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『SeXbox』のこと(増量中)。

「手紙ィ?」
「あぁ……国際電話なんていくらかかるか怖いし
それしかねーよなやっぱ……」
「確か留学って1年だったよな
そんなんでお前ガマンできるわけ?」
「だ…だって仕方ねーじゃんよ
他に方法無いんだし!!」


 瀬尾公治 『涼風』

suzuka

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 カリフォルニアで開催された『THE GAME DEVELOPERS CONFERENCE 2006』──GDC は、コンピューター、コンソール、モバイル、ゲームセンター、オンラインゲームや様々なエンターテイメントのゲーム開発者のための公式イベント。

 このイベントのなかの、『GDC Expo』では、第一線の技術者たちが、ゲームの新たな可能性を探るデバイスを出展している。近年の傾向として、指先に直接つけてカーソルを操作できるグローブ型マウスや、それにさらに触覚のフィードバックを与えたもの、ヘルメット型のモニターなど、近未来SFアクション映画の主人公が身につけていそうなウェアラブル(身体装着型)デバイスが目白押しで、ゲームファンのみならず、SF好きにも要チェックなイベントとなっているのですけれど。

 今年はなかでも、あまりにもバカバカしく、しかしもっとも世界中で取り上げられるだろうデバイスが出展されていたので、私も紹介する。

 IGDA(International Game Developers Association,国際ゲーム開発者協会)所属「Sex in Games SIG」(SIG:Special Interest Group,研究会)員、カイル・マチュリスが、自身のサイトでもこの作品を紹介している。
 それが、これ。

 『SeXbox』

 あまり下ネタをここにアップしたくはないのだが「生活のすべてにつながっていく」というXboxと360というマシンの、真髄がここに見えるので紹介せずにはいられなかった。実際のところ、写真から判断するにこれは、Xboxのコントローラーで大人のおもちゃが操作できるというだけのものである。けれどここには、二十世紀科学文明の象徴である電球を金色に塗っただけのものを美術館に展示したジャスパー・ジョーンズや、毎日の生活の象徴であるキャンベルのスープ缶をただ描いたものを「アートだ」と言いきったアンディ・ウォーホルの作品を見たときと同じような「なんだそれ?」……でも。がある。

 以前にもここで書いたが、次世代ゲーム機の筆頭であるXboxの、もっともこれまでのゲーム機と違うところといえば、映像と音声のチャットが世界中と自由にできるということであり、隣町の恋人と電話をするよりも安い通信費で、地球の裏側の彼とリアルタイム動画つきのテレホンセックスが無制限に楽しめる、という使い方が、もっとも適切な使用法だ。バカバカしいかもしれないが、そこにXboxのコントローラーで操作できる大人のおもちゃというデバイスが加わることにより、たとえば冒頭引用のラヴコメ『涼風』のような状況で、救われる恋人たちもいるだろう(少年マガジンでSeXboxが描けるとは思わないが(笑))。

 私も、日課のように世界中の人々とゲームをしている。
 世界中に知り合いであり友達ができ、実際に、それが縁で結婚したりする人たちも出てきた。世界はつながっている──それが当たり前になると、私たちは、自然に疑問に思うのだ──毎日逢っている、このひとに、もしかしたら私は一生触れることはないし、顔を見ることさえないんだろうか。なんだか、ちょっと怖い感覚でさえある。

 触れあうこと、という定義の新しいカタチをSeXboxは考えさせる。
 むろん、金色に塗った電球を見て、「け」と鼻で笑うのも、未来の恋人たちについて夢想するのも観客の自由なのであって、そういう意味では、バカバカしいが、じっと見てしまうなにかのある作品でした。ブラボー、カイル・マチュリス。
 次回は、さらに発展させて出展してくれるんだろうな。

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 追記。
 ↑この『徒然』を書いて数時間後、即座にKyle Machulis氏の公式サイトに「YoshiNogi Coverage - Japanese Link」という逆リンクが貼られていた──うわああ、ガイジンさんがいっぱいやってきているよ──(ログに国名チェコなんて残っているのはじめて見た。しかしあの辺り日系企業多いからな。もしかすると単身赴任中の日本人パパかもしれない。SEXという単語を検索して『とかげの月』にたどり着く孤独なチェコの日本人……泣ける)──無断でリンクしたにもかかわらず、日本ゲーム報道界の大御所『4gamer.net』さんと並べられて。あちらは「Coverage」と呼ぶにふさわしい報道サイトさんですが、うちは……いまのところSeXboxに興味を示した日本で唯一の個人サイトとして晒されている状態の『とかげの月』です。ていうか、こちらから貼ったのトラックバックではなかったんだが……一日中パソコンの前にいて、ログ解析から自分のサイトにリンクを貼った人間を世界中捜しまわっているのだろうか……さすがバカバカしいものを本当に作ってしまう天才の行動はひと味違うね(カイル・マチュリス氏が日本語を読めず有能な翻訳ソフトも有していないことを祈りつつ……)。リンクありがとうございました。すでに開発から一年も経っているんですねSeXbox。バージョン2の完成を本気で楽しみにしていますよ。ぜひXboxLiveを使って世界の裏側から遠隔操作できるように進化させてくれ。

Mr.Kyle Machulis, can use SeXbox with XboxLive.
It is my sincere dream.
You are aiming at the very beautiful future.

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 で、私が↑この英語コメントを書いたさらに数時間後、オクラホマの彼が自身のブログで再度『とかげの月/徒然』にリンクを貼ってくださったため、いま現在この『徒然』は英語圏の皆さんに占拠されています。かつてない賛辞ですって? いや実際、笑ったよあなたの発明には。遊び心に満ちた甘美な未来こそ、私の夢見るものです。日本の皆さん、彼は日本語の家庭教師をさがしているそうなので金額を提示するといいよ。

I am glad to connect with you now.
Moreover, let's meet in the delicious future that you draw some time.
Thank you.

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