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『魚醤ローストスペアリブのレシピ』のこと。


Sparerib

○材料

骨つき豚バラ肉 適宜

●加熱するソース材料
しょうゆ 大さじ3
白ワイン 大さじ2
さとう 大さじ1
みりん 大さじ1

●加熱しないソース材料
魚醤 大さじ3
ごま油 大さじ1
にんにく(みじん切り) 大さじ1
しょうが(みじん切り) 大さじ1
白ねぎ(みじん切り) 大さじ1
すりごま 小さじ1
豆板醤 小さじ1
レモン果汁 小さじ1
白こしょう 少々

○作り方

1. 加熱するソース材料を火にかけ、アルコール分を飛ばしたのち、冷ます。
2. 冷めたら、加熱しないソース材料を加え、まぜる。
3. 豚肉を茹でる。10分くらい。

Sparerib1

4. 茹だった豚肉を水洗いしてビニール袋に入れ、ソースに漬ける。ビニール袋から空気を抜いて密封し、冷蔵庫で半日以上寝かす。

Sparerib2

5. 焦げ目が付くまで焼く。

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 添えてあるのは椎茸。
 ていうか、ホットプレートで焼肉したときに、スペアリブも焼いたので、ちょいと取り分けて写真撮りました。肉汁が下に落ちる構造の、受け皿に水を張って使うホットプレートが我が家にやってきて、そのすばらしく煙の出ない具合から、焼肉率が上がっている今日この頃。

ZOJIRUSHI

 こういう多枚数プレートに水受け油受けなども付いた機種だと、片付けるのが面倒だということをおっしゃるお客さまは多く、事実、取扱説明書通りに片付けようと思うと、それはもうパズルのようなことになってしまうのですが。
 我が家では、外箱を加工して、このように。

Hotplate

 真上から写しています。
 すべてを段ボール内に縦置きしてクローゼットイーン。面倒くさいと稼働率が下がりますので、家族の一員のように押し入れに閉じ込めておけば、使いたいときには引っぱり出すだけです。

 話を料理に戻しましょう。
 実は、上記レシピの大半、以前書いた記事からのコピー&ペースト。

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『焼肉のタレ、手作り、レシピ、つくりかた』の話。

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 つまり、実際に私がおこなった作業は、冷蔵庫に保存してあった作り置きの焼肉のタレに、しょっつるを加えただけ。市販の焼肉のタレでもかまいません。しょっつるやナンプラー、魚醤のエキゾチカルバーニングな香りが、焼肉ではなくバーベキューソースと呼びたいそれに変わります。

 私のレシピは甘いの嫌いなので辛めですが、もしもあなたが魚醤バーベキューソースのスペアリブ漬けを持って、友人たちとの持ち寄りバーベキューパーティーに参戦するのならば、分量外の「はちみつ」を加えるとよろしい。焦げ目が付きやすくなり、甘い匂いが立ちのぼり、それがまた魚醤のエキゾティークミネルバな芳醇さとあいまって、一般ウケ必至のライオネス飛鳥級です。

(どうでもいいですが、私は苦節二十年は経ちますが、いまだ「ライオネスアスカ」という語感に勝てる呪文を紡ぎ出せずにいます。パラエストラヒガシオオサカドウジョウニュウカイボシュウというのも最近ではスゲエなあと感じたのですが。でもやっぱり追いつめられたとき、アーライオネスアスカー、とつぶやいている自分に気づくのです。なに言ってるのだかわからないでしょうね。まあいいです。ちなみに女子プロレスラーとしては別にライオネス飛鳥さん推しとかそういうことではありません。あくまで脳裏に焼きつき、こびりつき、ときに頼ってしまう呪文語句語感としての評価)。

 我々は宇宙の覇王にはなれないのぉっっ!!?

 というところで前回は終了。

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『魚醤ドレッシングのレシピ』のこと。

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 そこで、鶏ササミなんかぬるいわ、魚の屍体汁に漬けたスジばった骨つき豚の屍体肉を匂うほど焦がして喰ってこそ覇王道の三丁目。そういう思いでの今回でした。焼いて食べて、ライオネス飛鳥さんについて語ったら終わってしまいました。

 ローストスペアリブ、好きです。

 えーと、なにか話題は……
 そうそうそう。
 肉といえば、先日読んだこの記事。

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「人造肉を地産地消で」、研究者が提唱 - ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト

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 生きた豚を「幹細胞を採取するために」飼い、実際にはその採取された幹細胞から培養した人造食肉を売る。そうすれば人々は「ブタさんのお肉」と口にするとき、豚の屍体や、シャーレに培養された肉らしきものではなく、肉屋の店先で飼われている、ちゃんと愛称もつけられた豚の真二十一郎(しんにじゅういちろう)のことを思い、彼によって生かされていると知ることができる。

 つまり、幼児が昨日食べた真二十一郎の肉のお礼に、肉屋の店先で「きのう食べたしんちゃんのお肉はおいしかったです。これあげる。いつまでも元気でね」などと言いながらエサを与える微笑ましいシーンなども展開されるようになるということである。

(余談だが、私は牛農家の孫なので家畜にはそういう名前をつけるのだと知っている。血統と世代が重要なため、命名にさいし、変わった文字と数字の組み合わせを選択してしまうのだ。初代真一郎の子は真二郎。それがくり返された結果、真二十一郎というような名前になってしまうのだが……人造肉の地産地消が実現して、肉屋の店先で豚が飼われるようになったなら、その豚は天寿をまっとうするまで飼われるのだろうから、十年は生きる豚が二十一世代目になるころには、人類はかつて豚を殺して食べていたことも忘れてしまっている? というのがここからはじまるローストスペアリブのレシピとはまったく無関係なお話の方向性)

 そういうすばらしい未来の話はさておき、私がうーむと思ったのはそのあとのところ。

 マイクロソフトやグーグルの創業者が、人造肉の開発企業に多額の投資をしている。ということは、そういう時代はきっと来るのだろう。よく言われることだが、人類滅亡の危機が来てもどこかのすごく頭のいいひとが解決策を考えてくれるはずだという楽観論。少なくとも、アメリカ人がハンバーガーを食べられなくなってこの世をはかなみ、レミングスの群れのように崖から次々に飛び降りてこの世が終わるというようなことはない。

 ハンバーガーであれば、なんとかなるということが書いてある。
 しかしそのあとに記された哀しい事実。
 私は、それが気がかりだ。

 ステーキは、はるかに大変。

 素人考えでも、それはわかる。真二十一郎の幹細胞から、もろもろぐちょぐちょしたミンチ肉のようなものを培養するのは簡単そうだ。細胞分裂させることさえできれば、量はいくらでも増えるし、もろもろぐちょぐちょしていようが、人類にはすでにクズ肉を成形して均一食感なチキンナゲットを製造する技術がある。チキンナゲットはいま現在もチキン100パーセントではないし、真空パックされたお弁当用のレトルトハンバーグは、逆にチキンを主成分としながらビーフとポークの合い挽き肉のような味がする。自由自在だ。

 成形肉のステーキというものも、いま現在、どこでも売っている。
 だがしかし、そのパッケージには、決まって書いてある。

「やわらかくてジューシー!!」

 そりゃそうだ。
 クズ肉を脂肪分で成形しているのだから。
 霜降り神戸牛の例を出すまでもなく、ステーキの舌溶け具合は、熱でとろける脂肪がどれほど含有されているかどうか。極論、バターこそ、口に含んだ瞬間、体温によって舌の上でとろける、究極の「やわらかくてジューシー」な家畜由来食品である。

 私は、赤身が好きだ。
 かたい肉が大好きだ。
 骨つきスペアリブが好きだ。
 両手の指を汚しながら、肉を骨から歯でこそげとって、噛みしめても噛み切れず、食べ終わっても歯と歯の隙間にスジが挟まってしまって鬱陶しい。
 そんな肉が、この世から消えたら、泣く。

 しかし、培養された人造肉では、いまのところステーキに似た形にするだけでコストがかかりすぎて現実的ではなく、骨とかスジとか……つまり、ローストスペアリブのローストスペアリブたる最重要な部分にいたっては、まだまだ最前線でも造る試みさえされていないということらしい。

 これは、私にかぎったことではないはずだ。
 ビル・ゲイツが、私に初代と二代目のXboxを売りつけた金で人造のハンバーガーを造ろうとしているのは、地上から食糧危機をなくそうという崇高なる精神の発露であるかもしれないが、そこではまったく地上からバーベキューや焼き肉が消えてなくなることは問題にされていない。
 そこを問題にする人類の一派がいるかぎり……

 真二十一郎の眉間には、明日も屠殺銃の尖った針が撃ち込まれる。

 いま、眉と眉とを寄せましたか?
 唇の端を歪め、涙さえこぼしましたか?

 いえ、私が話しているのは、未来でもそうやって殺した豚の屍体の一部に魚という種族を塩漬けにしたことによって生まれる液から作る秘伝のソースを塗りつけて焼いたこうばしいローストスペアリブが食べられたらいいなあ、ということです。
 心から、そう思っています。

 私はそういう未来に生きたい。
 人造食肉ハンバーガーが当たり前のものになって、それによって飢えた子供たちが地上から居なくなり、だれも死なないでみんながファットでマッチョなダイエッターになったならば、屠殺場から出荷された血の滴る正真正銘の動物の肉を食すのは、いまよりももっと高度な趣味になっていることでしょう。

 数年前まで、トーフさえガイジンは食べなかった。一世紀前の日本人だって、米の消費が半減するだなんて想像だにしなかった。日常の食事でさえ、いまの人類にとっては、かなり高度な趣味の域。ベジタリアン? 野菜しか食べないと言って生きていけるなんて、趣味で生きることを許された恵まれた環境に暮らしていることの、なによりの証左。

 趣味に生き、趣味に死ぬ。
 いくら人造肉が進化しても、人類は地球を食いつくすのをやめたりしない。
 それでこそ人類だと思うのです。
 良いか悪いかで論じると良くはないでしょうが。
 この星に、人類が生きている時点で良くはない。

 良くはないが。だがしかし。

 わざわざ殺した豚の骨とスジの多い食べにくいところを、魚の風味に味つけして、焦げるまで焼く、そういう料理に、こいつあたまらん、と、むしゃぶりつく自分を、悪いと言いたくもない。それは人類の繁栄の否定だ。そもそも殺して増えてきた。いまさらなに言ってんだ。

 釣り竿も、屠殺銃も消え失せた未来など、想像しない。
 この星の王たるヒト種族として、ふさわしい未来を夢見る。
 私はヒトである。

 魚醤で覇王道シリーズ、全二回、おしまい。

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