最近の記事

スポンサードリンク

月別アーカイブ

『ヘルレイザー VS サイコブレイク』の話。

 


 この世に善悪はない
 あるのは肉体と──
 肉体を捧げる箱だ


 映画『ヘルレイザー3』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 まもなく『Halo: The Master Chief Collection』発売一週間。彼らにとっては地獄。そして、それでも容赦なく、あすのアップデートで、私たちが彼らを許すかどうか決まる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『Halo: The Master Chief Collection』のこと。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 と書いてから、そのあすは越え、さらに一週間を越え、もっともっと時間が経っているのだが。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・『Halo TMCC』がアプデきても、いまだ不安定さが収まらず。実際『2』のころって、これくらいの感じだったけれどね……『Titanfall』の爆速マッチメイクに慣れてしまったから不満がつのる。こうしてみると、タイタンの紹介所技術がものすごいんだ。EAなのに。鍛えられたんだな。

twitter / Yoshinogi

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 そういう事態。

 オンがダメならオフで待つかと、血反吐を吐くような『Halo2 Anniversary』のレジェンドレベルをプレイ中に、セーブしたのにスタート地点に戻されるという掛け値なしの悪夢に見舞われ、オフラインでもまだまだこういう状態では、触らずに『Halo: The Master Chief Collection』はクオリティアップのために発売が一ヶ月遅れましたと思い込んで生きるのが精神衛生上よいと判断した。

 結果、プレイ中に『Halo』がやってくるから、途中で放り出すことになってしまうだろうなあ、と思っていたそれと、がっつり戯れているのであった。

 『タイタンフォール』は、実にたのしい。
 ぼくらの夢、ロボットに乗って大暴れだ。

TITANFALL

 けれどFPSをプレイすると「なんでヘイローでなくてタイタンをいまプレイしている俺」という気分になるので、もっぱら、それ。
 『サイコブレイク』をプレイしている。

PSYCHO BREAK

 『サイコブレイク』は、日本以外でのソフト名は『The Evil Within』。
 日本では『バイオハザード』として売られる、ハリウッド映画化もされたゲームシリーズの、日本以外でのソフト名は『Resident Evil』。
 悪の内部、と、悪の住処。
 そう、『サイコブレイク』は、日本が誇る『バイオハザード』の生みの親が贈る、でも事情があって名のれない形での正統後継者。

 というのは以前ここで書いたコピペなのですが。

 その『バイオハザード』の最初の最初が、いままさに刷新。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

バイオハザード HDリマスター : xbox.com

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「1996年3月に発売された第1作『バイオハザード』。その第1作をリメイクした『biohazard』が、2002年3月に発売された。原作者自らが、一から作り直したその完成度から「シリーズ史上、最も恐ろしい」との呼び声も高い傑作となっている。そして、2014年『biohazard』が、待望のHDリマスター版として登場する。」

 その「原作者」が作り直したのは、2002年のことで、今回のHD化とは関係ないのですけれど、関係あるように読めてしまう文章のマジック。巧妙です。

 で、その原作者たる方は『バイオ』の生みの親と呼ばれることを嫌っているそうで。同じホラーゲームながら、まるで方向性の違う『サイコブレイク』の開発中に、インタヴューで答えておられた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『PsychoBreak(サイコブレイク)』三上真司氏インタビュー 完全版 - ファミ通.com

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「どこか壊れている、狂ったような世界」

 その設定が『サイコブレイク』では、後々効いてくる。中盤の脳をつっつくシーンなどは、きっと私は死ぬまで忘れない。

 そして、パッケージイラストを見たときから、あれ、これって、と感じていたことを、確かめたくなってしまった。

「なんか、ヘル・レイザーっぽい」

 プレイして、思いを深くしたのである。
 レビューの点を低くつけた方々が異口同音に言う「これって怖くない」。ええ、おどろおどろしいけれど、おどろおどろしすぎてむしろときおり笑みがこぼれる。血がブシャー、どころではない。血のプールに落ち、そこを歩かされたりするところから話がはじまり、きーきー泣く黒髪のクリーチャーに追いかけられ、病院の廊下から、迷い込む回廊、そこらじゅうでガシャガシャ鳴る鎖、天井から吊り下がるモゾモゾ動く屍体袋。
 実に、実に、クライヴ・バーカー臭が漂いまくっている。

 うん、これ、ちゃんとホラーだよ。
 たぶん、二十一世紀生まれのひとには伝わっていないのではないだろうか。二十世紀のホラー好きにおいて、まさにこの感じ、驚かすなよう、もう、とか言いながら、気色の悪い画に顔をしかめつつ、唇は絶えず薄笑いで、ビールの6缶パックが必須な感じ。

 というわけで『ヘル・レイザー』シリーズをひさしぶりに観た。

Clive Barker

 うちのリビングには『フレディ VS ジェイソン』のポスターが貼ってある。

FREDDY VS. JASON

 そのくらい、私は二十世紀終盤の、そういうものではぐくまれた生き物である。がっつり記憶しているつもりだったのだが、観返して、気付く。

 『サイコブレイク』のパッケージビジュアルそれそのものな、有刺鉄線に顔をぐるぐる巻きにされ、その隙間から目を見開き口を開けて叫ぶ、そのシーンは『ヘルレイザー3』。一時間が過ぎようかというくらいのところで、魔道士ピンヘッドがリアルワールドに降臨、という大盛り上がりのさなかにあった。

 だいたい、脳に釘を刺すというイメージがピンヘッドそのまんまだ。その他の登場クリーチャーも、そこはかとなく愛嬌があり、クライヴ・バーカーっぽい。『ヘル・レイザー』よりも、『アバラット』に近いイメージがする。

 ちくしょう。
 いま、『アバラット』について過去に書いたか検索したら、ここで書いていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『糞』のこと。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 九年前に、やっぱり私はクライヴ・バーカーに触れながら、『Halo2』をプレイしていた。そのリブート作のプレイがままならず別のソフトを起動して、そこにバーカーの影響を見るだとか……なんと変わらぬ偏愛を続けているのだろう、私。健気だ。大好きだ。こんな私が私は大好きだー。くだらないものから徐々に歳を重ねて高尚な趣味に移り変わっていくこともなく、きっしょ、とか、えろっ、とか、うへへへへ、なんて下卑た笑みを垂らしながら摂取するたぐいのものを摂取しつつ死ぬのでしょう。

 そして、こういう、偏ったひとたちが居るからこそ、作る側も、一定周期で「いまいちど」と考えるのかも知れない。奴らは懲りずにくだらないものに金を使うからな。悦びそうなものをまた与えてやればいいのさ。

 『バイオ・ハザード』の生みの親がバンバン銃を撃たない新しいホラー観を模索する一方で、生みの親不在のまま、リメイクが進む。

 クライヴ・バーカーの公式フェイスブックで、『ヘル・レイザー』のリブートについて言及されてから、一年が過ぎた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Clive Barker公式Facebook - 2013年10月24日

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 順調に進んでいるのか、非常に心配。
 巷では、原作者本人がみずから焼きなおすのだから傑作間違いなし、と言われているが、まさにこの『ヘル・レイザー』の「ルマルシャンの箱」模様にされたゲーム機のように、

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Clive Barker公式Facebook - 2013年7月31日

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 エックス「箱」ONEで、新しいホラーを生み出さんとする意欲作が、多分にかのひとの影響を漂わせているのを肌で感じている、いま。『サイコブレイク』のパッケージをゲーム屋か、ゲーム屋に行かなくても当然、ネットなどで見て、もしかしたらプレイもして。有刺鉄線? 釘? 脳? そのイメージは……そうか、二十世紀の私はすでにスタンダードになってしまったのか、ならばクライヴ・バーカーは、クライヴ・バーカーの専売特許具合を、進化させなければ。

 などと考えるのではないかと、ほとんど確信してしまう。

 バーカー自身が関わったゲームというのも何本か出ているのだけれど、それらはなぜそうなってしまうのかという設定で、バンバン銃を撃つ。



 確かに出てくるクリーチャーはバーカーなのだが、雰囲気が違うのである。
 そういう意味で『サイコブレイク』は、本家よりもクライヴ。

 バーカーは、ゲームでなら、ゲームでしかできないことをしようとする作家であり、それは意外とひとまわりして、実に「ゲームらしい」ものに収まっていたりする。一方、『サイコブレイク』は、『バイオハザード』を期待した一部のファンに不評だ。

 ゾンビを銃で撃ちまくりたかったプレイヤーに、銃弾を与えない。
 幻想世界をさまよう『アバラット』を求めたのに、銃を与えられる。

 意欲的ではある。
 それはそれで、ファンを獲得もする。

 ただ『ヘル・レイザー』は、そのままでいい。
 そのままであって欲しい。

 80年代ぽいファミコンドットな効果CGなどは、現代の技術をもって描き直してくれたらいいが、そもそも『ヘル・レイザー』で描かれるのは、快楽の追求によってこの世の道を踏みはずしてしまった異形たち。気持ちよさそうな変態たちが舞い踊っていればそれでいいのである。

 原作者は、なのに、違った部分に妙な自負があったりする。

 北村龍平監督が、『ミッドナイト・ミート・トレイン』を撮ったとき、原作者クライヴ・バーカーを激昂させたというニュースがあった。それでも監督は、こっちのほうが「売れる」からと設定変更を納得させたという。

 観ていないひとは観て。

Clive Barker

 もちろん、先に原作読まないとダメです。

Clive Barker

 あーこれをどうやって映像化ぁ?
 という作品を、まさにそのまま映像化し、さらにパンチを効かせる調味料をふりかけてある。素晴らしい。

 でも、だということは。
 監督が、クライヴ・バーカー先生のこだわりに折れていたら、こうはならなかったということ。素晴らしくはないものになっていた可能性さえある。

 『サイコブレイク』が、私は実に肌にあう。
 そして、つぶやく。
 クライヴ・バーカーが、どうしてこれを作れないのだろうと。

 だれも見たことがない、幻想の世界を紡ぐ。
 それだけを考えて、地下画廊にこもり、新たなクリーチャーの創造に没頭するバーカーが、二十年以上経って、自身の手による、リブート。

 キャンバスにうごめく無数の新しいやつら、入れずに作ってくれるだろうか。

 『バイオハザード HDリマスター』のありかたは、正しいのかもしれない。原作者は違う道へ進み出している。だから他人が、なにもいじらず、ただ現代の技術で、美しく磨きあげました。

 それでよかったんだよ。
 それが欲しかったのだけれど。
  
 善悪はないと言われてもな。
 想い出よりもぎこちなくなるとか、どういうことなのさ『Halo2 Anniversary』。ただきれいに磨いてくれればよかっただけなのに。あきらかになにか「過去を超える」新技術かなにかに挑んだ結果、破綻している。

 完全新作の『サイコブレイク』は、賛否両論だが、意気を感じる。
 二十世紀に培われたホラーの要素を、テンコ盛り。
 よろこばしい方向性。

 『ヘル・レイザー』。

 それも私の宝物。
 大事にあつかってもらいたい。
 原作者だろうが、生みの親だろうが、だれだろうが。
 ちゃんとして欲しい。
 望むのは、それだけだ。
 余計なことは、別の新作でやれ。
 二十世紀の名作のリメイクに、二十一世紀の新しいファンが食いつくわけではない。釣られるのは、むかしを知っている者たちで、だから「ビデオ画質からフルハイビジョンにしたよ」とか、そういうのでいい。それでこそ喝采。

 リメイクに革新をもたらそうとして、しくじって昔のファンをも怒らせるとか。下の下。最悪。ねえ、聞いていますか、そこのひと。あんたに言ってんだよ。大和の国では今週も千台ちょっとしか売れていないのだけれど、ヤンキーの国ではクリスマス商戦が始まり、XboxOneは他機種を圧倒する売上げを見せている。売れまくり、しかし、それはまだ遊べる状態ではない。キレるよみんな。せめて、せめて、そのプレゼントがイヴにあの子の枕元に置かれ、翌日、LAN回線につながれるときまでには、この悪夢が嘘のような素敵な状態にしておかないと、ぼくらの宝物の名それそのものが大きく穢されることになりかねない。

 まだ信じてる。さっさとやれ。

 お、と言ってるそばから次のアップデートが来た模様。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

12.3.14 Halo: The Master Chief Collection Content Update Notes | Blogs | Community | Halo - Official Site:

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 一ヶ月待つと書いたところだが、来たなら起動させねば。で、私の血管にまた負荷がかかるとかそういうことにはならぬのでしょうな。
 深呼吸。
 よし、ヤろうか。



TRACKBACK http://yoshinogi.blog42.fc2.com/tb.php/561-8fd2fa3c