最近の記事

スポンサードリンク

月別アーカイブ

『映画Halo』のこと。

「神を信じるか?」
「信じるさ おれが神だ
人間こそ神だ 運命を支配できる」
「でも運命は 思いのままにならない」
「出たとこ勝負さ」

 映画 『男たちの挽歌II』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 『Halo』は2001年に発売され、『Halo 2』と合計で1380万本売れたXboxの代名詞的ゲームである。
 2007年夏に公開予定の『Halo』映画化作品の監督と脚本が誰になるかはXboxユーザーすべての興味の的であり、Xboxを応援し今日も『Halo2』をプレイした(聞いてくれ。今日なんと十分間一度も死なずに二十人を殺しまくった。「さすがだな」というボイスを初めて聞いたよ。狙撃オンリーなどではない、爆殺や撲殺も含んだかけずり回っての乱戦の中でのことだったので、十分間のゲームが終わったあと軽く震えが来た。FPS(ファーストパーソンシューティング=一人称視点の戦争ゲーム)をプレイすると反射神経と集中力が増すという研究結果があるらしいが、確かに『Halo』で戦ったあとの私は、背後から斬りつける敵の刃を気配で察して避けることができるだろう。世界が静かになるほど集中するあの感覚は、ダーツの矢を投げるときの集中に似ている。引きこもりの得意分野に思われがちだが、もはやアクション系のネットゲームはスポーツだ)、吉秒匠の関心の的でもあったのだけれど。

 先日、米ユニバーサル・ピクチャーズらがついに発表した。

 監督、ピーター・ジャクソン。
 脚本、アレックス・ガーランド

 ……大物である。
 言わずと知れた『ロード・オブ・ザ・リング』三部作でアカデミー賞を受賞し『ロード・オブ・ザ・リング・王の帰還』にいたっては2003年のアカデミー賞11部門独占の快挙を成し遂げたピーター・ジャクソンである。ほら、もう何度も勧めたけれど、もう一度勧めるよ。『Halo』やっとけって。二年後に「あたし『Halo3』のレベルいま18ぃ」とか語れるとカッコイイ時代が絶対にくるから。そのころにはPS3の半値くらいまでXbox360は安くなるらしいから(しかし発売前からそういうこと言うなよなあ)、次の世代では「プレステ? なにそれ」ってことになっているに違いないし。「コヴナントの中にもキュートなのがいると思わない? そういうとこ映画で描いてほしいよね」なんて知ったかでなく本音として語れたら素敵。

 『ザ・ビーチ』原作者でおなじみのアレックス・ガーランドは、実のところ私は好きな作家ではないが、監督は彼にゲームとは違うストーリーで脚本を書かせているらしく、だとすれば私はガーランド氏の得意とする炸裂する感情の描写に期待したい。悶々とした挙句、炸裂するマスター・チーフ(『Halo』の主人公だ)。発射される最終兵器。終わる宇宙。終わらせない神。異次元のよくわからない存在。『Halo』の精神は、人間が宇宙のちっぽけな存在ではないと語る。人類の運命は人類が決めるし、宇宙の運命も人類が決める。我々は人類なので人類至上主義であり、それが神への冒涜だというのなら我々は神にだってなる。

 『スタートレック』の未来世界で、連邦規則は他の惑星での内政へ干渉を許していない。しかしいまこの地上ですら、大国は小国の内政を操作干渉する現実。『スタートレック』でも、しばしば艦長は「だからといって彼らの行為を見過ごすわけにはいかない!」などとカッコイイことを言って手を出してしまう。難しいところだ。目の前に事態があって、自分の手にはそれを解決できる力がある……その状況では、いわばその傍観者は神だ。そう考えると、万能の力を持っているとされながら、この地上でなにが起ころうとどんな悲惨な事態が起ころうとも手をさしのべようとはしない、神というものは絶対の傍観者であるからこそ偉大なのかも知れない。

 『Halo』とは、直訳すると「後光」のこと。菩薩の背後などに描かれる、光の輪のことである。だが、ゲーム『Halo』では、それは最終兵器の名だ。リング状の惑星『Halo』はそれ自体が起動させれば宇宙を滅ぼす兵器であり、しかもそれは人類が建造したものでもなければ、『Halo』に住む宇宙種族コヴナントが造ったものでもない。

 だれが造ったのかわからない、しかもこれまで一度も起動させられたことのない、宇宙を滅ぼす最終兵器……それはだれがなんの目的で生み出したものなのだろう?

 それが『Halo』。

 プレイしていると、気づく。考えてみれば、いまのこの世界だって似たようなものだと。私は、この瞬間、どこかの国でだれが造ったのかもわからない最終兵器の起動をとめようとマスターチーフなる人物が戦いの日々にあけくれているのだとしても、そんなの知らない。逆に言えば、宇宙のどこかに本当に『Halo』があれば、それが起動した瞬間に私の存在はこの世界もろとも消える。『Halo』は近未来の物語だが、いまも未来も、普通に暮らす大多数の人々にとって、世界が終わるかどうかは本人のあずかり知らぬところで最終兵器を造ったり奪い合ったりしている人々の勢力図いかんによって、今すぐ終わるとも永遠に続くとも読めない不安定なものなのだ。

 アレックス・ガーランドは人間くさい小競り合いを描くのが得意だ。ピーター・ジャクソンは壮大なスケールの物語をきっちり描ける手腕を持っている。ぜひとも『Halo』ワールドを、より深みある現代に生まれた未来のSF古典にして欲しい。

 というわけで、やっぱり未来の古典を現代のあなたが知らないってのはアカンと思う。次世代機に期待するのは、単純にもっと広げることだ。小説が、映画が、世界中に物語を届けるように。あなたにまだ『Halo』が届いていないなら、それをあなたに届けるやくわりこそを次世代機に担って欲しい。現行機でも、もちろん次世代機でも(きっと)プレイできる、この名作を。
 さあ、さあっ。

Halo1Halo2

 ところで『Halo』は小説もあるのだが。
 映画化も確定したしそろそろ訳してくんないかな。

Halo

 Xboxといえばついに噂のブログサイト『Jump-In』が正式オープン。言葉では説明しにくいが、人気あるブログが視覚的に肥大するという方法でテキスト情報を映像化していて、なかなかおもしろい。サイト説明を引用するならば「情報のプールを泳ぐように閲覧すること」ができる。この生成されたイメージはXbox360の広告にもそのまま使われるらしいし、今日から「一日一台Xbox360が当たる」キャンペーンも開始。覗いてみな。 いまこの『徒然』もトラックバックを送ってみたら、文字映像の洪水のなかに現れた。すごいよなあ、電脳空間の進化。

 『Halo2』で私は普通に世界中の人たちと遊ぶようになった。次世代機ではもっと通信は手軽になる。世界は広がることですぐそばに来る。ドリキャスで湯川専務の果たせなかった夢を、いまXboxが現実のものとしつつある。近未来が現代になるなか、次の未来もやっぱり生まれるのだ。私、子供のころブロック崩しで隣に座る友達と対戦できたことに感動した世代だ。それが地球の裏側の人と会話しながらゲームしてる。まだ人生の半分も来ていないのに。すっごい時代に生まれたなあ、と思うよ、ほんと。満喫しなくちゃ。

TRACKBACK http://yoshinogi.blog42.fc2.com/tb.php/23-2f9613c7