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『仮面ライダーアマゾンズのオートバイ』の話。




「ぼく運転は……」
「乗れますよ。アマゾン体なら、こいつとシンクロします」

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 ドラマ『仮面ライダーアマゾンズ』

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 前回、バイクの日に、仮面ライダーの新番組で生産中止になった車種を使うというやる気のなさはなんなんだと、ひととおりいきどおってみたのですが。

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『8月19日はバイクの日』の話。

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 書いてみてから、ふと思いだす。

 前世紀末。日本では排ガス規制という祭りがあって、多くのオートバイが、それによって姿を消したわけですが。仮面ライダービルドの乗る、XR230というバイクは、逆にこれに適合させるために生み出された優しいオートバイなのでした。もうちょい排気量の大きいXR250というバイクもあって、こちらは潔く、排ガス規制に適合させずに生産終了となっている。

 なんとか生まれ変わって検査をクリアしたXR230だったのですが、あの当時、どのメーカーさんもそうだったように、排ガス規制のために大急ぎで生んだ改造人間ならぬ改造自動二輪車といったおもむき。珍種というのは、正統進化した後輩が生まれたら、やっぱり消える運命。XR230も、前回書いたように、新世紀が始まってしばらく経ったところで、名を変え生まれ変わることになったのでした。

 なったのですが。
 仮面ライダーシリーズを観続けてきた身として、ぼんやりとした記憶ながら、あれ、『仮面ライダー THE NEXT』って、排ガス規制のあとだっけ? となって、調べてみた。

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 『仮面ライダー THE NEXT』には仮面ライダーV3が登場するのです。そのバイクが、ホンダXR250。平成仮面ライダーシリーズ初期にはXR250はよく登場するが、平成元年は西暦だと世紀末になって、映画やOVAの仮面ライダーは時代的にどこ所属だかよくわからなくなるのです。

 『仮面ライダー THE NEXT』は、2007年公開でした。

 だいぶんと新世紀だ。つまり、排ガス規制で生産中止になったホンダXR250が劇中で使用されていたわけだ。

 おや。
 いや、待て。
 あまりにXR250は仮面ライダーに登場するから、いまのいままで深く考えていなかったが……

 再度、調べてみた。

 おう、記事にもしたのに。その後の、『仮面ライダーG』でもXR250(ていうか『仮面ライダー THE NEXT』のV3ハリケーン号をそのまま流用した稲垣吾郎スタイルだったそうな。マリアージュ)

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『仮面ライダーG』のこと。

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 上の記事のなかで私が書いているのをセルフ引用する。

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 仮面ライダーの魅力とは、苦悩だ。
 ヒトを愛するがゆえにヒトに害なす悪と闘うが、仮面ライダー自身はその悪によってヒトに害なすために造られたイキモノであるという……だから仮面ライダーはヒトの愛におびえる。愛する自信がなく、愛される資格がないと思い込み、ただひたすらに自分にできること……ヒトのために悪に向かってライダーキックを放つのである。

 というのが、そもそも石ノ森章太郎原作の設定だったはずだが。
 いまも私がシリーズ開始を待ち望む(再開、ではない。開始せずに序章で終わったのである)『真・仮面ライダー』や、石ノ森本人が製作許可を出した最後の作品『仮面ライダーJ』、昭和ライダー20周年記念作『仮面ライダーZO』など、すでにときは平成になっていたがくり広げられた最後のあだ花ライダーたちの時代。まさに私のライダー熱は最高潮を迎えていたわけだけれど、ちょうどその昭和ライダー終焉とともに私の子供時代は終わり、平成ライダー第一作『仮面ライダークウガ』がはじまったころには成人していたので、すっかり仮面ライダーを見る視点が変わっていた。

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 すっかり視点が変わっていたのだが、私の求めるものは、ずっと変わらない。私は、仮面ライダーにルチャ・リブレを求めている。メキシカンプロレスである。

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 それすなわち、善玉は伝統的なマスクと華麗なマントの衣装で空を飛びドロップキックし、悪役は龍や骸骨のマスクでケタケタ笑って凶器攻撃だってするが、最後には滅ぶ。勧善懲悪な大衆演劇だ。

 そこへ日本のわびさびの心で、骸骨のマスクでバイクにまたがり、でもテクニコ(善玉)という仮面ライダー。そこを、私は崇拝している。

 突きつめると、ものすごく単純な一点が譲れない。

 正義の味方でなくてはいけない。

 その点が、少々怪しいので、好きは好きだしもちろん観てもいるのだけれど、ある意味、仮面ライダー最新作と言っていい、『仮面ライダーアマゾンズ』について、ここでもつっこんで触れたことはない。

 改造人間の悲哀は素晴らしくてんこ盛りだけれど、なんのために戦っているかというと、大声でこんなふうに言っている。

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 ぼくの意志で確かめに来た。
 ぼくが人間かどうか。


 ドラマ『仮面ライダーアマゾンズ』

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 冒頭で引用した、ボク運転は……、という無免許の仮面ライダーである彼は、自分が戦う理由を、自分が人間かどうかを確かめるためだと言う。ところで、『仮面ライダーアマゾンズ』の設定では、倒される怪人の側も、がっつり人間である。アマゾン細胞に理性を奪われているからもうすでに人間ではないという見方もできなくはないが、その設定は実のところ、洗脳されている程度だった昭和ショッカー軍団のみなさんよりも、被害者度合いは高い。なりたくてなったわけではないのに怪人になってしまって、仮面ライダーに狩られるのである。

 一方、その仮面ライダーの側は、それによって「アマゾンでも人間だ」というアイデンティティを得る。結果的に人類を救っているような気もしなくはないが、金で雇われた傭兵軍団に味方しているだけのようにも見える。自分のことで手一杯で、世界がどうとか人類がどうとかいうことは考えていない。

 もういちど言っておくと、ダークヒーローとしては、とても好き。ただ、ルチャ・リブレの善玉の立ち位置かといえば、明白に違う。子供があこがれる生きかたではない。骸骨なのに、改造人間なのに、あこがれの正義の味方なのが、純正品の私の仮面ライダーであるところなので。

 ……作品内容は、どうでもいいのだ。バイクの話だった。

 二十一世紀もずいぶんと経った、いまさら、排ガス規制の話をうんぬんするのもなんだけれど、いまここにある仮面ライダー最新作である『仮面ライダーアマゾンズ』の、仮面ライダーアマゾンオメガが、バイクの運転はできないのにシンクロして乗れてしまう悪徳企業の科学の粋を集めたオートバイこそ!!

 ホンダXR250だ!!

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 ……いやいやいや。後継車種があるって言っているでしょうに。排ガス規制で消えたXR。世紀末の話。普通に乗っていても、生産中止で十五年越えで、劣化したゴムパーツが宝石のように高価になってくるころあいですわ。

 なんであえて、XR250。
 ああ、そういえば前回、ハーレーダビッドソンがドン詰まりだという話も絡めたのでしたが、そこでも『仮面ライダーアマゾンズ』。バイクに乗れる赤いライダー、仮面ライダーアマゾンアルファは、大型のハーレーに乗っている。

 ハーレーって。仮面ライダースーパー1か。

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 というわけで、結論。
 私が、少し勘違いをしていたようだ。
 仮面ライダー年表を改めて眺めて、そういうことのようである。

 新番組『仮面ライダービルド』が、ホンダXRに乗っているのは、ググって危険なオフロードバイクを見つけて乗ってしまう子が出ないようにでは、たぶんなく。生産中止になってから十何年経っても、スピンオフなどの純正テレビシリーズ以外の仮面ライダーがそれを愛用しているところを見るに。

「スタントマンが乗り慣れている」

 ただ、それに尽きるのではないか。
 後継の新車CRFでは、アクションが鈍る恐れがあるので、泣いて「XRでヤらせてちょうだい」というスタントマン魂によるのでは?

 とすると、である。
 彼らは、反省したわけだ。

 前番組『仮面ライダーエグゼイド』の最終回で、想い出したようにエグゼイドはバイクアクションに挑戦した。

 フルCGでした。ぴょんぴょん跳んでいた。いっさいの白煙をあげず、タイヤも減らさない、スタントマン不在のバイクアクション最終回。バイクがその場跳びでラスボスの頭にタイヤでキックだ!! カッコイー。

 新番組『仮面ライダービルド』がこれを踏襲してスタントマンを使う気がないのならば、修理部品の調達さえ難しくなってくる排ガス規制の子なんて使うわけがない。エグゼイドはXRの後継シリーズにあたる新型CRFに乗っていた。つまりビルドは後継番組なのに同じ系統でバイクが古くなっている。反省のあかしだろう。オモチャ屋主導でなく、アクションの現場に舵を取らせないと仮面ライダーという看板が傷むと気づいたのだ。

 これは吉兆である!!

 というふうに前回の記事の結論を訂正させていただく。

 まあ、毎年、希望は希望で、およそバイクに関する我が仮面ライダーシリーズへの予測は当たった試しがないのだが。だからこそ新番組開始前に書いているのである!! 始まるまでは夢が見放題だからだ!! 私を哀しませるな!!

(ちなみにXRシリーズは、国外ではいまも販売されていて、逆輸入車を手に入れるのはそう難しいことではないし、完全に生産中止されたバイクに比べれば部品の調達も容易。スタントマン方面からの要望だったとしても、スポンサー的にOKとなりやすい理由はそのあたりにもあるのかもしれない。実際、私、どれくらいで買えるものなんだろうかとググりまわってしまいましたから(オフロードバイクに乗るなんてことは一生ありそうもないくせに)。どうせ売れないならば新商品販売にこだわらず、作品のなかで生きるバイクを使ってくれるならそれでいいわという方針なのだとすれば、売れなさすぎて悟りにさえ達しているかのようでもある。その悟りの境地で、バイクの新時代を切り拓くのが、やっぱり日本のメーカーだったらうれしい。どうせ電気にならざるをえないのだろうから、思い切った方向に振ってみればいいのになあ、と意外に現行バイク乗りが集まると、もはやバイクではないようなバイクの登場を待ち望んでいたりする、排ガス規制後の新世紀続行中。走るために作られたシンプルな機械であればそれでいいのです。高速歩行サポート機を脚にとりつけたライダーたちが高速道路を滑走するというようなのでも許容範囲だ。おれの脚、カワサキだぜ。悪くないと思う)




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