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『新春体腔粘膜効果』の話。


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 お誕生日おめでとうございます。

 あ、いえ、元日に歳を重ねる友人がいるのですが、ついにはその友人に昨年はいちども逢えなくて、あいつのために二年前に録っておいた映画を、あいつのSNSで、まだ観ていない観たい、と書いているのを読みまして。生きているってなんだろうか、うちに遊びに来ていたらその映画は観ていたわけで、そういうことを言うならば、私があいつの家へ遊びに行ってもいいのですが、そういうこともなく。ああ、あいつは見ない間にもうひとつ歳を重ねたのだなと、遠い目をする正月。

 おめでとうございます。

 あらためまして。

 あけましておめでとうございます。

 ふたたび、あらためまして。

 あけましておめでとうございます。

 なんど書いてみても、しっくりこない。お誕生日おめでとうは、すごくおめでとうだが、あけましておめでとうは、たぶん職業柄で、元日一日だけの休みなんていつもの休日と変わらず、それなのに出勤したらみんなでおめでとうおめでとうおめでとうとか言う、その白々しさが、身に染みついてしまって、あけたからなんなんだという心もちになるのがデフォルトになってしまった。そのうえ、三が日もとっくにすぎ、新日本プロレスの東京ドーム大会も観たあとで、あけましたね、なんて。元日に終夜運転している列車の運転手さんや駅員さんは、一年で一番長い拘束の日。ユニバーサルスタジオジャパンで働いている友人がいるのですが、正月はどうしているのかいと訊いたら、シフト開けが元日の四時らしい。そりゃそうですよ。私なんて、いちおうは毎年、ぎりぎりではあっても家に帰って年越しプロレス観ていますから、ゆるいものです。それでも、しっくりこないったらこない。

 みたび、あけましておめでとうございます。

 そんなこんなで面相筆(バイク補修が、ついにそういった段階へ突入中)。接客稼業のみなさんは、三が日が終わったら休みだったりするもので。まさに私の今日がそれ。雑煮を食べています。餅は入っていないのですけれども。ミカンも餅も、ひとつも食べずに終わる冬は多い。この冬はそう。つまり、雑煮といっても、すまし汁にかまぼこ浮かべたもの。だってふだんから基本、休みの日って晩ご飯だけなんだもの。餅なんて、米を圧縮した食べたら眠くなりそうなほどエネルギーの詰まった食品を摂取すれば、頭が回らなくなってしまう。モノ書くには甘いもの食べたほうがいいなんて言いますが、私の場合、闘争本能が活力源なので、エネルギー枯渇気味のほうが調子がいい。人間だって動物だから、空腹のときには狩りモードになって、おメメぎらぎらするのです。そういえば、昨年の暮れに動物園に行ってパンダを観た話を、ここでしました。やつらって笹を主食にするために、ナマケモノ並みの消費カロリーで生きているのだという。パンダも動物なのに。でっかいクマのくせに、おメメぎらぎらしても中国奥地の秘境の霊山などに棲んでいるから、狩るべき獲物がまわりにいなくて、ついにはぎらぎらすることをやめて穏やかに生きればいいじゃないという結論に種の総意として達したというのだから、ある意味、実在する仙人と呼んでもいい生き物。ヒトじゃなくてクマですので仙熊と書くべきか。だがそうすると字面が尊さよりも野性味にあふれてしまうので却下。パンダ以外のクマでいえば、冬眠しているときと同じくらいの消費カロリーで生きている。それってつまり仮死。HUNTINGなる死の状態(愛用の日本語変換ATOKは、英訳を候補に出してくる。だからタイプミスをすると、こういうことになる。そっちの狩りじゃねえよ)。ほとんど死んでいる状態で、ほぼ無意識にまるで栄養のない草だけを食べて生きる種になることは、果たして本当に進化と呼んでいいものなのか微妙な気はしますが、いまだに絶滅していないのだから、生殖本能は消え去っていないというのが摩訶不思議。本邦の草食系男子は面倒くさいから積極的に生身の女性よりもマスターベーションを選ぶそうだけれど、そういう国の動物園の檻のなかで与えられる笹を無意識に食べながら、ナマケモノ並みの活力しか持ちあわせない正真正銘の草食大熊は、だがしかし積極的に、まぐわう。セックスには闘争本能はいらないという証拠だといえよう。ついでにいえば愛もいらない模様。だって仮死ですよ? 冬眠中のような朦朧とした状態なのですよ? それでも異性の肉体を求めるその原動力はなにかと考えてみれば、たぶん、そう。

 粘膜は気持ちいい。

 そこに尽きるのではないか。考えてみるとですね。キスってあるじゃないですか。接吻。フレンチじゃなくて、ディープなほうのやつ。あれ、パンダはできない。というか、ヒト以外の動物はしない。ディープスロートはもちろんフレンチフェラチオも爽やかクンニリングスもしない。フェラチオやクンニリングスは、けっこう面倒くさいから別の話として置いておくにしても、舌と舌とをからめて歯茎をねぶりあい歯列の数を舌先で数えあうようなキスは、ヒトにとっては、お手頃だ。パンダがキスできたら、それで満足してセックスはしなくなってしまうでしょうか。

 と、また考えてみると。猿もしないですよね、キス。そうとう知能の程度は高いのに。思いつかないものか? なにもカラダに粘膜は性器だけではなく、口も喉も肛門だってそうだというようなことを。思いつかないわけがあるものか。動物園の猿山なんて、やることなくてヒマで腐るほどに時間だけがあるのに。試行錯誤の末に思いついてもよさそうなものなのに。教えてみたらどうでしょう。キスの仕方を飼育員さんが。ハマるだろうか。

 どうも、そうはなりそうもない気がする。気持ちよさのレベルが大差なければ、ディープなキスをおぼえても、猿は、セックスの簡易な代替えとして採用しないどころか、前戯としてさえ、それをしない気がする。

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 しばらくまえに、トログを追い払うか、せめて避妊手術をしてくれという陳情が市に出された。でも市長の返事は、トログにもいくばくかの人権はあるというものだった。そもそも彼らは人間の子なのだ。だれも親だとは認めないが。

PUMP SIX

 パオロ・バチガルピ 『第六ポンプ』

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 退化した人間の子、トログは服を着ない。犬のように町中のどこでもまぐわっている両性具有で、夏になると増える。彼らに人権があるとしても、お仕着せに服を与えるべきではないだろう。トログは温和でヒトに害をなさない。けれど、パンツを穿かせたらどうなるだろうか。彼らに服を脱ぐ知性があるかは怪しい。ところかまわずキスをして舌と舌を、代替えの粘膜と粘膜をむさぼりあって、満足するだろうか。

 いや、きっと。
 脱げないパンツに苛立って、凶暴化するに違いない。

 つまり、服を着ていなければ、キスの必要性はない。
 パンダも、トログも、まぐわったほうが早いからキスしない。
 あらゆるヒト以外の動物が、だからキスをしない。

 気持ちのいい粘膜は、一種類あれば充分だ。
 なにもわざわざ代替え品を使う道理がない。

 年の初めに、なんの話をしているのだ私は。
 そういえば去年はどのように始めたのだったっけと振り返ってみれば。

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『吉秒匠 / とかげの月』移動。

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 そうだった。
 引っ越したのだ。
 とても忙しかった。今年もいま現在並行して原稿を書いている時期ではある。昨年は、そこに加えてサイトの移転作業などやっていたのだ。あけましておめでとうがしっくりこないだとか、パンダのディープスロートだとか、考えている余裕はなかった。

 一年か。
 特に大きな不具合もなく、移転にともなう一時的な検索ロボに拾ってもらえない状況も過ぎ、安定した毎日が帰ってきている。よかった。移転の直後に創設者が逮捕された事件で目の前がディープパープルになったが、いまのところサービス停止もなく、無事、年を越えられた。

 おお。
 そうだな。そういう意味では、年を越えたということの、めでたさや。いまなら違和感なく、言えそうな気がする。

 あけましておめでとうございます。

 と書いたところで、近くの国で水爆実験がおこなわれたとかいうニュース。水爆って。原爆とは別物ですから。無制限の破壊力創成黒魔法で、原子爆弾ならばどんなに強力でもいくつかの街を焦土にするのがせいぜいなところを、地球まるごとだって消し去れるのが水素爆弾。事実だとしたら、憂鬱なことだ。

 使えば自分たちも消え去るボムをがんばって作ろうとしてしまった時点で、そのひとたちは宇宙中のだれよりも、自分たちが宇宙の塵あくたにすぎないと自覚している。自分たちでさえそうなのに、他人なんて。

 私は、私自身の居場所が年をまたいでまだあったことにおめでとうを言ってやっとしっくりくる自己中心的な宇宙で生きているひとりだけれど、そうだからこそ私のいないところで、地球をこなごなにするくわだてとかやってもらっちゃ困る。かわいいアイドルみたいにプリズムみたいなメイクして最低って言うだけでは終われない。



 お話の内容とは無関係に、ぼくの地球を守って、という名作のタイトルを、つぶやきたくなる。

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 私のいないところで勝手に私の地球を破壊するっていうならば、それをやめさせて地球を守ってくれるのも私以外のだれかでなくてはならないはずなのに、ウルトラマンは実在しない。あっちに転ぶも、そっちに転ぶも、バタフライエフェクト。

 諸行無常の虚しき響き、と表現すればいいのでしょうか。
 あさってが誕生日だから、地球破壊の予行練習をやってみた。
 祝いかたも、それぞれですね。

 良い気分で書き殴っていたのに、身勝手な地球破壊宣言者のおかげで台無しです。来年まで、地球はあるでしょうか。だからこそ、いまやっとかなくちゃ。蝶が飛べば地球が守られることもあると信じて、私は私の愛と平和を叫ぶしかないのです。かわいいアイドルみたいに、メッセージ性あるラブ&ピースではないにしても。

 続くかぎりに、思いつくこと抑えずに。
 今年も、どうぞよろしく。
 みなさま。
 愛してる。
 それだけだよ。

(ところで、書いている途中からでっかいパンダがでっかいパンダをフェラチオ(それもディープスロートな)している映像が頭に浮かんで、へらへら笑ってしまった。パンダは特別好きではなくて、やつらを見るだけでは浮き立つ気分にはなれないけれど、そういう画だと確かにかわいい。ということを思って、プロレスラーのなかでもガチではないムチな選手とか、相撲取りとか、今年はきっと増えるのだろうラグビー選手とかの、汗だらっだらな薄い本を作ったり読んだりが止まらない方々の嗜好を、ちょっと理解できた気がする。ヨシノギの萌え範囲が少し拡がった。もとからだいぶユルユルなのに。収穫だ。考えているだけでは辿り着かない。清廉であるべき年の初めに己の品性下劣をさらすことになるにしても、筆が走るならば、描いてみるものだ。それが書き初め)

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