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『台湾旅行記・双子の月の御託宣』のこと。



Taiwan28

紅い三日月といえば。
私の『Halo』におけるシンボルマークなのだが。
(ゲーマータグ「Yoshinogi」です。どうぞよろしく)
台湾のたいていの神社に、これが山積みされている。
片面が曲面に磨いてあり、
もう片面が平らな三日月。
紅く塗られた木片。
「竹筮」(に似た漢字。竹冠に「交」が正確)
そう書いてあるが神道占師がかしゃかしゃやったり、
扇のようにひろげたりする筮竹(ぜいちく)には似ていない。
手のひらにのるほどの半月。
竹の字が入っているが多くは杉材のようである。
片面が曲面で、反対は平面。
ということはふたつを手に取り、
ぴたっと合わせれば、まるっこい三日月ができあがる。
ふたつのかけらが合わさるとイッコになる。
なんだかトキメキを感じる。
平安絵巻の貝あわせに似ている。
ギザギザハートのペンダントに似ている。
どんな時代のどんな国の人でも、
ふたつが合体する様子には物語を見てしまう。
『超人バロム1』しかり。
『ウルトラマンエース』しかり。
『ミカるんX』しかり。
そんなわけで挑戦です。
なにに?
三日月をふたつ地面に投げつけるのです。
ふたつともユラユラしていたらだめ。
ふたつともペッタンとしていたらだめ。
赤い糸もおみくじも、もらえません。
神さまがお前なんかにかける言葉はねえとおっしゃってる。
失せなさい。
──というほど台湾の神々は厳しくない。
三回までは許されます。
ユラユラとペッタンのコンビ。
合体できるふたつの面がそこに現れたときだけ、
なんやかやともらえるのです。
ちなみに私は三回目で成功。
その神社では成功者に番号札を引かせ、
それに対応したおみくじをくれる。
現地のおばちゃんが日本語で、
「ワルカタラモヤセバ」
と呪文のようなことを言って笑った。
どうやらおみくじが気に入らなければ燃やせば無効になるということらしい。
それでいいのかとも思うが、
日本の神社のように結んで帰る枝もなし。
だったら悪いおみくじ持って帰っても困るものな。
「ヨカタラサイフイレテ」
あーお札みたいに壁に貼るんじゃなくて?
というわけで持って帰ってきたのですが。
さっぱり意味がわからないのでした(笑)。
とりあえず右下の「訴不吉求財無」の響きが、
良かネエだろという気はするのですが……
読めないどこかに重要なすばらしきことが書かれているかも知れず。
燃やせない。
信じていないなら占いとかおみくじとか。
手にとるのもやめるべきなんだよな。
初詣には行っても、おみくじは引いたことがない。
これって実は信じているのかなあ、と思ったりもしたり。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 そういえば私はことしも初詣に行っていないのだけれど。
 初詣の神社からメールをくれた友人がいた。
 読んでみたら、隠れキリシタンで有名な山のすぐふもとにある神社で、辛口招き猫として有名なおみくじを引いたら、励ましの言葉が並んでいたとよろこぶ内容でした。

「難しいと思える事も粘れば道が開ける」

 とか書いてあるんですよー去年までとは大違い、とハシャいでいるのだが。
 私は、それがGoodだとするなら、そのおみくじのBadってどんだけだよと返信をして、そうしたら去年のおみくじには「仕事・技芸」の項目がはっきり「駄目」と書いてあったという。
 そりゃ実に辛口招き猫だ。

 私はほんと記憶にあるかぎりの自分の人生のなかで神社のおみくじを引いたことがなく、唯一、台湾で引いたけれど内容が判読できなかったが気にもならなかったソレくらいで、まったく託宣というものに熱情が持てないんだけれど。しかしなぜにそんなサディスティックな占いをみずから享受しに行くのか、と話していたら、その友人が言ったのだった。

「努力しなさいって言ってもらいたいんです」

 ……新日本プロレスの山本小鉄鬼軍曹が、よく言っているね。
 練習しなさい。

小鉄小鉄子

 あれなんだな。
 いま現状ダメだけれど、切磋琢磨で状況が変えられる。
 努力だ、鍛錬だ、と。
 上を目指せと。
 夢は叶います、と言われると信憑性がないが、努力すれば叶うかも、と言われると、だったらがんばろうかと思える、というところですか。
 いや、それってさ。
 けっきょく、なにも占ってもらっていないに等しくない?

「欲しいものがあるって思い出すんです」

 なるほど。

 練習しなさい。
 ↓
 なぜ?
 ↓
 そうだったおれはもっと強くなりたいがために血反吐はいて練習していたんだったなにを怠けているんだスクワット一億回だオレっ!!

 という図式ってこと。
 ちなみにその友人の、去年の「愛情・恋愛」の項目にはばっちり「夢に終わる」と書いてあったのが、今年のGoodな招き猫お告げでは「障害があってなかなか実らない」だったという。まったくもってその託宣のなにが良いものかと浅はかな私などには思えてしまうのだけれど。

「なかなか実らないってことは、最終的には実るんです」

 占いなんてなくても前向きに生きられるよキミは。
 と思った私の認識が間違っているのでしょうね。
 台湾の神社で、必死な顔して双子の赤い月を地面に落としていた女性がいっぱいいた。三度目も表裏の双子がそろわずに、おみくじが引けないことで泣いている人までいた。
 言葉って、さ。
 おなじ歌を聞いても、まるで違う意味にとってしまったり。
 ひとことで、生かしも殺しもできる。
 きっとおみくじを引けなかった彼女は、そのひとことにたどり着かなかった事実をまた占いの結果として受けとめているから、泣くのでしょう。

 たぶん。
 私は、ひとことに心を動かされすぎるから。
 だからおみくじが怖いんだ。

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