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『ウィングス小説大賞で最終選考に残る方法』その3。



 なにが驚くって、毎日「小説ウィングス」とか「ウィングス小説大賞」なんて語句を検索する人がいっぱいいるんだなあ、と。〆切間近だからでしょうか。参戦しようかどうしようか迷っているヒトもいるのでしょうか……迷うぐらいなら挑んでしまえ(この冒頭を書いているときには〆切前でした。すでに今回の〆切は昨日だったのでまた次回)。私がたまには誉められたりするくらいなのだから、、どれほどこの賞が柔軟な姿勢で幅広い可能性を持つ新人の育成に尽力しているかがわかろうというものだ(唐突に褒めてみる。なにか一部の方々に誤解されているようですが、何度も言うが私は小説ウィングスを創刊号から読んでいるマニアックな新書館信者です)。

 それはそうと、小説ウィングス50号で『三浦しをん×よしながふみ』対談という企画が組まれていて、そのなかでボーイズラブという言葉が好きじゃないという三浦しをんに、よしながふみが「ビブロスさんが言いたかったのは『嘆美』に対して『ボーイズラブ』ということだったのではないか」という発言をされていて。ビブロス社の主催する賞の履歴をさがせば、そこにもけっこう私の名前が見つかるのですが、ほんとバカな話で、男性作家はほぼ皆無な世界だから、いろんなボーイズラブ作家さん(プロ、アマ問わず)とお話しする機会があったにもかかわらず、だれの話からも、私はそれをきちんと学べていなかった。
 この対談を読んで、私はいまさら目からウロコを落としたのでした。
 いや『ボーイズラブ』が『嘆美』に対してポップな感覚を売りにするもの、だとわかってはいたからこそビブロスやディアプラスといった雑誌の小説賞に私の名前は現れるのですが、根本の部分で、私の中ではそれらはどっちもどっちだった。ていうかむしろ私の作風は嘆美に寄っているといっていい。

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よしなが 同人誌におけるジャンプ系にあるような、男の子同士の友情から一歩踏み越えちゃった関係へのあこがれ、ですよね。友情にあこがれて、その友情があまりに熱いのでついくっつけてしまう、みたいな。
三浦 ここまで友情が熱ければ体も重なる……みたいな(笑)。


『ホモ漫、そして少女マンガを語りつくす!?
 三浦しをんvsよしながふみ』

kokodake

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 ──ものすごくわかりやすい。
 どうして「ボーイズラブって正直わかんないんですよね」と言う私に、だれも言ってくれなかったんだろう(いや、そんな話はだれかとしたような気がする。私がスルーしていただけなのだ)。そうして言われてみれば、私がボーイズラブだと思って書いているもののほとんどが、やっぱり「男同士であることの背徳」をあからさまにではなくても匂わせている。私だってウィングス読者なのに。えみくりさんの「一億総ホモ」世界を、普通に読んでいたのに。そここそが本質だと気づかずにいた。
 で、気づく。

 『ゲームの真髄。』

 クラムというクスリの力を使って絶対王者となった佐々木は、自分が実力を認める彼こそ王者にふさわしいと自分は舞台を降り、しかし運命のいたずらによって再び舞台上で二人はあいまみえる──ライバルとして、愛する恋人同士として。

 そのあらすじ、まんま「行きすぎたジャンプ」。
 しかもジャンプ読者でウィングス読者でビブロスとディアプラス読者の男性である私が、たまたまそういう話を書いたんだったりして。
 言って欲しかった……自慢じゃないが、私はマッチョなレスラーや禿げたオッサン俳優から熟女、美少年ロリ少女まで、ほとんどあらゆる萌えに拒否反応がないどころか本気で萌えられる性質のうえ、純文学から四コママンガまで愛する読者でもある。そういうのは書けないなぁ、という設定はほぼ皆無。

 ボーイズラヴってほんとのゲイじゃない。というよしながふみの言葉が重いです。普通のサラリーマンを書きながら、でもその点においてはごく自然に愛を語らせなければいけなかったのですね、やっぱり「男なのに愛せる」という視点に持っていく傾向がありました、私。ボーイズラブを読む女性にとって当たり前のことが、何年も何年も読んでいて、私は当たり前にわかることができずにいたようです。

 そういう観点で、過去のウィングス小説大賞における私の作品を眺めてみる。
 おー。詳細は省くが、私のウィングス向け作品は、基幹の設定が二つに大別できる。

 そのいち。
 成人男性×少年な、いわゆる『パーフェクトワールド』『ゴールデン・チャイルド』的設定のもの。

 そのに。
 成人男性×成人男性……まんまホモ話。でもボーイズラブ作品とは棲み分けるために、主人公はそのホモ話に巻き込まれるといった展開が多い。

 で、おー、なのだが。
 そのいちの評価はまんべんなく低い。
 言われてみれば、ひとつの法則が見えてくる。
 ウィングス小説大賞はホモ話に弱い。
 『ゲームの真髄。』にいたってはディアプラスでの評価もあるので、はっきりとBL誌では掲載できないがウィングスでなら、という傾向が示されている。悩んだらホモ。教訓である。しかしてゲイではない。至言だ。

 とかいいながら、いま書き上げた原稿がウィングス用なんですが。
 量子力学における不確定性定理の許容というテーマで書いていたせいで、時節柄『ノエイン』という実に良くできたアニメともろにテーマがかぶりまして……

ノエイン

 アニメの出来がひどくて視聴率も低そうなら当初のプロット通りにすすめるつもりだったのですが、名作の呼び声高い状況で……途中からいかに審査員に「ノエインの影響?」と思わせないようにするかで四苦八苦。もともとは『サイレント・アイズ』に触発されて作ったプロットだったのだけれど、まさか量子物理学ブームが来るなどだれが予測できる。結果として、女子高生が主役だったのに、その淡い恋のお話は脇に追いやられ「どこかの異世界の弟を愛することを自分に許せない兄が自らを許すことのできる世界を求めて暴走する」というハイパーにバイオレンスな物語となったのでした。学校半壊して世界は海に沈みかけます……女子高生を主役にしたのはこんな物語を書くためではなかったのに、読者層により近い主役としての抜擢だったのに。まあ、女子高生にもわかるようにわかりやすいシュレーディンガーの猫の話とか織り交ぜて、楽しく量子物理学(論理学かも)が学べる作品になっております。嘘です。ものすごい不完全燃焼です。ダメっぽい。いや、物語はいかにも吉秒的で読者を限定するおもしろさに満ちあふれていますけれど……(ポジティブシンキング)……自分が男性作家で男性読者の目を気にしていることがよくわかった。女子高生にアクションやらせると、どうしても……たぶん、私の生涯で、もっとも純白のパンツの描写が多い作品だ。サービスできる状況でサービスしないのはエンタメ書きとしてどうかと思ってしまうんだもの。きっとその過剰なサービスが女性読者の眉をひそめさせると審査されたりするわけだ。きっと。審査員さまはいつも正しい。

 タイトルは、
 『ルビオの世界にぼくらはいない。』
 女子高生主役なのに「ぼくら」ってなあ。
 時空を股にかける背徳の兄弟愛がウリです。
 ジャンプ的じゃないな……最終選考に残る方法?
 残らなくてもデビューできなくても次の作品も全力でギャンブルすることだ。
 来月も、再来月もすでに飛ぶ用意はできている!
 自爆したときのことを考えず放つリング場外への飛び技こそ当たったときには痛いんだ。観客も沸くんだ。背骨いためてそのまま引退になったレスラーも多いが、小説書きは死なねえんだから。飛んでおけってんだよ。見るがいいさこのオレの自爆っぷりをよおっ。

 ……いかん、キャラが……
 ──つづく。かなあ。

 ともあれ、同志のみなさま。
 おつかれさまでした。
 すべての闘う者たちに。

 愛してる。
 ぐっすり眠れ。

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