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『BONNIE PINK』の話。

 Xboxの話で思い出したが。

 ボニーピンクが好きでさ。
 デビューから聴いていて、大半の歌が英語詞で、ファンのだれもが「どうしてこのコはもっとキャッチーな日本語の歌を歌わないのか」と言っていたころに発表された『Heaven’s Kitchen』とその収録アルバムが、ものの見事にヒットして、それ以前からのファンはそれみろと思いつつ、しかしそうやってヒットしてみれば、だんだんと彼女は日本語の歌詞を書くようになり、なってみたら。

Heaven’s Kitchen 
 少女趣味。

 という声がよく聞かれるようになってきた。
 英語詞もけっこうストレートなメッセージが多かったのだけれど、日本語でさらにまっすぐ聴いてしまうと、きみのためにぼくは、というたぐいのシチュエーションがやたらと多いことに気づき、フェミニストな方々にとっては、きみのあとを追いかける、だの、きみの世界でぼくが泳ぐ、だのピンクの髪したお嬢ちゃんが歌っているのに大和撫子たちが熱狂している光景は大変に苦々しいものとなったのでした。

 そんなBONNIE PINKも35歳。
 20代には本人曰く「浅田香織(本名)とBONNIE PINKのあいだにギャップを感じる」ということでニューヨークにわたり日本での活動を休止したボニー。この出来事からファンも「ああ、無理してキャッチーなの歌っていたのだね」としょんぼりしてしまい、そのあたりの数年は、彼女のむかしの英語歌などを聴いて、これがよかったなあ、でも売れたのもよかったなあ、と複雑な気持ちで、売れなくてもいいから保守派ではないという意味でつけたPINKの名を考えた野心ある武闘派、浅田香織でいいから消えないでいてほしいなあ、もう大ヒットなんてなくても、きみの歌い続けるかぎりぼくは聴くから、とまるでボニーの少女趣味な歌詞のように思いはじめたころ。
 BONNIE PINKは戻ってきたのでした。
 それも予想とは違い、浅田香織とのギャップを埋める作業は、もっとロックでローリングストーンに生きていくPINKさえもをぶっ潰せ! という方向性ではなく、虚像BONNIE PINKをみずからの実像になるまで磨きあげるという、修行僧のような行程でおこなわれたらしく……

「あまり視聴者のテイストから逸脱したものにならないように注意する」

 あたしはPOPシンガーなの。
 そういった発言までしはじめたそこからのBONNIE PINK。
 ますますむかしからのファンを複雑な気持ちにさせる、完全に正規軍な闘いっぷりで紅白に出るような歌手になっちゃって『グータンヌーボ』で小娘のように恋を語る保守派じゃないと命名されたPINK……うれしいんだかなんだかよくわからなくなってきたなか、彼女はXbox360にやってきた。

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BONNIE PINKの新曲「Ring A Bell」が
Xbox360用ソフト「テイルズ オブ ヴェスペリア」
テーマソングに決定!

海外版(北米・欧州で発売)では英語詞の「Ring A Bell」。
日本版では日本語詞の「鐘を鳴らして」がテーマ曲となる。
英語詞「Ring A Bell」はiTunes Storeにて
BONNIE PINK初の全世界配信がスタート!

日本以外で同じテーマソングを同一のアーティストが歌う。
これは、シリーズ初の試みです。

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 ここにきて英語詞の歌えることがウリになり。
 全身全霊をかけて、彼女の作ったのが、これ。




Xbox360

 ひかりはかげのかげはひかりのはてまでついていってそらがないたらかねをならしてきみをさがすよ……

 紆余曲折の末、三十路のBONNIE PINKは、自分の少女趣味こそを武器にして世界配信。
 すばらしいことです。
 BONNIE PINKのBONNIE PINKとしての生き様を見せつけられた。

(英語詞のほうは、まったく内容が違いますね。だれが鐘を鳴らすのかだれが悪いのかあたしたちはみんなおなじじゃない? あいかわらず英語詞のほうが私好みですし、口ずさんでしまいます。ボニー嬢は英語で詞を書くと悲観論者モードに入るのだろう(笑))

 ただ、重ね重ね。
 近ごろはタイアップ曲ばかりでしかたないんだろうが、なんなんだろう……良い曲だけれどあっさりしていると感じることが多くなった。それはBONNIE PINKと同じように歳月を重ねた私が澱んだのに対し、彼女は少女のままでいるからなのか。
 それともそれが、売れる、ということなのか。

 世界でBONNIE PINKが聴かれる。
 うれしい。
 Youtubeと業務提携までして世界中でヘビーローテーションさせて売りまくるワーナーミュージックさんには、ぜひとも彼女をPOP's界の大定番と呼ばれる高みまで持ちあげていってほしい。
 でも、きょうも。
 彼女の声を聴きたいと思ったとき、私は古いアルバムを開いてしまいます。
 英語で、鼻歌のように、ちょっとそこにあるものを見て歌って。
 ねえ、いまのかっこよくなかった?
 そんなPINKもまた聴きたいなあ、と。
 歌番組で。
 ひかりはかげをっ!
 とサビの部分だけ熱唱している売れっ子BONNIE PINKを見るたび。
 ちょっと思ってしまうのです。

Xbox360

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