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『基本の中華ちまきのレシピ』のこと。


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 ちまきを作ります。
 否、作りました。

 かの地からは遠い場所で暮らすようになってしまったけれど、だからこそ生まれた村の言い伝えを次代に継承するのが語り部の役目。

 それ忘れたら、三代も過ぎれば端午の節句はストロベリーパンケーキを食すものとかになりかねない。初節句で食べられる離乳食として出されたそれを息子は頬ばっていて、みなに写真を撮られていたので、だれもなにも教えなければ、彼は彼の幸せな記憶として、五月五日にはイチゴパンケを食べるものだと大人になっても習慣づけてしまう可能性は多いにある。

 参考記事。

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『初節句中華風』の話。

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 それを言ってしまえば話がもとにもどって、端午の節句そのものが原初の日本にはなかったわけで、どこかのだれかが中華大陸から持ち込んだモチ米料理を「この日に喰う」と勝手に決めてしまったということではあるのだが。でもだからこそなんでもそうだからこそ。吟遊詩人は、おのれの目で見た感銘深きものを詠み、次代を方向付けるのが役目。長老がストロベリーパンケーキよりも中華おこわの竹皮包みに心ときめかせたのであれば、やはり、かの日は、この料理でなくてはなあ、と貫禄もって言うのが役目。

 なんだかよくわかりませんが、ボーイズフェスティバルの日に、ほの甘いうえにパンチのない上新粉のモチなんか楚々と頂いたところで、男の子が横綱にもグローバル・オナード・クラウン・チャンピオンにもなる気がしない。同じ竹皮に包むなら米だろ。三合くらい、ひとりで喰え。

 前置きが長い!
 中華ちまきデス!

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○材料

もち米 3合
豚バラ肉 200グラム
たけのこの水煮 100グラム
干し椎茸 ひとつかみ

(春の節句の料理なので、絞めた肥えた豚と、掘ったたけのこ(水煮を買ってこないで、掘ってきたのを茹でるのが最良には違いない)、もどし汁を使うので干し椎茸は入れておきましょう。あと、干しエビ、にんじん、豆類、うずらの卵、などは、お好みで。今回の写真では、にんじんとうずら入り)

醤油 大さじ2
砂糖 小さじ2
酒 大さじ3

(基本のレシピと銘打ったので砂糖と書いていますが、私はみりんに置きかえて作ることも多いです。砂糖抜きでみりんならば大さじ2。逆に中華料理回帰を目指すなら、醤油大さじ1プラスと、塩もひとつまみ。味の濃い薄いは、それぞれなのでお好きに)

炒め用ゴマ油 大さじ2

包むための竹皮。
もしくはアルミホイル。

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○作りかた

1. もち米を洗って水に三時間以上つけます。干し椎茸も水でもどしておきます(どうせ刻むので、一袋百円とかのカット干し椎茸でよし。もどし汁をあとでカップ1ぶん使うので、あまり多い水でもどさないように。濃いめのもどし汁を入手しましょう)。竹の皮を使うならば、それも水につけておく。

2. 材料を刻みます。たけのこの水煮は、歯ごたえ具材として大きめに切ったものがあってもいいかも。うずらの卵を使うなら、茹でて剥く(これも水煮が売っているのでそれ買ってきてもいいですが。生のほうが安いですし。熱湯で三分。時間を短くするだけであって、ニワトリ卵と同様の茹でかたでつるんと剥けます(参考記事/『ゆで卵の正しい作り方』のこと。))。

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3. 中火に熱したフライパンへ、ゴマ油大さじ1を入れ、豚バラ肉を炒めます(上の写真の右半分は米に混ぜ、左半分はおにぎり中心の具材です。おにぎりの中心は豚肉が煮えるほど高温が維持されません。この炒め行程で豚肉の半量には完璧に火を通してとりわけておいてください。焼けていない豚肉は怖いです(法律で生食豚肉を提供することは禁じられているのに、自分でわざわざ危険をおかすような真似はしないように。あと一分焼いておこう)。加えてゴマ油大さじ1。もち米を除くすべての刻み具材を炒めます。

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4 もち米も入れ、炒め続けます。米に火が通り、半透明になってきたところで、椎茸のもどし汁、カップ1を投入(多ければ減らし、足りなければ水を足して、カップ
1に調整してください)。調味料も入れ、水分がなくなったけれど炊きあがったというにはゆるいくらいのリゾット状になるまで炒めます。

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5. なにかで包みます。竹の皮だと野生の芳香を醸し出しますが、むしろ純粋に中華おこわの味だけでの勝負を臨むのであればアルミホイルで。タコ糸や裂いた竹の皮でくくったりしなくてよいので大変にラクです。シリコン樹脂加工アルミホイルなどを使うと、食べるのもラクです(参考記事/『フッ素樹脂加工を再生する代替案としてのシリコン樹脂加工アルミホイル』の話。)。

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6. 蒸し器で三十分蒸す。

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 できあがり。

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 私は、豆板醤と辛子と山椒を小皿に盛って、箸の先でつついたりしつつ食すのが好きです。今回は使いませんでしたが、椎茸をもどすのに紹興酒を使うと、子供は食べられないくらいの中華感が出ます。

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 でもまあ、食べるときに飲むのは、紹興酒よりも、日本酒のほうが合う気がする。ていうか、中華料理にも紹興酒ってどうなんでしょうか。ビールのが美味いだろ。と思うのですが、料理に使うと独特の美味さが出るので紹興酒を買ってくる。そして、あればけっきょく飲んでしまうので常備できません。

 以上。中華ちまき。
 いや単に「ちまき」と言ったときも、浮かぶ料理がこれ。よくできた料理だと感心する。和食だと、春を表現するのに生の草花という直接的な方法をとることが多くて、炊き込みごはんにも炊きあがってから木の芽を乗せるなどといった小洒落た手法で「ほら春でしょーう」と得意がるものですが。ちまきはすべてを炒めて包んで火加減なんて関係なくいつまでも蒸して、それでいて開けば、春。

 山菜たけのこ、刻んだ豚、乾いた椎茸。もち米。そのかたまり。春のかたまり。どこが春かと問われれば、長く厳しい冬が終わり、三合も蒸した米を食えば、そんなもん駆け出すしかないでしょう。春へ。そのまた先の、夏へ。耕してまた米を実らせ、駆け回ってまた山菜を摘み、豚を育てて殺す。人間の営み。一年めぐって、もとにもどったから米を食え! 次の冬が来るまでにやること山積みなんだから!

 そういう、春。
 働け、働くぞ、という料理。
 それが転じて、育て、ともなった。

 祝う。めぐって最初にもどったことを。
 草木は勝手に芽吹くが、ヒトは心に決めないと次に進まない。
 食って、働くぞ、育つぞ。

 中華ちまきデシタ!

(ところで、アメリカ航空宇宙局所属学者Gavin Schmidt氏の五月十四日Twitterによると、今年四月の世界気温と海水温が観測史上最高を記録し、その観測結果から99%の確率で2016年は通年で観測史上最高の気温に世界が包まれるらしい。NASAが断言する危険な今年の暑さ。史上最高に体力つけて挑むのが賢明です。もう三合、包んで蒸しましょう。冬が終わった、春だ夏だと浮かれてばかりもいられない惑星になってきましたねえ、ここも)


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