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『多謝除夕』のこと。

 ええと、この数日『恋愛花電-A.F.L.-』と吉秒匠をググってきてくださった多くのみなさまがた。年末のお忙しいなか、かように偏った志向の我が『とかげの月』へご足労のほど、感謝至極。とてつもなくありがたく、そして、いまとなってググればこの作品をWという雑誌向けに書いたこれがヒットするわけでして。

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『恋愛花電-A.F.L.-』の話。

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 いいわけがましくひとこと。
 いわずもがなですが、Wでは落選済みです。
 みなさんが気にかけてくださっている、その『恋愛花電-A.F.L.-』は、またしても大増量加筆バージョン。「ダッチワイフを愛する男という種族の話」のくだりも「まぶたの裏に入った洗顔料のスクラブが腐って炎症した少女のポスターにまつわる話」などの枚数を削るためにカットした毒舌気味のエピソードもすべて差し戻し、あまつさえラストシーンまでまったく別物。

 それにしても。
 昨年も同じ時期に、その某編集部の担当者様とメールやりとりして作品のタイトルが実はそうではなく(昨年は私の記述ミスでした。今年は違うはず)、という話をしていたのですが、今回もウェブ上の選考結果ではこの作品のタイトルが『恋愛花電ーA.F.Lー』になっているのですね。しかし、みなさまが検索してくださっているのは『恋愛花電-A.F.L.-』──ええ、『L』の後ろにドットがついているかどうかの違いなのですが(ついでに言えば長音記号もそこに使うのおかしいと思うのですが)。
 ということは、みなさま選考結果を見て、それをコピペっているわけではない、と。
 ということは、別の場所できちんとドット付きの正しいタイトルでもって、この作品について語ってくださっているみなさまがいらっしゃるということなのでしょう。
 ありがとうございます。
 褒めるなりけなすなり、好きに料理してください。
 たっぷり『徒然』読んでくださっている足跡もいっぱいで、長いことサイトやってる冥利に尽きます。

 それにしても。
 十年以上もやってきたWでの結果に対する反響と比べ、たった二年のその結果によってこれほどまでにググられるものなのかと……複雑です。逆にいえば、扱いがどうだろうと、原稿料が安かろうと、一部の大御所作以外は売れなかろうと、新人賞の賞金が安いのにもう何年も大賞が出ていなかろうと、読売新聞で「中小出版社の編集者のこだわり」を褒められながら褒められているのがよしながふみで褒めているのが三浦しをんであろうと、それでもそこで書きたいと願う者たちが多くいるということで。
 かえって偉大なりW。
 の感を強めています。

 W向けには次は王道ファンタジーでと多くの同志と語り合いましたので、そのことばかりこの半年考えておりました。昨日、職場で、レジ前エントランスにハシゴ戦(Ladder Match)で使うような天井に届く脚立を据えつけて、夕暮れ時でもまだ途切れないお客さまがたの邪魔をしながら、正月の飾りつけなどをしていたのです。和紙でできたひらひらしたのとか、金銀の球に、やっこ凧とか。それはもうゴージャスにぶら下げまくってあまつさえテグスをつかってあっちにひっぱり壁に打ちつけレジに結びつけ──

 年末だけサッカー(レジ補助)の短期バイトに来ていた高校生に言われました。

「そういうのって設計図とかなくてお店の人のセンスで飾ってるんですねー」

 そうさ、ふふん。
 どうだいこの華やかさってば。
 あの鶴が梅の花に攻撃を仕掛けているところなんて見どころ。
 自慢げに答えたら。

「吉秒さんて、むりやりひねろうとする人なんですね」

 シンプルなままでキレイなのに。
 とか、そういうことを言われたわけで。
 もちろん、悪気なんてぜんぜんない、遊びすぎですよ、という冗談の口調だったんだけれども。
 私は、小説書きとしての同志のみなさまに、口をそろえて今年言われた、

「ひねらないで書けないのか」

 という(もちろんそういう口調ではなかったものの、そういう意味のことを本当によく言われました)セリフを想い出して、どよんど、としてしまって。
 よい喝になりました。
 一期一会のまさに自分の書いているものの読者層である彼女の無邪気な吉秒批判が、だからこそスマッシュヒットでした。右の頬に効いた。腰にきた。
 私は、出逢って一週間の少女にも透けて見えるほど「むりやりひねろうとする人」なんだ。

 というわけで、いまもプロット組んでいます。
 ひねらないファンタジーってなんなのか。
 少女マンガはなにを描けばいいのかわからない時代になったので、作家はまずそれを考えるしかない、とくだんの三浦先生もおっしゃっておられました。
 夢にうちこむ少女。
 それをかげで応援する年上の王子。
 あしながおじさんであり、紫のバラの人は、いまや現代少女にとってのファンタジーではないのだとすれば。
 だからBLなのか。
 『NANA』の構図。
 ヒロインは、ヒロインじゃない。
 そのほうがいい。

 彼は彼に恋する、その恋のお相手は実にヒーローだが、こちら側は、あくまで凡庸。普通。なるほどむりやりひねらない王道ファンタジーって、そうか。
 『ドラゴンクエスト』だ。
 男性向けエロゲーの主人公の前髪が長いわけだ。
 顔なし無個性。
 それがつまり、読者を主役に据えるってことなのか。

 てことは、主人公の彼が恋する彼氏こそをきわだったヒーローにするのが正解?

 という結論、間違っていませんか同志諸氏。
 いやもう、元日から書き出す気で(元日しか休みないので、友人たちが家に来てそば食っていく以外、いつもとまったく変わらぬ週明けなのです)、プロットは仕上がりつつあるのですが。

(ちなみにタイトルの除夕というのは中国語で大みそかのことだけれど多謝というのは日本語にしかないので、ニセ中華語となります。今年は中華キャラに凝った一年でもあったのでした。中途半端な知識を中途半端に使っているので真似しないように。来年は(プロット通りに進めば)まずは英語圏キャラを操ることになりそうです)

 というあたりで、唐突に今年もおしまいにしましょうか。
 ホモレスラーの掌編で一年を締めくくるのもなんなので(笑)、 『徒然』て終わろうかと思ったのですが、さして語りたいこともありません。幸せです。みんな大好きです。愛してる。一年の終わりに、これまで出逢えなかった多くの方々に訪れていただき、それだけでも、ひねりすぎた大人のオモチャに恋するW落選作『恋愛花電-A.F.L.-』を書いたかいがあったというものです。ヒロイン熟女です(本当です。これを認めるとはたいした懐の深さだ集○社。前述リンクの『徒然』でも書いたとおり、これを認めてこそだと期待したのはW編集部に対してだったのですが)。ジュヴナイルの生き神様(失礼)新井素子先生なら、わかってくださると信じています。
 また語りすぎそうなので、このあたりでほんとやめよう(笑)。

(余談ですが、いま組んでいるプロットの最終的な形を決定づけたのは、新井先生の初恋の人(ググってください。Wikiに詳しい)ってそういえば王道ファンタジーだな、私も好きだった、という連想から。というわけで結果がどうあれ、その出逢いがまた次の私を作っていることはまぎれもない。ああいまセンチメンタルに口ずさんでしまった……いまでも傷つくあのこともきみに出逢うための過去ならばー♪ 電子レンジで温め直して食べ頃になるといいよ本当に。Perfumeのこのアルバムは今年の収穫でした。
Perfume
 直球のチカラをそこでも再認識した。ひねっちゃだめだひねっちゃだめだ。テクノパワー!! 今夜限定復活イカ天とかで、来年はそのアルバムも出るんだとか。なんかもう面倒くさいのみんなイヤになってシンプルなほうへと回帰しているのかもしれない。勢いだけのバンドって、最近見ない。みんながみんな適度に上手くて、商業的で。二枚でどうだとか叫んでいた時代がなつかしくもなりますわよねそりゃ……保健体育の授業でまじめに「二枚重ねなど逆に危ない」と語らされていたジャージの体育教師のことも想い出して、お前はまず自分の相手をさがせ、と心のなかでクラス中の全員がつっこんでいたことも想い出してしまってせつない。復活イカ天観るけど、やっぱりせつなくなるんだろうな……ていうかさ、当時大阪でイカ天放送していなかったのに、復活祭は放送ってのは、なんですかね。いまでは大晦日の風物詩『ガキの使い』も、つい数年前まで関西ではレギュラー放送なかったですからね。あのころユーチューブがあったらなあ(それはそれで、クリスマスにYouTubeがM-1映像でパンクして外人が「日本のクリスマスってなに!?」とおののいたというニュースがまた新たなローカル放送ギャップ。漫才映像なんて言葉わからなかったらぜんぶ一緒だもんな。しかし決勝のサンドウィッチマンってそんなおもしろかった? イマイチのりきれなかった私です。ベタすぎるボケに醒める……ひねりすぎちゃだめなんだけどやっぱり完成度高い正統派にアレルギーがあるのかもしれない))

 初めてのかたも、もう長いかたも。
 ひさしぶりのかたもいるかな。

 吉秒匠でした。
 来年も、そうです。
 私です。
 どうぞごゆるりと、来年も。
 つながっていて。

 変わりつつ、でも変わらず。
 引き続いての次、いきましょう。

 よいおとしを。

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