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『チョウ・ユンファが好き』のこと。

 今年も終わったE3で「なぜそれをちゃんとこの国で売らない!?」と吠えてしまったソフトを見たので、そんなことを。

 副題
 『マイクロソフトに金の使い方を教える』のこと。

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 とりあえず、

 『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』
 地上波初放送!!

 の小口スポンサーになり、同時に局は問わないので深夜の地上波放送枠を確保する。んでジョニーもいいけどあのアジアの傷物はなに? 実在した海賊? いやそうではなくて演じている役者は……チョウ・ユンファ? ああ、あれがチョウ・ユンファ。名前は聞いたことある。だれだっけ? とゴールデンタイムでしらしめたうえで。

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 第一夜。
 『アンナと王様』
 まずキャッチーに掴んでおく。
 女性客は重要。この段階で一週間連続チョウ・ユンファ特集だと徹底的に告知。まったりと最初の夜を安心感ある配役と脚本で過ごさせて「王様ぁ」とつぶやきながら眠らせる。

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 第二夜。
 『誰かがあなたを愛してる』を意表を突いたかのように放送。でもぜんぜん意表を突いてではなく、ユンファといえばこの映画がベストだという人も多い。大都会の裏側、汚れたTシャツ、三十路の恋愛下手な男の純愛──ユンファの泣き笑いの表情に、はにかみながら目を伏せる仕草に、恋愛映画の真髄を魅せます。

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 第三夜。
 『ゴッド・ギャンブラー』。私事だが、私が「大人男」×「子供」の友情設定に弱いのはこの映画を発端としている。逆に言えば、私が大人になりかけていた多感な時期にばっちり撃ち込まれてしまったタイミングの妙だったというか。そんなわけでユンファは私にとって永遠の大人男の象徴になった。『賭神』は記憶を失った天才的ギャンブラーが自分が天才だったことを身に染みついた技によって思い出してゆくという物語だが、そのころ影響を受けて書いたまんまパクリの「魔法を忘れた魔法使い」の話のプロットをいまだ私はあたためている。いつか使いたいド直球のアクションファンタジー。ひとりの大人になりかけていた少年を、技を磨く職人へのあこがれへと駆り立てたその事実。王道のアクションものだが、それゆえに完成度の高い一品である。私はこの映画のユンファが一番好き。アジアンハードボイルドには「困った顔」が必須だと思う。強いだけのマッチョなんてコーカソイドにまかせておけばいい。

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 第四夜。
 『リプレイスメント・キラー』
 ストーリー的な難がいくつかあるが、そもそもこの映画を観るすべての人がジョン・ウーがチョウ・ユンファに二丁拳銃を持たせた、というだけで大満足なのであって(監督はアントン・フークァ。ウーは総指揮クレジット)、それで満足できない人は観てはいけない。いかんせん適度に良くできたサスペンス・アクション映画でもあるため、迷い込んだ一般人がぶーたれていたりするが、そもそもこれはマニア向け映画である。一時間半、動かないユンファでも萌えられる人種にとって、長いブランクのあとでの出ずっぱりのこの映画は、それだけで満腹。唇をゆがめる控えめユンファがたまらん。第四夜まで観てきたあなたにとっても、たまらん作品となるはず。

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 第五、六夜。
 『男たちの挽歌』
 『男たちの挽歌2』
 ツイ・ハークが過剰演出する『3』以降はなんとなく観ればいいが、ジョン・ウーによる『1』と『2』だけは死ぬまでに絶対観ておいたほうがいい。まったくなにも感じない人(もしくは嫌悪感だけが残る人)と、チョウ・ユンファの名前を一生忘れられない人とに二分されるだろう。説明は不要。監督が、ひとりの俳優に恋してしまった。その視線のすべてがフィルムに焼きつけられている。ことごとくユンファの良い顔が撮り続けられ、完全燃焼した『1』のあとに「双子の弟」なんて無茶な設定でありながら、これも(いやむしろ、これこそが)無類にすばらしい『2』。ストーリーや、日本刀がぺらぺらしているとか、ぜんぜん問題ないのである。ウーという男の愛するユンファという男が、そこにいる。焼きつけられて、語り継がれる存在に昇華している。
 映画というメディアの、娯楽性と芸術性が、すさまじく高い次元で結実している。

 だからこそ、忘れられない。
 いまや世界の大監督になったジョン・ウーも。
 いまや世界の大俳優になったチョウ・ユンファも。
 私も。




 第七夜。
 『Stranglehold』
 このゲームの紹介に終始しよう。
 PS3版もあるということは、どうでもいい。
 ゲームはXbox360。
 海賊映画でひさかたぶりにチョウ・ユンファ知名度が上がっているいま、監督ジョン・ウー、主演チョウ・ユンファの『Stranglehold』……日本でも売りましょうよ。そしてアクション映画やドラマの量産されるすばらしき世界にしましょうよウー先生!

(余談。アクションドラマで想い出したが、お蔵入りになったままの平成『西部警察』ドラマシリーズ(撮影中の事故のため制作中止。被害者さえもが放送を望んでいたのに、渡哲也の独断で中止にいたり、二時間スペシャルのみが放送された)。もういいんじゃないでしょうか制作再開しても。館ひろしにさえないパパやらせておくのは惜しいっすよ。
 ユンファも館も、ようやく良い渋みあるシワの刻まれてきた、いまこそ暴れ回って欲しい。近ごろ、映画でさえ火薬使うの戦隊ヒーローと仮面ライダーだけになってしまった邦画界、ここらで次代のアクション映画好き作っておかないと、コメディと恋愛モノしか生み出せない幸せな……そしてひどく寂しい気のする……侠気のない国になりそうな気がします)

 ゲームからウーとユンファにはまり、映画史をさかのぼるって道、ウー先生もたぶん目指しているんだと思う。だったらこのゲーム、世界中でちゃんと出さないでどうするんだって感じですよ、ほんと。
 期待しております。
 ソニーさんはやらなくても、マイクロソフト様は私の希望を実現するためにそこにいるんだよね?

(また余談。アジアと書いて想い出したが、『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』の中国上映版はユンファの登場シーンが半分以上カットされているらしい。それでストーリーがつながるのかというのも不思議だが、その検閲処理の理由が「禿げていて傷跡だらけの顔に長いひげ。これらはハリウッドに古くからある悪魔的な中国人のイメージに沿ったもの」だからだという理由もまた不思議である。そもそもこのシリーズが悪魔的海賊をヒーローとして描いているものなのに……余談だが、近ごろの中国製品の悪評で、レジャー用品売っている私がどれだけお客様に頭下げているかということも書いておきたい。ダッチオーブンがこんなに売れない夏なんてはじめてだ。アメリカ製などの高価な製品はともかく、売れ筋の輸入キャンプ用品ってほとんど中国製なのである。そしてキャンプ用品とは総じて身につけたり口に触れたりするものなのだ。買ってから気づいて返品に来る人も多く、私はすでに使用済みのダッチオーブンを押しつけられながら「なんてもので料理させるんだ中国製だと大きく書いておけ」とサービスカウンターで叱責されるのである。ユンファの扮装が悪魔的だとかチェックする以前に、そんなに対外的イメージが大事ならほかにやることあるだろうと思うな)

 LOVE360。
 その一週間で、マイクロソフトはコアなファンをがっつり獲得するだろう。冗談でなく、本当にそのソフトをヒットさせてほしい。そしてアジアのアクション映画に再びの隆盛を!!
 最近、世界的にぱっとしないアクション映画。
 脳天気な海賊もいいけれどさ。
 やっぱり物憂げに苦悩する男が顔をしかめながら刀を握ったり引き金を引いたりする、美学に酔いたい。ノワール・ムービーもヤクザモノも、小手先のアクション掌編ばかりになってしまった感がある。
 薄っぺらいからこそ、深いところが見えるというのが醍醐味。
 単純化した寓話にこそドぎつい真実が浮かび上がる。
 ペーパーバックのなかにこそ人生が描かれている。

 ジョン・ウー師の意気込み。
 チョウ・ユンファの存在。
 アジアン・エキゾチック素敵だなどと、欧米の三時のオヤツに消化されるだけなんて許せない──中国日本香港と、ユンファの瞳がこの手にほしい狂おしいまでの映画育ちがいっぱいいるんだよ。ゲーム人口が少ない? だからいまこそ映画好きユンファ、ウー好きをゲームに引っ張る好機だと思うのですが。

 ……正直、トレーラー映像からだけでものすごいB級臭を長年のゲーマーとしては感じ取れてしまっているので「向こうでヒットすれば日本でも」みたいなことだとまず出ないんじゃないかと危惧しているのです。かねがねから思っているがマイクロソフトってライトユーザー取り込む気がほんとにあるのかと。このソフトもwindows版もあるし、360のアジア版もたぶん出るだろうから、日本語でないことを我慢できれば(アクションゲームに言語の壁などないですが)日本でプレイすることも容易。だけどさ、ちがうと思うわけさ。極論、買ったゲームがおもしろいかどうか以上に、どう売ったかが重要なので。本当にここまでのことをしてくれとは思わないけれど、夜中にジョン・ウーの、チョウ・ユンファの古い映画を一本流して、そこにちゃんとこの国で正規に出るソフトの宣伝として「ジョン・ウーとチョウ・ユンファの新作がXbox360に出ますよ」と、うたう。

 単純だけれど、そういうのが大事。
 マニアはほっといても情報集めてついてくる。
 でも普通の人をゲーマーに変えるには戦略がいる。
 こんなふうにユンファ好きのブロガーが熱く語ってもさ。
 日本でプレイできるにしても英語のしかなくて、怪しげなゲームショップでアジア版買うといいよ、と勧めたって売れるものか……ジョン・ウーの新作というだけでゲームに触れたことないけど「やってみようかな」という層がこの国には確実にあるのに、チャンスロス。爆発的なヒットもともかく、地道なそういう積み重ねが大切だと思いませんか。私は思うのですが。

 ここが使いどころですよ。
 我が愛しのマイクロソフト。

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