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『台湾旅行記・総統選に旗を振る』のこと。



 ヨシノギ帰ってまいりました。
 思うに、行きの機内で『ヒットマン』と『黒帯』というすばらしく興奮度の高い映画を早送りで観ながらビール飲んでいたことも影響しているのでしょうが。

taiwantaiwan

 空港に着き、長くてヒト気のない廊下をだらだらと歩いていった先で、左右から制服姿の女性ふたりに両腕をとられ、小部屋に連れて行かれたのでした。

「なに? なに言ってんだかわからんのだが」

 いつものように色つきメガネで黒づくめのライダースジャケット姿だったし、まあだれか止められるなら私が止められるという出で立ちではあったのですけれど、運び屋だったらもっと考えるよ日本人バカじゃないんだから、と憮然とした表情で説明を求めると、ガラス張りの小部屋から、おねえさまはいま歩いてきた廊下を指さしたのでした。

 おう。あれは『ヒットマン』というよりも『トムクランシー』シリーズだな。
 そこには、廊下を歩く入国者たちを映し出したモニタがあったのです。
 ただのカメラではなく、サーモグラフィー熱感知。
 『トムクランシー』シリーズでは壁の向こうの敵を透かして見たり、冷えた銃を衣服の下に忍ばせているのを見破ったりする……
 ってノンノン。なにも冷えたモノなんて持っていないよ、カメラと携帯だけだっ。

 とポケットの中身を見せようとしたら手で制されて、ひとりに背中から抑えられ、ひとりになにやらスタートレックのフェイザーガンのような未来チックな銃を突きつけられる。
 なにこれ、台湾ってさすが総統候補も暗殺されかける緊張の選挙前なんだね、と怯えつつ反抗はせず、なにせいま『黒帯』を観たところなので「空手に先手なし」組み手禁止、闘うべきは己なり……彼女たちは私の言葉に答えてはいるのだけれど、こっちはカタコトの英語で、向こうはまるきりのよくわからん言語なので、ともかく私がなにも理解できていないことだけは確かなこと。これだけ日本人観光客が多いのに、せめて空港職員の、それもいきなりヒトのことを掴まえて引っ張っていくレディたちは、たしなみとして意味がわかることを話して欲しいなと思っているのもつかの間。

「ぁん」

 思わず声が漏れるのでした。
 フェイザーガン、耳につっこまれた。
 あーそう。
 耳式体温計、初めて耳に入れたのでした。
 初体験が制服の異人女性に無理やりって素敵。

 ……結局、彼女たちは顔を見合わせて、子犬を追い払うように私を廊下へと戻したのでした。
 どうやら、体温の高かったのがひっかかったようだった。
 疫病持ちかなにかだと思われたのですね。
 確かに普段から体温は高いほうだけれど……
 食事してビール飲みながらアクション映画観ているときの私は、数十人のアジア人のなかで唯一掴まってしまうほど昂ぶっているのだと自覚させられて、なんというか複雑です。ほかにも機内食たべて酒飲んでいた人はいっぱいいたのにな。

 と、そんなこともありつつ、三月の台北に降り立つ。
 気温二十四度。
 ていうか気温がどうとかいうより……蒸し暑い。
 真夏の台湾だけは避けろとどこかで読んだのを思い出した。
 そりゃこれでもう五度気温が高くなったら、着替えが倍は必要。
 世界の真理です。辛い食べ物が有名な土地は、総じて暑いのである。

 そうだ、どうでもいいようなことだが、私は字幕なしで英語圏の映画を観ることのできるほど高い英語力を有していないのだけれど、機内で観た中国語字幕の『ヒットマン』はほぼ完璧に意味をとることができた(逆に英語と中国語の字幕で画面の半分が埋まっている『黒帯』は日本語なのに7インチ画面では観にくかった……)。このことからもわかるように、空港でも、私がメモ用紙とペンさえ持っていれば、彼女たちと意思の疎通ははかれたものと思われる「高体温病気?」とか書いてもらえば、体温計を未来銃に見間違えたりはしなかったことであろう。

 というわけでライダースジャケットは脱ぎました。
 Tシャツ一枚でまったくもって快適なのだが……まわりを見ると、意外に冬服の人が多い。
 ダウンジャケットって、なんの我慢大会?
 慣れなんですか。
 ともあれ、春に台湾を訪れれば、はっきりわかることがひとつ。
 厚着のひとが地元民。
 そういえば機内でも毛布二枚とかもらっていた人がけっこういたな……あれは帰りの人たちだったのだろう。
 しかしまあ私は日本でも家ではほとんど半袖だから、これから旅行行く人のなんの参考にもなりませんね、なにせ体温高いんです、とっつかまって調べられるほどに(拗)。

 もう夕暮れ。
 着いたらホテルに荷物置いて。
 さてどこに行きましょうか……いやまずそこは台湾といえば。

 夜市。

 台北最大規模である士林夜市へタクシーで乗りつけた。
 その車内から巨大都市台北を眺めて、感じる違和感。
 特に交差点……
 バイク、それも原付……多っ。
 それに。

「台湾って、50ccのスクーターに三人乗っていいの?」

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 パトカーの前も普通に三人乗り。
 見れば、スクーターの足もとに赤ちゃんを乗せるための器具まで市販されているようだ。
 赤信号のたびに、どかどかとテトリスのようにバイクが溜まってゆく。
 それをはりきったタクシーの運ちゃんがすり抜け、曲がった横道がまた……
 いや、もともとはらくに車二台がすれ違える道だったのだろうが、なにせ道の両端にびっしりと原付バイクが駐輪されている……ぶつかるぶつかる、とつぶやく私を無視して、華麗な速度で走り抜けるタクシー。
 ああこれも慣れなんだな……そのときはそう思ったのだけれど。
 んなわけないのである。 
 
 台北の街を歩いていると、一日で何度も事故現場に出遭う。
 走っている車はほとんど日本車とヒュンダイとBMWなのだが、そのすべてがそこかしこが凹んだり擦っていたりの傷だらけ。
 さすがにタクシーはキレイなのが多いのは、運転がうまいからではなくて、まめに修理しているからだと思う。
 ほんと台北の主要ホテルと夜市を往復するタクシーの速度は、どこの国でも間違いなく法的に禁じられているマッハの速度でした。

 着いた夜市。
 なんといってもその夜、私を興奮させたのは、馬総統候補。
 いや、本人がいたわけではないのだけれども。
 日本でも、これやったらテキ屋さん全国まわらずにラクなのにと思う、年中無休の夜店街、夜市のど真ん中、駐車場をどかんと潰して作ったステージで、馬候補の映像が流れ、みんなが踊っていた。奇声を発しているひと多数。近づいていくと、なにやら配っているのに、私にはくれない。なにをわざわざこの総統選前の空気を吸いに来た私にくれないとはどういうことだとせがんだら、しぶしぶくれた。
 これ。

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 振りました。
 うーん、生涯で、政治家の名前が書いた旗を手にしたことも振ったこともない私が。
 馬英九さまがんばってくださいませと、やってしまいました。
 ええ、想像に難くないと思いますが、私、あの手のダンディーに弱いのです。
 政策うんぬんとかでなく、見た目で。
 馬英九さまメロリン。

 旗くばりのひとが躊躇したことでもわかるように、夜市を歩いていると、ちょくちょく日本語で話しかけられます。どうやら向こうは、私が日本人だとわかるようで、だから選挙権もないやつに旗をやれるかということなのですが、こっちから見ると、中国、台湾の方々と日本人の違いはまったくわかりません。

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 コンビニに行くと、日本の雑誌がそのまま訳されて置いてあるように(少年ジャンプ買っちゃいました。本屋にはウィングスもあった……「つだみきよ」さんが「津田美樹代」とか、ひらがな名前はぜんぶ漢字が当ててあるのですが、これは本人に選ばせて欲しいものです。勝手に当てているよぜったい。こっちもいちおう漢字圏の人なのに「宮部美幸」とか。女性の「み」はぜんぶ「美」になっていますね、ちょっと差別的な感もある)、ファッションやなんかも日本と変わらず、時の流れを無視した黒づくめの私のほうがあきらかに浮いています。
 いったい、なにで見わけているのか。
 カメラ持っているからかなあ、そういう感じでもないんだよ。
 顔見たら即座に判別できているふう。
 謎です。

 そんなわけで夜市。
 いろんなもの食べたが長くなるので割愛。
 旅行記なので一回ずつを短めにまとめようと心がけることにします(笑)。

 続きます、まだまだここから。
 千枚以上の写真を撮りましたから。
 (ほとんど素材用の街風景メモ写真ではありますが)
 台湾旅行記、はじめます。



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