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『ハッスルとか。右ひざ前十字じん帯断裂とか。』のこと。


『ハッスル オフィシャル ウェブサイト』

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 あのハッスルが消滅危機だとか。
 あいかわらずのマニア人気はあって、ニュースでも、わざわざアメリカからハッスルを観に来たという青年が、来日した現場で大会の中止を知ったとか、悲壮感ただようエピソードも報道されていた。大会開催の前日に中止決定って、たぶん売れたチケットと興業費を見比べて、あきらかなマイナスだったからなんだろうけれど……

 こうなってみると、論ずるべきは、

「日本ではアメリカンプロレス的演出は受け入れられないのか」

 ということではないのだと思う。
 ベビーフェイスが登場するたびに花火を上げ、ヒールが登場するたびにスモークを焚き、だれもが知っている大型選手を多額のギャラでスポット参戦させ、プロレスには無関係の有名人まで引き込んで演じるファイティングオペラ。
 今回だって、出来ることなら続ける気でいたのだろう。
 そして、続けられるのならば、それなりに客も浮き沈みはあってもついていくものだ。
 だから、問題なのは。

「日本ではアメリカンプロレス的興業は成り立たないのか」

 そういうことで。
 つまるところは、圧倒的な人口の差という壁。
 アメリカンプロレスの代名詞、WWEのひと大会は、ふつうに観客動員が一万人規模で、それがどの街でやってもそうなわけだから。落ち目だっていわれていた数年前の時期でさえ、地方都市でも興業が成り立っていた。
 しかし日本で地方に行けば。全日本プロレスがノっていた昭和でさえ、二階席のない体育館で、壁ぎわには空間がある、という状態。それでもツアーが組めるのは、古き良き日本のプロレス興業は、リングを持ち歩き、自分たちで組み立て、そして演じるという、つきつめれば客が入らなければ自分たちのギャラが減る、というだけのことであったから。
 心意気で興行することだって、不可能ではなかった。

 しかしハッスルは。
 呼んできた長州力にギャラを払わねばならない。
 インリン様への未払い裁判も戦わなくてはならない。
 竹内力に、心意気で演じてくれと言えるほど、彼らに身内意識はないだろう。
 花火の値段は、絶対的な客数が少ない国でだって、同じに高価いのだ。

 それに付け加えて。
 私は竹内力の双子の弟、RIKIが好きである。
 彼がプロレスに参戦すると聞いて、夢のようだと思ったひとりだ。
 だがしかし。
 はじまってみれば、それ。

RIKI

 WWEの収益の半分は、グッズの売上げによるものだという。
 ジョン・シナの着ているあのTシャツ、トリプルHの咆吼をきみの胸に!
 RIKI参戦。
 なぜピンク。なぜリーゼン党。
 あげくに長州力と組ませるって。
 ビタ一文あたえたくない。
 竹内力の来年のカレンダーはちゃんと作ってある。
 ひとりで、ハードボイルドに。

RIKI

 それがハッスルにやらせると、全国制覇って書かれたピンクのリーゼン党タオル……なぜ? せっかくRIKIを連れてきて、なぜに見るからに売れそうにないグッズを量産。 

 見誤っていると思うんだ。
 思うんだ、っていうか、まさにそうだから窮地なんだろうが。
 今後はアジア進出をもくろむという。
 破滅の予感がぷんぷんする。
 結局のところ、新規の客をさがさなければ成り立たなくなるという、その図式が間違っている。小さい会場ではそれなりに、大きい会場でもそれなりに。最近では、三沢光晴が逝ったことで、プロレス界の垣根が取り払われて、各団体のトップ選手が他団体にも顔を出すことで、あきらかに観客動員数が上がっている。ハッスルって、ハッスルを観ているのもプロレスファンなのに、ハッスル自体はプロレス業界から距離を置くようなところがあって、この波にも乗りきれなかった。川田利明がゼロワンに流れたのも、きっとギャラの問題。プロレス界を渡り歩くフリーの選手で成り立っていたから、こうなるとギャラなしでも団体のために、なんて選手は現れやしない。各団体の選手が、いつもとは違うキャラを魅せるお祭りの場として機能していれば、ハッスルの立ち位置も、もっと観客寄りになっていった気もするのだけれど。あとのまつりだ。

 これ。選手のせいじゃないと思うな。
 特にハッスルは、興業形態もふくめてオペラなわけだし。
 プロデューサーか、監督か、演出か、呼び方はなんでもいいけれど、舵を取る人の迷走が、団体を滅ぼしたっていう感じ。
 選手たちは、変わらず応援したい。
 ていうか、川田がガチファイトに戻ってきてくれて、うれしかったりする旧全日のファンのひとりなんですけどね、私も。

 やっぱり、この国には、力道山先生のはじめた、相撲的カラダが資本のプロレス興業が似合ってる。鍛えに鍛えた選手が無茶する、その様を観に観客が集まる。プロレスラーは化け物でなくてはならない。そう、のたまったのはジャイアント馬場先生だが。それを技のせめぎあいのなかでこそ魅せるべきだ、必要以上の演出されたドラマはいらないと、理想をかかげたのが三沢光晴だった。

 そのプロレスリングNOAHも、客の入りが心配な今日この頃なのですが。
 この春に、右ひざ前十字じん帯断裂をして「早くて来年」という復帰を目指している丸藤正道に続き、このたびKENTAまでもが右ひざ前十字じん帯断裂。ああ……もう。まったく同じところです。膝っていうのは、ほとんど肉がついていないので、血管の量も少なくて。自然治癒はほとんど見込めない。だから処置としては、膝を支える十字じん帯を手術で作ってやるしかなく……
 KENTAの膝を開くなんて。
 ていうか、NOAHはさ。
 三沢の首も、小橋の腕も、丸藤やKENTAの膝も。
 だれがどう見ても、壊れるべくして壊れたという感想。
 あんな空中技を、あんなキックを、一試合に何十発と放っていたら、そりゃヒトのカラダは限界を越える。花火のかわりに、自分たちの技を打ち上げているわけで、それは相撲から派生した伝統の日本プロレスの、まさに王道なんだが……
 力士が空を飛びハイキックをかます、その化け物具合は、やっぱり無茶苦茶すぎることなんだよなあ……このふたりが長期欠場って。この時期に痛すぎる。

KENTA

 前々から思っているんだけれど、プロレスラーって別に身につける衣装に規定があるわけじゃないんで、だったら事前にプロテクターでどうにかなんないものなんだろうか。ひざ前十字じん帯を損傷したヒトは、術後、膝を支えるサポーターで、いわば膝の外に第二のじん帯を作ってやることで膝がずれなくなるという。だったらそれ、もうあきらかに数年後には膝が壊れるだろう選手たちの膝に、事前に着けておいちゃダメなんだろうか。締めつけて動きにくいんだろうか。でも長期欠場なんてのよりずっとマシではない? 丸藤とか、背面跳びからの着地で膝が、とかいうのも、世の中にはビルの三階からタマゴを落としても割れない衝撃吸収材とか、出回っているんだし。それ膝に仕込んじゃダメなんだろうか。もちろん衝撃吸収ゲルということは、膝蹴りでの相手へのダメージも皆無になるわけだけれど……いやいやいや。プロレスなら、それで良くない? 武藤敬司の壊れた膝に、布団みたいな分厚いサポーターが巻かれているのを見るたびに、あれこそだれか最先端技術でどうにかして欲しい、と思うのです。

 『めだかボックス』で、雲仙冥利が着こんでいる風紀委員会特服『白虎』。最先端繊維を使用して衝撃吸収でダンプカーにはねられてもへっちゃら(でも、めだかちゃんのパンチで吹っ飛ぶ)とかいうし。ああいうの、実際にできないものかね。フィクションで描かれることは、すでにヒトの頭の中で限界点を越えたアイデアなのだから、現実にできるのだと、どこかできいたが。

medaka

 とか書いていたら。
 今夜のJCBホール大会。
 力皇猛、鈴木鼓太郎。
 A型インフルエンザと診断で欠場だって。
 ああ……もう。ぼろぼろ。
 三沢光晴の魂を継ぐ者たちよ。
 看板選手たちに事前になぜ、
 最先端抗菌防護マスクをかぶせておかなかったんだよ。
 プロレスラーたちは繊細なんだぞ。

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