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『押麦? 平麦? もしくは、玄米』の話。



RolledOats.jpg

押し麦。
三合の白米を炊飯器に、いつもの水加減で。
そのうえに洗わない押し麦。
カップ一杯。
さらに水をカップ二杯。

押し麦は、
麦:水=1:2。

白米の水加減は、
米:水=1:1なので、
麦ってめっちゃ水を吸う。

それはつまりスポンジだってこと。
繊維質=便秘解消。
ダイエット。

「平麦ありますか?」

はい、これ。

「これ押し麦ですけど?」

同じものです。
この会話、最近の定番。
ちょっと前は、もち麦だったが、なぜかいま流れは「平麦」。あえてそう呼ぶひとが多いのは、どこかのメディアの影響でしょう。例によって私、健康番組に興味ないのでよくわかりませんが。

そもそも某プロレス道場を真似て、玄米食だし、キシリトールガム中毒。ビールも好きだし。おなかゆるいのが日常で、便秘とか、むしろ飲みすぎた翌日は逆の悩み。押し麦の水溶性繊維など必要ない。

……のですが。

「効きます?」

実際のところどうなのかと、訊かれるのです。白衣を着たひとは、店の品をすべて試しているとでも? しかし、そうか、ふだん玄米食であるからこそ、押し麦に代えてみて、なにか、話せることがあるかもしれない。

思って炊いてみたのでした。
炊けるにつれ麦の香りが……
麦焼酎のようではなく、どうもひとの体液を連想する香り。
むせるような生々しさがある。
なるほどクセになるひとがいるはず。

食べてみた。
もきゅもきゅしている。
スポンジだからなあ。
水を二倍含んでいるのだから。
そりゃジューシーだわ。
旨味でいうと玄米の勝ち。
餃子定食なら押し麦でもアリ。
濃い味の料理と相性よさげ。
いやいやそうじゃないぞ。
私が求められているのは、味の解説ではない。
効果があるかだ。
しばらく食べ続けてみました。
結果。よくわからん。
だから、もともとゆるいんだって。
ダイエットを語るには、
まず太る必要がある。
その真理に突き当たり、気づく。
痩せるのに効く食べ物とか、探し歩く時点で、方向が違っている。
こんど訊かれたら、答えたい。

「便秘にはある程度は効くでしょう。ダイエットなら食べないほうが痩せます」

……言えないがな。
体重を落とすために、なにかを口に入れたがるひとの、あまりの多さには、目まいさえおぼえるときがある。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 たとえば『ナイシトール』に代表される、いかにも肥満を改善いたしますよというふうな、おクスリ。

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 あれらは、中身はどれも防風通聖散という漢方薬で、注意書きには必ずその一文がある。

「脂肪太りで便秘のかた」

 やはりそれありき。腸に食べたものが何日も滞在すると、栄養を100%吸収してしまうために太る。ならば出せ。

 でもそれならば、『ヨクアサデール』というような便秘薬ネーミングで売ったほうがわかりやすい気がするのですが。製薬会社さんは言う。いやそこは漢方ですからね。その他の効能だって複合的にいろいろあるわけで……だから『ナイシトール』……わかりやすいなあ。そうかなあ。

 平麦もそうですが、そのダイエットロジックには、もっと明快に明瞭に明白な解答が与えられることは、薬屋でなくたってわかりそうなものだ。

 腸に溜まろうがなんだろうが、100%吸収されても過剰にならない程度のものしか口に入れなければいい。水を飲んで太るひとがいるというのは嘘だ。

 たーべーなーけーれーばー痩せーるーのーでーす!

 そりゃそう。
 質量保存の法則。
 宇宙の真理。

(乾電池を重さで残量があるかないかを判断する大阪のおばちゃんは多いですが、よほど年月が経って中身の液漏れとか蒸発とかしていないかぎり、消耗しても電池の重さは変わりません。質量保存の法則あるかぎり。お客さん相手にコレも言えないことですけれど。当たり前のように「あらほんとこれ軽いわ」というひとは多い)

 ふまえて。

RolledOats2.jpg

 炊くとこんな感じ。
 麦って、もともとは外殻が固くて水を吸わないので調理しにくいもの。それをローラーで外殻破壊して白米といっしょに炊けるようにしてある。

 で、思う。
 
 押し麦を野菜のように使えば、ざくざく食物繊維が摂れてしまうのではないかと。

 安直に、パエリアにひとつかみ蒔いて炊いてみた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『基本のパエリアのレシピ』のこと。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 このように!!

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 楕円に一直線の褐色なエロティシズムが描かれているのが押し麦。食べてみた。まずかった。味がではない。

「固っ!!」

 つまりそういうこと。やつが水をおどろくほど吸ってしまう結果、全体の水加減がまったく足りないことになり、アルデンテすぎて食べられないパエリアになる。

 ダッチオーブンに水を足し、蒸し焼きなおした。ほとんどいちから作りなおすくらいの手間。そしてもちろん、焦げ目がつきすぎた。

 クソ麦が。
 入れたのは私だが。

 注意を喚起したい。

 押し麦とは野菜ではなくスポンジである。ヘタになんにでも入れてしまうと、くっそ不味いことになる。

 買ってきた外殻破壊済みの麦の、パッケージに書いてあるとおりの食しかたに、とどめておきましょう。

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 後日談。

 我が家では米を炊くと170グラムに計量して冷凍庫に保存する文化があって、なにも考えず私が麦ごはんを冷凍していたら、妻が白米が残っているものと思って炊かずにいたため一歳の息子の食うものがなくなり、別に麦がちょっと混じっているくらい平気だろうむかしのひとは主食で食べていたのだし(麦アレルギーのないことは判明済み)、と食わせてみた。

 結果、さすがにここへ写真をアップするわけにはいきませんが、目で見てわかる効果がありました。 膨張した楕円に一直線の褐色なエロティシズムが描かれているのが混じった、大量のそれ。まさにスポンジ。一歳児の腸の短さと直径を考えると、まさにスポンジを飲み込んで内側から洗ったみたいになにもかも出てきた。

 あれに似ています。
 『ウィズワン』が老舗。

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 膨張性便秘薬。植物性の吸水ポリマー的ツブツブを腸にぶっ込んで、水分を吸収させて膨らませるという。

 これはあれですね、薬屋だからこそなおに、だったら顆粒でいいじゃないとか、錠剤で代用できるとか、そういうことを考えてしまうけれど……そうではない、クスリでもサプリメントでもなく「食品」を「食べて痩せたい」派閥の方々が一定数いらっしゃるということなのだと考えるべきで、そう考えるならば、そういう派閥に属する方々の懸念というのは「解決しても依存はしたくない」というところなのではなかろうかと。

 だとすれば、食べ続けるという観点においても、栄養の面でも、やはり私は麦よりも玄米の派閥に属します。そんなねえ、白米にちょっと混ぜたくらいの麦って。かといってかつての日本人のように、麦100パーセントを主食にしようと思ったら、あんたそれはもうエンゲル係数上がるぜ。

 その点、玄米はプロレス道場で鍛えるか食うしかない新人選手にばくばく食われていますしな。私もばくばく食べていますしな。やはりばくばく食す派閥の力で価格は下がるわけです。費用対効果。クスリでもサプリでもなく、食品として論じるならなおのこと、そこは大事なところではなかろうかと考えたりするのでした。



 

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