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『誕生日のプラレール』の話。




 ちょうど半年前、年の差カップリングの難しいところについて考察していた。

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『愛のそよ風』のこと。

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 そんなわけで反省して、今回は二歳差の血のつながっていない兄弟という、半年前の反省がなければ私が積極的に選ぶことはないだろうべたべたにベタなベターと思われる設定で書きはじめたそれをさっき書き上げて、けっこう最後まで本気でこれは『フェラチオと卵焼き』というアンニュイなタイトルで行く以外にないなと思っていたがせっかくベタなものを書こうと試みたのだからもっと穏健なタイトルをつけようじゃないか自分と自制までしてそれでも「試みた」などという表現を使っているところになんとなく初期設定がどうであれやっぱりそうなってしまったのねヨシノギさんかわいそうと遠くから不憫なやつだと眺めてもらえれば傷つかずに泣けます。

 で、まあ、いまの私は使えるタマをぜんぶ使ったあとなので空っぽで。こういうときこそ「徒然」なるというところの真骨頂であろうと思ってなにも用意せずに書き出している今回なのですが。

 夕べはなにしていたかというと、春餅を食べていました。
 春なので。

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『春餅/チュンピン』のこと。

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 ジャイアント馬場忌だったので。それすなわち、私の誕生日の翌日で、しかし当日は上の原稿を詰めていたので家族と食事を摂るような時間は作れず、翌日になったら妻が作っていてくれていたというのがここ毎年のパターン。ブロガーのよいところ。好きだけど作るの面倒くさいんだよね、などと書いておくと、作ってもらえるようになる。

ChunPing2018

 それ食べながら、バラエティー番組の録画したのを観ていたら息子が大興奮。あ、エロ話ではなくて、妻の子宮から生まれた本物の息子のほうなのですが。

 私、エロい話の多く、そして家飲みの作法の多くを、タモリさんがオールバックではなく前髪がさらさらだったころから観ている『タモリ倶楽部』に教わったのですが、哀しいかな現在、大阪在住。本放送からは数ヶ月遅れの放送(最近はちょっと追いついて一ヶ月差くらいか。でも関西特番で、放送休止でまた開いていく毎年の編成)。

 アイドル好きで私立恵比寿中学のサイトもチェックしているから、ぁぃぁぃが「タモリ倶楽部の電車回に出ました」という告知を夏に見ても、それが放送されるのは冬とかいう調子で、ネタを狙って録画するということがまあできない。いや、ずっと観ているので一回も逃さず録画しているから関係ないっちゃないにしても。そういう事情で、観はじめてはじめて内容を知る。昨日もそうでした。

 電車回だった。

『タモリ電車クラブ山手線一周ツアー(ただしプラレールで)』

 大会議場にいっぱいに敷き詰めるスケールで山手線をプラレールで組み上げ、二週にわたって大阪人の知りえない東京の電車事情をただただ語り、最後にはカメラ搭載のプラレールを走らせて、実際の風景を見たことがないのだから本物と比べようもない関西人を「お、おう」と言葉に詰まらせる企画だった。

 息子が、いままさにプラレール期。正月に、大阪でプラレール博があって、行って来たので熱はいま最高潮。放送開始したシンカリオンとか買っちゃったし(現場の魔法でアマゾンよりも千円も高く)。新幹線がロボットに変形するという、なんとJRがスポンサーで旅CMまで流れるというお墨付きでロボ変形アニメ。せっかく、はやぶさ! だとか こまち! だとか新幹線を見分けて叫ぶようになっていた息子が、それのせいで、新幹線を見たらとりあえず「シンカリオン!」と叫ぶ。いいのかJR。それで。

タカラトミーモール

 ともあれ、息子も新幹線には乗ったことがない。山手線も乗ったことはないが、プラレール好きにそんなのは関係ない。テレビのなかの、仮想山手線プラレール博に、このあいだ観たあれみたいのがテレビでまたやってる! と私の誕生日など、どうでもよくなっている。

 そして奇跡はそこで終わらない。タモリ倶楽部を堪能したあと、その週の『マツコの知らない世界』を録画してあったのでそれを観はじめたのだが。

 なんとこれがまたプラレール回。

 スタジオにタモリ倶楽部に輪をかけて大きなプラレール博を展開し、そもそも企画がプラレールにカメラを乗せて列車旅行気分を満喫しようというもの。日本中の名物が、プラレールの車窓から。

 もうねえ、息子半狂乱ですわ。あ、くれぐれも下半身のではなくてね。食事も終わって、私は自分のための原稿も終わったところだし好きなテキーラなど傾けていたわけですが(そういえば日本でテキーラのワンカップが世界先行発売されるというニュースを見た。酒が売れないのを逆手に取った、いい思いつきな気がする。割高なので私は瓶で買いますが。テキーラが普及するのは悦ばしい。がんばれ)、いよいよ誕生日なんて忘れ去られている。ジャイアント馬場が逝ってからもう何年が経ったろうか……なんて話にいたっては私も口にしなかった。遠くなるな、昭和。次の元号が始まったら、昭和がいまで言う大正だものな。大正デモクラシーなんて感じのニュアンスで昭和を思い出すのか。

 つくづく思った。

 二歳児が気が遠くなるほど興奮しているものを、大人もたのしみましょうという企画で実際にわいわいと盛り上がっているのが、大阪遅れのせいではあったにせよ週に二本も流れてそのどっちもをプラレールになんの興味もない子供のころに遊んだ記憶もない私がたまたま録っていて、きつい仕事の終わったあとの遅ればせな自分の誕生日に夜通し観ているのである。

 文化だ。
 思えば、まったく遊んだ記憶がなく、大人の趣味道的な興味も持ったことがないのに、私がプラレールという商品名を知っていること自体、スゴいことだ。

 そんなこんなのあった翌日の新聞で、別のとあるニュースを摂取した。

 我が家のテレビまわりを独占支配するレグザブランドでおなじみの東芝が、テレビアニメ『サザエさん』のスポンサーを経費削減のために降りて、その後継のスポンサー探しが進んでいた。その件に決着がついたというニュースだった。

 新スポンサー、西松屋、大和ハウス工業。
 そして、アマゾンジャパン。

 前の二社は、いかにも。
 少子化の進むこの国で、昭和の大家族を幸せのひとつの完成形として描いている『サザエさん』は、ベビー用品や新築マイホームを売るには、なくしてはならない日本の文化であろう。

 だが、その次。アマゾンジャパン。私のツイッターのタイムラインにも、その日は、サザエさんが財布を忘れて買い物に行くこともなく自宅でネットショッピングするようになるのかといったツイートがつらつらと流れていた。

 なにを狙って、噂では年間億単位という『サザエさん』のスポンサーに密林が。

 考えていたら、思い出したことがあった。

 息子、といっても下半身のではなく。上半身の? いや、なに書いているんだ私。ともあれ、さっきからプラレール期に突入中とお知らせしている我が息子の、最初に手にしたプラレールは、二歳の誕生日に祖父に買ってもらったものだった。

「なにが好きなんや」
「電車やねえ」
「ほな電車のオモチャ買ったろか」
「プラレールのセットがいいかも」
「どういうのか教えてや」

 と父が言うので、メールを送った。三千円ちょっとの、プラレールの一周まわる線路と新幹線のセットだった。とてもわかりやすく、アマゾンのページをリンクで送った。決め打ちである。そうしておかないと、調子に乗ってデカいのとか高いのとか買いかねない。彼が自分で画面で見てこれを選びましたよというテイで送った。

 さて、彼の二歳の誕生日。

「あれなあ、ケーズデンキもジョーシンも置いていなくてなあ、オモチャ屋ハシゴしたわあ」

 ……なぜ。
 私の父は、パソコンで株取引もやったりする、そこそこデジタルに抵抗のない人間である。実の息子ともメールでやりとりしているのだ。そこへ、私はクリックひとつでおそらく最安値で買えるアマゾンリンクを貼って送ったのだ。

 なぜ足で探しまわった?

「存在は知っているけど、アマゾン使ったことないしな。なんか怖いしな」

 アメリカでは実店舗の苦境によりトイザらスが破綻した。トイザらスジャパンはまだ気張っているが、リアルオモチャ屋が苦しいのは世界的な情勢だ。

 それもこれも、世界を制しようとするアマゾンパワーである。だれもかれもが、アマゾンで買い物をするようになった。孫のオモチャまでもを。

 だがしかしこんな近くに、それを「なんか怖い」と表現するオッサンがいたのである。パソコンを使って、スマホを持っているのに、怖いと。じゃあその機械はなにをするためのものなんだっていうくらいのレベルで意味がわからない。

 ……そういうことを思い出した。
 そして、すげえなアマゾン、と唸ってしまった。
 なんか怖い、のは、世界を席巻するアマゾンという名前の怖さに由来するところが大きいのではなかろうか、それが。

「東芝の跡を継いでサザエさんを支えるアマゾンさん」

 と、なる。
 なによりも「なんか怖い」と感じていた昭和生まれあたりに意識の変革をうながす効果があるだろう。サザエさんがネットショッピングをする回なんて必要ない。なんなら今回の『サザエさん』の新スポンサーに決まった、という新聞記事だけで、はじめてアマゾンで買い物する「怖くなくなった」オッサンたちが現れ、アレは、いちど買えば、にどめ以降は怖いもクソもないものだから。

 何億円? そんなもん。

 こうやって世界は征服されていくのですねと感嘆した。撃てる弾があって、撃てば当たる的がある。怖がっていた人民どもも、その国のマスコットキャラクターあたりを巻き込んで親しみやすさを訴えればイチコロだ。

 プラレールの新幹線がロボットに変形して視聴者はJRで旅に出て、日曜日に変な髪型の若奥さんがドジを踏む大家族アニメを観てネットショッピングが怖くなくなる。

 奇妙なことのように思えるけれど、そこにそういうCMが現実に流れている以上、世界はそういうふうに回っているのです。

タカラトミーモール



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