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『幼児をテレビまわりに近づけないための方策』のこと。




 そんな話ばかりで恐縮ですが、だってやつのおかげで私のルールも家のルールも根底からくつがえされていくのだもの。それ無視してほんわかほかの話などできましょうか。まあできなくはないがな。でもここは私の『徒然』なので、あわてず騒がず、思いついたままに行くのが流儀なのです。死にそうなときでもラブストーリーは書き続けますが、ここでは死にそうだと書く。そういうところ。

 で、今日のお題。

 大晦日に私は仕事でいないのに友人たちが私の家に集まって息子とじゃれあっていたそうなのですが。あとで、言われた。

「タクミくん、あのフェンスを彼はもうすぐ越えてしまうぞ」

 私は答えた。

「越える前に理性が育つと踏んでいるんだ」

 で、そこから半月ほどなわけですが。

 早々にやつはその一線を越えやがった。理性なんてまったく育っていない。おむつも取れていないしかもそのなかに脱糞しても報告もせずその状態をなぜか隠れて維持しようとする人間にもなりきっていない未成熟生物が。

 ああ、話が前後しますが、フェンスというのは、2015年の12月30日に私がツイ-トしていた、それ。

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・今年も終わるが、今年の半分しか肺呼吸で生きていない新人が私の大切なオーディオビジュアル群に向かってハイハイしだしたので、フェンスを買ってきてリビングの一端を完全に隔離した。結果、うぉおと吠えながら金網と格闘する四つん這いの息子の頭越しにUFCを観るというシュールな展開。

twitter / Yoshinogi

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 その年の暮れも、友人たちがいた。子育て経験者な女性陣には、あらタクミさん上手に隔離したわねえ、と褒められさえした出来で、上のつぶやきを漏らしている私も、おうおうUFCファイターの真似してクラウチングスタイルで攻めるつもりかいベイビーなどとヨユーシャクシャクシャクの観戦状況だった。

 使用フェンスは、こういうの。

B000S6EAC0

 たいていのベビーフェンスが、大人は乗り越えられるがベビーには難しい50センチあたりの設定なので、45×180センチのメッシュパネルを二枚。これで八畳間まで横幅びっちり埋まります。重なった部分は補強と考え、結束バンドと、壁にはL字金具で固定。

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(なにかをなにかに取り付けようとするとき、結束バンドという選択肢を一般的には思いつかないひとも多いようです。でも、これ使い始めたら、なしでの生活なんて考えられない。我が家では庭のウッドフェンスや物干し台と物干し竿など、屋外でもくくれるものなんでもくくって固定している。昨今、急速に地球上を覆いはじめている太陽光パネルの工事も、結束バンドでおこなわれることが多い。ねじ釘ボルトよりも信用性の高い固定具が、こんなにお安く。使わない手はありません。銀行強盗するときに人質の手首を縛るのにも使えます。ちょっと値の張る結束バンドなら、プロレスラーでも腕力で引きちぎるのは不可能)

 そうして、数万円するベビーフェンスの代わりに数千円で、しかもUFCチックな見た目でリアル金網の向こうに異国の金網映像が映り戦士が吠える魂滾る仕上がりとなったのでした。

InfantNeedle02

 その一年後。

 身長80センチだけれど100センチサイズの服がちょうどいい彼は、フェンスに足をかけて登ることをおぼえた。たららったたーん。ファンファーレが鳴ってレベルアップした感じ。本当にある日突然。不可能が可能になる。そしていちどおぼえたら、その日の午後には止めても止めてもくり返すことのできる習得済スキルになっている。

 リビングのフェンスの向こうのテレビまわり、二台のレコーダーとひかりテレビチューナーと、録画機能のついたテレビが、それぞれに外付けハードディスクを二十四時間唸らせて録画を続けているのです。

 おそろしい。ああ、なんておそろしい。ピコピコLEDを光らせて回り続けるハードディスクが、その意味を理解しない一歳児の手と足によって、ばーん! その内部に数百時間の厳選された録画がそれぞれ詰まっているのにですよ。私が今夜観る試合が、明日観る映画やドラマが、ばーん! ばーん! バーン! うわーん!

 泣きます。

 こりゃもうダメさ。ああそりゃそうさ。でもしかし、これ以上フェンスを高くすると、テレビの画面にかかるのです。いくらなんでも、完全なる金網越しに金網ファイトを観戦するなんていうのが日常になっては、気が休まらぬ。

 テレビの位置を高くするか。首が痛いな。

 だったらどうするか……

 彼を観察する。両手でフェンスの上部に掴まり、まず右脚をかけ……それだ! オイルを塗ろう。足をかけたら滑るように。バカですか。そういう発想になるくらい、追い詰められていたということです。

 足をかけられないように。足をかけられないように。フェンスでなく板に。でも向こうにレコーダーの類があるので、まったく見えなくなってしまうと不便きわまりない。なんだどうすればいいんだー。

 考える前に、ググれ。

 ググってみた。幼児に、近づいてはならぬ場所をならぬと教える方法。ジョイントターフに関する記事が、いっぱい出てきた。ほうほう。

B001B1PSQI

 グリーンだけでなく、グレーやブラウンの製品もありますから、室内でもまあ見た目には許容範囲。プラスチックでちくちくする。裸足で踏んだら、確かにおっとなりそうですが……慣れてしまわないかな。ちくちくごときでは……

 と、考えて、もう少しどぎついのでないとうちの子は止まらんのではなかろうかと悩む。となるとアレか。でもあれは駆除用の製品だぞ? ころんで目に刺さったりしないだろうか。あれこれ考えつつ、ホームセンター製品では頑丈すぎるので、100円均一のお店に行って、ためしに買ってみた。

InfantNeedle01

 ネコよけジョイントトゲ。
 なんと15センチ幅100センチで百円。

 結束バンドで留めると変更がむずかしいから、まずは綴り紐で仮に設置してみた。床ではない。彼が足をかける位置に、地面と垂直にである。

 すると逆にトゲを避けて高く足を上げるようになって、ものすごく不安定な体勢で登ろうとする。いわゆる高飛びのベリーロールみたいな。しかも不完全な。運良く向こうに落ちて背中から。頭から落ちてもそりゃそうなるさという感じ。

 こりゃいかん。

 結果、すなおに、フェンスの前に15センチのトゲ地帯を作ったのでした。
 いまのところ、私の勝利だ。
 数日経って、陥落していない。

 ときおり、ぎゃ、と声がして、見ると妻が足を押さえて泣いていることがあるくらい。大人でも痛い。というか体重があって踏み込むぶん、大人が痛い。彼は、こいつあなんだろうなあ、と思案顔である。いまはまだ、乗り越える勇気がない。先日降った雪が、彼にとっては初めての手にとってさわれるくらいの雪だったので、雪合戦しようぜと外に出てみたら、白い世界に泣きだしてしまった。さわれるぜ投げられるぜと見せてやっても、雪玉から逃げようとする。そういう慎重さはあるので、しばらくは黒くてトゲトゲなのが床から生えてきたのを、研究して暮らすのでしょう。

 陥落したならば、次の手を考えますが。願わくば、彼が彼の意志で、そこにある機械は大事なものだからさわってはダメなのだということを、わかって近づかなくなってもらいたい。言ってきかせるのも並行しつつ。

 早く育てよ、理性よ。ほんとに早くしてくれよ……

 

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