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『E3 / 2013におけるXBOXONEへの追記』の話。


 いろいろあった今年のE3が終わり。

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『E3 / 2013におけるXBOXONEへ』の話。

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 それからしばらくして。

 naval aviator(海軍飛行士)Jay Johnsonさんが、ブログで言いました。

「マイクロソフトは全世界の軍人を疎外している」

 それに対し、先週。
 Xbox executiveであるDon Mattrickは、全世界の軍人や学生たちのために、例の件に対する代替措置を発表。

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『Xbox Wire / Your Feedback Matters – Update on Xbox One』

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 内容の重要なところは二点。

・An internet connection will not be required to play offline Xbox One games

(XBOXONEのオフラインゲームをプレイするためにインターネット接続は必要なし)

・Trade-in, lend, resell, gift, and rent disc based games just like you do today

(ゲームディスクの中古売買、プレゼント、貸し借りは、今日できることとおなじ)

 私も、足並みそろっていないね、と書いた。
 足並みそろわず、PS4にはあるグレーゾーンがXBOXONEにはないとなると、海の底の潜水艦の休憩室で画面分割『Halo4』対戦に興じている軍人や、登校拒否で学生寮の自室に引きこもって『Minecraft』の世界に生きる大学生たちが、マイクロソフトのバカヤロウと言いだす始末。

 だからって。

 わかりましたようちもグレーゾーン継続です。

 E3から一週間で。
 およそ巨人マイクロソフトらしからぬ迅速かつ柔軟すぎる対応。
 よほど不評だったんでしょうね……

 まっとうなゲームファンにとっては、マイクロソフトがE3で発表した、徹底的なオンライン認証によってディスクを本体から抜いてもディスクゲームが起動できる、という仕様は夢のようだったのですが(特にXbox360発売当初からのユーザーは、物理ディスクの回転爆音とディスク傷問題には辟易した想い出がありますし)、それも夢と消え。

 いつだって、そう。
 求められるのは革新ではなく、改良。

 フィードバックをありがとう、我々はあなたの声を聞いている、ってマイクロソフトは言うけれど、自信をもって構築した新しいことが、大衆の声によってくつがえされたのが真実「改良」であるかといえば……現行機ユーザーの一部にとっては「ああ、もう」という出来事でしかない。

 私にとってXboxは『Halo』シリーズのためにあって、多くの週に五日、少なくとも三日は、プレイする。晩ご飯の前に長くて三十分というところ。『Halo』の一試合はおおむね十分程度なので、だいたい一試合か二試合をプレイするという感じなのです。

Halo4

 三十分で三試合は無理。
 なぜなら、マッチメイクが長いから。

 『Halo2』でネット対戦が実装されたとき、そのマッチメイク(対戦相手を探す時間)は、大きくプレイ時間の総計を上回っていた。私にとって『Halo』をプレイするということは、マンガを読むということでもあった。読みながら待つ。しかしいっこうに対戦相手が見つからず、その日のプレイを断念することさえままあったりした。

 だが『Halo』も外伝も含め『4』までナンバリングされる長寿シリーズになり、そのあたりだって、ずいぶん改良されてきた……近ごろでは、週刊誌の一話を読み終える前にマッチメイクが終わってしまうことも多くなったのですよ素晴らしい……まあ逆に言えば、いまでも十分の試合のために三分ほどの待ち時間があるってことですけどね。

 これは、考えてみればおかしいことだ。
 画面上では、いつでも『Halo』のプレイ人数は数万人以上となっている。
 そのなかで数人を出遭わせるのが、そんなに難しいことか?
 確かにシリーズ追うごとに進化はしているのだけれど、それでもいまだに私は『Halo』やるか、と言いながら待ち時間に読む雑誌をさがしているのである。タイムラグなくネット回線でテレビ電話ができる世の中なのだから、もっと進化の余地はありそうなものじゃないか。

 否。
 その点においては、ここは行き詰まりなのだった。

 サーバーの問題。
 それが克服できない現実。
 みんながおなじ『Halo』をプレイしている……けれど、数人を寄せ集めて、箱に詰めて、その内部で秘密の戦闘をさせるとき……だれかが「親」になる必要がある。
 日本の回線状態は、ほかの国に比べると、非常に良いらしい。
 なぜなら、私はよく「親」になるからだ。

 世界中から選抜した数人。
 彼らのインプットとアウトプット。
 それらが「親」=「サーバー」の機能を果たす私のXboxに出たり入ったりして、対戦が成り立っている。

 そう……マッチメイクの多くの時間は、その「親」さがしの時間だ。
 テキサスと、テサロニキと、ホングコングと、アフマダーバードと、メンヒェングラートバッハでコントローラーのBボタンが押されたのを、オーサカの私の書斎に置いてあるXbox360に集めて、みんなに返す。そういう作業を、だれを「親」にして、どのあたりの連中とつなげれば快適になるかをソフトウェア『Halo』が考える時間。
 結果的にジャパンはオーサカのゲーマータグYoshinogiのもとにその数人をまとめれば気持ちのよい一戦ができそうだというのを、数万人のなかから選ぶのに数分待たされている。

 それはまあ、いい。
 近ごろではめっきり見かけなくなったゲーセンの対戦筐体でバーチャファイターに育てられた私などにしてみれば、対戦相手をさがしに梅田のゲーセンをうろつかなくたって、家でマンガを読んでいたら数分で世界中の猛者と出逢えるのである。それがほんの十年のうちに実現してしまっているのだから、マンガを読みながら文句を言うのは贅沢というもの。

 しかし、現状、許しがたいこともある。

 抜けるやつがいるのだ。
 マッチメイクの長さに待ちきれず抜けるやつはまだいい。快適な一戦はまだはじまっていないのだから、そいつが抜けたことでマッチメイクがいちからやりなおしになってさらなる時間が経ったところで、こちらは「おやおやこらえしょうのない坊やだねえ」と鼻で笑ってすませる余裕もある。大人だもの。

 問題は、試合中に抜けるバカ。
 投票で選ばれた試合形式が気に入らない、そこで抜けてくれるならまだしも、試合の中盤に、追い込まれたから抜ける言語道断なやつがいる。
 そいつが「親」でなかったなら、最新版の『Halo』は黙って行かせ、追加の人員を途中参加させる気を回してくれる。もちろん、それだって、一時的に四対四が四対三とか、四対二とか、ひどいときには孤軍奮闘とかいうことになるのだから、良い試合だとはいえなくなる可能性が高い。しかし、「親」が抜けたときほどはひどくない。

「新しいホストをさがしています」

 その表示とともに、ブラックアウトした画面。
 世界中から流れてくる、舌打ちと、神のクソ野郎というセリフ。
 クソ野郎なのは神ではなく、途中抜けした「親」ホストのバカヤロウなのだが。

 もう少しで勝敗が決まる、という場面でそういうことになったりする。
 私にとって、一日にひと試合のそこでそういうことが起きると、もはやストレスを溜めるためにゲームをしているようなものだ。
 なぜ、試合展開が気に入らないなら、試合放棄してその場で終了を待たない?
 次のマッチメイクに一秒でも早く向かいたいから?
 だからっておれさまの一日を、神を呪うようなものにしていいとでも?

 ……この問題はどうにかならないのだろうか。
 どうにかしようとしたメーカーはあった。
 ソフトウェアの開発会社が、みずから自社サーバーを用意して、世界中のプレイヤーの「親」となったのである。それならば「親」が抜けることは絶対にない。

 ないのだが、ゲーマーのあいだでは、くわしい名称は伏せるが、こう呼ばれることになった。

「○○社の腐れサーバー」

 私も、実際にプレイしていたことがある。
 しかし、それは『Halo』ユーザーにとっては、耐えがたいものだった。
 カクカクしてる! ラグラグしてる!

 ……そりゃそうだ。
 それでうまく回るなら『Halo』だって、とっくにそうしている。
 ある一定以上の数が世界中で「売れてしまった」ゲームにとって、プレイヤーの数が増えてもサーバーの数が増やせない自社サーバー方式は、必然として、もっとサーバーを増強しろよという非難だけを集めがちになる。だが、どんなソフトも発売直後はプレイ人口が多いものの、そのうちこなれてくるもの。発売直後の「カクカクしてるぞ増強しろよ」の声に応えて金をつぎ込んでは、落ちついてきたころにそれは無駄になる。で、結局、そのメーカーは、新作ソフトを発売するたびに、発売直後の大人気カクカクラグラグばかりが記憶に残ることになり……

 プレイヤーの快適を考えて、わざわざ自社サーバーを用意して、罵声を浴びるのだから、真似をするメーカーが現れるわけもない。

 この段階で、すべての(特にアクションシューター系の)ネットゲーマーにとっての、揺るがない夢見る未来像ができあがった。

 でっかいサーバーがあれば。
 それだけで、なにもかもが解決。

 だれがそんなもの運営するんだよ?

 言わずもがな。
 神マイクロソフト様だ。

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『Stevivor.com / Microsoft Xbox Australia on some of today's lingering Xbox One questions』

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 この記事のなかで、マイクロソフトXboxオーストラリア広報担当Adam Pollingtonさまが、鼻高々に答えている数字によれば、

「いまの段階ですでに、XBOXONEの処理能力は事実上Xbox360の四十倍」

 この「いまの段階で」「事実上」というのは、XBOXONEがクラウドを重視しているという話の流れ。彼は、そのあとで言い添える。
 クラウドの技術は今後も進化していくので、

「no limit to where the processing power of Xbox One can go.」

 XBOXONEの処理能力は無制限に突き進む、と。

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『IGN / Microsoft Exec: Crackdown Isn't Dead』

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 『Crackdown』のシリーズは、日本では『ライオットアクト』として、モンキーパンチ先生の販促イラストで有名。超人が活躍する、いわゆる箱庭ゲー。その最新作について、Microsoft Game StudiosのバイスプレジデントPhil Spencerが漏らす。

「the natural progression for a game like Crackdown – and you see this showing up on our stage – is in these living, open worlds that live in the cloud.」

 Crackdownのようなゲームにとっては、クラウド技術を使った広大な世界にあなたが息づくのが、自然な展開。

RIOTACT

 『ライオットアクト』は、用意された街で、プレイヤーが暴れまわるゲーム。バイスプレジデントの発言は、あきらかに対人戦ではなく、個人プレイのことを指していた。

 箱庭ゲームにとって、世界の広さは重要なファクターである。Xbox、Xbox360の時代から、メディアがDVDではなくブルーレイならば、もっと広い世界を作って入れられるんじゃないのかという話があった。それが、クラウド。前述のオーストラリアの広報さんの言葉を借りれば「果てがない」そこへ、マップを置いておく。プレイヤーは、そこへ潜り込み、そこで遊ぶ。

 XBOXONEの処理能力がクラウドで無限大なように、箱庭ゲームのマップの広さも、その仕組みならば無限大ということになる。

 なるはずだった。
 とてつもない巨額を投じて用意される神マイクロソフトの、それこそ神がかったモンスター自社サーバーがXBOXONEにはあるから、それがない他社のゲーム機では、無限拡張する箱庭ゲームはプレイできない。
 そういうところが、売りになるはずだった。

 でも、今回の、方針転換。

 『ライオットアクト』のXBOXONE版をシングルプレイするときに、ネット接続は必須ではないということになってしまった。少なくともいまの文脈では、そう読むしかない。だとしたら、ネット必須なクラウド──マイクロソフト社のサーバーに、世界を置いておくわけにはいかない。前回の記事を書きながら、私が予約した『グランド・セフト・オート5』も箱庭ゲームだ。

GTA5

 現行タイトル『GTA4』でのオンライン対戦は、シングルプレイでの世界と、同じ場所でおこなわれる。当たり前だ。ディスクに入っているマップでストーリーモードも、対戦もおこなわれるのだから。

 しかし、XBOXONEでは。
 どうなるのか。

 対戦にネットは必須だ。
 ネットにつなぐならクラウドが使える。
 クラウドが使えるなら、マップも広くできる。

 でも、2013/E3から一週間で「ネット接続しないでXBOXONEのゲームはシングルプレイできる」ということにしてしまった。

 ストーリーモードは、狭いマップ?

 シングルプレイでも、ネットにつなげばマップが広くなります、という売り方はありだろうか。他社のゲーム機でプレイしてはたどり着けない海の向こうへ、オンラインにつないだXBOXONE版なら泳いでいけます。
 今回の公約に、それは反しないだろうか。

 反する、と消費者に見られたら。

 XBOXONEの処理能力はクラウドで無限大?
 ううん。だってネットにつながないで遊べるって言っちゃったもの。マップどころか、処理能力もクラウド使わないでシングルプレイはできないとダメじゃないの。

 あれ、それって、どうやってクラウド生かすの……
 巨大自社サーバー、なにに使えるというの……

 という流れで、ほぼ『Halo』専用機としてXboxを使っているような私のようなものも、うわわわん、と大声で泣くのです。

 ネット接続必須、撤回。
 それだと、変わらない。
 マイクロソフトが「親」が抜けたら止まってしまう『Halo』をどうにかしてくれなかったこれまでと変わらない。すべてのゲームがネット接続、クラウド必須になってこそ、無限などという言葉が使えるのであって、これまでどおりディスクに焼ける広さのマップしか売れないのなら、対戦の安定化のためだけにサーバーを増強し続けるなんて夢の未来はくるはずがない。

 ケンカ売られて、ディスられて。
 言い返さず、思想を曲げた。

 それで、売れるのかもしれない。
 私が書いているのは、マイクロソフトの立場に立たない、片寄ったゲームを片寄ったプレイで楽しんでいる、片寄ったユーザーの落胆である。
 それは否定しない。

 求められるのは革新ではなく、改良。

 そうね、クラウド必須だと潜水艦で『Halo』できないもんね。
 でも、私の目線で言うならば。
 いま、世界中のオフラインな潜水艦や学生寮でプレイしている『Halo』プレイヤーたちは、同じゲームをプレイしてはいるものの、十年前にオーサカから行くには新幹線が必要なトーキョーのゲーセンでバーチャファイターをプレイしていただれかと変わりない。

 せっかくマイクロソフトが本気になって「真に快適な対戦環境」を、そしてもう箱庭とは呼べない「果てのないオープンワールドゲーム」を、冗談でなくやる気でいたのに。

 じゃあ、なにか?
 果てなく広大な世界でみんなと旅するRPGが作れる未来に「技術的には」もういるというのに、世界中の軍隊の潜水艦にネット環境が整う……つまり、地球上のすべてのゲーマーがネット環境を整えられるまで……売れないから、作れない?

 断言できる。
 そして次の十年が過ぎたとき。

「マイクロソフトはすべての宇宙飛行士を敵に回した」

 そういうブログ記事で、パープルレイディスクに入る箱庭ゲームしかプレイできず、「新しいホストをさがしています」画面を、私はまだ見ている。

 未来は来ませんでした。
 もう少しだったのに。
 つーか、来たのに撤回されたというのが萎える。
 革新は、真の勇者にしかできないことなのか。

 まあ、なあ……
 真の勇者のこころざしで突き進み、あげく散ったハードを年表ではなく店頭で見てきた昭和ゲーマーにとっては、弱虫、と簡単にののしれないところもあるが。
 こころざしまで曲げて、売れないとか、それこそ最悪。
 だけどこれでますます応援しにくい……キネクトいらねえし。
 すでにアホほど増強しちゃったサーバーを『Halo』新作のために使わせてくれるのなら、迷わずついていくのだけれど。という私の思想も『Halo』に関しては未来ではなく、いまで満足だからそれを快適にしてくれるだけでいいという後ろ向き。

 だれもに、必要なものは違う。
 あらそって、だれが勝つというものでもなく。
 理想の美人の写真を重ねていくと、平凡な顔になる。
 だれもが望む未来なんて実現不可能なもの。

 でも、だからこそ、望まれるものを差し出すだけでなく、理想を押しつけて納得させるパワーファイトを……見せて、撃たれて、折れたんでしたっけ。
 良いE3でした。
 ついにやっちゃったよ、と刹那だけ、興奮した。

 まさに今日、Microsoft BUILD 2013でWindows 8.1 プレビュー版が公開されて、ニュースではしきりに、

「スタートボタン復活!」

 と報じられていますが。
 確かにボタンは復活しているものの、その機能は『7』以前のそれと違うことは、あまり報道されていない。

 それでいいと思う。
 『8』にスタートボタンがついたなら買おうかな、という大衆の声を納得させ、だが実は折れたわけではない、理想へのあくなきこだわり。

 そういうのをXBOXONEでも見せてほしい。
 なんでただ軽いXPを作れないわけ?
 とか、
 『Halo』だけがサクサク動けばそれでいいんだよ!
 とか、そういう後ろ向きなピーポーをだまくらかしながら、世界を変えていって。知らないあいだに首筋にジャックがついていたけれど、つけられてみたらこれ便利じゃん、みたいなのが良い未来だと思うのです。

 多数決で決まる未来は、のっぺり顔。
 そんなのイヤだ。せっかくなら、ネオンジェネシスの美しいってのはこういうことでしょうっ、と、とんでもないレディを紹介してもらいたい。冗談抜きでとんでもねえやって言うならば、別の極端に行けばいいのだし。万人に「嫌われないため」生み出された無個性な未来相手に、熱くほとばしったりはできません。

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go  go  2013/10/17 17:33
『とかげの月/徒然』 『E3 / 2013におけるXBOXONEへの追記』の話。