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『葉たまねぎでお好み焼き』のこと。



 たまねぎがたまねぎにならずネギ坊主が生えてきた、というお客さんが、返金はいいから邪魔なので抜きに来て引き取ってというので行ってきた。
 そりゃあもう元気に育っておりました(笑)。

 で、山ほど持って帰ってきたところ、ものすごい匂いに気づいた兼業農家なおねえさまが、はらはらと笑って言った。

「葉タマネギね。土がいいのね、すごい育ってる」

 土が良い、は褒め言葉だろうが、良い土で育てたら種のパッケージ写真と違うものになるのでは、売る身としては困ったものである。

「雨が多かったからかしら」

 まさに、このところ大雨続きである。
 ふつうに考えて、畑は泥の海と化していたことだろう。
 太陽に当たらないとひょろっとなっちゃうって言うものな。
 で、食べれんの、これ?

「葉タマネギって売っているの見たことない?」

 ない。
 近所のダイエーでは見たことがない。
 子供のころに食べたおぼえはないし、
 飲み屋で出てきた記憶もない。

「そうね、葉タマネギをあえて育てるっていうものじゃないから。
 道の駅とかでよく売っているんだけど」

 ふーん。
 でも、実が小さいのにネギ坊主だけデカくなるもんなんだねえ。

「あら、ちがうわよヨシノギさん。
 タマネギってなんだと思ってるの」

 タマネギはタマネギでしょう。

「そうよ、ネギ。球根じゃないのよ?」

 あ、あの丸い売っているところが、ネギなんだ。

「青ネギと一緒で、食べるのは葉っぱの部分」

 ふむふむ。
 キャベツみたいなものなんだね。

「キャベツは縦にのびないけど、
 タマネギはネギだから上にものびるの」

 なるほど。
 と、いうことは、こやつらは、タマネギの味がするのでしょうか。

「お好み焼きとかしてみて
 ネギとはまた違う感じだから」

 してみてって、もう持って帰ること前提だし。
 しかし、たしかにこの匂いはまずい。
 二階の食堂のテーブルに山積みにしているのに、一階の倉庫の奥で「臭っ」とつぶやいている人がいる。葉タマネギおそるべし。
 電車通勤なんだけどな。

「密封すれば平気
 あたしも持って帰ろう」

 というわけで、みんなで「臭っ」を連発しながら、山分けにしたのでした。
 家に帰って、その夜はビニール袋の三重がさねを開ける気にもなれず、翌朝、紐解いた。

 臭っ。

 朝陽のなか、葉タマネギを撮る。

Hatamanegi

 なかなかに美しく、愛らしい植物である。
 しかし、臭い。

 さっそく調理する。
 教えられたとおりに、お好み焼きに。
 ていうか、チジミっぽく焼いてみよう。
 葉タマネギのみで肉なんて入れない。

 大阪人なら、お好み焼きは寝ぼけていても作れるもの。
 私のレシピをあえて数字にするとこんな感じ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

○材料

●具材
葉タマネギ 400g
天かす 適宜
紅生姜 適宜
桜海老 適宜

●生地
薄力粉 カップ1
水+卵 カップ1
ベーキングパウダー 小さじ1

(「適宜(てきぎ)」とは「ほどよく」という意味です。
おつまみとしては生地に醤油を足すのもいいかも。
ベーキングパウダーのかわりに山芋があればそりゃそっちのがよい) 

○作り方

葉タマネギをきざみ、残りの具材と生地の材料、すべてをまぜあわせ、熱したフライパンにお好み焼きっぽい形にのばし両面を焼く。

(ごま油とかたらしてみるのも良し。かなり生地が少ない感じになりますが、ネギ焼きっちゅうのはそういうものでんがな。フライパンで作るお好み焼きは、まず片面にしっかり焦げ目をつけて固め、そのまま皿にスライドさせて出し、フライパンのほうを裏返してそれにかぶせ、よいしょっと裏返します。フライ返しでひっくり返そうなんてこころみると、バラバラになりますよ。という行程なので、フライパンも炒め鍋(中華鍋型)のほうが側面がなだらかなカーブを描いているので、皿にスライドさせて落としやすいのです)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 完成。

Hatamanegi2

 おみやげにもらった(私が辛いの好きだということで、なんだかもらい物にそんなのが多かったりする)「世界一辛いソースかも」というのが売りフレーズのお好み焼きソースに、青のりとカツオブシ、一味唐辛子とガーリックパウダーでいただきました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『倉敷市玉島の豊島屋-超・激辛ソース』

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 このソース。世界一辛い「かも」というところがミソで、ソースという単語でくくるならば、ぜんぜん某社のペッパーソースのほうが辛い。

Pepper Sauce

 しかし、お好み焼きソースをベースにした、唐辛子とブラックペッパー入りのソースということであれば、確かに、こんなにスパイシーな「お好みソース」はほかに知らない。正直なところ、激辛というジャンルに慣れた人であれば、あれ? そんなに辛くない、という程度のカプサイシンパワーですけれども、そのあたりの手加減が、おみやげとして買われる岡山名物となっているキモの部分なのでしょう。

 それにしても、ミソ、とか、キモ、というのは、人間だって内臓が一番大切な部分だというところからきた表現なのでしょうか。だとすると、それだけではただの焼き肉の具材にしかならないわけで、やっぱりソースって大事です(?)。

 さておき、ソースの辛さのせいもあるのか、この葉タマネギというやつ。

 甘い。

 いわゆる鼻にツンとくるネギ特有の辛さがなく、かといって炒めたタマネギのようなはっきりとした甘さでもなく、そこはかとなく甘い。言いかえると「パンチがない」とも表現可能ですが、ネギ焼きの苦手な人でも、これなら食べられそうな感じ。お好み焼きの味なんて、キモの部分はソースですしな。チジミらしく豆板醤酢醤油でいただくのもよい。

 しかしまあ、部屋に置いておくのが臭いので、早く火を通してしまいたく、これが朝食ということで酒のあてというわけにもいかず(運転する用事があったので)。100グラムぶんほどを消費したところで、残りはひとくちサイズに切って冷凍。焼いてしまえばネギ焼きのような強烈な匂いもないし、お弁当の具にします。

 しっかし、まだまだ残っている。
 まるっこい部分は、カレーにでもするとして。
(さすがに硬そうなので、生食は避けよう)
 みどりいろの葉の部分ですよ。
 すごい量ですよ。
 お好み焼きでは、冷凍庫が埋まる。
 どうするか。
 鍋にでもするか。
 葉タマネギ鍋。
 ていうか、湯豆腐に、鶏肉と葉タマネギ。
 うん。いい感じ。

 豆腐買ってくる。

(その後、業務スーパーで鶏肉2キロパックと豆腐を買ってきたのだが……木綿豆腐がなくて。なんだか代わりに置いてあった、新もめん豆腐とかいうのをチョイス。なんだそれ。なんか絹ごし豆腐みたいなんですけど。かたいのが好きなのに……鍋はだんぜんに木綿豆腐です。なんて30円の豆腐で語っても説得力がないですが。ありがとう業務スーパー。この冬もおかげで鍋三昧でした。春も来たし、これが今期ラストの鍋かなあ。ちょうどマロニーもなくなったよ)

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