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『トマト缶でサルサソース、タコスに暮れる』の話。


 突然ですが、タコスを作ります。
 ていうか作りました。

Tortilla0

 まずはソース。
 トマト缶を使ったサルサソースです。
 サルサソースと呼んでいいものかというくらいに単純化しています。
 なんなら、完熟トマトがあればそれを握りつぶしてハラペーニョとトルティーヤに巻きこむくらいの豪快さが、こういう料理には必要です。
 でもトマトを握りつぶすと台所が汚れるので、缶詰で代用。

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○材料

トマト缶 1缶
ピーマン 1個
玉ねぎ 1/3個
ニンニク ひとかけ
レモン果汁 大さじ1
タバスコ 小さじ1
粗挽きブラックペッパー 小さじ1/2
オリーブオイル 大さじ1

○作り方

トマト缶をフライパンに開け、熱しながら実を砕き、くつくつと沸きはじめたところで刻んだピーマンを加えて火を止めます。冷めたら刻んだタマネギとすりおろしたニンニク、その他の材料をすべて加え混ぜあわせます。

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Tortilla1

 写真は生ピーマンではなく冷凍のパプリカミックスを使っております。
 本場のサルサソースには砂糖やハチミツが入るらしいのですけれど、私、あれ好きじゃない。
 マクドナルドのナゲットについてくる黄色と赤のソースの赤いほうも好きじゃない。
 ソースはパンチ。
 パンチとは殴ることであって甘えることではない。

 ま。暑い国では、こういうソースのレシピは本邦における味噌汁とか雑煮のそれみたいなもので、地域風土以上にそれぞれの家庭料理人のこだわりの具現化。
 あなたもあなたのお好きにどうぞ。

 ソースができたところで、トルティーヤを焼きましょう。
 とはいえ、我が『とかげの月』では以前にトルティーヤのレシピは掲載済み。
 またやるの?

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『スープがあまったのでトルティーヤを焼く』の話。

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 ときまさにテレビではタコスを食べると覚醒する、だじぇいの雀士・片岡優希が「学食にタコスがある」という理由で清澄高校に進学したことがすべての物語の発端である『咲-Saki-』のアニメ化第二弾『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』が流れていて(ごめんなさい。私の視聴は録画して三ヶ月遅れくらいがデフォルト)、物語も終盤、やっと片岡先生が登場したところ。

saki

 で、思い出す。
 彼女の手にあるタコスは黄色いということを。
 ハードシェルです。
 トウモロコシの粉です。
 ふと見れば、なぜか台所にそれがあった。
 使ったコーングリッツはこれ。

Corngrits

 粗挽き、って書いてある。
 私が選んで買ってきたものではなく妻が台所に置いていたものであり、彼女が作ったタコスなど食べたことはないので、それはたぶんコーンマフィンとか、そういうものに使われるはずのものだったのであろう。先日、後輩に「飲み物は適当に選んで買ってきて」と言ったらロイヤルミルクティーを買ってきたので理由を訊いたら「ヨシノギさん、こういうのかなと思いまして」と答えられたのですが。私はプライベートではコーヒーも紅茶も飲まない(加糖された缶紅茶なんてもってのほか。だったら頼むときに言えってなものですが。砂糖入った飲み物買ってくるという発想自体がなかった)ので、もちろん紅茶に最適なコーンミールまぶしたイングリッシュマフィンなんてものも数百年単位で口にしていません。

 私が食べないものに使われるくらいならば、私が私好みに使ってあげる。

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○材料

強力粉 300g
コーングリッツ 200g
水 350cc
オリーブオイル 大さじ1
塩 小さじ1/2

○作り方

①まぜあわせこねる。

Tortilla3

②冷蔵庫で一時間ほど寝かせる。

Tortilla4

③ちぎってのばして焼く。

(後述しますが、粉の質によって水の量は増減あり。まずは250ccを加えて様子を見てください。写真で伝わるとよいのですが、よく言われるように、イースト菌を使わないパン生地の寝かせる前のやわらかさは、授乳期の乳首が理想。実物のイメージがないかたは、ほ乳瓶のゴム乳首を想像してもらってもけっこうです)

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 プロレスが好きです。
 専門チャンネルを契約していたりします(なので、2012年の大晦日もアイアンシェフや紅白は録画しておいて『年越しプロレス』中継を観る予定。それ以前に初売りの売場が年越しまでにできあがればですけれど)。
 プロレスの本場はメキシコです。
 プロレスラーもよくメキシコに行きます。
 今年も何人か、大麻を持って帰ってきて捕まったりもしましたが。
 レスラーが行くならカメラも行く。
 ということは、私もやたらメキシコに詳しくなる。

 あっちの屋台のタコス、トルティーヤも、やっぱり黄色い。
 どう見たって小麦粉の色じゃない。
 片岡優希が選んだ「学食にタコスがある」学校のそれも黄色いとなれば、それはもう、本格的なタコスとは黄色いものだと断じてもよい。

 以前のタコス話では、オーソドックスなトルティーヤのレシピと書いているくらい、私、これまで、あえてタコスだからコーンミール買いに行くなんて行動を取ったことがなく、記憶をたどるとコーンミールで生地を焼いたことはあるんだけれど、粗挽きという表記は初めて見た気がする。

(追記。ご指摘ありがとうございました。ボけていますね。なにが初めて見た気がする、か。この記事の冒頭でリンクした記事のなかからさらにリンクされている過去の記事のなかで、私はメキシコ料理のタマーレというのを作っていて、まさしくそれが粗挽きコーンミールを買ってきて生地を練った料理でした。三年も経てばたいていのことは忘れるということの証左です。だから今日の失敗も三年後にはなんでもなくなっているんだ、という勇気に変換して好意的に読んでいただけたならありがたい)

 そういうものを、適当に混ぜて焼いてみて。
 ああ、あれってこういうことだったのか、と。
 気づいたことがあった。

 トルティーヤマシーン。

Tortilla

 トルティーヤプレスとも言う。

 プロレスラーとメキシコの町を行く、そういう番組だと成り行き上、タコスの量と辛さを推した食事シーンで盛りあげようとするわけで。お店のひとも巨人のようなレスラーどもがやってきて大慌てでトルティーヤ増産! みたいな。そういう場面で、トルティーヤ職人たちは、麺棒を握っていない。
 がっちゃんぎゅー。
 がっちゃんぎゅー。
 いわゆる、せんべい屋台で見るようなプレスマシンで生地を作っている。

 不思議だった。
 だって、トルティーヤって、最終的には鉄板で焼くんだぜ。
 せんべいマシンってのは、それ自体が発熱しているから、挟んだ生地が平べったくなったあとは焼きあがった完成品になって剥がせるけれど。ほら、そば屋さんで、ガラス張りのコーナーで実演している店がよくあるじゃない。職人さん、粉まみれ。そう、そば粉であれ、小麦粉であれ、打ち粉なしでのばしたりしたら、くっつきまわって、まして薄い生地を作るなんてのは、引っぱったら破れちゃって、ほぼ無理。

 それが、メキシコのタコス屋は。
 がっちゃんぎゅー、して。
 ぺろん、て剥がして鉄板に放ってる。

 打ち粉なんて使っている様子がない。
 だいたい、町中のそこかしこにタコス屋台があるのに、それらの屋台がガラスで覆われているわけもない。なのに打ち粉の煙がもうもうと舞いあがっていないということは。
 やっぱり、粉は使っていないのである。

 かといって、油でべとべとにも見えない。
 あのトルティーヤマシンが年季が入っていて、油なんて塗らなくても染みついた油分でつるっつるなのかな、なんて首を傾げていたのですけれど。   

 作ってみてわかった。
 単純な物理科学の話。

 コーンミールの、それも粗挽きのものを使うと、まったく打ち台にくっつかなくなる。
 なぜなら粒子が粗いから。
 
 粉を並べるとわかります。
 粗挽きコーンミールは、強力粉と比べれば砂のよう。

Tortilla2

 そして、こねてもこねても、なめらかにはなりません。

Tortilla3
Tortilla4

 麺棒にも打ち板にも、粉も油も塗っていない。
 生地自体に含まれる油分で充分。
 半分以上小麦粉の生地でこうなのだから、まっ黄色なコーンのトルティーヤなどが、どれほど扱いやすいかはあきらかです。
 そう!!
 私は、これを気に入った。
 なので以前のレシピを修正する意味でも、今回の記事を書いているのです。
 確かに、強力粉よりもコーングリッツは高い。
 しかし、確実に扱いやすさが上昇するし、味もよし。

 今回、私はクリスマスディナー当番だったのですけれど。
 ホットプレートに買ってきた骨付きモモを並べて、野菜もぶっ込んで、さあ勝手に肉を分解してアボカドでも卵でもぶっかけてサルサソースもぶっかけて辛くなかったらタバスコも足して。
 トルティーヤで巻いて。っていうか、けっきょく食べにくいので、トルティーヤをちぎっては食べ、ワインを飲んでモモ肉にかじりつき、というような風情で。

 テレビでは窮地のプロレスリングNOAHが恒例のクリスマス大会をやっていて、分裂するメンバー同士の最後の試合がファン感謝デーって、という見物な展開で飽きず。

 タコスはクリスマスにも、もちろんプロレスにも合います。 
 いやあ、それにしてもコーングリッツを混ぜるだけで生地をのばすのが、こんなに面倒くさくなくなるとは。早くだれか教えてくれたらよかったのに。いや、数百年タコスを食べてきた国で、いまだに黄色いタコスばっかり売っている時点で、私が気づくべきでした。
 最近の料理本には、小麦粉をふるうという行程がない。
 それほど、世界の小麦粉は細かくなっている。
 それってつまり口当たりがよくなるということではあるが、繊細な野郎が扱いにくいのは至極当然。そしていまや、米よりも小麦を食べる民族になりかけている身にとって、むしろ荒々しくて舌に残る粗挽きコーングリッツの風味こそが、なんだか食べ慣れた小麦粉と違って新味。
 特別感。

 ぜひ、トルティーヤにコーン粉を。
 試していませんが、コーン100%のトルティーヤにしてしまうと、おそらく焼いたあとに崩れやすい脆さが出るはずなので、半分くらいが食べやすく、なにより作りやすい。今回の分量だと、昼間に焼いて冷蔵庫に保存しておいたトルティーヤで、夜もクルクル巻ける柔軟さが保持されていました。

 あ、ただし注意点がひとつ。
 粒子が粗い、そのせいなのか、見比べていただくとわかることに、強力粉のみのレシピと計算が合わない水の量になっています。レシピの水の量は、あくまでこの季節、さっき私が作ったときに使った水の量。みなさんもコーングリッツご使用の際は、強力粉と合わせた粉100gに対し水50ccの割合をまず入れ、そのあとは生地の様子を見て足していくことをおすすめします。粉の状態と、気温なんかにも左右されるはず。

 言いかえれば、レシピに頼らず適当にフィーリングで作って問題なしの料理だってことです。のばせそうな固さにして、のばして焼いて食う。

 どうぞ、あなたの毎日のレシピにも加えてみて。

 締めようと思ったら、翌日、父がやってきた。

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・おみやげー、と言って父が殻付きの生牡蠣を持ってきてくれたんだけれど。こちとらカウンターで一日中「ノロウィルスで死者が出たんですってねえ」って話をお客さんとしているわけで。蒸しても心配。てことで殻剥いてじっくり揚げた牡蠣フライにする。

twitter / Yoshinogi

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 冷蔵庫に残っていたトルティーヤで巻いてみました。
 マヨネーズがけ。
 水菜は鍋の残りもの。

Tortilla5

 ほんっと、タコス、安いビールとワインに合うわあ。
 年越しプロレス、楽しみ。
 たぶん(いやまず間違いなく)、
 これで今年最後の『とかげの月 / 徒然』。
 私は仕事柄、元日しか休めないのでハメ外して酔いつぶれたりはできない通常運転なのですが、お休みなみなさんは、どうぞ盛り上がってくださいまし。

 今年もお世話になりっぱなしでした。
 来年もお世話になります。
 
 あなたにとって(私にとっても)。
 次なる一年がちょっとは飛躍の年でありますように。
 切実に祈ってる。
 祈りに足る者になれるよう闘ってく。 
 食ったらとっととイきましょう!!


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