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『もちもち玄米シートを食す』のこと。




 姫路城が白くなって帰ってきたとニュースになっておりますが。

 その城のすぐそばの病院で、祖母が心臓の弁を人工物に取り替えるという手術を受け、見舞いに行っては姫路城の前を通って帰ったものだけれど、そういえば城のなかに入ったことはあったっけ……

 というくらいに姫路城も身近な、私、西播磨の生まれ。

 いまはもう、その祖母も亡くなって、播磨の国には空き家があるだけなのだけれど、先祖代々の墓というものがあり、なにかといっては空き家に親戚が集まるような感じ。みんなで使っている別荘といえば聞こえがいいが、寂れた商店街のそばで、超高齢化して滅びるのを待つかのような地域で賃貸にできるわけもなく、いつかは墓も家も土地もどうにかしなくてはならないことはみんなわかっているのだけれど、さてどうしようと考えないことにしている。

 そんなくらいに、ふたたび西播磨が子供と観光客で溢れかえるなんていう夢さえ見られなくなって、どう滅びゆこうか、覚悟を決めようかと、かつての住人たちがよその土地で暮らしながら考えているような土地なのですが。

 超高齢化のおかげで病院だけは巨大化してゆき、いまや私の生まれた病院は高層化して寂れた商店街に影を落とすというブレードランナー的近未来な風景になり、そういうふうになってくると、唯一のなんとか街に金を集める算段は、観光にかたよっていく。

 西播磨には海がある。
 私も、牡蠣やシャコで育った。

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『牡蠣を焼く』のこと。

『シャコの目』の話。

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 そして同時に山もある。
 戦国時代にまでさかのぼれば、城が建ち、民が集まる、豊かな土地だったのだ。

 ただ最近では、牡蠣もシャコも私が幼かったころのように、近所の魚屋でバケツで売っているというようなことはなく、それも需要と供給のバランスの問題で売られていないのではなくて、穫れないのだという。牡蠣のほうは養殖なので努力でどうにかなっているようだが、近年のシャコの値段ときたら、もうオヤツでは食べられないそれである。

 というわけで自然と、観光客に売りつけるものも山の幸が中心になってくる。
 昨年の西播磨フードセレクションではグランプリが、ゆずみそ。

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兵庫県/“西播磨フードセレクション”の開催

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 金賞が、ゆずもちとひまわりのドレッシングに、はっさくマーマレード。
 柑橘系一強状態。

 しかし、おととしは様子が違った。
 グランプリは、

「もちもち玄米シート」

 これである。

BrownRiceSheet1.jpg

 私は今回、初めて食す。
 さてどうしたものか。

 原材料、玄米。
 どうやらグランプリ受賞のアピールポイントになったのは、これに具をのせてチーズをとろかせる、ピザスタイルの斬新さにあったようだけれど……うち、毎週ピザ焼くしな。

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『ピザ生地とソースのレシピ』のこと。

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 このシート、見るからに米そのものなんだもの。ふかふかのピザ生地好きな私としては、ピザ生地を少なめに作って、玄米シートと合わせて、という勝負をしたくない。だいたい、これ、米が原料で、一枚で90グラム。私、米はまとめて炊いて冷凍する流派なので知っている。米の一合を炊いて計ると340グラム。半分の170グラムで軽くお茶碗一杯くらい。ラップでくるんだそれの解凍が、いつもの朝ご飯。

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『おでんで炊きこみごはん』のこと。

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 カロリーがぜんぜん足りない。
 もちもち玄米シートのパッケージには「ピザ生地(餅)」と記述されているのだが、本物のピザの生地、すなわち強力粉のカロリーのすばらしさをあなたがたはわかっていらっしゃるのか、と。

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『カレーが添うナンのカロリー』の話。

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 これをピザと呼ぶなんて、ピザ好きとして許容できない。
 米は米。餅にしようがシートにしようが、米は米。

 パッケージの裏側に、4等分、あるいは6等分して素焼きする、という調理法が書いてある。つまりトルティーヤであり、ナンの使いかた。
 うむ。それでいってみよう。

 以前も紹介した、ダッチオーブンのフタ焼肉セットを準備。

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『おすすめのフライパン』の話。

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 そこへ投入。

BrownRiceSheet2.jpg

 目の前で焼きながら、様子を見る。
 もちもち玄米シートよ、そのもちもちとやらを私に見せてみろ!!

BrownRiceSheet3.jpg

 うーむ。
 なるほど、ナンっぽい。
 考えてみれば、米でありながらナンのようでもあるというこの食材、公式でカレーに合わせる提案がされてもいいようなものだが……そういう発想をこうして軽々しく口に出すところが私の浅はかさなのだろう。焼くだけです、のせるだけです。だからこそのグランプリ。賞を獲るって、そういうもの。面倒くさくなく、審査員側としても「コレが私たちの選んだ優秀な子!!」と他人様に紹介しやすいイイ子ちゃんが選ばれるもの。同じもちもち玄米シートも、私のようなのが、これはカレーに合うからもちもち玄米シート専用のカレーレシピも合わせて開発!! なんてプレゼンをしていれば、審査員殿は「じゃあそのカレーをエントリーさせるべきでは?」なんて冷たい視線を注いだに決まっているのです。

 カレーが合いそうだけどな。
 なんかそれやっちゃうと負けた気がするここまでの展開。ナンに見える。しかしてカレーではなく、これはあくまで焼いた米であるというスタンスで使用法を考える。

 焼いた米……
 シート……

 おこげ!!

 石焼きビビンバのおこげだけをシートにしたものだという観点はどうだ?

BrownRiceSheet4.jpg

 結果、そんなイメージで食しました。

 美味かった。まあ、米ですから。餅ですし。不味いわけはなく。そうしてみればビビンバ風にしていただいたあと、まだ具は残っていて、おなかもいっぱいになんてならなくて、白米を足して食べた、そこのところは言っておくべきだろうな。

 米90グラムで200円は高級品。
 嗜好品の価格。遊びです。
 これでおなかいっぱいになろうと思ったら、下手したら玄米シート代だけで1000円を越えるよ、私の場合。毎日の晩ごはんローテーションのなかには組み込めない。おなか破裂するかもというトルティーヤを焼いたって、小麦粉なら200円もしない。

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『虫タコスの精神にのっとるトルティーヤ』の話。

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 もちもち玄米シート。
 道の駅で、一回買って、リピートしない感じだなあ。
 もっと使いやすいお値段なら、また評価も違ってくるのだが。

 美味しいのは間違いないので、いちど食べてみて、あなたの人生に必要かどうかを判断するのもよいでしょう。

(ビビンバ風にして食しましたが、もちもち玄米シートは箸では切れない弾力なので、必然的に手でちぎって具と合わせて箸で食うという「シートにした意味ないやんっ」という作法になってしまいました。やっぱりカレーのような浸して食べれるようなものと合わせるのが食べやすいような気がする。平べったいきりたんぽだと考えれば、いっそきりたんぽ鍋のようにスープで煮てしまってもおもしろいかも。とはいえやっぱり、そういう冒険を試してみるには価格がなあ……)

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あか穂の実り もちもち玄米シート|工房あか穂の実り

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 ↑公式販売サイト。
 というわけで西播磨を訪れなくても買えますが、当方の結論といたしましては、これは普段食というより、行ってきたよおみやげとして購入するのが正しい。なんにもないけれど、海と山がある。もちもち玄米シートなんていうのも売っていたよ。これどうやって食べるの検索してみよう。ビビンバ風にして食べているひとが、カレーとか、いっそ鍋なんかもおもしろいって書いているよ。じゃあやってみよう。

 おいしかったですか?
 それはよかった。
 がんばれ、西播磨。

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