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『彼の帰還』のこと。



『リングオブライトの赤き光』のこと。

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 クロネコさんのいうところにゃ、彼は月曜の午前中に修理工場に届き、火曜日の午後にはそこから送り出され、水曜日の夜、いま、私の手元に戻ってきた。

 私は電化製品の修理を承ったりする仕事もしているので、それがどんなに素晴らしいことかよくわかる。

 着いたその日に修理して、翌日には発送。そんな修理工場は世界中探したってXboxリペアセンターだけである。

 素晴らしい。
 素晴らしいのだが。

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 こんないかにも悪そうな子が
 本当に悪いわけないですから!


 久米田康治 『さよなら絶望先生』

406363650X

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 そういう心理で。
 私の脳裏に妄想が浮かぶ。

 来る日も来る日も山のように届く不良発生Xbox360を、ビルおじさんは金に糸目をつけずに雇った十五万人の修理工員たちに修理させては即座に送り返させているのではないでしょうか。

「へえめずらしいですね。うちの360が壊れましたか。ああでも安心してください、このマシンはめったに壊れないので、リペアセンターはヒマでヒマでしかたなく、ほらその証拠にあなたの360が届いたらすぐにマザーボードを交換して翌日にはお返しできました。なんせヒマなので」

 そんな感じ。
 十五万人の修理工員は、日本中で販売された十五万台のXbox360の持ち主に、一人一人マンツーマンで担当し、待機しているのに違いない。だとしたら、半年以上も私の担当工員さんにはヒマな日々を過ごさせてしまったわけで、いや別に私は悪くはないとは思うが悪かった。

 まあなんにせよ奇跡の速度で返ってきたので『Halo2』起動してみました。

 あーハードディスクは無事だ。でもマップパックが消えているし本体の設定が初期化されている。アップデートだダウンロードだ。なんだかんだでもとの状態に戻るまで三十分。

 プレイ開始。
 一時間経過。
 問題なし。

 今回のことで本当に思った。
 Xbox360の中身はほとんどパソコンである。
 それも赤字のかたまりのような、原価と売価が逆転している超絶お得マシンなのだ……それが、続々と修理に出され(実際、私の友人も二度目の修理に出しているくらいです)、そのマザーボードやDVDドライブを無償でなおしては二日で返す。どれほど割に合わない事業か、考えてみれば子供でもわかる。
 だが逆説的にそれをとらえるならば。

 そんなマシン、買わないと損じゃない?
 もともとが赤字のかたまりのマシンを、ビルおじさんはもうけ度外視で普及のためにイメージ戦略を打っている。ソフトなんて買わなくても毎週のように無償でダウンロードできる新作ゲームの体験版。壊れれば着払いで送ってください二日で返します。普及の遅れている日本のユーザーに対しては、まさしく至れりつくせり。

 夏が来たから壊れたのかどうかは知らないが、それこそ子供でもわかるくらいに360は熱を持って動く。発売前にわかりそうなものだが、そこはもうなんかあったらあとからでもどうにかしようという、とにかく発進して戦場にたどり着き闘うんだという。そういうマイクロソフトの前のめりの戦い方は、私は好きだ。

 世界中には、もはやリコールできないほどの数、360が出回っている。
 ビルおじさんは、そのすべてのマシンに責任を持つ。
 ヘイロー中毒者も、本体が壊れたって三日待つだけ。
 禁断症状も、三日なら抑えられる。

 いや、本当に、実に素晴らしいよ。
 とか本体暴走したのにあんまり褒めるとみんなに深読みされそうなのでこのへんでやめるが。
 いや、本当に素晴らしいよ。

 不満などなにもない。
 ただ、送り返されてきた彼の躯は、一ミリの隙間もない360発送専用箱に入れられていた。
 その箱は、すぐ取り出せる場所にしまいました。
 ええ。
 今回は、大きな紙で梱包して彼を送り出すのがちょっとだけ面倒だったけれど。 
 今度は、もっと快適迅速に、その箱に入れてクロネコさんの伝票を貼りつけるだけでいいわけですから。
 ぬかりないね、ビルおじさん。

 密かに交換されたマザーボードは改良されていて、もう二度と壊れない奇跡のマシンに生まれ変わっていると信じたいものですが……それは望みすぎでしょうか。

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