最近の記事

スポンサードリンク

月別アーカイブ




・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Halo - Official Site / Campaign Relief | Halo Community Update

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 これこそが新世紀『Halo』の、おたのしみ。
 新しいルールを配信しますよ、新しいマップですよ。

(英語圏だとマップのことはレベルと表現しているようなのだが、一方、いわゆる経験値のレベルもレベルと書いてあるので、なぜにこんな混乱必至の単語選択をするのだろうか不思議に思う。大昔のテレビゲームが、ステージを進むことをレベルアップと呼んだ名残なのだろうか。さすがに近ごろのFPSではmapと表記する傾向があるみたいだが、だったらぜんぶマップはMAPでよくないかい)

 いつもは、そういうコミュニティニュース。
 ふんふんと今回の変更点に目を通す至福のひとときなのですが。

 読み進めていって、つぶやく。

「Halo 5 Campaign Balance Update!?」

 ヘイローファイブキャンペーンバランスアップデート。

 『Halo 5:Guardians』の人工知能と難易度調整のデザイナー、Chris Proctor氏が登場して、語り出した内容は、表題の通りに、いつものマルチプレイモードの変更点ではなく、物語の側に関する変更点だった。

 ちなみに、Haloのマルチプレイに物語はない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『eスポーツとしてのHalo』のこと。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 それに対し、キャンペーンモードは、ヘイローサーガと呼ばれる壮大な物語が語られている。

 そっちに対する、変更点。

 味方のAIが、かしこくなって死ににくくなるという。それはよい。車の運転は確かにヘタすぎた。シングルプレイの難易度を上げ、協力プレイの難易度を下げるという。私は協力プレイはしないので、どうでもいい。その他もろもろな敵キャラの動作や、武器の出現に関するあれこれがあるのを、まあどうせ、キャンペーンモードをイチからやり直すことなんてないだろうしなあ、と流し読む。

 だがしかし。
 この部分に至って、唖然とする。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・Made Warden attacks a little easier to dodge, particularly on lower difficulties

Face Beam tracks moving targets less accurately

Gravity Bomb has less homing

Melee attack has slightly less range

・Made the Warden slightly easier to kill from the front

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ウォ、ウォウォ。
 ウォーデンエターナル!!

halo56.jpg

 2015年12月6日。
 ここ『吉秒匠「とかげの月」/「徒然」』において、私は渾身の力を振り絞って叫んだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 そう。
 『Halo5: Guardians』のレジェンドレベルにおけるバランス調整は、ウォーデンエターナルさんに集約されていたのであった。
 でたらめに硬い。
 そして、前述した、陰に隠れてAI仲間三人を特攻させるという『Halo5: Guardians』のヌルヌルヌルヌルさを逆手にとった動きをする。布石だったのだ。すっかりその動きで攻略し続けて中盤を過ぎたあたり。ウォーデンエターナル様の登場によって、状況が一変する。

 でたらめに硬い。
 そのうえ、直線の動きで、こっちに向かって走ってくるのである。ダッシュで逃げても追いつかれて太刀を振るわれ、AI仲間三人もろとも打ち倒されてしまう。もちろん全員がダウンしたらだれも回復できないからゲームオーバーだ。

 かといってバラけたら、ウォーデンエターナル様の暗黒ビームが襲う。そのビームたるやなんと、障害物をすり抜ける。FPSの根幹を揺るがす事態だ。物陰に隠れても無意味で、ウォーデンエターナル自身が「隠れてもムダだ」と何度も何度も言う。そして「タナカがやられた!」が響きわたる。私も死ぬ。モニタにコントローラーを叩き投げてすべてを終わらせてやろうかと思う。

 でたらめに硬い。
 走る。すり抜ける。
 そして、それでもなんとか倒したとしても。

 何度でも新しい肉体でよみがえる。
 よみがえるというか、データ生命体が物理的に生み出しただけの肉体だから、その肉体を破壊したところでなにも死んではいないのである。

 なんという戦う心を折る設定だろう……
 まるで無意味。

 あげく、数が増える。

 十四年のHaloキャリアがある私が、断言する。

 三体のウォーデンエターナルとまみえたあのシーンは『Halo2』で味わった地獄を越えていた。ヌルいなんて言ってゴメンなさい。歴代のHaloシリーズのキャンペーンモード「レジェンド」で、『Halo5: Guardians』がもっとも難易度が高い。

 ちなみに私は、開始と同時に秒殺されるそのシーンの攻略に、まる一週間かけました。途中、なんども絶叫し、なんだこの糞バランス調整はと彼らを罵ったけれど、あやまちです。運も必要。けれど、クリアはできる。ウォーデンエターナルさんの姿を思い返すだけで、えずくようなありさまになりましたが。これでこそHalo。


『Halo5: Guardiansの物語』の話。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 これでこそHalo。
 これでこそへいろー。

 なんだこの糞バランス調整はと彼らを罵った。

 けれど。けれど、だ。
 最後に私はたどり着く。

 これでこそヘイロー。

 だが今回のキャンペーンモードバランス調整アップデートにおいて、私が、これこそがHaloだと叫んだ、まさにその部分が、調整されると書いてある。

 具体的には、このように(吉秒意訳です)。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・ウォーデンエターナル様の基本攻撃である顔からビームが弱体化。

・ウォーデンエターナル様自身が「隠れてもムダだ」と何度も何度も言う。そして「タナカがやられた!」が響きわたる。私も死ぬ。モニタにコントローラーを叩き投げてすべてを終わらせてやろうかと思った暗黒ビームの追尾も、ひかえめになります。

・そのうえ、直線の動きで、こっちに向かって走ってくるのである。ダッシュで逃げても追いつかれて太刀を振るわれ、AI仲間三人もろとも打ち倒されてしまう。もちろん全員がダウンしたらだれも回復できないからゲームオーバーになっていたウォーデンエターナル様が振り回す太刀の届く範囲が短くなります。これで逃げられるよね?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ぜんぶだ。
 つまりぜんぶだ。
 そして、この変更は、難易度とは関係なく、マルチプレイで登場するウォーデンエターナル様にもあてはまる。ウォーデンエターナル様というキャラの動きが、根本的に愚鈍に変更されたのである。

 もうむしろ、ウォーデンエターナル様が不憫だ。
 これが人工知能の末路である。
 『ゼンデギ』だ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『ゼンデギ』のこと。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 シリーズ最強のボスキャラとして創造され、シリーズの崇拝者たる私に絶賛されたにもかかわらず、世界的に大勢を占めることになってしまった「倒せないボスキャラが出てきたらあきらめる」ひとたちの声によって、根幹から別物に変えられてしまうAI。ウォーデンエターナル様のアイデンティティは崩壊。

 に、に、にに、ニンゲンどもに弄ばれし我れいずこぉうっっ!!

 ……まあ、シリーズの崇拝者たちは、私を含め、もはやストーリーモードはやり尽くして、日々のマルチプレイに励んでいるわけで、現状、世界で1800万台が売れているらしいXboxOneのユーザーでありながらまだ『Halo 5:Guardians』に触れていないひとたちや、いまから『Halo 5:Guardians』と合わせてXboxOneユーザーになろうかというひとたちに向けるならば、コントローラーを投げ出したくなるボスキャラを愛され仕様にしておこうというのは、賢い変更なのかもしれないけれども。

 これってつまり、『スーパーマリオブラザーズ』は名作だキミもやってみたまえ、ここから歴史は始まったんだ。などと、したり顔で言ったりはできない世界になってしまったということである。いつかプレイした名作を勧めてみれば、ネットでブーたれるヒヨったピヨッ子ゲーマーたちの声に負け、大魔王クッパが「どうぞ倒してください」と己から斧を差し出すような仕様にいつの間にかアップデートされてしまっていて、私がプレイしたときとは別物になっているにもかかわらず、彼は敬愛する私の言葉を信じてプレイして、失望を隠さず。

「へえ、これを名作と呼ぶだなんて、ヨシノギさんもピヨったところがあるんだ」

 などと蜜月の終わりを迎えることだって起こりうる。

 どうしてくれる。

B019C8JVDC

 愚痴りつつも、『Halo5: Guardians』を、ウォーデンエターナル様の最凶さと合わせてお勧めした身としては、訂正の意味もあり、書いておかねばならぬのです。ご安心ください。マニアな私の勧めた『Halo5: Guardians』は、多くの人々の「良いけどここがダメ」の声に応えて、マニアックな部分を洗練させました。

 あなたのために、ということです。
 私はもうクリア済みで、対人戦に没頭している毎日だから関係ない。

halo58.jpg

 Spartan Rank50になりました。
 Games Played298回。
 Win Rate45.3%で少々負け越し中。

 しあわせです。

Halo5:Guardians



petal

・数年前に歯医者で削ってもらったにもかかわらず、この時期になると噛みしめて右奥歯の周囲が痛くなる。集中すると歯が砕けるほど噛んでいて、集中しているあいだは痛くないというのは、逆にその痛みに気づいているときは気がゆるんでいるのだということで。花見に行ったのですが。ずっと痛かった。 

twitter / Yoshinogi

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 大阪の公園で、花見だとひさしぶりに逢った友人。
 開口一番、話したことは、

「昨日の夜の地震、けっこうすごくなかった?」

 震度3。
 マグニチュード4.0。

 阪神大震災のときに食器棚から落ちて欠けた大皿を、まだ使っている。だから知っているが、震度3程度では、棚からモノが落ちたりはしない。友人も大阪在住が長いので、阪神大震災は経験していて、いちおうは棚を壁に固定したりもするものの、あんなのがもう一回来たら、ねじ釘で壁に留めた程度の小細工ではどうにもならないし、あんなのではない程度なら、そうそう棚が倒れないことも逆に知っている。

 そんなふたりが、そろって、いや昨日のは怖かったと言った。

 4月10日未明の大阪の地震。
 ニュースでは、こう表現された。

「近畿地方で、震度3の揺れを観測する地震が相次ぎました」

 そう。それが怖かった。

「なあ、これヤバイの来るんちゃうん」

 友人は、そう言った。
 『飛翔』リンクでおなじみのUkawaなのだが。やつが南から大阪に移住してきた民であることを考えると、地元周辺の凄絶な直近未来を予測する虫の報せ能力でも発動したのかもしれないと、いまになって思う。

 大地震というものを経験した者にとって、肌でおぼえた怖さはそれだ。大きいのが、ドン、も怖いには怖いが、あれこれまた揺れてる終わらないんじゃないの? という、あれ。地層がバネのように、ぴーん、と跳ねたのならば一回で終わるはず。それが何度も小さく来るということは、ぴーん、と跳ねられずに、どこかで引っかかり、びび、びび、と跳ねそうで跳ねず、こすれている。こすれていると書くと可愛いが、地球の話。その、びび、だけで窓ガラスがガタガタ鳴る。

 寝られない。
 頭上にあった巨大なアンプが倒れてきたのを、本震の前の微弱な揺れで目を醒ましたおかげで、両腕で支えて私は助かった。あのころの私の眠りが深ければ、いまこれを書いていないか、顔面に相当深刻な傷跡を残しているはずである。

 あれ以来、重たいものは床に置くことにしていた。しかしいま現在、住んでいる家では、構造上やむなく二階を書斎と物置にして、一階で暮らしている。つまり、食い騒ぎ眠る頭上に、私と妻の蔵書がぱんぱんに詰まっている。地震がなくても二階の床が抜けておかしくない。そんな家が何度も揺れると、それは怖い。

 妻は和歌山の生まれで、両親はいまもそこに住んでいる。いわゆる南海トラフ大地震が起きたら、津波に飲み込まれて跡形なく消える予測の場所に自宅があり、地震が来たらもうな、と笑って話すくらいに達観されている。

 花見の前の週、4月1日。
 私の勤める店で、お客さんの携帯電話が一斉に鳴り出すというホラーな出来事があった。その音で泣きだした子供もいたくらいだったが、電化製品売り場のテレビで緊急速報が流れて、和歌山で震度4。もうここ数年で何度、それを思ったかわからない。

「義父さん、義母さん……ああ」

 絶対来ると言われているから、和歌山=地震=あの家にいては助からない。の図式が私のなかにできあがっている。結局その日は、それが本震で、それ以上の揺れはなかった。あとで電話を入れると、いつものように笑っていた。

 さすがにこの週末、防災関連グッズは飛ぶように売れた。四月に入って毎週、地震のことばかり、ひとと話している気がする。

 売れるなあ、という会話は店員のあいだになく、その売れゆきを見て、だれもが同じ感覚なんだと確認し、つぶやかずにいられない。

「いや。ちょっと、怖いよね、これ」

 あの大地震のとき、これが東京で起きたら、などと翌日には報道していたやつらを蹴り飛ばしたい思いだったが、いま、もちろん、被災された方々への思いはあるものの、我が身と愛する近しい者たちへの想いが同時にある。

 どう書いていいのか、わからない。
 と、こんなふうに書いたものが、私の最後の一文になることだってありうると知っている。あんなのが来たら、どうしようもないのである。どうしようもないから、笑って達観するふりしかできなかったのに。

 慰めの言葉を綴る感ではない。
 近すぎる。
 そして、イヤな感じがすぎる。

 いま。
 畏れている。



kusanemu.jpg

「おばあちゃん、
なんかこの米黄色くない?」
新米なのに。
「できがよくないんよ」
「なんか黒いの入ってるけど」
「雑草、とらんのやもん」
言えばいいのに。
そう思うけれど、
祖父が逝って、
祖母だけで田んぼの維持はできず。
しかし田んぼで米を作らないと、
土が死んでしまう。
やむなくひとに貸す。
そんなこんなで、
そこで育っているのは、
正真正銘のコシヒカリなのだが。
特に祖母がため息をつくのが、
クサネムの実。
雑草である。
抜かないと、黒い実が米に混じる。
これが米とほぼ同じ大きさのため、
機械で選別することができない。
それゆえ、クサネム混入、
もれなく米の等級が落ちる。
味とは直接関係ないようなものだが、
雑草さえ抜かない田んぼだ。
総じて手を抜いて育てている。
祖父は几帳面なひとだったから、
できあがる米もきれいだった。
それが。
「強くは言われへんのよ」
作っていただいているわけだから。
炊いても黄色いコシヒカリを、
賃料の替わりにもらって。
殺さないように続ける田んぼ。
もちろんと言ってはなんだが、
私を含め、
子も孫も、だれひとりこの先、
農業を継ぐ予定はない。
おばあちゃんは、
想い出の田んぼで、
クサネム入りの米を育てられ、
ため息を食べている。 
かといって、やめてしまうと、
まわりの田んぼに迷惑をかける。
牛飼って、米作って、
それで生きてきた。
土地を離れようとせず、
黄色い米を嘆きつつも作る。
こっちで暮らしなよと、
強く言うべきなのか。
でも、それでいいのか。
言っている間に、だらだらと。
今年ももらった米を、私も食べる。
クサネムの実を、
研ぐ前に取り除くのも、
手慣れたもので。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 昨今の薬屋では、ちょいちょい起こることが今月も起こって、メーカーさんから私宛の文章も届いたのだけれど。要は、在庫がなくて発注数送れません、というやつ。

 先週のは、発注数どころか一個たりとも納品できないということだったのだが。それはまあそういうこともあるでしょうと読み進めると、この事態の原因がわざわざ書いてあった。書かなくていいのに、自慢げにさえ読める表現で。

「テレビで紹介されたこともあり……」

 知ってるつーねん! 先月の終わりにテレビでやっていた『その原因、腸にあり!』という番組を私は録画していなかったし、リアルタイムな放送時間には、まだ店にいた。けれど、翌日から、あれないのあれないのって。あなた観なかったのなんで仕入れておかないの。

 もち麦。



 痩せるらしい。ていうかテレビでだれか痩せたんでしょ。私は知らないけれども。いや、なんでないのって言われても、もち麦なんてマニアックなもの、ふだんから山積みにしているわけないでしょ。ねえこれ、責められるの私なの?

 健康食品とかあつかうメーカーさんとか問屋さんとかはさ、一ヶ月先くらいのテレビ番組の内容に自社製品に関連するものがないか検索かけるべきだと思うんだけど、いつも。放送されてから、痩せるためにあれが、とか、頑固な汚れのお掃除にあれが、とか言われたってこっちは知らんうえに、そこから発注したらモノがないとか。あげく自慢げに、いやあテレビのおかげでバカ売れでしてねえ、って。そこで倍あったら倍売れて、売るほうも買うほうも至極幸せなのに。店の棚広げてくださいよとか言う前に、テレビ番組表を精査すべきではなかろうかと、かなり真剣に思う。ためして、の取れた某番組に至っては公共放送(なんだそれ)などと自ら名乗って金まで取っているのだから、放送前にせめてオオヤケにキョウする態度として、この先一ヶ月で紹介する商品群を番組で使ったメーカーだけでなく、業界で共有させるべき。

 で、もち麦ですよ。
 いまさらながらに、ああこれ痩せるの、そればっかりだな、と思いつつ、どう痩せるのか調べてみたら。出たよ。

 繊維質を多く含むため。

 バナナ食べなよ。ファイブミニでも良いんじゃないかな。穀物をあえて食ってということならば、リーズナブルな玄米食でいいのでは。あえてもち麦をセレクトするのってなに? ああ、もち麦なだけに粘りけがあって。水溶性食物繊維だから腸の状態を良くすると。へえ。

 へえ。

 へえ。

 番組を観ていないからなのか、あまり感銘を受けない。たぶん、だれかが劇的に「食べながら痩せた」のだろう。みなさまが感銘を受けているのは、そのドキュメンタリーにであって、もち麦は、押し麦でも、豆ごはんでも良かったのだと推察。そういうのは売れ残っているのである。穀物類の棚から、もち麦だけピンポイントでなくなるテレビの力。言い換えると脚本の力。演劇とか、プロレスとか言ってしまってもいい。エンタメだ。食物繊維を摂れというフレーズで思い出されたのか、グラノーラの売り上げもちょっと上がった。

B00176TTPS

 どこに帰結するかといえば。
 クサネムの実の話。

 手慣れた指先の動きで、流通させられない三流米からクサネムを取り除くも、その米を詰めた弁当箱を開いて、黒い点が残っていることは、ままある。しかしまあ、私は、そもそも玄米食で、それも米農家の孫で、買ってきたものではなく穫れた玄米が主食なため、けっこう荒い。モミ殻とか残っていても、気にしない。それも繊維質でしょう。で、クサネムの成分も調べてみた。毒はない。ただの無害な豆科植物。つまりクサネムの実は、豆だ。豆といえば水溶性食物繊維含有食品の筆頭である。

 モミ殻食べるのに、無毒な豆を避ける理由がない。

 もちろんそのまま食べる。味もしない。ふと思う。農家で忌み嫌われ、農協で一粒混じっていれば買いたたかれるクサネムだが、これもっとひとめでわかるレベルで米に混入していたら、雑穀米というカテゴリーで販売できるのではなかろうか。そういう商品というのは、あとからいろいろな穀物を混ぜて作るのだけれど、最終的に雑穀米で売るためだけの田んぼならば、はなからいろんなもの並列で植えてしまえばいいのでは。その田んぼでは、クサネムの繁殖は問題にならない。というか、商品パッケージに胸を張って「クサネムの実2パーセント」とか書ける。そう書いてみると、一頭の牛から一本しか取れない牛タンのような希少価値で、ぽつぽつ混じる黒い豆科植物が、宝石のように見えはしまいか。間違いなく繊維質なんだし。どう見ても消化しにくそうだから、たぶん痩せるはず。

 いや、太らないものはすべて痩せるとして、脚本は書けるはず。

 テレビの時代を超え、電脳網に拡散する作られた情報に踊ることをエンタメと定義できる時代。

 無害だし味もしないけれど、米に混じっていたら見た目がよくないので悪とされるクサネム。描きようによっては、コアラのマーチに混じっている宇宙人コアラを見つけたらハッピー、みたいな存在にできるのではないか。

B015W5XF4K

 それは話半分にしても。
 クサネムが混じっているから安い米。つまり私が食べているような米。これは流通させたら売れるのではないだろうかと、本当に思う。謎な「国内産ブレンド米」みたいな商品よりも「クサネム混入コシヒカリ」のほうが安いのだが、もちろん店頭にそういう商品はない。

 クサネム食べ慣れている私としては、そういうのが売っていれば、断然、クサネム米をセレクトするがなあ、などと。

 末端価格だけを見ている店頭の人間だからこそ、そう思うのであって、おばあちゃんは、そりゃ「クサネムは雑草で、雑草は抜くもので、クサネムが混じっていなければ高い米なんだから、しのごの言わず仕事しな」って。亡くなった祖父の田んぼで売れない米を作る若者たちに腹を立て続けるのだろうが。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・東京で暮らしていた叔父と叔母が、五月にも新譜を出す息子を残し、広島の奥地で田んぼを守るひとり暮らしの祖母と同居することに。私の母が長女で、叔父は弟。いっしょに暮らそうと皆が言ってきたが、まさか広島に帰る決断をされるとは…私はまだ息子を祖母に見せてもいない。逢いに行かないと。

twitter / Yoshinogi

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 そんな祖母と、息子夫婦が同居することに。叔母は、けっこう気が強いひとだから。強くは言えない祖母の代わりに、言ってしまうかもしれないと。祖母がひとり暮らしでなくなることは安堵しているのだけれども、田んぼ問題では一波乱どころか大荒れもありうるなあと、気を揉んでいる我が一族の近況です。