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『遠恋のおわりとはじまり』のこと。

 『遠恋』の話。

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 そろそろ花見の季節だね、昨年はじめて花見に参加してくれたあの二人に、メール送って今年も誘わなくちゃな……と思っていたら、エミリオ=リオナのほうからメールが来た。なに、餃子会にこられなかったから、ぼくらのぶんは残っているかって? じゃなくて。

「8月に大阪で式を挙げるのでタクミさん来てください」

 ってことでした。
 で、エミリオ=リオナの彼女はどうしているかというと。仕事を辞めて、とっくに東京にいるのでした(笑)。先月こっちで逢ったじゃねえかよ。そのときはまだ働いていた。よく一年も、毎週のように大阪と東京で行ったり来たりしているよなあ、と感心していたのですが。

 ああわかるよ、逢って、触れあって、また来週ねと別れる理由が、距離だったり、仕事だったり。なにそれ。理不尽だもの。だから遠恋なんて続かないって言ったんだ、私なんて手のひらにやわらかい太ももが触れているのに、触れていたい思想があるのに、それから離れて出かけるだなんて、学校や職場や家が100メートルの距離にあったっていやだ。ていうか服を着るのがいやだ。世界がここにあるのに、いったいどこに行くというのさ。

 続かないって。

 私と彼女の勝負。
 一年前、彼女が勝ったら賞賛を贈ると言ったけれど、これは。遠恋の終わり、で私の勝ち?
 それとも──

 というわけで勝負続行だ。
 ぜんぶ捨てて式挙げて私に美味いもの食わせて、キミは毎週通うことはできるけれどこの世の果てのように遠いその土地に行って、ずっと触れていたいと願ったそのエミリオ=リオナの体温のそばで、エミリオ=リオナの思想のそばで。
 恋をつづけたなら、こっちの負けでいい。

 恋の定義?

 さあ。どうだろう。
 キミが私に教えてくれ。
 うん。正直に言おう。
 すごいと思ってる。

 私には、距離で別れたヒトがいる。
 もう一度同じことがあっても、同じ選択をする。
 想いの問題じゃない。
 私は、ありえないことなんてないと思っているから。
 恋がこの世にあるように、別れもあると思ってる。
 当たり前にあるものだと思っている。
 ありえない、と思えない。
 やめられないから続けていることが多い。
 選んで終わらせたことなんて一度もないかもしれない。

 もう我慢できないからやめてあっち行く?
 ずっとそばにいる?
 すごいと思ってる。
 でも勝負続行。

 いや、こちらは手を出さない。
 ただ魅せて欲しいだけ。
 いい試合を期待する。
 つづける恋のはじまりに。
 とりあえずの拍手喝采。
 ま、がんばんなよ。
 なんだろうねこの悔しさは……
 遠恋はある?

 私は、ありえないことなんてないと思っているから。
 ああ、ああ。そうだった。
 思っているから、苦笑いするのだろう。
 じゃあなんで、そもそもそんな勝負を?

 大事なのは、別れはあるが、それが唯一のラストシーンではない、というのを忘れがちなこと。遠恋? 距離があるから、思い切れたってとこもあるはずで、ありえないよ、と口にした私は、多くの選択肢を見ず、思想を広げる作業を怠っていた。遠恋はありえないから遠恋はやめて恋にする。当たり前の選択。
 それをすごいと思う。
 自分が悔しい。

 きっとそういうこと。
 きっと真夏のウェディングドレスは、
 私の瞳に忘れがたく焼きつく。
 おめでとう。

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