代用品がすぐ作れそうな気がする。なんなら椅子もダンボールでいいんじゃないだろうか。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 先日、ついにユニ・チャームさまが夢の技術を完成させたと発表。

 使用済み紙オムツをリサイクルして新品の紙オムツに再生できた!

 すごいことである。育児も介護も、いまや布オムツを使っているヒトなんていなくて、吸水ポリマー内蔵紙オムツが当たり前で、匂いの消えるゴミ袋やら悪臭を花の臭いに変えるスプレーやらまで流通して、お世話する人々の快適度合いは上昇し続けているけれど。固形物はトイレに流せても、いったん吸水ポリマーが吸った水分は戻せない。つまり世界中のお世話される人々の飲んだ水が、吸水ポリマーという樹脂に溜められて、燃えるゴミとして各家庭から出る。

 使用後のオムツは、ほぼ水である。ほぼ水を焼却するというのは、天才でなくてもわかることに、おそろしく効率が悪い。水を集めて燃やして二酸化炭素が出て地球温暖化が進んで砂漠は増えて飲み水に困るひとが増えるというパラドックス。なにやってんだ。

 それが、使用済みオムツを集めればまたオムツにできるというならば、毎週水曜日をオムツの日にしてオムツだけを回収して、またオムツを売ればいい。ユニ・チャームさんの発表によれば、再生の工程は再パルプ化と浄化だそうだ。ざっくり言えば刻んで漉いてもういちど紙にまでもどして洗浄するという感じか。たぶん工場は病院のような匂いのする清潔環境なのに違いない。

 そのニュースを読んでいて、別のことが頭をよぎった。

 私は薬屋だ。都会に棲んでいる。昨今、自転車や乗馬を嗜む女性が増え、なにかと聞くのが、股ずれ。不思議と女性ばかりなのは、太ももの丸みというファクターが影響するのだろうか(男性は逆に胸に丸みがないからなのか、走るひとの乳首ずれという問題をよく聞く)。

 薬屋に話しかけてくるようなひとの場合、すでに傷状態にまでなってしまって治療のためのステロイド剤を探しているということが多いのだけれど。すべりを良くする二大巨頭、ワセリンとベビーパウダー。その片割れに、悪いニュースの流れたことが、彼女たちを動揺させているというのを肌で感じる。

 ここで社名を出すとアレなので、ニュースに触れていないかたはご自身でググっていただきたいが、海外で某社のベビーパウダーが発癌性があるとして訴えられまくっているのだった。

 ベビーパウダーという名前の製品なのだから、世界の幼児を抱える親御さんたちがパニック化しそうなものだけれど、訴えたひとたちが、ものすごくピンポイントな使いかたをしていたために、あまり世間では問題が深刻化せず、逆に言うと、薬屋ではつっこんだ話になりやすいニュースでもあった。

 長年、ベビーパウダーを女性器に使用していたら卵巣ガンを発症した。

 というのが主旨。大型の賠償判決が出た例があり、裁判所は大にぎわいだが、商品自体はいまも流通している。

 ごくふつうに考えて、これだけの年月、世界中で赤ん坊にベビーパウダーをはたき続けているのだから、その使いかたではまず大丈夫と見るのが妥当である。しかして発癌性というくくりでいえば、焼肉にもコーヒーにも発癌性はあるわけで。

 コーヒーを日に二リットル飲むひと程度に不安になるのは、股ずれ防止に、ベビーパウダーを自身の股へはたいていた人々である。

 で、やめてみた。ベビーパウダー派のひとは、ワセリンのぬめりですべりをよくするというのが気持ち悪いというのを聞く。転向はせず、ただベビーパウダーを、やめた。ずれた。薬屋へ行く。私がいる。

 下着の上から内股に、くらいだと影響ないですよねえ。

 みたいなことを言われても、大丈夫ですよ、と私が返すのもおかしなことで。薬屋は診療を禁止されているので、それでは見てみましょうか、というようなセクハラさえ言えない。訴えられまくっている某社も、そんなことは実証実験しようがない。なにせピンポイントで女性器にはたき続けたら女性特有の病が発するという話。訴えられても、反論するのさえむずかしい。

 ベビーパウダーは自然のモノだというのがまた、話をややこしくしている。ベビーパウダーというのは、タルクという石。私は幼いころ、毎日のように母が勤めるブティックの前で、延々とブロック塀に蝋石で宇宙船のコックピットを描いて地球から離れようと試みていたが、あの蝋石がタルクだ。

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 蝋石を砕いて粉にするとタルカムパウダー、つまりベビーパウダーになる。そして困ったことに、蝋石の採れる地層には、石綿も埋まっている。アスベストである。加工しやすくて燃えない建材ということで、積極的に大型建築に使われまくったあげく、強い発癌性が後年になってあきらかになった。

 ベビーパウダーを作っている某社が、タルクにアスベストが混入する危険性を知っていながら隠していた、というのも大々的に報道された。

 ……そりゃ知ってはいるだろう。だからといってベビーパウダーを自然界から採ってくるそばにはアスベストもいっぱいあります、などと宣伝するわけもないから、それは隠していると言えば言えるのだろう。

 プラスチックとアスベストの抱える問題は似ている。使いやすくて丈夫だから普及して、でもあとになってみれば、細かく細かくなっても決して消えることはないくらいに丈夫なために、動物の体内に入りこんで蓄積して細胞までもを傷つけることになるとわかった。

 細かく細かくなったプラスチックは、もうすでに地球の海に溜まっているのである。魚に溜まり、またそれをヒトが食べる。

 かといって、ベビーパウダーが怖いから使うのをやめたら股ずれして薬をさがすような動転ぶりもいかがなものか。

 ひねくれた視点で見るのがクセ付いている私は、プラスチックのオモチャをトレイにしてしまうと、より廃棄されやすくなるのではないかという懸念を抱かざるをえない。人形に魂があると見つめて話す子はいても、プラスチックトレイを抱いて寝る子はいない。それは人類にとって、二次的、三次的に、さらなる使い捨て商品へと姿を変える原料になりやすい。

 逆なのではないか。

 プラスチックのオモチャは劣化に劣化を重ねて加工され粗悪な使い捨て樹脂パッケージへと姿を変えて粉になり海に流れ出る可能性を持つ。

 だったらハッピーなドナルドは、使われたオムツを新品オムツへと浄化するように、本来なら海に流れ出て行きかねない海岸の廃プラスチックを回収するムーブメントを起こし、そのプラスチックを回収浄化してプラスチック玩具へと再生。最終的に海からずっと遠い子供部屋へと格納する運動をすべきなのでは。

 いつまでも地球が保たないことなど知っている。

 テレビくんの付録みたいな、厚紙製の仮面ライダーの変身ベルトをハッピーセットのオモチャにしようなんていう消極的な延命策よりも、地球からいただいた石油を使い捨てないで使い切って、人類が滅んだあとに地球は残さない。おいしくいただく。この惑星といっしょに滅ぶのだという人類の気概による美しい最終ラウンドを、いつまでもゴングは鳴らさせない、いつまでも続けてやるんだという相反するあがきによって根性を見せたとき、観客たる天上の神も、なんだこいつらプラスチックのオモチャと笑いあって逝くってか。なんてあきれ顔で、思わずちょっと拍手くらいはするかもしれぬ。

 ふつうに考えて、暑くなるいっぽうの終わりかけたここで二酸化炭素が増えるのでクーラーの電源を切りましょうというのと同じくらい、地球にいいからといってプラスチックのストローや玩具を天然素材に置き換えましょうというのは、なんらかのジョークを盛大にやっているように見えてしかたない。

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(これを書いているさなかに、パリ協定から抜けると某国の大統領が言い出した。もちろん盛大なバッシング報道を受けているが、その叩かれている内容を読むと、そもそもパリ協定の目標が達成されても地球の気温は産業革命以前と比べて3度程度上昇するのは避けられないというなかで、あの大統領の国が抜けたら気温の上昇幅がさらに0.3度ほども拡大する可能性がある。という。私はプロレス好きなので観ていたプロレス団体にも参戦していた某大統領を、好きでも嫌いでもなくフラットな興味対象として眺めているが、どっちにしろ近いうちに年中夏になって氷が溶けて島国は沈むということがあきらかになっているなかで、いま額に汗する労働者のトラックを止めるだとか、地球にやさしくするために工場を止めろなどというのはけしからんと吠えるのは、彼の立場的には至極まっとうな決断だと見える。まぎれもなく愚かな決断だということには同意するけれども。もしもいま、なにかの天変地異で地球が太古の自然あふれる惑星にもどっても、そりゃヒトは、またクーラーを作ろうとするし産めや増やせや木を斬り倒せをはじめるに決まっているくらいに愚かなことは、ドクターストーンに詳しい)

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