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『ウィングス小説大賞で最終選考に残る方法』その1。



第12回 第一次選考通過
     『(タイトル不明)』
第13回 第四次選考通過(最終選考落選)
     『幸せなモノ』
第14回 第二次選考通過
     『哀しみを癒すモノ』
     『ひとなつのみず』
     『僕の泣く声を聞け』
第15回 最終選考通過
     『みぎみみの傷』
第16回 第四次選考通過(最終選考落選)
     『なぁあお』
第17回 第四次選考通過(最終選考落選)
     『兎の瞳はなぜ紅い。』
第18回 第二次選考通過
     『兎はどこに逃げるのか。』
     編集部期待作・一席
     『とかげの月』
第19回 第三次選考通過
     『ふれうるきずに』
第20回 編集部期待作
     『アスプの涙』
第21回 第四次選考通過(最終選考落選)
     『バオバの涙舟』
第22回 第三次選考通過
     『ささやかな旋律。』
第23回 第三次選考通過(最終選考落選)
     『りんゑの宴、ぼくの唇。』
第24回 第三次選考通過(最終選考落選)
     『うさぎがはねた。』
第25回 第二次選考通過
     『愚かしく魔法使いは。』
第26回 第三次選考通過
     『幽閉の銀の箱』     
第27回 第四次選考通過(最終選考落選)
     『幻追い~とかげ~』
第28回 第四次選考通過(最終選考落選)
     『幻追い/リーリー』
第29回 第四次選考通過(最終選考落選) 
     『造形師ディクリード・フィニクスのヒーローな休日。』
第30回 第四次選考通過(最終選考落選)
     『幻追い~三結神~』
第31回 第三次選考通過
     『幻追い/少年鎖骨電光掲示板』
      第四次選考通過(最終選考落選)
     『ゲームの真髄。』


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 回によって最終選考前の選考が第三次であったり第四次であったりするので、最終選考に到達して落選したものはそれを明記しました……してみて気づく、最終選考落選の数の多いこと……

 編集部期待作、二回。
 最終選考通過、一回。
 最終選考落選、十一回。

 今回、ちょっとこの辺りでもう一度傾向と対策を練るかと調べていたら、自分でも忘れていた第12回の一次選考通過という記録を見つけまして。一次ではタイトルも載らないのでデータとしては不完全なのですが(たぶん手元にあったウィングス向けに書いたものではないなんらかの原稿を送ったのだと思われる。まるで記憶にない)、いまのいままでウィングス小説大賞応募歴十八回と書いていたのが、実は十九回だったことが判明し……大変だ。第12回の発表は小説ウィングスNO12号(まだ劣悪な紙質でいまの二倍以上の厚みがあってページ数は少ないという雑誌のころです)。その号の発行は1996年、8月。

 いつのまにか今年は私のウィングス小説大賞応募歴十年の記念の年なのでした(笑)。

 パーティーでも開くか、と思ったのですが、十年たってもなにも祝うことがないので、かわりにこれからの決意も新たにしつつ、この不毛の大地に新たに舞い降りんとする人生を捨てた堕天使たちのために吉秒匠が書かせていただきます。

『ウィングス小説大賞で最終選考に残る方法』

 いや、今回調べなおして気づいたが(余談ですが、私は小説ウィングスを創刊第1号から最新刊第50号までと、二冊の『小説ウィングス・スペシャル』を所有する、小説ウィングスコレクターでもあります。トリビアの泉や探偵ナイトスクープで「新書館小説ウィングスについて詳しい」研究者が必要になったときは、私を指名してください)、長年、ページをめくればそばにいる存在だった月本ナシオさんが角川ビーンズでデビューしてしまい、プロアマ問わずの賞とはいえウィングス小説大賞から事実上の撤退をなしたいま、胸はってこれを書けるのは私くらいでしょう。

nashionashio

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 今月末がまさに二十回目のウィングス小説大賞となる原稿の締め切りなのですが、どうにもいま書いている原稿にピンと来るものがないんです。私自身が、書きながら『ウィングス小説大賞で最終選考に残る方法』を知りたいということで。年表にしてみるとよくわかりますが、数年に一度、タイトルの傾向が変わっています。大きく作品の内容も方向転換している時期です。そしてそんなときには、決まって成績が悪い。新しくはじめたものが自分の血肉になるまでに私の場合、数年を要するみたい……公演を繰り返すうちに格段におもしろくなってゆく舞台というものがありますが、そういった性質の物書きなのでしょう(ポジティブシンキング)。でもラノベ書きとしては致命的です。そのあたりの不安定さが、小説ウィングス編集部の私を使えない理由だということは、重々承知しているのですが……また私は、この三年書き続けてきた『幻追い』の系譜ではないものを書きはじめてしまいました。手さぐりです。なにが(ウィングスという雑誌にとって)おもしろいのか、一日中そればかり考えている今日この頃です。

 というわけでこのテーマ、第一回目の今日は、いつものように選考者への愚痴から始めたい(笑)。

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 創刊50号にしてこの小説大賞も31回を迎えた。時間的にも十八年。そもそも賞のスタートは創刊を見据えたもので、第一回の入選者から二人が創刊号に登場した。縁なく小説ウィングスでは執筆していないが、いまも活躍中の小説家となった。その後もさまざまな入選者たちがプロ作家として誕生した。第7回の新堂奈槻、13回の真瀬もと、17回の甲斐透、20回の雁野航、22回の縞田理理。今回のショートショート競作で短編を披露してくれた西城由良、浅井柊ら新鋭ももちろん小説大賞の出身者だ。


 『第31回ウィングス小説大賞総評』より抜粋。

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 さて。ここに出てくるのは9人。
 賞は第31回。
 名前が列記されているなかで、大賞受賞者は新堂奈槻さんただひとり。それは第7回のこと。むろんウィングスが「まだ劣悪な紙質でいまの二倍以上の厚みがあってページ数は少ないという雑誌のころ」の出来事であり、十五年ほど昔の話だ。今回も大賞は出なかった。十年以上にもわたって大賞が出ない。ときまさにオリンピック開催中だが、上記の通り、その後も数人とはいえ本誌デビューしている者がいるのである。だとしたら、彼らに大賞の冠を与えるのが当然ではないだろうか? 上を見上げたとき、今回のトップがデビューしているにもかかわらず賞金は一銭も手にしていないし、表彰台にはだれもいない。その状況で「よし次こそは私が」と奮起できる者がいるとしたら、ちょっとマゾ趣味が入っている。金メダルを首に下げた新堂奈槻さんの姿を目にして、いまもウィングス小説大賞に挑んでいるのって、私のほかにだれかいる? (西城由良さんも長かったけれど、めでたく小説ウィングス50号でデビューされています。名前変えたりしている方も多いのだろうが……元気でやっていますか、みなさま)

 ほとんどの人は、数年前の雁野航さんが銀メダルを首に下げているのを見たことがあるくらいだろう。十年、大賞が出ないのだとしたら、それは編集部の設定している大賞の基準のほうが間違っていると確定して良いと思う。祭りが祭りとして機能していないのだもの。

 私が応募をはじめてからの話に絞るが、名前が出ている17回の甲斐透さんのデビュー作『月の光はいつも静かに』はその回の編集部期待作だが、実際の甲斐透さんのデビューは、その次の第18回で編集部期待作・二席を受賞した『金色の明日』のあとのことである。ちなみに同じ回、編集部期待作・一席を受賞しているのは吉秒匠であり、私はウィングス未デビューである。さらにちなみに言うと、上の編集部総評では触れられていないが、第20回の編集部期待作受賞者、有瀬なおさんは受賞作『天使の鳥篭』でディアプラス(ウィングスの姉妹誌であるBL系雑誌)にデビューしている。ちなみに同じ回で編集部期待作を受賞している吉秒匠はディアプラス未デビューである(さらにちなみにこの回、雁野航さんが銀メダルを首に下げていた。つまりこの回のトップ3で唯一私だけが紙面掲載はなかった)。さらにさらにあえて書くなら、私はディアプラスの主催する小説賞でも最終選考に何度か残っている。小説ウィングス50号の歴史上、編集部期待作を二度獲って作品未掲載なのは吉秒匠ただひとりだ(和泉統子さんはめでたく小説ウィングス51号でデビューを果たされましたので、これからもこのフレーズを吉秒匠が独占します。嬉しい)。

 かつて私は作品評で「センスのある作品だが、若干方向性が読者を限定するように思う。作風に合った投稿先を考えるのも一つの方法ではないか」と言われている。ところで今回もまた、同じようなことを言われている人を発見したのでエールを送っておこう。「相応の賞を目指すか、当ジャンルの作品を研究した上で再チャレンジを」と言われている柚井黄菜子さん。いま「でも私はこの方向性でウィングスに新風を」とか思っているでしょう? その主張はウィングス編集部には通じません。なにせデビュー前の新人に向かって「デビューしても食っていけるかどうかわからないし、できれば二足のわらじで書き続けて」と言うような編集部です。新人に覇気を持たせるという発想どころか、「当ジャンル」と書くほど自分たちの方向の独自性を大切に想いながら、自分たちの雑誌がこの先ラノベ界を牛耳るという野望は持っていないのです。私は読み捨ての小説雑誌編集部なんてAV女優をスカウトするように、おいしい話で釣ってデビューさせ、化ければ大もうけだし外れれば「マニアものに出るかできないなら引退な」という作家使い捨て方式でいいと思うんですけれど。デビューしたあと食っていけるかどうかまで心配してくださるのが、親切と取れないこともないですが……って、エールになっていませんね。いやがんばってください。ともに切磋琢磨しましょう次代の小説ウィングスをアジアの星……いやアニメ、ゲーム化からハリウッド進出を果たすような作品も生み出せる、世界の小説ウィングスに育てあげるまで。実際の話、エロ分量の少ないBL風味ファンタジーは、この先アジア圏での日本少女漫画ブームともあいまって、ここがチャンスの売りどころだと思う。新書館的には先細りでも国内マニア市場を固めて行く路線なのでしょうか。私は私がウィングスでデビューできるかどうかももちろん心配ですが、小説ウィングスがこの先存続してゆけるのかどうかのほうがもっと心配です。

(柚井黄菜子さま。たぶんこれ読んでいると思うので、気が向いたらご連絡ください。ともに愚痴りましょう)

 以上は、私の力不足ということでそれはそれとして。
 今回も、ちょっとムっとしたことがあったので一言。
 前回の第30回で最終選考に残っていた私の作品タイトル名が、実際には『幻追い~三結神~』であるところが『幻遣い~三結神~』と誌面では誤植されていたということがあって、最終選考に残ってみんなで膝つきあわせて「しかしこのタイトルはどうかしらん」などと話しているに違いない作品のタイトルが思いっきり書き間違えられているってなんだよー、という話をここでもしたのですけれど。
 今回の同じく最終選考に残って誌面では『ゲームの神髄。』と書かれている作品。
 あのね。

 『ゲームの真髄。』です。

 私は無神論者です。
 私の書くキャラクターたちも、自分の運命は戦うことによって自分で切り開く。
 祈るキャラはいないのです。
 これは、ゲームという人生を生きるゲーマーたちのお話で、その「真髄」とはおれとお前の人生の「真実」のことで、決してそれは「神髄」と書き表してはいけないセリフ。

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 編集部のサポート体制もこれまでの反省とともにより強化していく予定だ。


 『第31回ウィングス小説大賞総評』より抜粋。

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 それはそうだがさしあたり、毎回発表で最終選考到達作品のタイトルを誤植するって。どこまで読み込んでくれたのかという不信感がつのるのは事実。作品名を書き写しているのは選考したくださったかたとは別人かもしれないですけれど、でも「ああ今回もデビューには届かなかったけれど私って想われているなあ、次こそ期待に応えて読者に逢おう」という活力は生まれるどころか萎え気味で。

 そういう気持ちで、十年。
 ──つづく。


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『とある小説賞の終宴と私の人生』の話。


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