最近の記事

スポンサードリンク

月別アーカイブ

『青木篤志』のこと。



 訃報。

 青木篤志。

 高速道路で、オートバイで。
 壁に接触。

 全日本プロレスの、まさにいま現在のジュニアヘビー級チャンピオン。

 ちょうど十年前、2009年、同じように初夏、私は書いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『NOAH新人事と取締役選手会長』の話。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「丸藤・青木×KENTA・潮崎
 なんてカードが、
 いまのNOAHの最高峰ではないかと。」

 十年経って、丸藤直道は日本メジャー三団体のチャンピオンベルトを獲った男になり、潮崎豪は現在のプロレスリングNOAHチャンピオン。KENTAはHideo Itamiの名で世界最大のプロレス団体に参戦していたが、今年に入って名前をKENTAに戻したため日本に帰るのかと思えば、つい先日、アメリカのプロレス団体の興行に顔を出して世界中でニュースになっていた。

 いかに十年前の私の目が確かだったかという証明が成されている。そうなのだからもちろん、その後、NOAHから全日本へと移籍して、マスクなどもかぶりながら常に独特の空気感で会場を沸かせていた現役の団体トップである青木篤志のことも、どれほどに愛していたかは、綴らなくても知れるはず。ジャイアント馬場の全日本プロレスからプロレス感染者(誤字ではない)となった私にとって、全日本プロレスから分派したプロレスリングNOAHでデビューした元自衛官が、己の信念によって全日本プロレスに移り、団体を支える選手となっていった景色は、人生における宝物である。

 原因は、現時点ではわからない。仕事に向かう途中だったということだけが報道されている。私も、高速道路をオートバイで走るひとり。トンネルのなかで、カーブを曲がりきれずに壁に激突するというのは、ほとんど考えられない事態だ。車と違って、運転中に居眠りできる乗り物ではない。整備不良……ということを考えると、ハンドルが切れず、迫ってくる壁……日本を代表するプロレス団体のチャンピオンが、そんなふうにして息絶えるなどということがあってもいいのか。

 信じられない。それはそうだけれど、私自身、家族からは常々、バイクを降りろと言われながら、危ないことは承知しているし、転んで骨折したことだって一度や二度ではないし、即死だってありうるとはわかっているが、そういう乗り物を選んで、気をつけて乗っているのだと主張している。

 大人のバイク乗りは、だれだってそうだ。

 チャンピオンであっても。わかっていて乗っていて、なにかのミスがあったのか、集中を途切れさせてしまったのか。

 逝きかけたとき「やっちまった」と思って、逝かなくて、しばらくバイクが怖くて、それでもまた乗りはじめて、いまも乗っている。正直、いまの愛車が走らなくなったら次を買うことができるだろうかと自分でも感じている。そういう期間、乗ってきて、終わりを意識すると、傷ひとつ許せないといった青春は遠く、走ればいいやという整備になりがちで。

 追悼と、ほぼ同量の、共感がある。
 そうなってしまったのか、なるなよ、全日本プロレスの王者でも、起こることは起こって結末に至るなどと見せてくれるな。気をつけて走れよ……という、当たり前の、遅すぎる、忠告を、自分自身にも言いながら、怒りも湧く。

 ありがとうございました。
 大好きでした。
 これからも、あなたの名前は口にし続ける。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

全日本プロレス 公式


TRACKBACK http://yoshinogi.blog42.fc2.com/tb.php/787-c947b0cc