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 DVD発売!!

Odddvd

 


 レンタルはTSUTAYA限定ということで、通りがかった大きな駅のTSUTAYAさんを覗いてみた。
 ときまさに三連休初日。
 在庫は30本(!?)。
 そしてその30本すべてが貸出中(!!)。
 キテる。これはキテるよっ。
 ていうかめっちゃ推してくれているなTSUTAYAさまっ。

 しばらく見てた。

 でっかいPOP付きでズラッと並んだ

「え? これ劇場公開とかされた?」

 というアントン・イェルチン主演作。スマホを取り出して検索をはじめるお嬢さん。我慢できませんでした。ちらっと見ちゃいました。

 私、自分のサイトを見知らぬひとが街中で熟読しているのを、初めて見ました。
 書き続けていて、応援し続けていてよかったと、泣いた。
 (嘘。でも本気で感動のシーンではあったのです。覗いてごめんなさい)

 現在、『オッド・トーマス』という語句をググったかたの三人にひとりは、この記事を読んでいます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

吉秒匠 『とかげの月』 / 徒然
映画『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』の話。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ぶっちゃけ、ものすごい数字。
 全国のTSUTAYAの『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』棚の前、そして全国のあらゆるDVDショップの『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』棚の前で、コンニチハ。

 で、ぜんぶ貸出中なら、三千円のDVD送料無料のAmazonさんで買っちゃいましょうかという方々がどれくらいいるかは秘密ですが、結果、DVD発売開始から現在五日目。Amazonさんの在庫も「一時的に在庫切れ」の表示に。

 これをバブルと呼ばずになんと呼ぼうか。うわああ、チャンスロスもはなはだしいわっ。イケるって言ったのにっ、TSUTAYAさんの在庫数は期待以上でしたが、Amazonさんっ。オッドくんを見くびりすぎ。倍は仕入れておくべきでした。

 しかし、しかしですよ。
 こうなってみれば、思わずにいられない。

 やっぱり出来が素晴らしいんじゃないか!!

 チャンスロスという意味では、この映画『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』を、きちんと宣伝して世界中の劇場で興行打っていれば、どれほど儲かったか……

 そして、ほぼ間違いなく、続編も製作されていたはずなのに。

 いや、まだあきらめません。
 継続して推しますよ。
 映画『オッド・トーマス2』は、ある!!

 さて、DVD。
 なぜだかレンタルはブルーレイがあるのに発売はDVDのみ。いいですけどどっちでも。迷わず私も手に入れて、選ばれしパパの子、劇場鑑賞者たる私は、日本語吹き替えをチェック。劇場公開は字幕版だけでしたからね。

 素晴らしい印象として、ところどころ引っかかる表現のあった字幕を、吹き替えはとてもスムーズでスマートに整えてくれている。
 たとえば変な夢を見ておびえる友人ヴァイオラとオッドの会話。

 字幕はこう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「昨日の夜
 変な夢を見たのよ」

「僕なんか殺戮の夢だけど」

「自分を見たのは初めて」

「自分の顔を?」

「私と男の死体が
 横たわってた
 乱射されたみたいに」

「心配ないよ
 今までに現実になった夢は?」

「ないけど
 あなたを ただの変人だと
 思ってる人は多い
 でも本当は違うわね?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 同じシーンの日本語吹き替えは、こう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「昨日ね
 すごく変な夢を見たのよ」

「ああそう
 僕なんか大虐殺の夢だった」

「夢で自分を見たのは初めて」

「自分の顔を見た?」

「ええ
 男の人といっしょに
 倒れて死んでいたわ
 ライフルで撃たれたみたいだった」

「心配ないと思うよ
 今まで正夢を見たことはある?」

「ないけど
 みんなあなたのことを変人だって言うけど
 ああもちろんストーミー以外ね
 本当は違うでしょう?
 なにか隠してる」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 字幕には文字数の制限があるために、簡易な表現になっているという側面もある。けれど、文字数以外の面でも「私と男の死体が横たわってた」を「男の人といっしょに倒れて死んでいた」などと、より具体的にわかりやすい表現に変えている部分が、映画全編にわたって多数確認できる。

 原作では、このシーンには乱射という言葉も、ライフルという単語も出てこない。ヴァイオラは、死んだ自分の崩れた顔を夢に見る。男といっしょではなく、彼女ひとりで。額に穴が開いている。オッドはそれを聞き、口径の大きな銃で額を撃たれれば、穴が開くと同時に強大なエネルギーが放出するため、頭蓋全体を歪めることもあるかもしれないと推理する。

 映画のオッドくんは推理しない。冗談もあまり言わない。そもそも邦訳の『オッド・トーマスの霊感』は、500ページを越える聖書のように分厚い文庫本。字幕や吹き替えの前に、映画作品自体が96分である時点で、展開も台詞も端折りまくっている。

 ちなみに、字幕は私が映画館で観たものと同一だった。ジェット・コースター・ムービーに、ぽんぽんと投げこまれる短いセンテンス。それはそれで良いものだ。だが、分厚い原作をなんども読んで隅々まで知っている私のような者が、映画館で若干だが感じた「ここまで端折られて原作読んでいないひとは理解できているのだろうか」という思いが、吹き替えでは、だいぶんと薄まる。乱射事件が起こることを知らない観客にとって「乱射されたみたい」よりも「ライフルで撃たれた」のほうがすんなりと理解できることはあきらかだ。

 結論を言おう。
 字幕も吹き替えも、どっちも良い。
 でも、やはり英語で最初に観たほうがいい。

 なぜなら、日本語を話すオッド・トーマスが、ひどくカッコイイから。
 間違いなく原作を読んでいるアントン・イェルチンが、苦心して作った「オッド・トーマス的」な発声法が、やはりこの映画のオリジナルである。『ターミネーター』のときよりも『スター・トレック』のときよりも、アントン・イェルチンは、高い声で喋っている。話す速度も速く、ときおり、声を裏返らせたりもする。霊が見えるが、基本、お調子者で楽天家なオッド・トーマスに、よく似合う。
 吹き替えは、それに対し、ずいぶんと二枚目だ。

 わかりやすく言えば、こう。

 英語で話すオッドは声が高く、ストーミーは抑えた低い声。
 日本語で話すオッドは声が低く、ストーミーは可愛く高い声。

 ストーミーが鳴海杏子さんだというのは、DVD発売元のアース・スターエンターテイメント所属だということではっきり記述があるのですが、オッド・トーマス役が、どこにも公式な記述がないので憶測や推測を書くことは控えておきます(平日になったら東宝さんに訊いてみるつもり)。でもカッコイイ。オッド・トーマス=ヒーローということで人選したのではあるまいか。ていうか鳴海杏子さんだって、パッケージに名前入れれば、それで売上げ変わってくると思うのだが。プロレス好きとして『世界でいちばん強くなりたい!』は私も観ていましたし、豊田美咲がストーミー・ルウェリンを演じると聞けば、クーンツファンという視点以外からも「おお」と思える人選なのに。自社ホームページの公式プロフィールには記述するが、発売するディスクでは謎めかせるとか、アース・スターエンターテイメント的やり口がよくわかりません。

SEKATSUYO

 ちゃんと吹き替えした役者の名は入れるべきです。

(そういえばアニメ『世界でいちばん強くなりたい!』もTSUTAYA限定レンタル作品でした。なるほど、アース・スターエンターテイメントさんが販売元です。同じビジネスモデルなのですね。しかしだったら自社のイチ推し声優の名をなぜTSUTAYAに並べようと画策しないのか。声優ファンの底力を知る方々のはずなのですが)

 一方、DVDパッケージにちゃんと明記されている。

 原作
 ディーン・クーンツ
 『オッド・トーマスの霊感』
 (ハヤカワ文庫)

 ああもう、ここもぶっちゃけましょう。しくじりました。私が本当に推したいのはディーン・クーンツそのひとです。映画を検索したらダイレクトにこちらへ飛ぶように画策しておけばよかった。

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吉秒匠 『とかげの月』 / 徒然
『オッド・トーマスの霊感』の話。


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 DVDもですが、心底みなさんに手にとって欲しいのは、小説です。分厚いです。本とか読み慣れないひとにはつらいかもしれません。けれど、想い出したときにちょっとずつでも、一生かかってでも、読んでみてください。得るでしょう、そして広がるでしょう。映画『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』にやられたあなたならば、わかるはずです。ラストがもうわかっちゃった? でも、あの話で分厚い500ページ越えの文庫本ておかしいと思いません? すごくシンプルな物語なのに。クーンツ師の真髄は、そこにあるのです。蛇足と言ってしまえばそうとも言える。けれど、師が私に教えてくれたなかで、もっとも大事なのは、そこのところ。

 人生の無駄さ加減を愛せないひとは不幸。

 ディーン・クーンツ公式サイトに、師が、息子オッド・トーマスにインタヴューするというページがあります。

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Dean Interviews Odd « Dean Koontz

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 このなかのやりとりで、ディーン・クーンツがオッド・トーマスから端的な彼の信条を引き出してみせる。
 オッドくん曰く。

「ぼくは雇われコックだから返しコテだけあればいい」

 クーンツの質問は「銃は持たないのか」というものでした。オッドくんは、ほかにも自動車のタイヤを売るひとになりたいという夢を持っている。二十歳そこそこで、文筆をたしなむ端くれでありながら、そっち方面の野心はなく、指向するのは、とことんにシンプルな生活。

 おなかの空いたひとに朝食を。
 タイヤのすり減ったひとにタイヤを。
 それも自分で仕入れてではなく、ただ雇われて売りたい。

 オッドはディーンの分身です。
 ディーン・クーンツ作品の根底には、絶えずこの考えかたがある。

 いま読みたいひとに読むものを。
 書いて届ける。
 だから筋立ては複雑でなくていい。
 ショートオーダーダイナーで出てくる、シンプルきわまりないベーコンエッグとトーストみたいに。もしくは、新品のタイヤみたいに。

 いま読めるものを売る。
 書けるものを書く。

 『オッド・トーマスの霊感』が映画化されたのは、ストーリーが端正だったことよりも、オッド・トーマスがだれもに愛される存在だったから。それは逆に言えば、書きすぎて分厚い本になってしまうくらい、ディーン・クーンツがオッドくんとそのまわりの世界について「書けた」から。

 映画原作『オッド・トーマスの霊感』の無駄さ加減を愛せないひとは不幸だとまでは言わないものの、オッドくんを愛せるあなたが「読める」その無駄に触れてみようとしないのは、とてももったいない。

 映画を観たなら想像できるはず。
 オッドとストーミーが、もっとだらだらぐだぐだ、どうでもいいやりとりを応酬しあうのです。
 ほら、あのラストを観たあとだと、そんなの読んだら自分がどうなっちゃうか、わかるでしょう。



 以下、続刊。
 まだ邦訳されていないシリーズ最新刊もある。ぜひともハヤカワ文庫の勝負根性で『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』地上波放送決定!!の報とタイアップしての大オッド祭を企画して欲しいものです。売る気があれば売れますって、ここからクるんですってディーン・クーンツが!!




 

Oden

黒田官兵衛で盛り上がり中の播磨の国。
そこで生まれた私です。
小学校の給食で、こういう食べ物は、
「関東炊き」とメニューにありました。
(ちなみに読みは「カントダキ」。Cuntを抱く者?
なんか、Motherfuckerの上位版みたい)
かといってウチおでんが、給食のそれと、
まるで別物かといえばそんなことはなく。
しょうゆ味のダシで具を煮込む同じ料理。
中学校の家庭科の先生いわく、
ごちゃっとした煮物のことをそう呼ぶのです、とか。
関西の煮物はお上品なの、という自負があるのでしょう。
確かに、京で煮込まれる大根は、醤油の味はすれど、
醤油の色が現れず白いのが良しとされたりするもので。
いまでも、東京のうどんの黒さに関西人はヒきます。
だから関東炊き。
なんやねんこれ下品な煮込みやのう。
そう言いながら食すのがマナーなのです。
ところで、うどんの国のひと、友人のS.Ukawaが、
うちのおでんパーティーに来たときのこと。
やつは、赤味噌と砂糖を用意しろとか言い出して、
なんかそんなのを練り合わせた甘味噌で食ってました。
てめえ。
ひとが丁寧に作った澄みわたるダシ料理になにしとんねん、
というつっこみを入れた私をみんなが笑いました。
私の受け皿、豆板醤と芥子たっぷりの地獄沼だったので。
写真のおでんに、緑色のものが浮いています。
春菊をしゃぶしゃぶしたなごりです。
すりおろした山芋をかけていただきました。
私の父は、すりおろした生姜醤油でおでんを食します。
関東からやって来た下品な煮物。
甘さが足りない、コクが足りない、爽やかさが足りない、
辛さが足りない、はんぺんとかちくわぶとか意味不明。
肉入れろ肉、手羽先と牛すじ入れてダシをとれ。
揚げ物とかいらんねん。もめん豆腐ください。
写真では入っていますけれど、卵とかじゃがいもも、
私は抜けるなら抜きたい。
肉と大根とこんにゃくだけでいい。
まあ、そんなこんなで。
好きに食えって話ですが、そこが鍋料理。
おでんパーティーで、ちくわがないと怒るひともいる。
だからあえて「関西炊き」は作られなかったのでしょう。
関東炊きを、好きな具選び、トッピングして食え。
なんやねんこの下品な煮物は。呑まなやっとれんわ。
つっこめるエンタメ要素が、おでんには必要。

(※追陳。写真の卵は、私が剥いたものではありません。
固茹では、冷蔵庫から出したばかりの卵を、
ぐらぐら沸いているお湯に放りこむべし。
それで傷ひとつなくつるんと剥けます)

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 ダシといえば、日清さんのカップ蕎麦が国の東西で味を変えているのは有名。
 私は、大阪在住。
 いま食べたそれのダシを撮ってみた。

Donbee

 写真を撮るのでレシピ通りの湯量で作りましたが(沈んでいる赤いのは、レシピ外の鷹の爪の輪切りです。なんにでも入れます、すいません)、いつもはなみなみとこぼれんばかりの湯量です。西に合わせた味らしいのですが、私にはまだ濃い。

 とか、こういう関西人の料理は薄味でアピールがウザがられるのも重々わかってはいるのですが。どん兵衛の東西の境界線は機械的なもので、西の国々のなかでも大阪京都の人々にアンケート取って味を決めたら、もっと透きとおったスープになるはず。

(そんなこんなで、以下、大阪の私が、機械的に東西に分けられた西のすべてを「関西人」と書くことに憤りをおぼえる西の同胞もおられるでしょうが、謝りません。私は私しか知らないので、ここでは私が関西人)

donbee-e

 ↑これ、東。

donbee-e

 ↑これ、西。

 パッケージの見た目は同じです。
 JANコードが違う。
 食べ比べてみるのも一興かも知れませぬ。

 ところでこのふたつの製品、成分表示を見比べてみると。

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●東 
エネルギー
489kcal
たん白質
10.4g
脂質
25.1g
炭水化物
55.4g
ナトリウム
2.5g
ビタミンB1
0.29mg
ビタミンB2
0.24mg
カルシウム
143mg

●西
エネルギー
478kcal
たん白質
10.5g
脂質
23.2g
炭水化物
56.8g
ナトリウム
2.5g
ビタミンB1
0.29mg
ビタミンB2
0.21mg
カルシウム
140mg

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ……あれ?
 カロリーの数値が違う。
 一方、ナトリウムの数値が同じ。

 ナトリウムは、すなわち塩分。
 東のほうが色が濃いのに、塩分としては同じ。
 これはつまり、京の煮大根が白いのと同じ理由でしょう。
 単純に、西のしょうゆの色が薄いだけ。
(もしくは吸い物のように塩で味つけしている場合も)
 薄口しょうゆは、通常のしょうゆと塩分は変わりません。

(蛇足ですが、鍋物のソースとして定番のポン酢。あれも塩分はしょうゆとほとんど変わりません。私は、ここで生まれ育ったウザがられる薄味教徒なので、自宅では水炊き鍋も、もっぱら大根おろしなどでいただいてしまうのですが。外で鍋を食べたりすると、あらかじめ器になみなみと入ったポン酢が出てくることがある。嫌いです。あんなのポン酢の味しかしない。辛党で鍋にも唐辛子は欠かせないバカなので、あまり声高に言えたことでもないですけれど、塩の辛さの過剰なのは淡泊な料理をまるでだいなしにしてしまうものだと主張します。水炊きを扱うすべての料理屋さんは、ポン酢を各個人が好きな量注いで使えるように配慮していただきたい)

 しかし、東京に行った関西人は、決まって言う。

「ダシが濃いねんっ」

 いや、そういえば。
 塩辛い、ではないのだった。
 色も、そして味も、濃い。
 それをふまえて、いまいちど東と西のカップ蕎麦成分表を見てみると。ああ。炭水化物が若干だけれど西のほうが多い。炭水化物の量によって変動するはずの総カロリーが東のほうが多いのに。

 ということは。
 東のダシにはカロリー数値を上げるなにかが多い。
 それを西の民は「濃い」と表現する。

 たぶん、それ糖分。
 みりんかな。カップ麺なら砂糖も使っているかもしれない。そう疑って、こんどは東西のどん兵衛原材料を見比べてみる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●東
油揚げめん(小麦粉、そば粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、醤油)、かやく(天ぷら)、スープ(糖類、食塩、魚介エキス、醤油、かつおパウダー、野菜エキス、ねぎ、たん白加水分解物、香辛料、魚介調味油、香味油)、加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、カラメル色素、炭酸Ca、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、香料、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(原材料の一部に卵、乳成分、えび、さばを含む)

●西
油揚げめん(小麦粉、そば粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、醤油)、かやく(天ぷら)、スープ(糖類、食塩、魚介エキス、醤油、かつおパウダー、ねぎ、たん白加水分解物、香辛料、昆布エキス、香味油)、加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、炭酸Ca、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、ベニコウジ色素、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(原材料の一部に卵、乳成分、えびを含む)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 違い、見つけられました?

 東に入っていて、西に入っていないのは、
「野菜エキス」と「魚介調味油」。

 西に入っていて、東に入っていないのは、
「昆布エキス」。

 ……興味深い。
 東京のダシはカツオが強くて昆布なんか使わねえのな、というのはよく聞く。それを実証するように、西のダシにだけ昆布が入っている。まあ予想通りです。しかし、東のスープにだけ入っているものたちは、いったいなんなのか。

 野菜エキス、というのは、クズ野菜から抽出したものだそう。そのものずばりの野菜ダシ。魚介調味油は、東にだけ注釈として「さばを含む」という記述があるので、サバを由来とする抽出油であるらしい。

 鯖? カツオブシではなく、サバブシというものがある。関西の、某ラーメン屋さんが売りにしているのを見たことがあります。肉の代わりになるくらい、がつんとした味になるのだそうで。ああ、そういえば、そこに各種野菜のエキスって、まさにラーメンそのもの。言いかえれば、肉の代わりに魚を使ったブイヨンの材料。東どん兵衛のカロリーが多いのも、これらが原因でしょう。野菜の糖分と、魚の油。

 さて、これでなにがわかったかといえば。
 私の通っていた中学校の家庭科の先生のおっしゃったことが、あながち間違いでもなかったということです。

 ごちゃっとした煮物のことを関東き炊きと呼ぶ。

 同様に、東のカップ蕎麦は、西のよりもいろいろ入ってる。

 関西人の「東のスープは濃い」も正しい。
 ごちゃごちゃして、いろんな味がして、濃いのです。

 そうしてみると、関西人がなにかをけなすときは、たいてい強がりだという法則にのっとって、結論づけてみても良いかもしれません。

 本来、スープはいろいろなものを入れたほうが深みが増すはず。関西で昆布ダシが主流になっていったのは、料理は素材ありきという高貴なる京文化の辺りから来ているのでは。やがて国の都は東に移ったけれど、シチューやラーメンみたいな「濃い」ダシに、いまでも「そんなん蕎麦の味がわからんようになるやん」などとうそぶいて、ごくごく飲めるダシを好む「気分」が残っている。

 気分も突き通せば、技になる。
 そうして西の昆布ダシ文化は極まってダシそのものを卵と小麦粉で焼くタコ焼きを生み出し、東の先進性は蕎麦そのものを置き換えて、しょうゆラーメンなる新たな日本食を作り出してしまった。

 めでたしめでたし。
 歴史に育まれたゆずれない味。
 どっちも別物として食べたら美味しいに決まっています。
 ああ、まあ、微々たるものですが、カロリー的には西の勝ちですけれどね。私的にはダシよりもなによりも、緑色のどん兵衛の甘いきつねあげが苦手です。甘くするなよ、刻みあげにネギでいいんだよ、素材を生かすことを知らんのか、と思います。

donbee-r

 ↑これ、日本食。


 前回、カレーは鉄鍋で作ると酸化して黒くなって見目がよい、という話をしていたのですけれども。そういう鉄分摂れますよ的な方面からのアプローチを除いても、どう考えても炒めたり煮たりするには鉄の調理器具がぜったい便利だという信念を持つ私なのですが。

 フライパン売ってます。

 早朝品出しの短時間バイトから数えれば、精子と卵子がヒトになってまたぞろ性も欲もともなった恋をしはじめるくらいの年数、この稼業にたずさわっておりますけれども、鉄のフライパンの新発売棚なんて、作ったことがないし企画したこともないし見たこともない。

 だって鉄だもの。
 新商品が売り出されるにしたって、まあデザインとか? 底が厚くなりましたよ、とか? そんなの定番棚でやってなさーいという話。百貨店などに行くと、オッシャレな銀色の鉄フライパンがきれいに陳列してあったりするけれど、それだって山積みになっているのなんて見かけない。

 だって鉄だもの。
 フッ素樹脂加工みたいに剥がれたりしないし、がっつんがっつん炒めものしたって、歪むこともなくガタつきもなく。新製品が出たと言われたって、買い替えるわけないじゃん。

 数売ってなんぼの小売店の場合、山積みにして売れない商品は、高価である必要がある。しかし客層からして、まったく売れないもの売ったって仕方ないわけで。数万円のフライパンが街行くおにいさんおねえさんに訴求するわけもないから、鉄のフライパンは企画棚には座れない。

 でも、フライパンそのものは、この新生活がはじまる時期、とても人気の商材です。初めてのひとり暮らし、初めての単身赴任、新婚生活、そんなこんなで、フライパンだって必要だよね、というタイミング。で、山積みにしたって色気のない鉄フライパンの代わりに、今期は、セラミックコートのフライパンが、どこの店でも山積みになっているのを見かけます。

 私、鉄フライパン信奉者なのですが。
 売れないものに精通していたって仕方ない。
 というわけで、やむなく新製品は試します。どうせ鉄フライパンのすばらしさを再確認するだけなのに、セールストークのためだけに買う。精神衛生上は不毛なことです。でもプロだもん。きみの良いところを見つけて、使えない子は使えないなりに、そういうのも愛せそうな人に売ってあげる。そんな気持ちでこれまでいろいろな新製品のフライパンを買いました。

 一年使った、セラミックコートのフライパンです。

Fryingpan01

 染まっていますねえ。煮物、揚げ物には使っていない。焼き専用。それでも何度か使うと、洗っても落ちない染まりが出てくる。メーカーによっては取扱説明書に「汚れが気になる場合はメラミンスポンジでこすってください」などと書いてある。

S-103

 書いてある時点で、染まること前提なのですね。
 面倒くさいので、メラミンスポンジでこすったことはありません。だってどうせまたすぐ染まるのだし。だいたい、色が白いってなんなのか。販促POPなどでは「白いから料理が映える!!」なんて謳っておりますけれども。冷静に考えて、白ければ汚れも目立つわけで、毎日のように味噌もソースもぶっかけられる調理器具で、あえてセレクトする色だろうかという感でございます。

 検索をかけると、最近では白くないセラミックフライパンも各社から出ています。ですので、色の白さはまあ置いておきましょうか。そのうえで、セラミックコートのフライパンの特徴といえば。取扱説明書には、かならず「油が必要です」とも書いてある。いわゆる、フッ素樹脂加工とかテフロン、マーブル、そういった近年、現れては消えていったものどもとは違って、油なしでもこびりついたりしません、というものではない。逆にいえば、こびりついたりもしますよ、と。え、それってメーカーさんが大声で言うところ?

 けっきょく、みなさん、フッ素樹脂加工の寿命の短さにイライラしていらっしゃる。そこでまあ、それよりは寿命が長いものを作ってみましたよ、というニュアンス。そのかわり、油なしでつるんと剥がれるようなものではない。とあるメーカーさんの謳い文句ですが、フッ素樹脂加工と鉄のフライパンの良いとこ取り、だそうです。

 色の白さもそうですが。目を惹く、そこそこ使える素材があれば、新製品を作らなければならない。それは拡張し続ける消費社会の宿命なのでーす。

 前述の通り、フライパンごときを重点販売となると、山積みだけではこころもとない。そこそこ高価な商品が必要。そこで、どこのメーカーさんとは申しませんが。煮込み鍋から卵焼き用まで揃った、しかも外側は淡いピンクだったりグリーンだったりするセラミックフライパン10点セットなんかが新発売される。

 一万円くらいの商品。

 売らないわけにはいかない。
 そのために私も彼らの良いところをさがそうと使ってはみたし、事実、良いところも見つけた。だからそこを推してはいる。さっきも書きましたが、セラミックコートなフライパンの良いところは、フッ素樹脂加工のフライパンなどに比べると、断然に長寿命なところ。汚れたらメラミンスポンジで洗えって、あれ、一種の研磨剤ですからね。そんなものでこすってもなんら平気なほど強固な焼き面を持つというのは、長所です。それに、ものすごく軽いというのも良い。

 でもここ、私のサイトですから。
 日頃のストレスを発散します。
 ほんとは、笑顔でセラミックフライパンを売る自分の舌にドラゴンスクリュー(プロレス技)をかけて引きちぎりたい。いや、別にね、繰りかえしますが、あれはあれで良いところがあるのですけれどね。でも、フライパンをさがしていて、数千円持っているならば。

 鉄にしておきなさいって。

064109
 
 まさにまったく同じ↑これを買いました。
 その数年使った実物。
 ぴかぴかの銀色が、どす黒く変色。

Fryingpan02

 他にも何本かの鉄フライパンを使っています。そのなかでも、これが一番新しい。二年くらいでしょうか。そこそこに真っ黒。そう、ここです。セラミックフライパンが、色が染まってもメラミンスポンジでこすって剥がせるという、そのつるつる具合を売りにしている一方、鉄フライパンの良さは、使えば使うほどに、身も心も汚されていくという性質。

 現状、二年使った鉄フライパンと、一年使ったセラミックフライパンでは、セラミックフライパンのほうが、油を大量に必要とする事態に陥っている。長寿命とはいえ、やっぱり徐々に劣化するセラミックのつるつる面に対して、鉄のフライパンには油が染みこみ馴染んでいく。その性質をもって、ある時点でくっつかなさ具合は逆転して、以後、実力差(というのは、その後の使用頻度に直結します)は開いていくばかり。

 空焚きができないというのも大きいですね。鉄の場合、どんなになにがこびりついても、最終的に高温で焼き切ることが可能。どんな物質であれ、炭化するまで焼かれたら、タワシで落ちます。それに対し、一年使ったセラミックフライパン。使うたびに水を溜めて洗剤を数滴たらし、放置。タワシでがしがしやるわけにもいかないので、最終的にはスポンジ洗いです。面倒くさい。がしがし洗いたーい。

 同じ、二千円ほどで買った28センチのフライパン。
 けれど、いま私は一年目のセラミックフライパンの捨てどきをはかり、二年目の鉄フライパンを一生愛する相手かもと感じている。実感しているからこそ、商人としては、ますます鉄フライパンを売れないのですが。だって来年も新製品買ってもらわないと困りますから。

 ここだけの話です。
 あなたは二千円の鉄フライパンを買うべき。
 おすすめ品を金の亡者たる店員に訊いてはいけません。

 28センチの鉄製だとさすがに片手で振るには日々の腕立て伏せが必要なので、虚弱なかたは20センチあたりのもひとつあれば、なにもかもに対応できます。

AHL17020

 ついでに。
 前々から、たびたび書いていますが。私、アウトドアをまったくやらないひとなのですけれど、鉄のダッチオーブンを使わない月はない。先日も、友人がふらりと遊びに来たので、ダッチオーブンでパエリアを作りました。

Fryingpan03

 具で主役の米が見えないですが。
 揚げ物や、こういったパエリアといった料理には、ダッチオーブンの鉄の重さこそが威力を発揮します。知ってます? ケンタッキーフライドチキンって、圧力鍋で揚げているんですよ。そんなの家で真似たら爆発しそうで怖いですけれど、ダッチオーブンの爆発したってへっちゃらな厚い蓋なら、適度な圧がかかって良い感じ。蒸気が漏れるために、実際には爆発しませんし。

81062232

 私が使っているのも、これくらいのダッチオーブン。ロゴスさんより、もっと安いノンブランド品です。けれど家で使うならば、こういう凝っていない形状のものが良い。底が平らなほうが安定します。

 パエリアは、鉄フライパンでも美味しくできますが、米を炊く行為ですので、やっぱりこれも蓋の重さが味に直結します。だったら炊飯器で炊け? いえ、炊飯器だと「ごはん」になっちゃうんです。パエリアって、米をパスタとして扱うので、芯を残しつつ圧力かけて味を染みわたらせる、という過程こそがかなめ。
 レシピはこちらを参考に。

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『ユウキ食品パエリアの素で作るパエリア』の話。

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 あ、遊びに来てくれた彼女はご心配なく。肉が食べられないきみのためのパエリアには、肉エキスの入っているパエリアの素は入れませんでした。完全に魚介のみ。なまみのだしの心による作です。

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『なまみのだし』の話。

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 でもやっぱり、他人のレシピをおぼえたって、火加減などは何度か作って微調整を肌でおぼえるしかないです。日々これ精進なりー。
 あふん、ダッチオーブンで思い出した。
 もうひとつついでに。
 このあいだ、フッ素樹脂加工アルミホイルについて書きましたが。

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『フッ素樹脂加工を再生する代替案としてのシリコン樹脂加工アルミホイル』の話。

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 あれの応用で、ダッチオーブンの厚い蓋を、カセットガスコンロと組み合わせると、最高のひとり焼肉セットになります。
 このように。

Fryingpan04

 ステーキハウスでも、こんな厚い鉄板ないです。超高温。焦げつきます。それを科学のオルタナティヴ、フッ素樹脂加工アルミホイルが救う。超快適。油一滴もなしで肉と豆腐を焼いて、大根おろしとポン酢でいただきました。緑色のはニンニクの芽です。翌日が仕事でニンニクの実(根?)が食べられないときには、冷凍のものをよく使います。

 ちなみに写真のカセットガスコンロは内炎式バーナーが特徴的なイワタニさんの商品。これがまたごうごうと燃える集中高火力で素晴らしい。

CB-ECO-SL2

 一万円のハンドル着脱可能なセラミックコーティングフライパン10点セットを可愛いっ、って買っちゃうあなたも経済を回すうえでは必要な生贄なのですが、私、個人の意見としては。同じ金額で鉄フライパンと鉄ダッチオーブンを買うと、一生ものの愛すべき道具と、まだ見ぬ謎レシピの世界が広がっておすすめです。突き詰めれば嗜好によるのでしょうけれど。私は、だれかの家にお呼ばれして、謎のダッチオーブン料理をどかんと置かれたら、それだけでテンション上がります。淡いピンクのセラミックフライパンよりも、黒く油の馴染んだ鉄フライパンがコンロにかかっているほうが、そこで作られる料理に期待してしまう。

 確かに、重いです。そこが許せるならば、鉄、一択で間違いなし。
 おすすめー。