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『OCNにブログ人とPageONを捨て去られて達する方法』の話。



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2014/06/02
・ OCNのブログが終了する。サービス開始からちょうど10年。ええ、私のブログは14年目。ブログを書き続けるには電脳空間移民としてのスキルが必須だと思い出す。10年前の引っ越しは画像などほとんどなかったが、今回のこれは非常に、ひじょーーに面倒くさいことになるだろう。はあ…

twitter / Yoshinogi

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 有名な落語で『尻餅』という演目があります。正月に餅くらいつかないと格好がつかねえと言うことで、開け放った窓から通りに向かって餅をつく音を再現するというお話。根本的に金がないから餅もつかない正月を迎えている長屋の一室なので、餅をつくような音を出せる道具さえない。ゴムとかシリコンとか、普及していない時代が舞台です。

 で、嫁の生尻をたたいた。

 オチは文字で書くとおもしろくもなんともないので、どこかの名人が語るのを聞いていただきたいものですが。ざっくり言うと、彼女はぜんぜんこれをたのしまない。落語で貧乏長屋が舞台だと、住人の言葉づかいもやさぐれた感じになるから、なんとなく想像する夫婦像が枯れた感じのご年配になりがちなのですけれども。冷静に考えてみれば、その時代の、しかもスラム街の住人ならば、平均寿命だって人生五十年もない。長屋の主人から「ちょっと格好つけてくれよ」などとさとされる夫婦は、いまで言えばピチピチの男子と女子で通る年代のはず。金もなく仕事もなくてなんにもない部屋でふたりきり。嫁のケツは、剥いてたたけば餅をつくような音がするのですから、そういう肌質なのか、若さなのか、なんにせよ食うにも困る生活のわりにはムチムチしてる。となると、毎日、ヤッて暮らすのが唯一の娯楽だったりするわけでしょう。

 成り行きとはいえ、真冬に生尻剥かれて愛する夫にスパンキングされているのですから。SMプレイでは初歩の初歩。どうせならちょっとはたのしもう。酔ってみよう。とか、そういう具合に脳内麻薬を分泌するのが貧乏人カップルの習性ではないですか。

 でも、酔えない。
 なぜならば。
 自分が餅だから。

 同じ行為を、ふたりでなんとなくはじめたのならば、これは酔える。あまりにもヤるしかない毎日なので、自然発生的に変態的プレイ要素が幅を効かせていくというのは、ありがちなことです。けれども、その年の瀬、彼が彼女をスパンキングしているのは、単純に餅をつくのに似せた音を出せる物質が、他になかったから。

 変態はそのあたり、逆にやっかいな生き物。

 ノーマルな行為にノーマルな快感を得られるひとたちは、自分で自分を慰められる。でも、自分で自分の尻を叩いて達することのできるサディストもマゾヒストも、いない。そこで大事なのは痛みそのものではない。

 こんなに美しいあなたが、私のようなものを足蹴にして虐げ、悦んでおられる。

 たとえ設定であっても、その立ち位置は必要なのです。だからSMの女王様は、薄く笑っておられる。そもそもが他人なので、そういう演技が必要。しかし、気心の知れた、そこに愛情のあることがはっきりしている相手ならば、真顔でもうかがい知ることができる……というか、妄想できる。

 このひとは、あたしを虐げてヒマをつぶしている。

 それであってもです。
 最低賃金の全国平均は、今年で時給780円。ヒトの世とはそういうもの。時間は金に換算できて、貧乏長屋のふたりであっても、彼が彼女の尻をたたいて一時間悦んだなら、少なくとも780円くらいの価値が、彼女には生まれる。

 ぴんと来ないひとには言葉を尽くしてもぴんとこないでしょうが、なんというか、そういう関係性がなにものにもかえがたく、深みにはまっていって変態というものは生まれるのです。なにも持っていないから、そんなものにすがりたくなるわけではない。なにを持っていたって、だれかにわずかでも「価値」を与えられる自分に酔える瞬間は、捨てられない。

 彼が、餅をつく音を欲しているのではダメなのです。
 あたしの尻を叩きたくて叩いているのなら、酔える。
 まあ、落語じゃなくなっちゃいますが。

 たとえば『舟を編む』で、十何年がかりで辞書を編さんするのは一種の変態行為だというような描き方がされています。その部署にやってくる新人は、みんな驚く。でもあれだって、最終的に目的があって、そのためにはそうするしかないという行為だからこそ、誇りが持てて、そこに酔えるから、人生だって捨てられる。映画になっているくらいなので人生捨てていると言いきるのはアレですが。本質的には、変態のそれ。

fune

 我が師と仰ぐディーン・クーンツも言っている。
 一ヶ月ほどで書ける中短編はすぐ書けるからすぐ気持ちよくなれる。だがそれに慣れてはいけない。と。書くのが好きでプライベートの充実などかえりみもせず、これもまた人生を無駄にして小説を書くなどという変態たちでさえ「だったら死ぬまで書き続けられる大長編を終わりなく書き続けていれば永遠に気持ちいいんじゃないの?」という問いには、ぶんぶんと首を振る。

Koontzfune

 達したいのです。

 クーンツは、より大きなものを得るために、短編に慣れるなと説くのです。限界を越えた先に、未知なるものがある。いままで達していたと思っていたけれど、そんなのは序章にすぎなかったというような、なんだかわからないけれど、ものすごいものに達して気を失うために。

 行為には、妄想の余地がなくてはならない。

 そんなわけで、私はブログを書いているのですが。
 そういうことは、前にも書いた記憶がある。

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『搾菜 / ザーサイの塩抜き』のこと。

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「ブログの執筆は恋に似ています」

 だそうだ。
 いい言葉だ。
 自分で書いたが、いい言葉だ。
 それはさておき嘘をつきました。

 いくらいい言葉でも、そんなのをいちいち記憶にとどめておくほど、私の脳に空きはありません。だったらなぜこれを引用できるのか。

 すべてはOCNのせいです。

 冒頭のツイッターを読んでいただければ、およその事情は察していただけると思いますが。
 つい先日、OCNからメールが届いた。抜粋。

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このたび、誠に勝手ながら、
「Page ON」のサービスを、
2015年2月28日をもちまして終了いたします。
先日ご案内いたしました
「ブログ人」に引き続き、
ご利用のお客さまにはご迷惑をおかけし、申し訳ございません。

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 ……ちなみに、この『とかげの月』は西暦2000年の開設以来「Page ON」のサーバー上に成り立っている。先日ご案内された「ブログ人」は、某ブログサービスから現在メインで使用しているFC2ブログに移転したとき以来、バックアップ用ミラーブログとして運用してきた。

 大問題だ。
 すべてが崩壊する。消滅だ。
 さようなら。
 
 というわけにはいかない。なぜなら恋だから。いや、きれいに言いすぎた。これは私にとって、大切な変態行為だ。自慰行為ではない。変態だから。あなたがいないと成り立たない。勝手に使って勝手に達して申し訳ないけれど、これまでもそうしてきたし、これからもそうしないと生きていけない。

 商売だから仕方ない。うちの店だって、売れない商品は切る。薬屋なので、この便秘薬、棚から外したら来週から困るひとがいるだろうな、と考えはするものの、だったらもっと売れている便秘薬を切ってしまえば、もっと困るヒトが大勢いて、さらにもっと言えば、店自体が売上げ不振で潰れたら、本気で困るひとたちがいる。売れない商品をご愛顧いただいていた少数派のみなさんには、別の店に行っていただくしかない。

 それが経済活動である。
 謝っているし、そこはもういい。
 別の店に行くだけだ。

 だがしかし。
 送り出しかたが、まあ、マズい。

 サイト運営などやらないかたには、これもセルフスパンキングでなぜマゾ男は興奮できないのかという難問同様、ぴんと来ない問題だと思いますが、いちおう解説するならば。

 レンタルサーバーサービスである「Page ON」は、そのものが場所を貸しているだけなので、借りている側のこちらも、そこに建てた家は自作。これを引っ越すのは、そう大変なことでもない。もとが自分のパソコンで組み上げたものなのだから、別の土地に、またアップロードすればよいだけ。住所が変わるから、実際的な問題はいろいろとあるものの『とかげの月』で検索すれば一発ヒットというまでに検索エンジンに認知されているうちなんかだと、さしてダメージではない。

 しかし、ブログは実に面倒だ。
 たとえるなら、ツイッターが倒産するようなものである。ツイッターでつぶやいたものを、ツイッターのサイトなしで、これまでのように見せようと思えば、ツイッターのシステムから自分で構築し直す必要がある。そんなような面倒くささ。
 他社のブログサービスに合わせて、イチからブログを書きなおす?
 いや、そんなのは、面倒どころの騒ぎではない。

 さすがにOCNも、移行ツールを用意した。
 先日、それが公開されたので、使ってみた。

 推奨移行先とされるGooブログでは、すでにアカウントを押さえておいたので、移行ツールがきちんと仕事してくれれば、言うことはない。

 結果がこれ。

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2014/09/03
・ OCNがブログ人に続きPageONも止める。やむなく引っ越し準備中。膨大かつ無駄な作業。なにより長年見て見ぬふりをしてきた前時代的HTML文法とコンテンツを直視する苦痛。でもそれらを整えるにはさらなる時間が必要…とりあえずこのままで。という己の弱さに反吐が出る。なんでこんな目に。

2014/09/07
・ OCNブログ人から移行ツールがやってきたのだが。禁則語句が含まれています、とか、本文が長い、とかで自動移行できない記事多し。どっちもうちの売りやっちゅうねん!! これはダメだ。自動ツールなんてきっとダメよねんと思っていたが、期待を上回るダメさだった。驚く。

twitter / Yoshinogi

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 そのうえ、気づいた。
 たとえば上のツイッターのボタン。
 これ、私が作ったものなんですよね。
 もちろん画像はOCNのサーバー上。
 こういうものが、ブログ中にばらまかれている。
 ばらまいたの自分なんですけれど。

 だとすれば……これ、どうせ、全数チェック。
 現在、メインのFC2ブログにデータがある、さかのぼって2005年7月までの記事は、なんとかOCNブログ消滅の期日に間に合わせる心づもり。2000年に開設してから、そこまでの五年間のなかにこそ、若かりしすぎる日の傍若無人な私がいるので、切り捨てるのは忍びないのですが。実はこのサイトのどこかにある『残月』というコンテンツ内で、いずれアップするつもりはあるものの、現在の私が検閲するので、あの回とか、その回とか、あのひとを怒らせて絶縁までされたあのときの出来事なんかは、二度と読めません。読ませません。

 gooブログは不便だったので、現在、別のブログサービスに引っ越し作業を決行中。問題は写真。今日からさかのぼって2005年の7月までに、私がブログ内にあげた写真が313枚。いま、それを手作業で引っ越しさせている。

 苦痛。
 こんなにもかというくらいに苦痛。
 もおおおいやだああああ。

 これって、辞書もできあがらなければ愛もなく最低賃金どころか数十時間を無為に過ごし、OCNのサービス終了後も『とかげの月』が見た目上、なんの変化もないようにと整えているだけの作業。膨大な作業量ですが、あなたにはなにも知覚されない。

 だからこれは、私の弱音。

 いま、そういうことやっていて、いつもブログ書く時間なんかよりも、ずっとずっとずっとずっとずっと多くの時間をこのサイトのために使っているのに、あなたの手のひらは私の尻をぶたない。おおよしよし、などと言われたいわけではないけれど、赤ペンでチェックして、写真をアップして、ブログにリンクさせて、そのくり返す作業のなかで。

 あなたがとても恋しいです。
 あなたがいなくては、ただの自慰行為で、私は変態なのでそれでは達することができなくて。
 口のなかでくり返し呪文のように唱えてる。

 愛してる。

 ゆいいつの方法は、手作業。
 移行ツールなんて公式非公式含め、ぜんぶクソ。
 すべての文章に目を通すために、いろいろなことを想い出して自己嫌悪にもおちいる。
 早くもとにもどりたい。
 なんでこんな目に。
 


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