最近の記事

スポンサードリンク

月別アーカイブ

『夏野菜と鶏のマリネ値上げレモン風味のレシピ』のこと。



Nasumarine002.jpg

○材料

野菜 適宜

・からあげ材料
鶏もも肉 2枚
薄力粉 大さじ2
塩 小さじ1

・マリネ液材料
酢 1/2カップ
レモン果汁 大さじ2
オリーブオイル 大さじ1
白ワイン 大さじ1
ブラックペッパー 少々


○作り方

1 野菜を分類します。
  生のものと、茹でるものと、揚げるもの。
  今回は、

  ・生のもの
  タマネギ、キャベツ、モヤシ、トマト 

  ・茹でるもの
  シシトウガラシ、シメジ、パプリカ

  ・揚げるもの
  ナス、ニンニク、ニンニクの芽

  このようなラインナップです。
  色が偏らないようにしたほうが美しい。
  美しいのは良いことです、栄養的にも。

2 マリネ液の材料をボールに合わせます。

3 揚げるもの野菜群を揚げます。
  続けざまに薄力粉と塩をまぶした鶏もも肉も。

(写真にはここ最近の記事を読んでいただいているかたにはおなじみの、軟骨ベーコンがまじっていますが、気にしないでください。冷蔵庫になんかあるもの入れておけという見本にすぎません)

Nasumarine003.jpg

4 揚げたものが熱いうちにマリネ液に漬けます。
  ちょっとしんなりさせたい生のもの野菜群も。

Nasumarine004.jpg

5 茹でたもの野菜群を入れます。
  上下をかきまぜ、ラップで密封。
  冷蔵庫で三時間以上は冷やします。

Nasumarine005.jpg
  
6 シャキシャキ感を残したい生のもの野菜群を敷き、
  食べる直前、ボールの中身をぶちまけます。

Nasumarine001.jpg

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 野菜には、豆腐を加えてもよし。

 最初の写真ではトマトの赤が割合多めなのに、最後のできあがり写真では全体に茶色くなっている。後者が真実です。野菜たっぷりに肉トッピングといった感じが見た目には麗しいですが、私、晩ごはんの洋食メニューというのは基本が酒のおつまみなため、このひと皿で完結。パンとかクラッカーとかパスタとか、ましてや白ごはんとか添えない。それゆえにこのひと皿にボリュームが欲しい。トマトよりも肉を。ニンニクもまるのままのっけてほしいし、スペイン風に豆とか、和風に豆腐とか、そういうものを足してほしい。

 あれですよ。牛丼でビールは飲めないのに、ごはん抜きの牛皿なるメニューはビールなしではいけない、というようなもので、チキンマリネは特に夏、揚げたての唐揚げよりもビールと相性のよいおつまみメニューとしてとある秘密研究所で開発されたものなので、逝くならビールで逝きたい。えーいかにもクラッカーとかバゲットスライスにのっけたらおいしそうなのに、という誘惑にかられる気持ちもわからないではないですけれど、それやっちゃうと、このひと皿、完食たぶんできません。

 というわけで、あんまりすっぱすぎても酒が進まぬ。
 以前もいちど、チキンマリネはレシピを書いたことがあるのですが、そのころは酢は穀物酢でなくちゃダメと言いきっていた。訂正します。最近、米酢もワインビネガーもおいしい。というか酢を控えめにして、レモンをきかせるのがやさしくて好き。

 鶏唐揚げにレモンをかけるやつが許せないというひとの意見に耳をかたむけると、総じて「さっぱりさせたいなら揚げ物を食べるな」というようなことを言うのですが。私はこってりした揚げ物大好きですけれど、鶏唐揚げにはレモン派です。ついでにわかりやすく言うと、ちょっとふっくらした女性の身に着けるタイトな衣装が好きです。いや間違えた。タイトな衣装が食い込んでいる豊満な肉が好きです。そうそれ。棒みたいな脚でニーソックスはかれて絶対領域とか言われても違うよ、と。絶対領域というのは、ニーソのゴムが食い込んだやわ肌の締めつけられた凹みあってのものであり、ゴムに締められて凹むためには、はち切れんばかりのやわらかい肉が大量に必要なのだ、と。

 唐揚げが油ぎって山積みになっている、そこへレモンの酸味。
 そこで初めて気づく、肉への感謝。
 揚げられてくれてありがとう。
 なんならもっとこってりしたくらいが好きだ、と。

 そういう思想のもとに秘密研究所で開発された、と聞けば、浮かんでくる疑念があるでしょう。

 野菜いらなくね?

 でも実はそこが開発力。
 下に敷き詰めた、トマトやモヤシ、無尽蔵に液体を吸いこむ揚げナス。これらに加え、肉であれ魚であれ、マリネを作ったことのあるひとなら気づく「えーこのレシピ、具材の割にマリネ液が少なくない?」という、それ。意図したものです。

 すっぱい液に、ぼっちゃり浸かった鶏唐揚げは、よろしくない。
 あたかも、肌にやさしく肉盛りしませんとうたって、幅広ゴムを採用してしまったニーソックスのように。
 細くきゅっと食いこむから色気であるのだと忘れてはいけない。
 (着用する本人は締めつけカユいでしょうけれど)
 鶏唐揚げにたらしたレモンは感謝の心を呼び覚ますが、レモンにぼっちゃり漬けこんだ鶏唐揚げのピクルス的な料理がおいしいだろうか、否、きっとそれは白くふやけた鶏唐揚げのホルマリン漬け標本のようになってしまうはず。

 敷きザルのように、トマトやモヤシを敷いてください。
 ざるそばにザルがないと、下に溜まった水気で麺がのびてしまう。
 同様に、マリネ液と鶏唐揚げだけのチキンマリネは、油っぽいだけのぐちゃぐちゃしたシロモノとなって、こんなことならマリネにせず、唐揚げにレモンをかけて、サラダを別に頼めばよかったと後悔してしまうことでしょう。

 栄養という観点からだけでなく。
 野菜って大切。

 ところで先週、ポッカサッポロフード&ビバレッジ社が、主力商品の「ポッカレモン」を家庭用としては三十一年ぶりに値上げすると発表した。

lemon

 私が、今回のレシピで使ったのもポッカレモン。ビールだけでなく、ハイボールとかウォッカトニックなども愛飲し、そこにもレモンが欠かせないので、けっこうなヘビーユーザー。

 三十一年ぶりって。
 なぜいまここで値上げ?

 語られた大きな理由がそれ。

「新興国の需要増加」

 ああ聞き慣れた響き。
 この一年ほどで、私も権限剥奪された。

「紙オムツを勝手に発注するな」

 確保できたぶんだけが送られてくる。それをまた団体さんが買っていく。輸送料かかっても、新興国での日本の紙オムツは元が取れるどころではない高値で取り引きされているらしく、だったら増産すればいいじゃないかと思うのだが、メーカーさんもバカではないから、増産したぶんは直接、新興国で売られてしまう。それに、某国の株暴落などのニュースも流れる近ごろ。無尽蔵に増産しはじめると、もしも売れなくなったとき、工場を閉鎖するために莫大な資金が必要になる。

 売れるんだから発注させてくれよ、と無責任にぼやく現場の私のようなのに耳をかさず、ポッカレモンの選んだ道は強気だ。オムツは、何社かが競合しているので、やむなく増産という道を行くしかないが、ポッカレモンは世界のレモン業界を牛耳っている。

 売れているから増産?
 それってレモンの樹を植えるってことだよね。
 だったらまず値上げが必要。

 高くしても売れると踏んだから値上げるのだ。三十一年ぶりに、世界はレモン果汁が高くなっても売れるという謎景気に沸いている。

 そう考えてみると、これはつまり、世界中でただ鶏をさばいて焼いて食っていたひとたちが、唐揚げにしてレモンをかけるかかけないかでモメたり、チキンマリネにして食ってみたり、焼酎をビンに口付けて飲んでいたひとたちがロックにレモン入れて飲んだりするようになり、一方、まさにそういうひとたちが、かつては低賃金で奴隷のように農園でこき使われていたひとたちで……

 世界総チキンマリネ階級化。

 そうして三十一年ぶりに値上がったポッカレモンの価格は、今後世界がどう転ぼうと、下がることはない。いちど、レモンがなくちゃ飯が食えないし酒が飲めないとおぼえてしまった猿は、高価だろうとそれを買うしかない。一種の麻薬流通の図式。

 唐揚げをチキンマリネにするとおいしい。
 ぽっちゃり娘にニーソをはかせるとなんかイイ。

 もう、もどれないところに足を踏み入れたってことだ。

highsocks

(ニーソと書いて気付くが、それだと膝丈の意。私が例に出しているのは太ももの真ん中あたりを締めつける丈の靴下のことだから、正確には「オーバーニーソックス」か「サイ(thigh-ふともも)ハイソックス」であるはずで、だったらどうして商品名とは相違のある「ニーソックス」が絶対領域製作アイテムのように語られるようになったかといえば、たぶんそれって略称として「オバソ」や「サハソ」よりも「ニーソ」が発音しやすい=カワイイというところに尽きるのだと考察できる。だからなんだと言われても困るが、私が言いたいのは、使用するアイテムが同じでも「ぽっちゃり娘にオバソをはかせる」ではグッとこないというところが実地で理解できるようになってしまったら、もうもどれない、ということである)

TRACKBACK http://yoshinogi.blog42.fc2.com/tb.php/596-16a10878