最近の記事

スポンサードリンク

月別アーカイブ

『でもわたしはぶーたれる』のこと。

あらしのなか運転しているとバス停で三人待っている。
最初はばあさん…歳くってるし病気でクタクタ。
次は親友…あんたの人生を救った。
最後は…あんたの夢に出てくるような抜群の女。
みんな乗せたいが、車にはあとひとりしか乗れない。

16

映画『16ブロック』
(吉秒訳により日本語版の字幕とは若干違います)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 さてどうする。

 ところで年末。
 クリスマスツリーを叩き売っている毎日なのですが、肌で感じることに、今年はサンタの衣装が売れない。特にミニスカートの女の子向けが売れない。原価を割った値付けでまだいっぱい残ってる。白い羽根でできたのとか、ポインセチアとか、ちょっとひねったクリスマスツリーも売れない。ものすごく普通のツリーが普通に売れて、売上げも前年比をちゃんと越えていて、売れていない感はまったくないのだけれど。

 お祭りムードがない。
 お祭りムードって、いま書いて思ったけれど昭和っぽい言葉ですね。椎名林檎の歌詞に出てきそうな。
 いやどうでもいいんですけれど。

 まーなにをこうグダグダと書いているかといえば、非常に忙しくてですね。ここに書こうと思っていたことはいっぱいあるのですけれど、机のうえにメモはいっぱいなのですけれど、ひとつのテーマを掘り下げて書く余力がまったくない。小説は書いていますが、調香師のホモの話とか書いていて、旧家だの蔵だの設定つけてしまったら、書きながら非常に鬱になります。嘆美が好きで得意なのだけれど、書いていると自分でため息が出る。

 ハイアン・グレイシー氏が、逝かれましたね。
 好きだったのですが。
 スポーツ紙のウェブ版で一報を読んだときにはただ残念に思っただけだったのですが、朝になって一般紙にもその記事が載っていて「さすがグレイシー一族」などと感心したのですけれど、スポーツ紙の記事では感じなかった妙な違和感を、一般紙のほうでは感じた。
 なんだろうなあ、と思って読み返して、気づいたんですが。

「ブラジリアン柔術家ハイアン・グレイシー氏(33)」

 て書いてあるのです。
 記事の内容は。
 ナタを持った柔術家が真っ昼間に車を襲い、その後バイク便も襲おうとしてバイク便仲間のバイカーたちに取り押さえられ、警察に捕まったらコカイン吸引の痕跡があり、興奮していたので鎮静剤を処方したが、翌朝には留置所で口から血を流して死んでいた。
 ということで。
 リングでケンドー・カ・シンの顔面に拳を叩き込んだこの国のプロレス・フリークのあいだでは忘れられない暴れっぷり以上に、レフェリーに殴りかかるとか自分の足を撃ったとかマフィアにさらわれたことがあるとか、そういう破天荒なエピソードのほうが記憶に残る選手だったのだけれど、本当に私生活はむちゃくちゃだったんだなあ、そして『PRIDE』崩壊の余波がこんなカタチでも現れたのかもなあ(ハイアンは桜庭に負けたままだったし、吉田秀彦にもケンカ売っていた。存続していれば試合が組まれただろうし、ヤク中になる暇もなかっただろう)とか、すさんだ気持ちになるニュースだったのです。
 で、なにが違和感、感じたかといえば。

 「氏」

 日本での事件なら「ハイアン・グレイシー容疑者(33)」とか書くところなのでしょうが、よその事件だし、本人も逝ってしまっているし。でも「氏」は、なんかおかしくないか? ちなみに同じ新聞のスポーツ面では、現役のスポーツ選手を呼び捨てにしている。圧倒的な強さを見せたタイソン・ゲイに対し日本人選手たちは……とか。死んだから「氏」がつくのだろうか。
 まあ、これもどうでもいいことですね。
 違和感といえば、『PRIDE』崩壊を記事にしなかった一般紙が、なぜハイアンの死は記事にするのかという根本的なところも解せないものがあります。
 この世は謎だらけです。

 あーそういえば発売されたのでなにげに『VF5』を買ったのですけれど。

VF5

 友人と、はじめてネット対戦したのです。
 その試合後、私の送ったメール(といってもXbox360に実装されている文字チャットのような簡易な機能。なにかと便利)の内容が、これ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

オーブンが呼んでいるから行くよ。
やっぱりラグがきもちわるい・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ピザの生地こねてオーブンで発酵させていたのができあがったブザーだったので、ほんの数試合しかプレイしていなかったのですが、この新世代『バーチャファイター』のネット対戦が、これはもうすさまじく良くできていて、ドリームキャストでのカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクした「ゲームにならねえよこれぇっ」という、やっぱりネット対戦なんて未来の話なんだよという絶望を通過してきた私たちにとって、普通に試合できてしまうそれはすごいこと。

 でも。

 違和感が。
 あまつさえ、その対戦相手の友人とは、学生時代に初代バーチャファイターが段ボール箱みたいなカクカクカクカクカクカクカクカクカクカクしたキャラで誕生したころからゲームセンターに棲んでいたセガっこ仲間なのであって、あれがこうなってお互い自宅にいて食事前の数分で一試合とか当たり前にできてしまう……これはもう、あのころ思っていた未来を越えた未来なのに。なのに。なのに。

 ラグがきもちわるい。
 それが、第一声。

 一秒ないタイム・ラグ。
 まばたきよりもずれていない。
 でもポリゴンという言葉をおやつに食べて育った私たちにとって、その刹那のズレが、違和感になる。

 世界はおそろしく小さくなった。
 未来はもう来てしまった。
 でも私はぶーたれる。
 満足していない。
 あらを探そうとする。
 ああいやだと、思うのです。

「あの強いハイアンが死んじゃった!!」
 と泣けない。

「バーチャで違う国のだれかと普通に対戦してる!!」
 と喜べない。

 クリスマスがすっかり仕事の現場になっている。
 最初のクエスチョンに、主演のブルース・ウィリスはラスト・シーンでシャレた答えを返すわけですが、観ながら私は、ごく普通にこう思ったのでした。

「見ないふりをして通過する」

 だれにも恨まれたくない。
 やっかいごとになるなら、夢に出てくるようなベイビーもいらない。
 他のふたりを置いて自分だけ助かるようなやつはおれの親友じゃないし、ばあさんは死にかけてるし病気なら乗せたくない。

 ……ああ、ほんとにねえ。
 ハイアン・グレイシー氏(33)が、よく試合前にやっていた、相手にキスするくらい近距離でのガン飛ばし。頭を上下に振ってね、威嚇するわけですよ、相手を。大阪の場末の小売店で年末に立っていますと、そういう奴らがわんさといます。私も今日、ふたりに人差し指であごをはじかれ、笑い返してお帰りいただきましたが、ときどき、右手が震えることがある。
 いやですね、すさんだ年の瀬。

 クリスマス、うかれたいな。
 久々に本気で徒然てしまった(笑)。
 愚痴でした。
 オチもなにもない。
 次がんばります。

TRACKBACK http://yoshinogi.blog42.fc2.com/tb.php/173-30c63cec