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『牡蠣を焼く』のこと。



 牡蠣を焼く。

 一時はノロウィルスの猛威によって、それで生計を成り立たせているにもかかわらず、牡蠣漁師さんが直販を自粛した、なんてことがあったが、あれから二年。いつものように広島からの海沿いの帰り道、浜辺には、発砲スチロールボックス入りの獲れたて牡蠣が山積みの光景が戻っている。

 私は、海のある町で生まれたので、牡蠣は生でもガツガツ食う。しかし、牡蠣漁師さんたちも、ふたたびの販売に踏み切ったはいいものの、慎重にはなっている。前は「この海で獲れた牡蠣は清潔そのもの」みたいなことをうたっていたのが「牡蠣の食しかたマニュアル」みたいな小冊子が、決まってついてくる。

 内容は、とにかく火は通してくれ頼むから、という一点につきる。
 新鮮さを売りにしながら、これだけ言うのである。自己責任で生で喰ってもいいが、ワイドショーが来たら、うちはちゃんと「生で喰うな」と伝えたと証言してくれ、ということであろう。学習効果というやつだ。いまやどの業界でも、自己責任で、は、合い言葉。ほら、だから自己責任でって言ったじゃありませんか、私たちは知りませんよ。

 ちょっと悩む。
 生牡蠣にあたったことはない。
 近所の居酒屋で鶏肉のカルパッチョにやられたことがあるが、魚介のたぐいで、おなかにきたことは一度としてない。たぶん、今朝、獲れたのを買ったばかりの牡蠣、生で食べても平気だろうという自信はある。そういうのを、自信というのかどうかはよくわからないが。

 しかし、まあ、家族がいる。死者も出たという食中毒の大流行からやっと脱却して、漁師さんも必死で、これからは中毒者を出さず、安定した商売を続けたい、と願っているのである。これはもう、火を通すのが礼儀であろう、と。そこまではいい。

 そこで、はたと困る。

 牡蠣である。箱詰めで買ってきた牡蠣は、生で喰うというのが、今までの私の人生では、当たり前だった。しかし、今夜から文明人になる。そう決めた。決めたのだが、そのなりかたがわからない。

 牡蠣のグラタンは作ったことがある。
 オリーブオイルでソテーした。
 漁師さんの小冊子にも、バターで炒めてみて、とか書いてあったりする。

 いや、しかしですよ。
 海からあがったそのままの殻付き。
 こやつを大量に消費するとなればまず、殻を剥く。
 これしんどい。
 私はカニどころかミカンの皮だって、それを剥くくらいなら食べないというほうを選ぶくらいの食に関する面倒くさがりである。食事するのに出かけるくらいなら、ドッグフードでいい(栄養バランスには気をつかっている)。かったい殻の一個ずつを相手にするなんて正気の沙汰じゃない。かといってだれかに「やって」というのもイヤだ。自分で料理したい(ひとが料理していると口を出したくなる、というか出すので、けっきょく最初から自分でやったほうがだれもにとって労力少なくすむのだった。なにより自分で料理するぶんには、自分がイライラしないでいいし)。

 殻を剥くという作業を回避する結果、フライとか、鍋とか、その手の牡蠣の中身だけをまず取り出す必要があるレシピは、考えたくもない。となると、頼みの綱の小冊子にも、調理法が書いていない。なんということか。牡蠣チャーハン? そんなのはスーパーでパックの牡蠣を買ってきて作るべきだ。殻付きの牡蠣は、殻のまま食べねばならぬ。生で食べることは断念しても、それはゆずれない。そもそも、殻付きの牡蠣の殻を剥けば、容量は十分の一以下になるのだ。そんなに殻を剥いて食わせたいなら、漁師さんが剥いて売ってくれればいい。むろん、その姿で売っていたら買わなかったわけだが。

 というわけで、牡蠣の加熱法を考える。

 もっとも簡単なのは、電子レンジ。
 一個につき一分くらい加熱すると、ぱっかり蓋が開く。
 そこにレモンを絞り込んでタバスコを落とし、ずずっとすする。
 よい。それはよい。
 しかし、五個で五分。それ以前に、殻付きの大振りな牡蠣が、五個もレンジにはいるだろうか。三個で一杯になりそうな気がする。これで量を食うとなれば、食べてはレンジへ走り(べつに走らなくてもいいけど)の繰り返しになる。よいプロレスの試合を鑑賞しながら、ほどよくあたたまった牡蠣をワインで喉の奥へ流しこんでいるさなかに、っちーん、とか鳴るのも興ざめだ。

 となれば。
 直火。
 しかし海っ子だった私は知っている。
 海の家で網焼きにしている貝には近づいてはいけない。まして牡蠣など。あやつは、海の松ぼっくり。さるかに合戦のクリ。火にくべれば、はじけて人を殺めかねない。そんなものを自宅のグリルで焼きたくない。じゃあフライパンで。いや、うちにはアルミの軽量フタしかないのである。そんなものではやつらは抑え込めないかもしれぬ。

 で。思いついた。
 そういえばこの前のナン。
 熱い鉄のフタで焼いた。
 そうである。
 我が家にはダッチオーブンがあるではないか。
 まだ焼きの甘いルーキーに、次なる試練、牡蠣焼きの行を与えてやろう。

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『カレーのためのナンのレシピ』のこと。

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 鉄の棺桶。
 ケージマッチだ。
 ふはははは、牡蠣どもよ、まとめてかかってくるがよい。
 つめこんだ。
 十個をいっぺんに焼きます。
 詰めこんで、フタをして、火にかけるだけ。
 またアホほど煙は出るでしょうが、ダッチオーブンは空焚きされるのが仕事。
 はじけるがいいさ牡蠣レンジャーたち。
 おれのハガネのダッチは、びくともしないはずだ。

 いざ勝負。

 で、強火で十分ほど。
 もうもうたる煙をあげているダッチのフタをリフターであげてみると……

 口を開きだしてやがるよ。
 これでよし。
 ダッチオーブンの底には、煮えたぎる牡蠣汁が溜まっている。
 すごい匂いだ。
 いかにも海のスメル。
 ふむ。焼いた牡蠣もいいかも。
 
 ポン酢とか、オリーブオイルとか、もちろんタバスコとか、並べて食べました。
 いや、それだけの話です。
 あまりに湯気がすごくて、調理後の写真は白くて見られたものではなかった。と、いうわけで、ダッチオーブンに詰めこんだ、牡蠣たちの姿でお別れしましょう。
 ごちそうさま。

Oyster

 ところでその牡蠣を食べながら見ていたプロレスリングNOAHの大会中継で。
 あの若林アナが、

「私、リングサイドでNOAHの実況するのはじめてなんですよ、
 いいものですねえ」

 と発言しているのに泣いた。
 よかったなあ。

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『ノアぷ~・最終回』の話。

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クロムハーツ リング  クロムハーツ リング  2013/10/24 16:51
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