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 以前、障子紙張りの照明器具を作ったことがありました。

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『小麦粉糊で障子を貼ってみよう』のこと。

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 中身はLED電球で、どのメーカーさんも寿命は四万時間と謳っていらっしゃるから、多めに見積もって一日に八時間くらい点けたとしても、一年で三千時間。

 四万時間÷三千時間=13.33333333333333333年

 机上の理想値だと十三年ちょい。理想は理想だとしても、車だって燃費がいくら偽装されるにしたって五割六割ということはないだろうから、保てば十年は使えるかもなあ、というのが実際のところ。LED照明は蛍光灯同様、もとの70パーセントの明るさになったところを寿命と見なすので、寿命が尽きたといっても、フィラメントの電球みたいにパチンと切れて真っ暗という話ではないわけですし。

 あれから三年余りほどでは、天井の手作り照明器具を触る理由なんてまったくなく(あいかわらずその下で焼肉もするので、障子紙を貼り替える理由はあるっちゃあるものの)、事実、LED球が切れたわけでもないのですが、けっこうな頻度で、いじっていたりします。

 そういう商品売っていると、私自身もそうなので、本当にアホだなあと思うのですが「LEDに替えると電気代お安くなるのね、そのうえ十年も保つのね!!」などという知識とともにテンション高めに最先端の電球を買い物カゴに放り入れる、先端技術に触れることがいかに悦ばしいことかを理解しているひとたちにとって、それってつまり電球が、かわいこちゃんでセクシーでたまらんということなので。

 そういうひとたちこそ、十年も可愛がったりしないのです。

 もっと電気代お安いコちゃんや、もっと光の色がやさしいコちゃんや、単純に見目うるわしいコちゃんが新人デビューすると、新しいコに手を出さずにいられないのです。

 かくいう私が、三年前に作った照明器具の横に、直管LED照明などしつらえてしまいました。

 だって電気代お安いんだもの(数十円電気代が安くなるというので数千円の製品を買っている、という時点で、依存者は約束をすっぽかしたことも忘れて電話してこないの法則にあてはまる)。

 LED電球も、明るく美しい光が出るようになってきましたし(直管LEDはまだまだ色気ない商品が多いので、色味を足すのに我が家も電球器具を残して併用していますが)。それでなんでしょうか。これまであまり聞かなかった要望を、お客さんから聞くようになった。

「空いた照明のソケットを埋めたいんやけど」

 いや、別に空いたまんまで問題なくないですか?

「あぶないやん」

 お子さんが指つっこむ高さの照明なのですか?

「そうやないけど、ほこりとかたまったり」

 下向きなのにデスか。
 切れた電球を差し込んでおけばどうでしょう?

「それこそあぶないやん」

 ……なにが?

 聞いていると、どうも空いているソケットからは電流がほとばしるような「気がする」し、切れた電球を差し込んでおくと突然スパークしそうな「気がする」と、おっしゃるかた多数。

 そっすねえ。女優部屋にあるような、鏡のまわりにずらっと電球が並んだようなところを、何個か最新式に取り替えたら明るすぎて、間引いたらオシャレではない見た目になったからどうにかしたい、というのならばわからなくもない。

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 しかして、触れられない位置にある下向きのソケットが、空いたままだろうが、切れた電球が挿さったままだろうが、問題はなにもないように思える。そう考えるのは私だけではないらしく、パナソニックさんのカタログを見ても、東芝さんのを見ても、ただ穴を埋めるような商品はない。ないのだから売れないので相談されても困る。

 ええ、ググってみるといいんじゃないでしょうかしらん。どこかの暇なひとが、自分のサイトに、そういう記事を書いていたりするかもしれないですし。

『基礎から学ぶDIY講座 : 空いた電気ソケットを埋めよう』の話。

 みたいな。

 これでどうでしょうか。

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○材料

・切れた電球 必要量
・シリコンコーキング 適宜

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 お持ちでないなら、コーキングガンも。

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○作り方

 電球を割って根元のネジ部だけ残す。
 コーキングを盛る。

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 完成。
 今回は、切れた蛍光灯電球を使用いたしました。昔ながらの電球で作った場合、ソケットにねじ込むさいに指の置きどころがありませんから、コーキングが固まらないうちに蝶ネジでも突き立ててやるとよいでしょう。もしくはお気に入りのフィギュアや使い切った口紅のケースなどをブッ挿してやると、ハリウッドミラーのまわりの空いたソケットに突っ込んでおけば「あらさすが姉さんアナーキー」と、いちもく置かれる逸品に。

 なぜコーキングか。
 絶縁性が高いからです。
 見るからにゴム。
 白いと余ったのを風呂場の補修に使えてムダが出ませんが、なんだかC4火薬のような見た目で怖い。ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞をディスったアーヴィン・ウェルシュの小説で、そんなのがありました。電球に小さな穴を開けて、ガソリンを満たして、コーキングで封をする。ターゲットの家のトイレに忍び込み、それをソケットにねじ込んでおけば……帰宅するやたまらぬ尿意にドアを開けると同時に天井照明のスイッチを入れた瞬間……ボムンッ。

 なので、グレーとか、黒がいいですね。
 突然スパークしそうにない。
 電気的に完全にふさいでいるという安心感。
 いやまあ、切れた電球をそのまま挿したって、安心のレベルはなにも変わらないのですが。そこはほら、安いスリッパに「清潔感」というような文字が添えてあるのと同じで。別になにが清潔なわけでもなく特殊な加工がなされているわけでもないのだけれど「感」。

 電球割って、なかにゴム詰め込む。
 これ以上の「絶縁感」があろうか。

 需要があるのならば、量産体制を整えてもいいですけれども。要はE26口金を尻につけたプラスチックのアヒルちゃんでよいわけで。100円均一メーカーさんが、作って売ったらよいのではないかな。空いた電気ソケットを埋める製品に対する熱い需要を、どうぞ埋めてやってください。

 そういえば、スマホのイヤホン穴を使わないから埋めるアクセサリーが、折れて取れなくなったからどうにかしてというのも、よく聞く相談なのですけれども。あれも、使わないから埋めたんだし、埋めたままにしておけばいいじゃないと思うのですが。埋めなくていいものを埋めるひとって、埋めてみたらまたそれが気になるものなんですよ、最初の話にもどるみたいになりますけれども。

 開いている穴を埋めることに心を囚われて過ごし、ついには近所の店に出向いて店員を捕まえて相談までする。あなたのことが私は心配です。とりあえずその穴の件は、そんな「感」で、コーキング打っとけば、よくないですか。




EntranceShelf.jpg

棚を作っています。
玄関の。
引っ越してきたときに、さくっと手持ちの木材で、作ってしまって。
とりあえず。
という言葉の落とし穴。
とりあえずの棚に、靴ならばともかく、小物が、ぽんと置かれ。
またひとつ置かれ。
定位置になり。
いまさら棚を分解など、できるわけもなくなり。
ふと気づくと、幼い息子が、スクリュードライバーを振りかぶって迫ってくる。
電動工具やカー用品。
玄関に置き気味ですので。
こりゃいかん、と。
秋の気配も漂いはじめ。
いまこそ分解。
そして再構築。
各種電動工具はあるが、電気ノコギリはない。
木材切断は人力。
秋でも汗だくになり。
投げやりになり。
また設計図もなく、行き当たりばったりに、穴を開けてはネジを入れる。
不揃いな木材たち。
彼らのサイズに合わせる。
新しい木材を買う気はない。
息子の靴を置いてみる。
自分で取って履ける高さ。
木材の縁にヤスリをかけたい。
しかし、すでに外に出せない。
サンダーなんて稼働させると、玄関が木煙で大変なことに。
もうこれでいいか……
とにかく倒れないように。
がっちり壁に固定。
尖ったのや動くのを、小鬼の手が届かない位置へ。
前の棚より、多くモノがのる。
それだけで棚としては進化だ。
問題あれば分解すればいい。
いかにも手作りな感だけれど。
いかにも、またしても。
とりあえずな棚だけれど。

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 つい先日、ダッドリーボーイズというプロレスリングのタッグチームが引退を表明した。彼らが歴史に残した「長テーブルに敵を叩きつけて決着」というスタイルが、世界に与えた影響は計り知れないものがある。

 日本語吹き替えだと変な訛りに変えられてしまっていたから、そのことばかりが記憶に残りがちだが、近年では、ダッドリー弟ブリー・レイが、高慢ちきな女社長を長テーブルに落とした事件がすばらしかった。ニュースでは彼女の背骨が折れたと報じられ、動画再生数はうなぎ登りになり、いやいや折れてはねえだろとあまりにも多くのひとを呆れさせたせいなのか、彼が当時所属していた団体はテレビ中継が打ち切られ、彼自身も退団して、あげくの引退である。



 TLCマッチというのは、テーブル&ラダー(脚立)&チェア(パイプ椅子)を使用可能なプロレスの対戦形式だが、日本でその対戦形式で使われる長テーブルであれば、プロレスラーでもないスタイル抜群な女社長の背骨は本当に折れていたかもしれない。



 ↑この試合でいえば4分30秒あたりから試合終了までの流れを観ていただければわかるように、日本の長テーブルは頑丈である。天板の裏に、金属の横桟がしつらえてあり、そうそう折れない。屈強な100kg超選手であっても折れないのだから、細っこい女社長でこれを折ろうと思ったら、背骨どころか全身の骨が砕けるほど何度も叩きつける必要があるだろう。

 ……ていうか。

 アメリカンプロレスで見る、あの長テーブルは、なんなのか。どの団体を観ても、あれを使っているのだが。薄い合板に、脚を直接とりつけただけで、設置する段階からゆらゆらしている。ときには補強がなにもないようで、持ちあげただけで、たわんでいることさえある。ダッドリーボーイズは偉大だけれど、その試合を観るたび、日本のハードコアもよく観るぶん、あのテーブルはなんなんだと思わずにいられない。

 あんなのでは、女社長の体重どころか、日曜教会のバザーで8歳児が丹精込めて作ったレモネードを満たしたグラスをずらっと並べただけで、たわむだろう。ヘタしたら騒がしいことにキレた委員長がバンッと両手をついただけで割れてしまいさえするかもしれない。

 日本の団体で使われているような長テーブルをさがすと、だいたい一万円くらいだ。

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 デスマッチやハードコアというものは、新日本プロレスや全日本プロレスでおこなわれるものではなく、もう少し僻地でおこなうものなので、一万円だって小さな団体にとっては大きな出費である。アマゾンさんのレビューでは、この値段のテーブルでは頼りないという声がちらほらあるが、プロレスの興行主からしてみれば、壊れてくれなければ試合が盛り上がらないし、選手もケガするので、それなりの壊れやすさは必要である。メーカーさんとしては、長テーブルなんて事務用なのだから、安くても頑丈にという思いで設計しているはずで、そこを、そこそこ壊れやすいものをさがすというのだから、難しいところではあろう。

 しかし、アメリカの場合、世界最大規模の団体で当たり前にTLCマッチが日常的におこなわれる。日本で中継が観られるなどというのも、そこそこに金銭力のある団体ばかりだという事情から、私が目にしたアメリカンなTLCマッチに、ひとつの疑念がわく。

 そういう団体では、ビール瓶でひとを殴ったりもする。その瓶は、きれいに砕ける。そう、映画の小道具で使われる、それ。ドラえもんのポケットから出てきた「殴っても危なくない破片に砕けるそんなに痛くもないビール瓶」だ。

 もちろん、テレビカメラを通して見ても、そのビール瓶が本物でないことはすぐにわかる。となると、世界で数億人が観るプロレス団体において使用される偽物のビール瓶を、世界は許容していることになる。

 なるほど。
 だったらば。
 長テーブルにおいても、そうなのではないか。

 アメリカのアマゾンさんを覗いてみた。
 いかにもアメリカンプロレスで使いそうな長テーブルが売っている。
 裏返してみる。

longtable.jpg

 木の棒が横桟としてネジ留めてあるようだ。
 金属の場合もあるが、やはり脚とは別の構造になっている。
 そうだな、この構造ならば、ドライバー一本10分で済む仕事だ。
 取りはずしてしまっては脆すぎるか?
 だったらアルミの棒か、細い木に変えてしまえばいい。
 さっきの女社長を叩きつけるブリー・レイの動画でも、金属の桟が簡単に天板から取れてしまっている。何本かネジを抜いたのか、金鋸で切れ目さえ入れたかもしれない。そういう観点で考えると、日本でポピュラーな脚と金属の横桟が一体構造になっている長テーブルは、そういう工作がとてもしにくい。

 さて、これは、どこが卵なのか。
 アメリカでは古くからプロレスが盛んであったがために、特注品でなくても市販品に手を加えるだけで割れやすい長テーブルが手に入りやすくなっているのか。アメリカ相撲という名称で昭和になってやっとプロレスをはじめた本邦では、実況席の頑丈な長テーブルが場外乱闘の流れでそのまま使用されてきた結果、ハードコアマッチなどというものが普及したいまになっても、天板に金属の補強が入った長テーブルを使い続けているのか。かといって、いまになって国産の割れやすい長テーブルなど作ったりしては、興ざめである。同じTLCマッチなのに、卵の産み落とされた時代のズレのせいか、この国で長テーブルに叩き落とされるレスラーの負担は重い。まして素人を長テーブルに叩きつけたりしようものならば、殺人事件になってしまう。

 さて。忘れていた。
 『基礎から学ぶDIY講座 : 木の棚を作ろう』の話だった。
 まとめよう。

 私は質問を受ける。
 棚を作りたいというひとから。
 そのさいえてして、板を選ぶ、ということにDIY初心者はこだわりがちである。頑丈な棚にしたい。だから板を頑丈にする。もっともな発想だが、限られた予算で、しかも正確な荷重計算もせず、あした一日で玄関の棚をとりあえず作るというのならば、教えたいのは、別の発想だ。

 板のランクを下げなさい。
 それは安くていい。
 余った予算で、柱を買って帰りなさい。
 何本か、あなたが思うよりも多く。

 どんな板でも、左右の支柱だけで棚を作れば、一年とたたず、大きくたわんでしまう。なにも載せないでも、重力だけで木は変形するものだ。

 だから大事なのは、この部分。

EntranceShelf2.jpg

 赤マルのところをがっちり留める。
 左の柱を参照に、まず柱へ角材をがっちり留め、そこに棚板を載せて、さらにネジで留める。

(釘は使わない。いずれまた分解するときに釘はやっかいだ。電動ドリルが一台あれば、穴を開けて、木ネジで留める。これで割れもなく、快適に棚が作れるし、分解できる)

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『ドリルは穴を開けるために』の話。

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 今日はこれだけおぼえて帰って。
 適当に作った棚でも、板の真ん中へ補強を入れれば、たわまない。

 あなたがTLCマッチの小道具として相手選手を叩きつけたら粉々になる棚を作りたいのでないならば、真ん中に柱なんて入れたら見た目が、なんてことを考えず、こうしておきなさい。プロレス劇ではなく現実世界の道具は、頑丈なほうがいい。

 現実に高慢ちきな女社長の背骨を折りたいことになったときにも、叩きつけたのに天板が割れて彼女が絶命しなかったら……想像するだに、社内での私の地位が危うくなる。
 折れるにこしたことはない。



 ごほんごほんと、咳をしながらカウンターに近づいてくるお客さんが増えてきて、うつされないように接客なんて不可能だから、薬屋に必要なのは抵抗力すなわち体力だスクワット千回!!

 というシーズンがやってきた毎年飽きもせず移ろう季節。

 今年は、仕事が増えた。
 すごく叫びたい。

「新聞読んでねえのかよ!!」

 連日報道してたじゃねえかよ。ネットでニュースを摂取すると、興味ないのはスルーどころか目にもしないので、あれだけ報じられていても知らないひとが多い。困る。

「これ……」

 はい、カバのマークのイソジンはこの世から消滅しましたよお客さん!! で、あなたの手に収まっている、それが今後はうがい薬の代名詞たる商品になるのではないかと業界では見られていますが、あなたはそんなことは気にしないでよろしい。

 イソジン買いに来たんでしょ。
 それで正解。
 名前は変わったけれど、中身はまったくの同じ。
 カバくんも同じ。

 いやだってイソジン買いに来たんだよ。
 だったらイソジンて書いてあるそっちを買いなさいよ、有効成分なんて変わんないよ。味の違いは自分で試してみるがいいさ。でもうがい薬を舌の上で転がすのは歯の着色の原因になるからやめたほうがいいかも。

 ……どういうこと? どっちでも好きなの買いなさいよと言っているのに、時間の余っているおじいちゃんなどは、訊き返してこられるおれりいまそがりひをしがり。そこからまた話が長い。新聞を読め。おれに説明させるな。話としてはあんまりおもしろくなく、でもややこしくはあるので、端的に説明するのがむずかしいのだ。

 ネットで調べてくれないか。
 というわけで、私も私自身のブログにまつりあげておく。

 顛末。

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 イソジンというブランドはオランダのムンディファーマ社のもの。

 日本ではライセンス契約によって明治さんが「明治イソジンうがい薬」として販売していた。

 しかしムンディファーマ社はイソジンブランドをみずから使ってのアジア展開をもくろむ。

 でも販路がない。そこに現れる塩野義製薬さん。

 かくしてイソジンの名は、日本では明治さんからシオノギさんへと移り、今シーズンから

「製造販売元ムンディファーマ株式会社・販売元シオノギヘルスケア株式会社 / イソジンうがい薬」

 と

「製造販売元健栄製薬株式会社・販売元株式会社明治 / 明治うがい薬」

 が、店頭で並んで販売されることに。

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 公式サイトは、そんなわけで三箇所。

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明治うがい薬|株式会社 明治

イソジンうがい薬 | シオノギヘルスケア

「やっぱり、イソジン®」|ムンディファーマ株式会社

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 「明治うがい薬」を製造している健栄さんも「ケンエーうがい薬」という商品を持っているので、四箇所かもしれない。これだけでも充分ややこしいのに、混乱するのがキャラクター。実際、ちょっとした裁判もあっての決着だった。

 「明治うがい薬」の売りは「ずっと変わらない」。おなじみのカバのキャラクターと、味も変わらないでこれからも行くぜと謳っている。

 一方の新生「イソジンうがい薬」。これが新キャラをぶっ込んできた。犬。なぜ犬。とにかく犬で、その犬がカバくんに似ていると明治さんは訴えたのだが、なんやかんやで和解。

 最終的に、おなじみカバくんで名前が変わったひとと、新キャラ犬くんで昔からの名前のひとという、どっちと握手したらええねん状況が生まれてしまった。

 どっちも選ぶひとがいるだろうから、どっちも仕入れる。
 どっちがいいのと訊かれる。
 どっちが良いとか悪いとかいうものではないですねと答えるしかない。

 あなたが選んでください。

 以上が、イソジンの話。
 現場の愚痴。

 ほんでまあ、そういうイソジンうがい薬の例でもそうなのですが、ついこのあいだ。

 個人的に大問題な同様の事案が発生。

 ナビスコ。

 ヤマザキナビスコから、モンデリーズナビスコへ。

 顛末

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 アメリカのモンデリーズ・インターナショナル社がライセンスを持つ、ナビスコ製品は、日本ではずっとヤマザキ・ナビスコさんが販売してきたが、契約が終了。それによってヤマザキ・ナビスコさんはヤマザキビスケットに名前を変え、「リッツ」「プレミアム」クラッカー、「オレオ」「チップスアホイ」クッキーなどのナビスコ製品は、今後モンデリーズ・ジャパンさんからの販売となる。

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 で、まあ、うがい薬同様、ライセンス契約を失った側も、店を畳むというわけにはいかないので、後継商品を出さざるをえなくなり。

 新発売されたのが、これら。

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クラッカー | 製品一覧カタログ | ヤマザキビスケット

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 ヤマザキビスケット・ルヴァン。
 八角形という異形。
 リッツとかプレミアムみたいなクラッカー。

 味が変わらなければかまわないがな。
 と、思いつつ買いに行ったらこれが、売っていない。
 うがい薬はどっちも選ぶひとが半々くらいな気がするので私は両方仕入れましたが、近所のスーパーでは、断然に、名前が変わらない彼らが売れるはずと踏んだのでしょう。

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B01KNI4ATK

 私ねえ。プレミアムも、リッツも、愛食者だったのです。
 売るひとが変わっても、やっぱり同じ肌がいい。
 こっちは近所のスーパーで売っている。
 買ってきた。
 食べてみた。

Nabisco1.jpg

 リッツ。
 なんだか焦げ色が強くなった気がするが、まあ、リッツです。これはよかった。安心感。問題は、リッツよりも食頻度の高いプレミアム。パッケージからして紙箱ではなくなって……

 開けてみて、ヒいた。

Nabisco2.jpg

 え、いや、なんでこんな形に?
 私、プレミアムをナイフで半分に切って、そこにサラダをトッピングして食べるというのをよくやるのですが。これ、切る量増えるし。面倒だし。

 切ってみて気づく。
 これ、前のよりもさくさく感が強い。
 ということは……うまく切れない。
 デフォルトで入っている真ん中のミシン目でパキンと折ることさえ上手くいかず砕け散る。それに一パックの量が増えて、多すぎる。

 ……結論。
 うがい薬戦争は、平和だった。
 クラッカー戦争は混沌の果てに荒野。
 オリジナルがライセンス取りもどして改変くわえるってどういう了見。

 粛々と、バイクにまたがり近所にはない店へ行きました。
 トップバリュ・クラッカー。

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トップバリュ | 香ばしく焼き上げた クラッカー プレーン

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 大昔に買ったことがあるが、さくさく感が強すぎてなんだか違和感があったのです。でも、本家が同じようなさくさく感強い食感になったとあっては、こんなもん、安いし、旧プレミアムのコピーサイズだし、変わらぬ紙パッケージアルミ包装だし。

 これにする。

 戦争に嫌気がさし、第三国に亡命。
 行きたくて行くわけではないのだが。

 求めて訪れた観客に、変わらぬ技を魅せる。
 同じ説教をするから教会になる。
 期待を裏切らない。
 同じ肌。

 そこ、大事だ。
 ほかはおおむねがんばっていると思うが、ナビスコプレミアムクラッカーの変化はいただけなかった。ウチの基本食材なんだよ。基礎なんだよ。変えるな。

 クラッカーが二枚つながりになったよいっぱい載せられてうれしいよお、なんて観客がいるのか本当に。いると思って作ったのか。そんなわけないと思う。経費節減でしょう。もしくは、これが世界標準で、日本が特別だったのか。成形技術が拙くて、日本製のようなものが作れないのか。なんにせよ、老舗の職人が腕落としたのを目先を変えてごまかすようなパッケージ変更がされたのも、なんだかイヤだった。

 なぜ日本進出するならするで、この国で作らないのだろうか。薬はともかく、土地に根付いた食い物をよそで作って送り込む形に変えて、案の定、失敗してる。ナビスコはこの国にとっくに根付いているよ。この土地の食い物だ。郷土食だというのに。味もだが、形まで変えて受け入れられるわけがない。日常の食材をひとつ、私は失ったのだ。人生の損失。切に、改良を願う。もういちど愛せるように。

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