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『ルーバーラティス修理中』の話。


 暖かくなってきたなあ、暑くなる前にオイル交換しておこう。と、買ったバイク用の二リッターのオイルを玄関に置いたらとたんに暑くなりすぎて。オイル交換なんて作業もうんざりだし、だいたいこんな日差しでバイクになんか乗れねえよとぶつくさやっているうちに九月になり。

 ほんの数日前にやっと二ヶ月以上前に買ったオイルを車体の内部に注いで、近所を一周して、バッテリー充電しようと思っていたけれど一発でかかったし、もういいか。次の休みにこそ、愛車を愛そう。

 と決意した日に、台風。

 ラティスも雨樋も飛んでいったよ大阪。窓開けられないので、閉じこもって三歳の息子とテレビを観ていたら(町の信号機は消えていたが、さいわいにも我が家は停電はしなかった)、先日、義祖母の葬儀で通りがかった南海電車の駅が丸焼けになっていた。雨が降り、暴風が吹けば火事も出る、と。ニコラ・テスラはトーマス・エジソンに対抗して交流電気の安全性を示すのにカミナリバチバチのケージ内部で読書をして魅せたそうだが。電車って直流で動いているのだろうか。ていうか飛んでいったうちの雨樋が電線を切ったりはしていないだろうか。とか思っていたら、飛んでいった波板でひとが死んだというニュースも見てしまい、ちょっと風がゆるんだ隙に捜しに出る。見つかった。

 ……で……

 実はここから別の話をするつもりで書きはじめたが、書いているさなかに北海道で地震があり、私の実弟は北海道で仕事中なので、あれまあとテレビに釘付けになってしまい、朝が来て。我が家の数日前の出来事も直視せねばと一睡もせずに庭を見る。

 あの日の台風のあと、飛んでいったラティスも捜しに出た。

 すぐ見つかった。
 大破して。

 もとはこういう商品である。

B0013L0WLM

 堅牢に作ってあって、これまであまたの台風にも耐えてみせたのだが、さすがに近所で海上の空港が孤立するというようなのがきて、その空港を作ったひとが「想定外の規模」とこのご時世に言ってしまうほどだったわけだから。木製のルーバーラティスが壊れて飛んでいっても、作ったひとを責める気にはなれない。

 しかしまあ、ルーバーだ。
 ルーバー(Louver)とは、羽板と呼ばれる細長い板を、枠組みに隙間をあけて平行に組んだもの。

 うち、駅前で人通りが多くて、フェンスはあるのだけれどそれでは視線も音も遮断しきれずにルーバーラティスをフェンスに重ねて取りつけている。何枚も。今回飛んでいったのは二枚。飛んでいったと書いているが、外枠は固定されていたから残っていた。

 つまり正確には、家のまわりにルーバー=細長い板が散乱していた。

 かき集めた。

 そしていま、一睡もせずに庭にかき集められたルーバーの山を見ている。

 買おうか。
 一枚、数千円だ。
 直せば、昼までにできるだろうか。
 とりあえず、状態を見てみようか。

LouverLattice02

 外枠のボルト。
 木が朽ちている部分もあるし、ボルト自体も錆びているが、それにしたってこの太さのボルトが曲がる風だった。そんなもの、ラティスで済んでよかったと祝ってもいいくらいだ。いや雨樋もなくなったけど。屋根は飛んでいない。

 触ってしまったらもうダメだ。
 直し始めてしまった。
 作りの堅牢さがこういう場合に、やっかいさに転じることを知る。

LouverLattice01

 ルーバーの一個一個に小釘を打ってやがるよ。なんて丁寧な仕事だい。接着剤でプラモデルチックに直す準備をしてからこれに気づいてしまった。ひろげた工具をまたしまう気にはなれないけれども……

 当たり前の話、ルーバーを嵌め込む穴のひとつひとつに、この小釘が残っている。嵌め込むにはまず抜かねばならない。堅牢なことに、ルーバーはぜんぶ飛んでいっているのに、釘はぜんぶ残っている。風で木がひしゃげて枠から引き剥がされたのか。恐ろしい風力だ。

 そういう作業を始めた。
 昼になってしまって、いま食パンをかじりながらこれを書いています。

 面倒だが、直らないものではない感触は得た。直して寝る。北海道の弟から連絡はないが、便りがないのは無事だということだろう。

 庭で作業しても平気なくらいに、秋。
 オイルは換えたが、今日も走り出せそうもない。
 これ今年が異常なんだよなあ、本当に、そう願う。


  

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