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『映画「オッド・トーマス」の呪い』の話。



※映画『オッド・トーマス』を日本語検索されて、この記事にたどりついたあなたへ。あなたのいま現在が何年の何月何日なのか存じ上げませんが、この記事の最後に「重要な追陳」がございます。呪いの存在はそれとして、それゆえに恩恵を受ける者もいたのだという、まさにOddな話です。もしもまだ間に合う時間軸のなかであなたがここにたどり着き、さらには東京か大阪に在住であるならば特に、ぜひとも追陳にまで目を通していただきたい。


 呪いは存在する。

 この国でポピュラーな呪いといえば丑三つ時のワラ人形釘打ち儀式だが。
 ふつうに考えてあれは、御神木に五寸釘(長さ15センチ、径5ミリ)を突き立てるという時点で、相当な筋力を必要とする。5ミリの太さの釘を、生木に叩きこもうと思えば、そこそこ屈強な私でも、頭が鉄でできたでっかいハンマーをセレクトして、それでも汗をかく作業。それが、よく昔語られるように、線の細いお嬢さんが木槌で、なんて日には、たぶんひと晩中かかる。

 汗だくで、もうやだ、あたしなにやってんの、きーっ、などと奇声を発しながら、それでもやると決めたからにはワラ人形を御神木へ固定する。髪を振り乱し、二の腕はもうパンパンなので、腕を振り回して遠心力で木槌を五寸釘へ打ちつける。

 かーん。

 かん高い音がする。
 ひと晩中だ。

 御神木を奉るような神社は、たいてい、山の上にある。
 ふもとの村では、目を覚ます者もあろう。
 ワラ人形を持って真夜中に山を登るような精神状態になっている村人がいれば、そんなのは本人は気付かれていないつもりでも、まわりは気付いているに決まっていて、だとしたら、その呪いの矛先となる人物も特定は容易である。

 かーん。

 だれかが、自分を呪って釘を打っている音を、みんなが聞いている。その日からは、他人の視線が痛い。スジちがいな呪いならまだしも、身に覚えのあることで呪われたのだと自覚すれば、それだけで体調をおかしくする可能性は充分にある。

 自主的に倒れなくても、釘を打った彼女は、ちゃんと相手が呪われたか確認するはずだ。ということは、病的な精神状態の両腕が筋肉痛でぷるぷる震えているやつれた女が、気がつけば物陰からあなたになにか不幸が訪れないかと見つめ続けているのである。
 それそのものが呪いの成就といえる。

 そういう理屈でいうと、飛行機事故は連鎖する、というのも呪いの一種と捉えることが可能だ。統計学的にかんがみれば、年に何機も飛行機は落ちないのであって、先週、どこかの国の飛行機墜落が大ニュースになっていたのなら、それこそが今週は事故が起きない御守りと考えてもいいくらい。

 しかし、ほぼすべてのひとが、そうは考えない。

 飛行機は落ちることもあるのだ、ということを思い出す作用しかなく、先週の事故は、最新鋭の旅客機も不具合を排除しきれてはいないという証明となる。

「これも落ちるんじゃないの」

 その旅客機の、乗客のほとんどが考えている。
 空気感を、乗務員も共有する。
 パイロットに、伝染する。

 落ちる、という呪いに絡めとられてしまう者は、確実にいる。

 なにが言いたいのか。
 単純なことである。

 呪いは存在する。
 呪いとは、呪う者がいて、呪われる者がいなくては成り立たない。
 逆説的には、それだけで成り立つのだ。
 いとも簡単に。

 クーンツ作品の映画化は呪われている。

 映画化自体がとんとご無沙汰だったので、忘れられかけていた。しかし、新作の撮影が快調だというニュースが流れ出す。
 そんなこんなで、私も、こういう記事を書いた。

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映画『オッド・トーマス』の話。

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 まだ、夏は来ていなかった。
 映画『オッド・トーマス』の全米公開は、夏の初め頃だと聞いていた。

 そして、いま、夏が終わろうとしている。

 私はあわてて、ニュースを読みあさった。
 映画関係の英語サイトは、いくつかネットサーフィンのルートに入っていたのに、この夏、その映画が公開されたということさえ読まなかった。なんという怖ろしいことか。トレーラーはなかなか良い出来に見えたのに、原作はニューヨークタイムズのベストセラーに載っていたのに、その映画が、メジャーなサイトではどこも話題に上げられないほど、大コケた?

 そういう呪いなのか、と思いつつ。

 検索をかけては読み、を繰り返し。
 小一時間で、頭を抱えた。

 ……公開、されていなかった。

 あまりに出来が良すぎて、年末の超大作ラインナップに昇格、というわけではない。

 訴訟が起こされていた。

 呪いを流布したくないので、ニュースソースも書かず、勝手な翻訳で、いくつかの記事の要約を、さらに要約し伝えさせていただく。
 骨格は、実にシンプルなニュース。
 それゆえ、おもしろくもなんともない。
 大手サイトが、どこも記事にしなかったわけである。

 まとめ。

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 Two Out of Ten ProdsとFusion Films、つまりは映画『オッド・トーマス』制作者側が、融資されるはずだった金額が支払われなかった結果として生じた補償的損害賠償、懲罰的損害賠償、弁護士費用、訴訟費用、およびその他の救済のために、投資ファンドとそれに関係する数名の個人に対する訴訟を起こした。

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 なにがおもしろくないといって、ニュースに肝心のクーンツ師の名が出てこない。

 儲かるべき映画作品に、預かったみんなのおこづかいを投資する投資ファンド。しかし彼らは撮影の最中に、

「これ、思ったより当たらないんじゃね?」

 という会議を開いた。

 ちょっと評判はどうなのか調べてみたら、極東の島国で過去のクーンツ映画の駄作っぷりと並べて『オッド・トーマス』も大丈夫なのかしらん、などと書いているそいつは島国にいるのだからアメリカでの公開時にチケット代を落としてくれるわけでもなく。

 そういった諸々の結果として、当初の計画よりも絞った融資に切り替えたが、制作者側は「今度こそ当てるクーンツ超大作」として撮っていた姿勢は変えず足りないぶんを自分たちで都合して撮りきってしまい、しかしそのために広告費を削らざるをえなかったため(公開予定だった今年になるまでトレーラーが出てこなかった理由がこれのようだ)、ついには配給不能の判断が下された。

 突き詰めれば、金払う側はクーンツの映画はコケる、という呪いに途中になって侵食されはじめたが、作っている側はクーンツ師の傑作を映像化だぜおれらが歴史に名を残す、という凶信者ぶり。

 ディーン・クーンツってあれでしょ、三本に一本は内容のない小説になる、プロットなしでまぐれ当たりの傑作を求めて作品量産している「売れたB級小説屋」でしょ?

 そういう冷静な分析をするひとたちが、どうしてあんな作家の小説がときどきベストセラーリストに顔を出すのか理解できない、と言ういっぽう。

 そこがいい。

 自分でも理由を説明できないまま、あのおっさんの書くものが好きだから好き、という分析不能なクーンツ信者たち。
 おそらく、金を引き上げたのは、ファンドではない。訴えられた側に個人名が並んでいるところを見ても、実際に土壇場で渋ったのは、ファンドに金を預けていた個人投資家たちなのだ。預けられていた金を引かれては、運用できない。ファンド側は説得したはずだ。

 クーンツっすよ。

 要は、それが伝わらない。
 今回は、クーンツ師はなにも悪くない。
 そして、映画は完成している。

 裁判の続くかぎり、アメリカ本国での公開はない。

 そんななか。 
 どうも、ハンガリーでDVDとしてリリースが決定。
 私はそれをディーン・クーンツ自身のツイッターで読んだ。

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『Dean Koontz 公式ツイッター』

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(恐れ多いので引用しないが7/19の投稿です。私の知らないハンガリーとクーンツの素敵な関係がありでもしないかぎり、ずいぶんと皮肉の効いた文章を綴っておられるように読める)

 ハンガリーとアメリカの両Amazonさんで販売されている様子はないが、あろうことかいま現在、YouTubeにはハンガリー語吹き替えの映画全編がアップされている。そのうえ、Odd Thomas 2013 DVDRIPと称する、いくつかの別言語バージョンまで存在するのを確認した。

 そのうちだれかが気付いて削除されると信じたいが、かようにどこの国であれ、公開前にディスクに焼いてしまえば、海賊版の横行は必然の理。それはすなわち、焼いたところで大儲けなどできないディスク版で、微々たる資金を回収するかわりに、劇場公開時の興行成績をいちじるしく落とすという行為。

(私はハンガリー語吹き替え版を途中まで観て、どうやらちゃんと最後まで観られるようだと判断できたところで観るのをやめましたが。原作に忠実な映画化なので、理解できない言語でも、ファンならスジを追って観られます)

 これが本当に制作者側の判断にもとづくものであれば(いや、実際に映画全編が流出しているのだから、疑う余地はないのですけれど)、選ばれた道はあきらかだ。

 『Odd Thomas』映像化は、『Odd Thomas Movie』として観客からではなく、映画化そのものを滞らせた資金提供者たちから儲けを回収する。

 遠い異国の地でDVD権を売るなど、そうでもせざるをえないほど、我々は困窮していたのです、だって全精力をかけたクーンツ超大作がまったく広告できず、公開のめどさえ立っていないのですよ!
 という敏腕弁護士の戦略であることは、ほぼ間違いない。

 クーンツ師が、自身の公式サイトで映画の出来に満足していると言及している。

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『Dean Speaks About the Odd Thomas Movie « Dean Koontz』

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 つまるところ、この訴訟が片付かないかぎり……いや、おそらくは、片付いたところで……私の願いは、またかなわない。

 ついにくるのかクーンツファンがブーイングせずに観られる映画化が!!

 もうすでにブーイングしてしまったし。
 先生が褒めちぎるほど完成度の高い作品に仕上がりながら、それがDVD販売? 想像しにくいことだが、訴訟に勝った制作者たちが、たんまり資金を回収したとして、映画『オッド・トーマス2』は制作されるだろうか。DVDを観たクーンツフリークな人々の応援の声があれば?

 私も大人です。
 そんな夢は見られません。
 アントン・イェルチンと、アディソン・ティムリンのオッド・トーマス。彼らも、うんざりだと思っているかも。続編のオファーが数年後になったら、実年齢の上がったふたりに幼さの残る純朴なオッド君とストーミーとして主演をやらせるわけにはいかないし、キャストを変えるなら、DVDを観て推した観客の期待には添えない可能性が高い。

 オッド・トーマス・シリーズの映画化に、今後、手を出そうという者は現れるだろうか。

 これが呪いでなく、なんなのか。
 ディーン・クーンツ原作の映画を、私は劇場で観たことがない。
 いまが旬の俳優と、良い脚本によって、原作者クーンツが満足したその映画も、私はきっと自宅のテレビで観る。来年だろうか。何年後か、だろうか。

 DVDを買うだろう。
 ああ、うれしいな。
 あなたにも勧めたいが、強くは推さない。
 原作がすばらしい。
 読んでいないなら、読んでみてと推す。
 それで充分だ。
 この話はこれでやめよう。  
 気分がすぐれない。

ODD THOMAS

ODD THOMAS

※重要な追陳。

 現在、以上の記事を書いてから数か月後ですが。

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映画『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』の話。

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 限定的ながら日本公開はおこなわれ、私、大歓喜の巻。
 敏腕弁護士さん、よりにもよって日本を選んでくださるとは、もう私に観よ吠えよとそそのかしているも同然。そして私は、そそのかされるままにわめき散らす。

 なんで日本先行限定公開、素晴らしい仕上がりなのに、ちゃんと手順を踏んで宣伝打って、

「ベストセラー作家ディーン・クーンツの全米大ヒット映画化が日本上陸!!」

 と銘打って公開していればもっとずっと儲かったのに!!

 さあ、これでいいですか。
 ぜひとも訴えた制作者側に裁判は勝っていただき「幻の傑作となるところだったオッド・トーマス・ムービー、ついに全米公開!!」の日を迎え、賠償金と興行収入の二重取りで潤ったあげく、野心を持って続編の映画化に向かっていただきたい!! ハマり役だと証明されたアントン・イェルチンが清廉無垢な青年オッド・トーマスを演じられるそのうちに!!

関連記事・・・・・・・・・・・・・・

『Dean Koontz師のサイン本』の話。

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