『Vistaを導入した春の日』のこと。


Video: Intel Core 2 Duo 2006 TV commercial "creativity"

 本家のCMはオシャレですね。



 本邦では……この差はいったい。
 お笑い大国だと思われているのか。
 それとも、パソコンがクールなアイテムではなく日常の生活必需品だということのあらわれでしょうか。
 いや、実は、黒人に子供のパジャマ着せて笑ったり、彼氏がアジア人のチビになったのを笑ったりするのが、あっちでやると無理矢理にでも「差別反対!」とかいうバッシングに遭うのであたりさわりのないダンスCMなのかもしれませんけれど。

 ともあれ、のせられてWindows Vista移行ついでに、Core2Duoを買ってみた。
 みたら。
 笑っちゃった。
 速っ。ほんと、彼氏も異国人の子供になる、それくらいの変化だ。
 ああもう。いよいよこんなのに慣れたら職場の牛模様を「遅いっ」と殴りつけたい欲求が高まってしまうな……

 『一太郎2007』も買いました。

 Vistaには、たとえばドライブCにVistaでDにはXPで、好きなときに切り替えることが可能ですよ、という親切至極な機能があるのですけれど。だからVista未対応の古い『一太郎』でも、XPで動かして使い続けることはできるのですが。

 OSの刷新というものはさ、それを機会に「捨ててもいいんだけれどなんだかとってあったファイル」とか「一切使っていないけれどアンインストールするのが面倒なソフト」とか「もう何世代も先のバージョンが出ているのに別に困っていないからという理由で古いものを使い続けているあれこれ」──そういうものをこそ新しくする、そういう儀式でもあるのだと、思うのです。少なくとも、私は新OSでもっと便利に、というより、それで気分を一新して次にいきたいという欲求の方が大きいのである。

 そんな私の期待や夢や希望を裏切って、マイクロソフトのクソ親切なこと。XPから実装されていた機能がVistaでさらにパワーアップ『Windows転送ツール』!! ほんと叫び出したくなるくらいにドラえもんの秘密道具的。XPで焼いたディスクを、Vistaに読み込ませるだけで、XPで使っていたのとまったく同じ環境が!! ──刷新気分ゼロです。猥雑な移行作業が皆無──なんだよつまんねえ。とか言っていたら罰が当たりました。

 「OUTLOOK」のパスワード保存ファイルがない!!
 つまるところ.pwlというやつですけれども。これがVistaには移行できないうえに、生成もされない。ということはどういうことかといえば、『OUTLOOK』で送受信をしようとするたびに「メールパスワードを入力しやがれ」と恫喝されるということです。私のパソコンの頭の中が消しゴム。メールを送ってくれないかと秘書に頼むたびに「それはかまわないけれどまずあなたがだれなのか教えて」と戸惑った瞳で見つめ返されるのです。ああぼくらの蜜月も終わりだねと目をそらしたくなる。ていうか、もともとメーラーとしては『OUTLOOK』がメインの使用ではなく、ほかの目的で使っているついでにそれでメールをチェックすることもある、というくらいの使用頻度だったので、別れも涙を伴うほどのものではありません。Vistaにはもれなく『Windowsメール』という便利ソフトもついてきますしね。

(しかしマイクロソフト……「次世代OSはWindowsの名を冠さないかも」とか当初は言っていたのに、できあがってみればその機能のすべてに「Windowsなになに」ってつけている。おかげでソフト名が並んでいても、ぱっと見、なにがなんだかわからない感じなのは、単に慣れの問題で解決されるものなんだろうか)

 ああもうっっ!!

 ああああ、ごめんなさい突然。でももう限界。今日はここまで。Vistaよりも問題は『一太郎』を新しくしたことのほう。インターネットディスクによって、こちらの移行こそスムーズにいくものだと思っていた。実際、『一太郎』はいいのですよ、彼はすばらしい。だが、愛用している『一太郎』とセットの日本語入力システム『ATOK』。これが。あああああああああこれが。日本語入力に関しては、一度これに慣れるともう『Microsoft IME』の馬鹿さ加減にはつきあっていられない、とだれもが口をそろえる有能な日本語入力ソフトなのですが。

 むろん、ATOKにもインターネット上に保存した辞書ファイルと同期する機能はある。あるのだが。まさか、と驚いたことに。

「以前のバージョンのATOKの辞書と同期がとれません」

 という。という!! じゃねえよなに言ってんだよっ。
 つまるところ、ATOKのネット同期機能というのは、

「場所Aと場所Bでネットを介して同じ辞書を使う」

 という機能であって、私もそれはそれで便利に使っているのだけれども。それってもともと、ちょっとした出先でも自分の育てた辞書を搭載した入力ソフトでないと文章が書けない、というこだわりを持った(偏屈な、柔軟性のない)ユーザーにこそ愛される機能なわけで。いくら思想がそうだからといって、

「去年のバージョンの辞書と今年のバージョンの辞書を同じにできない」

 なんてことにする理由がわからない。いや、理由はわかるが(そりゃ、互換性がないほうが制作者はラクだろう。互換性というと語弊があるな。むろん同じマシンに旧バージョンがあれば移行できる。ただ、今回の場合、OSを入れ替えた時点で旧バージョンなど跡形もない。でもネットに同期ファイルがあるのにっ。あるのにできないって。できるのか? 私はその方法を見つけることがいま現在できていません)。

 そのおかげで私はこの『徒然』を書くあいだも、当たり前に押したキーで違う動きをされたり(キーボード操作もカスタマイズしまくっていてそれが辞書に入っていた)、たとえば頻繁に使う「──」とか「……」とか、私はそれぞれ「せん」、「てん」の入力で一発変換するように登録していたのです。そしてもっともストレス感じるのが、第一変換で漢字に変換する仕様。小説書きなので、私の辞書のもっとも大事な部分はここです。読みやすいように、あえてひらがなで書く。その単語をATOKの辞書が覚えている……たとえばいま書いた「覚えている」も、私は普段なら絶対にひらがなで表記するのだけれど、すっかりATOKにその取捨選択をまかせていたので、いざいきおいで書いている最中に考えはじめるとわからないのです……私は、なにをひらがなで書く人だったっけ……すでにATOKは私の脳の一部だったわけだ。

 そんなわけで早急に辞書を元に戻すべく「ああくそっ」と何度も罵りながら育てている現在なのですが。もう限界です。このへんで休ませてください。ここまで書くのに何度ATOKのプロパティと設定のメニューを開いたか……くたくた。読んでみて、今回の文章がなんだか違和感おぼえるとするならば、それは私の脳の一部が欠損しているせいなのです。

 でもやっぱり日本語はATOKなんだよなあ。
 ちなみに文中に出てきた「ドラえもん」が一発変換。
 ビルおじさんとこの辞書じゃ、こうはいかない。
 方言に強いって言うのも小説書きにはうれしいのです。
 茶々宇茶運茶うっ
 ──大阪弁辞書がONになっていませんでした(笑)。
 チャウチャウちゃうんちゃう?
 今度は上手にできた。
 なだめてすかしてリハビリ中なのでした。 

 atok

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