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 突然ですが、タコスを作ります。
 ていうか作りました。

Tortilla0

 まずはソース。
 トマト缶を使ったサルサソースです。
 サルサソースと呼んでいいものかというくらいに単純化しています。
 なんなら、完熟トマトがあればそれを握りつぶしてハラペーニョとトルティーヤに巻きこむくらいの豪快さが、こういう料理には必要です。
 でもトマトを握りつぶすと台所が汚れるので、缶詰で代用。

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○材料

トマト缶 1缶
ピーマン 1個
玉ねぎ 1/3個
ニンニク ひとかけ
レモン果汁 大さじ1
タバスコ 小さじ1
粗挽きブラックペッパー 小さじ1/2
オリーブオイル 大さじ1

○作り方

トマト缶をフライパンに開け、熱しながら実を砕き、くつくつと沸きはじめたところで刻んだピーマンを加えて火を止めます。冷めたら刻んだタマネギとすりおろしたニンニク、その他の材料をすべて加え混ぜあわせます。

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Tortilla1

 写真は生ピーマンではなく冷凍のパプリカミックスを使っております。
 本場のサルサソースには砂糖やハチミツが入るらしいのですけれど、私、あれ好きじゃない。
 マクドナルドのナゲットについてくる黄色と赤のソースの赤いほうも好きじゃない。
 ソースはパンチ。
 パンチとは殴ることであって甘えることではない。

 ま。暑い国では、こういうソースのレシピは本邦における味噌汁とか雑煮のそれみたいなもので、地域風土以上にそれぞれの家庭料理人のこだわりの具現化。
 あなたもあなたのお好きにどうぞ。

 ソースができたところで、トルティーヤを焼きましょう。
 とはいえ、我が『とかげの月』では以前にトルティーヤのレシピは掲載済み。
 またやるの?

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『スープがあまったのでトルティーヤを焼く』の話。

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 ときまさにテレビではタコスを食べると覚醒する、だじぇいの雀士・片岡優希が「学食にタコスがある」という理由で清澄高校に進学したことがすべての物語の発端である『咲-Saki-』のアニメ化第二弾『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』が流れていて(ごめんなさい。私の視聴は録画して三ヶ月遅れくらいがデフォルト)、物語も終盤、やっと片岡先生が登場したところ。

saki

 で、思い出す。
 彼女の手にあるタコスは黄色いということを。
 ハードシェルです。
 トウモロコシの粉です。
 ふと見れば、なぜか台所にそれがあった。
 使ったコーングリッツはこれ。

Corngrits

 粗挽き、って書いてある。
 私が選んで買ってきたものではなく妻が台所に置いていたものであり、彼女が作ったタコスなど食べたことはないので、それはたぶんコーンマフィンとか、そういうものに使われるはずのものだったのであろう。先日、後輩に「飲み物は適当に選んで買ってきて」と言ったらロイヤルミルクティーを買ってきたので理由を訊いたら「ヨシノギさん、こういうのかなと思いまして」と答えられたのですが。私はプライベートではコーヒーも紅茶も飲まない(加糖された缶紅茶なんてもってのほか。だったら頼むときに言えってなものですが。砂糖入った飲み物買ってくるという発想自体がなかった)ので、もちろん紅茶に最適なコーンミールまぶしたイングリッシュマフィンなんてものも数百年単位で口にしていません。

 私が食べないものに使われるくらいならば、私が私好みに使ってあげる。

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○材料

強力粉 300g
コーングリッツ 200g
水 350cc
オリーブオイル 大さじ1
塩 小さじ1/2

○作り方

①まぜあわせこねる。

Tortilla3

②冷蔵庫で一時間ほど寝かせる。

Tortilla4

③ちぎってのばして焼く。

(後述しますが、粉の質によって水の量は増減あり。まずは250ccを加えて様子を見てください。写真で伝わるとよいのですが、よく言われるように、イースト菌を使わないパン生地の寝かせる前のやわらかさは、授乳期の乳首が理想。実物のイメージがないかたは、ほ乳瓶のゴム乳首を想像してもらってもけっこうです)

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 プロレスが好きです。
 専門チャンネルを契約していたりします(なので、2012年の大晦日もアイアンシェフや紅白は録画しておいて『年越しプロレス』中継を観る予定。それ以前に初売りの売場が年越しまでにできあがればですけれど)。
 プロレスの本場はメキシコです。
 プロレスラーもよくメキシコに行きます。
 今年も何人か、大麻を持って帰ってきて捕まったりもしましたが。
 レスラーが行くならカメラも行く。
 ということは、私もやたらメキシコに詳しくなる。

 あっちの屋台のタコス、トルティーヤも、やっぱり黄色い。
 どう見たって小麦粉の色じゃない。
 片岡優希が選んだ「学食にタコスがある」学校のそれも黄色いとなれば、それはもう、本格的なタコスとは黄色いものだと断じてもよい。

 以前のタコス話では、オーソドックスなトルティーヤのレシピと書いているくらい、私、これまで、あえてタコスだからコーンミール買いに行くなんて行動を取ったことがなく、記憶をたどるとコーンミールで生地を焼いたことはあるんだけれど、粗挽きという表記は初めて見た気がする。

(追記。ご指摘ありがとうございました。ボけていますね。なにが初めて見た気がする、か。この記事の冒頭でリンクした記事のなかからさらにリンクされている過去の記事のなかで、私はメキシコ料理のタマーレというのを作っていて、まさしくそれが粗挽きコーンミールを買ってきて生地を練った料理でした。三年も経てばたいていのことは忘れるということの証左です。だから今日の失敗も三年後にはなんでもなくなっているんだ、という勇気に変換して好意的に読んでいただけたならありがたい)

 そういうものを、適当に混ぜて焼いてみて。
 ああ、あれってこういうことだったのか、と。
 気づいたことがあった。

 トルティーヤマシーン。

Tortilla

 トルティーヤプレスとも言う。

 プロレスラーとメキシコの町を行く、そういう番組だと成り行き上、タコスの量と辛さを推した食事シーンで盛りあげようとするわけで。お店のひとも巨人のようなレスラーどもがやってきて大慌てでトルティーヤ増産! みたいな。そういう場面で、トルティーヤ職人たちは、麺棒を握っていない。
 がっちゃんぎゅー。
 がっちゃんぎゅー。
 いわゆる、せんべい屋台で見るようなプレスマシンで生地を作っている。

 不思議だった。
 だって、トルティーヤって、最終的には鉄板で焼くんだぜ。
 せんべいマシンってのは、それ自体が発熱しているから、挟んだ生地が平べったくなったあとは焼きあがった完成品になって剥がせるけれど。ほら、そば屋さんで、ガラス張りのコーナーで実演している店がよくあるじゃない。職人さん、粉まみれ。そう、そば粉であれ、小麦粉であれ、打ち粉なしでのばしたりしたら、くっつきまわって、まして薄い生地を作るなんてのは、引っぱったら破れちゃって、ほぼ無理。

 それが、メキシコのタコス屋は。
 がっちゃんぎゅー、して。
 ぺろん、て剥がして鉄板に放ってる。

 打ち粉なんて使っている様子がない。
 だいたい、町中のそこかしこにタコス屋台があるのに、それらの屋台がガラスで覆われているわけもない。なのに打ち粉の煙がもうもうと舞いあがっていないということは。
 やっぱり、粉は使っていないのである。

 かといって、油でべとべとにも見えない。
 あのトルティーヤマシンが年季が入っていて、油なんて塗らなくても染みついた油分でつるっつるなのかな、なんて首を傾げていたのですけれど。   

 作ってみてわかった。
 単純な物理科学の話。

 コーンミールの、それも粗挽きのものを使うと、まったく打ち台にくっつかなくなる。
 なぜなら粒子が粗いから。
 
 粉を並べるとわかります。
 粗挽きコーンミールは、強力粉と比べれば砂のよう。

Tortilla2

 そして、こねてもこねても、なめらかにはなりません。

Tortilla3
Tortilla4

 麺棒にも打ち板にも、粉も油も塗っていない。
 生地自体に含まれる油分で充分。
 半分以上小麦粉の生地でこうなのだから、まっ黄色なコーンのトルティーヤなどが、どれほど扱いやすいかはあきらかです。
 そう!!
 私は、これを気に入った。
 なので以前のレシピを修正する意味でも、今回の記事を書いているのです。
 確かに、強力粉よりもコーングリッツは高い。
 しかし、確実に扱いやすさが上昇するし、味もよし。

 今回、私はクリスマスディナー当番だったのですけれど。
 ホットプレートに買ってきた骨付きモモを並べて、野菜もぶっ込んで、さあ勝手に肉を分解してアボカドでも卵でもぶっかけてサルサソースもぶっかけて辛くなかったらタバスコも足して。
 トルティーヤで巻いて。っていうか、けっきょく食べにくいので、トルティーヤをちぎっては食べ、ワインを飲んでモモ肉にかじりつき、というような風情で。

 テレビでは窮地のプロレスリングNOAHが恒例のクリスマス大会をやっていて、分裂するメンバー同士の最後の試合がファン感謝デーって、という見物な展開で飽きず。

 タコスはクリスマスにも、もちろんプロレスにも合います。 
 いやあ、それにしてもコーングリッツを混ぜるだけで生地をのばすのが、こんなに面倒くさくなくなるとは。早くだれか教えてくれたらよかったのに。いや、数百年タコスを食べてきた国で、いまだに黄色いタコスばっかり売っている時点で、私が気づくべきでした。
 最近の料理本には、小麦粉をふるうという行程がない。
 それほど、世界の小麦粉は細かくなっている。
 それってつまり口当たりがよくなるということではあるが、繊細な野郎が扱いにくいのは至極当然。そしていまや、米よりも小麦を食べる民族になりかけている身にとって、むしろ荒々しくて舌に残る粗挽きコーングリッツの風味こそが、なんだか食べ慣れた小麦粉と違って新味。
 特別感。

 ぜひ、トルティーヤにコーン粉を。
 試していませんが、コーン100%のトルティーヤにしてしまうと、おそらく焼いたあとに崩れやすい脆さが出るはずなので、半分くらいが食べやすく、なにより作りやすい。今回の分量だと、昼間に焼いて冷蔵庫に保存しておいたトルティーヤで、夜もクルクル巻ける柔軟さが保持されていました。

 あ、ただし注意点がひとつ。
 粒子が粗い、そのせいなのか、見比べていただくとわかることに、強力粉のみのレシピと計算が合わない水の量になっています。レシピの水の量は、あくまでこの季節、さっき私が作ったときに使った水の量。みなさんもコーングリッツご使用の際は、強力粉と合わせた粉100gに対し水50ccの割合をまず入れ、そのあとは生地の様子を見て足していくことをおすすめします。粉の状態と、気温なんかにも左右されるはず。

 言いかえれば、レシピに頼らず適当にフィーリングで作って問題なしの料理だってことです。のばせそうな固さにして、のばして焼いて食う。

 どうぞ、あなたの毎日のレシピにも加えてみて。

 締めようと思ったら、翌日、父がやってきた。

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・おみやげー、と言って父が殻付きの生牡蠣を持ってきてくれたんだけれど。こちとらカウンターで一日中「ノロウィルスで死者が出たんですってねえ」って話をお客さんとしているわけで。蒸しても心配。てことで殻剥いてじっくり揚げた牡蠣フライにする。

twitter / Yoshinogi

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 冷蔵庫に残っていたトルティーヤで巻いてみました。
 マヨネーズがけ。
 水菜は鍋の残りもの。

Tortilla5

 ほんっと、タコス、安いビールとワインに合うわあ。
 年越しプロレス、楽しみ。
 たぶん(いやまず間違いなく)、
 これで今年最後の『とかげの月 / 徒然』。
 私は仕事柄、元日しか休めないのでハメ外して酔いつぶれたりはできない通常運転なのですが、お休みなみなさんは、どうぞ盛り上がってくださいまし。

 今年もお世話になりっぱなしでした。
 来年もお世話になります。
 
 あなたにとって(私にとっても)。
 次なる一年がちょっとは飛躍の年でありますように。
 切実に祈ってる。
 祈りに足る者になれるよう闘ってく。 
 食ったらとっととイきましょう!!



 マヤのカレンダーは今日で終わり。
 そっちでは世界は終わっていますか?
 こっちでは続いています。
 どうやら今年もクリスマスは続行するようです。

 乾杯しましょう。

 そして思い出す、なつめ、のこと。

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『なつめスプリッツァー』のこと。

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 ブランデーに乾燥なつめを漬け込んで、ちょうど一年。
 世界は破滅しなかったし隕石も降ってこなかったけれど、大阪は雨が降っていてとても寒いので、様子見がてら瓶の蓋を開け、味見してみます。

 ガラスの器に出してみた。

Natume

 んー。
 ぷにぷにっというわけにはいかないみたい。
 口の中でとろけそうな状態ではなく、まだ囓れる感じ。これは、干したなつめが生に戻るに至っていないのか、戻ってもこういう状態なのか、実のところ本物の「なまなつめ」がどういうものかわかっていない私にはさっぱりです。

 ただ、わかったことがある。
 やっぱり漢方臭い。
 そして、漢方臭とブランデーは合わない。
 これダメだ……
 ケーキ焼くとか書いていたけれど、撤回します。
 生地に練り込んだら異様なものができあがってしまうのは、試す前から確定臭。

 というわけで。
 飲む。

 元祖(?)なつめスプリッツァー。

Natume1

 泡立つなつめが間抜けです。
 薄めても匂う。
 ブランデー台無し。
 ホワイトリカーとかで漬ければよかったのかも。
 ああ、これがなつめ臭というものか。

 飲んでみる。
 しゅわしゅわ。
 飲める。
 でもやっぱり、薬っぽい匂い。
 ソーダを足す。
 もうちょっと。
 最後には、なつめが浮かんでいるだけのソーダになる。

 寒いよ、ぜんぜんあったまらない。
 アルコール濃度が低すぎる。
 年末には日本各地で大雪のおそれだって気象庁。
 こんなのじゃ太刀打ちできない。

 棚を見た。
 もっと強い酒ではどうだ。
 この、なつめブランデーの強烈な漢方臭とまっこう勝負してクロスカウンターぶちかませるような猛者は我がホームバーにはおらんのか。

 目があった。
 背番号51番。
 よし、こっちこい。 

51

 ジンロと並び、世界でもっとも飲まれているブラジルの蒸留酒カサーシャ。

 砂糖工場でサトウキビの絞り汁を発酵させていたら酒もできたというのが起源らしく、同じサトウキビを原料にして同じように蒸留して作るのに、ラムとはあきらかに違う味になる。砂糖工場で生まれたからではないだろうが、ねっとり甘い。

 その甘みあるカシャーサに、さらに砂糖を加えたカクテルがカイピリーニャ。それはもう間違いなく砂糖工場において、すくったアクで密造した酒と、ちょろまかした砂糖で奴隷たちが酒盛りしたことが歴史のはじまり。レモンやライムを絞り込むようになったのは、甘くて飲めネエやってくらいに砂糖をぶっ込んで飲んでいたからでしょう。

 近ごろではグラスのなかで作るのが作法。
 ざく切りしたライムと砂糖を丈夫なグラスに入れて、すりこぎ棒でごーりごり潰し、甘いライムペーストになったのに氷を入れてカシャーサをどぼどぼっ。



 カクテルというか、寒い日本でお湯割り焼酎のなかに梅干しを入れて割り箸で潰すように、暑いブラジルでぬるくて甘いカシャーサをちょっとでも爽やかに飲むための、おかあさんの謎袋みたいな飲み物である。

 私は甘い酒が嫌いだ。
 なのでカシャーサは飲むが、砂糖は入れない。
 レモンやライムもロックで飲むカシャーサには不必要だと思う。飲み飽きた奴隷が爽やかさを求める作法であって、カシャーサはそのねっとり感が良いので、氷だけでいただきたい。

 しかし、なんとなく。
 ウォッカやジンよりも、カシャーサが合う気がした。
 で、なつめを入れた。
 潰してカシャーサを注いだ。
 潰してカシャーサを注ぐという動作はもう、カイピリーニャだと呼ぶしかない。
 砂糖もライムもなく、ブランデー漬けのなつめをカシャーサで割っただけ。

 こんな風景。

Matume2

 正直に書こう。
 飲めなくはない。
 だが、一年ごときでは、前述の通り、干しなつめは割り箸でつっついて潰れるようなやわらかさには至っていないわけで。けっきょく、指でちぎった。見た目、なんだか小さなスポンジが無数にカシャーサに浮かんでいるだけである。なつめって沈まない。そこがやっぱり間抜けで、しかも飲みにくい。

 なつめカイピリーニャ。
 おすすめしません。

 残ったなつめは、何個か酒に浮かべ食べたぶん、ブランデー足して、もいちど封をいたしました。
 次に開けるのは五年後か十年後か。
 そのときまで世界は滅亡せずにあるのか。

 でもまあ。
 飲んだことのないカクテルを作って飲んだ冬の日。
 マヤのカレンダーが終わったって地球は回り続けるから、私もひとつ経験を積み、あしたからも生きていく。
 めでたしめでたし。
 
 メリークリスマス。

 あなたと私のたましいは平穏無事。
 サンタが靴下になにも入れてくれなくたって、自分らでなんかさがして見つけて愛しあって抱きしめあって、ちょっと疎遠になってみたりすることもあるけれど、そんなことでは揺らがなくて。

 乾杯。

 あなたに言ってんですよ。
 逢えないけれど、こっちの滅ばなかった世界で私は飲んでいるので、そっちが滅びかけているとしても最後のグラスを掲げて。 
 ぶつけあって音は鳴らせなくたって。
 私とあなたは、つながりっぱなしです。

 愛してる。

 ええ。
 あなたに言ってんの。






Dogtag

2012年の秋、満を持して打ち上げられた

『Halo4』

その『リミテッド エディション』を某ショップで買うと、
『期間限定豪華3大予約特典』なるものがついてくる。
三つのうちの二つは、

○400 マイクロソフトポイントがついた
UNSC ロゴデザインの2枚組ドッグタグ
と、
○160 マイクロソフトポイントがついた
UNSC ロゴデザインのオリジナル T シャツ

写真に写っているのが、そのドッグタグ。
(下に敷かれているのは密封された命令書。
旧日本軍でいう赤紙召集令状である。
近未来でもきっとこういう形にはならないと思う。
思うが、開けたら戻せないという高揚感は確かにあった。
みんなが競って戦争に赴くような好戦的状況になれば、
登録コード密封パウチ令状も現実になるかもしれない)
戦場を舞台にするソフトの購入特典にドッグタグというのは
ありがちな発想で、私もそういうものを好む性なため、
いくつも持っている。
キーホルダーとして使ったりはしているが、
どれも本来の用途である首からさげては使ったことがない。
だって死んだって、そのドッグタグに私の名前は入っていない。
ただのオモチャだ。
ああそういうファッションを好む人だったのね、と、
黒こげ死体の首にあるオモチャタグで識別されるだけ。
そう考えると、萎える。
だがしかし。
『Halo4』は違った。
ドッグタグと、Tシャツ。

「あれ、ポイント付いてくるんじゃなかったっけ」

あわせて560マイクロソフトポイント。
(MSPというのは、XboxLiveでの仮想通貨)
ダウンロードコードがどこかにあるはずだが、
透明なパッケージの内部に、紙などはない。
だとすれば……
ドッグタグを裏返す。
彫ってあった。
Tシャツを広げてみる。
プリントしてある。
ダウンロードコードが。
それがそれである以上、世界に無二の字列。
手間かかってんなあ……
むろん、すでにポイントはダウンロードしたので、
ドッグタグに彫られた字列を写してもよいのだけれど。
なんとなく、そうしたくはなかった。
これ、首にさげていれば。
MSP購入履歴から、私にたどり着く。
実際に機能するタグだということである。
道で黒こげの死体を見つけて、首に、
国連宇宙軍(United Nations Space Command) / UNSC
の巨大な翼をはためかせるロゴがあったなら、
裏返して謎の字列を確認してください。
マイクロソフトとHaloユニバースに問い合わせていただければ、
彼、もしくは彼女の身許が判明することでしょう。
きっと、仮想と戯れの真剣勝負を愛する人だった。

Xbox360

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『Halo3ベータテストと仮想うつつ』の話。

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 いまや歴史の一ページ『Halo3』のオンライン対戦は、ベータテストを繰り返し『2』からの飛躍的な進化を遂げた。それから五年が経って、いまだXbox360という同じゲーム機が現行機種として活躍しているいまは、私のこれまでのゲームライフのなかでも、初めての状況である。

 『Halo4』のオンライン対戦には期待しかなかった。絶賛され稼動し続けたゲームシステム。五年も同じ機種を研究し尽くし限界を越えた動作まで可能にしたマイクロソフト社の作。

 想像通り、そこには、すばやいマッチメイク、カスタマイズの自由、不公平感の是正、やりこませるための難題の設定、それらが気持ちよくミックスされた『Halo』を初代からやり続けて脳がとろけているひとたちをさらに堕とす、いっそアンニュイな風景の一部に自分がなったかのような、もはや例えもよくわからない固有の『Halo』世界の進化があった。

 なんの文句もない。
 ないのだが。

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・Halo 4 Stats使うとサービスレコード読みこんだあと決まって落ちる。で、復帰するにはまたサインインから。ios版Xbox公式アプリがsmartglassにアップデートしてから使えるレベルじゃない。見切り発車しすぎ……マイキーのいつものことなんだけど。

twitter / Yoshinogi

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 専門用語が出てきたので解説しよう。

 Xbox Smartglassとは。
 モバイル端末をXbox360と連動させるアプリである。

↓ Xbox SmartGlass (iOS)



 『Halo4』で使ってみよう。
 Xbox Smartglassを起動して、Halo Statsという『Halo4』での己の戦いっぷりを詳細に知ることができるデータベースへアクセスできるのである。

Halo4stats_1

 Smartglass起動!!

Halo4stats_2

 Halo Stats読み込み中!!

Halo4stats_3

 お。仮想の私の姿が。
 (かなしいかな、Haloシリーズで使い続けていた二つの月のエンブレムが『4』では登場していない(今後、増えること切に望みます)ために、いまの私は赤地に白いよくわからない模様を刻んだ旗印でかけずり回っております)

 直後。
 フリーズダウン!!
 はいおしまい。
 戦績なんて見られません。
 Smartglass使いはじめた直後は、ちょっと使えていた時期もあるのだけれど、アップデートがやってきて使えなくなったという、びっくりする事態。

 別のゲームでは、iOS版では作動するのにAndroid版ではまったく動かないとか、そういう話も聞くし、端末うんぬんというよりも、Xbox Smartglassそのものが検証不十分なまま世に放たれたさまよえし金狼なのかも。ほんと、あとで直せばいいやって姿勢がマイキーはクセになってしまったみたい。手を広げすぎてデバグは消費者の仕事的なことになるのは誉められた姿勢とはいえないが、同情の余地はある。忙しいんだよね?

 にしても。

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『Smartglass not working for Halo 4 - Xbox.com Forums』

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 このひとたちが話しているのは、おもにMicrosoftの「Windows Phone 8」でSmartglassが働かないってなんなんだよという話。
 Windows Phoneといえば。
 次世代機の登場が噂されるなかでも世界では売れまくっているXbox360が日本では不振極まることにサジを投げたのか、どこのケータイショップでも見かけることはないというこの国では謎端末。Windows8の激しすぎる革新は手のひらサイズの端末で戦うためだったはずなのに、パソコンではリリースされたがWindows Phoneは発売されず、私のまわりでもWindowsの新バージョンが出るたびに嬉々として入れかえていたみなさんが「いやWindowsをこんなことにしておいて、Windows Phoneは売る気ないってなんなんだ?」と酒を飲みながらクダを巻く罵倒の対象物。

「あっちではガンガン売れ出してんだってなあ」

 でも、その売れている国でだってWindows Phone8上で動かないSmartglass。そういうことのためにぼくたちのウィンドウズをタイル模様にしてしまったのだというのにさ。

 そして『Halo4』。
 先日、Haloシリーズ累計販売本数5000万本突破!! なんてニュースをみずからうたいあげていたマイクロソフト。だったらその新作の、自慢のSmartglassとHalo Waypointの動作くらいはチェックしておいていただきたい。

 『Halo4』には満足している。
 Smartglassのがんばっているぶりも好意的に見ている。
 Windows Phoneが日本で売られていないのは残念だ。
 すべての市場ですべてに対応していくのは不可能だと思う。

 ただ。
 某経済紙で某社の新型ゲーム機が発売されたことに関するニュースのなかで、そのゲーム機は、コントローラーに小さなモニタが付いているのがウリなんだが。

「すでにライバル社も既存のモバイル端末にアプリをインストールすることで同様のことができるようになっている」

 なんて。
 したり顔で書いてあったのを読んぢゃった。
 私はXboxのヘビーユーザーではあるけれども。

「いや、おんなじことはできないよ、いまのところ」

 そう言いたい。

 Xbox Smartglassは現実に世界中で普及済みなんだが。
 無料のアプリなので、使えるひとはそりゃみんなインストールするわな。
 数百万本を一週間で売り切った『Halo4』も「Smartglass対応」ソフトと書いてある。
 でも、できることは戦績を閲覧することだけである。
 それも、上の画面の三枚目を見ていただければわかるように、起動したアプリはSmartglassであるにもかかわらず、長いロード時間のあとではブラウザが起動してPCでも見ることのできるHalo Waypointというサイトを表示しているだけである。

 しかも、それだけのことで、落ちるのだ。
 なので当たり前だが、Smartglassを介さずにブラウザアプリをつかってHalo Waypointでステータスを見ようとしても同様に落ちる。

 さらには。
 Xbox360本体で『Halo4』を起動させ、メインメニューから「Halo Waypointへ移動」を選択すると決まってフリーズする。この問題は、いったんダッシュボードに戻って、そこからHalo Waypointへ移動すると起こらない。

 問題の多くは、世界中で数万人が常時接続するHaloワールドで「Smartglass、ぜんぜんつながんねえなあ」なんどやっても落ちるよと言いながら、みんなが再起動再読込。
 重いよHalo Waypoint!!

 っていうだけの問題なんだとは思うんだが。
 実際に使っているユーザーとして、言ってはおきたい。
 Windows8の無理くりな世界戦略を見てもわかるように、近ごろのマイクロソフトは切羽詰まりすぎてヘビーユーザーにあきれ顔をさせることが多すぎる。プロレスファンとしても言わせていただきたいが、空席が目立ちはじめたので新しい客を掴もうと、古くからの客がよろこばない演出を選択してしまったとき、その団体は真の落ち目を見ることになる。

 いま、この国で『Halo4』を褒めちぎっている私をよろこばせないで、Windows Phone8も次世代Xbox8(?)も飛躍などない。

 日本でも発売されたWindows Phone7である東芝IS12Tのフォーラムを覗くと、そこでも、Smartglassは使えるようになったけれどHalo Statsは使えない、ライバルのiOSでは使えるのに、って怒っているひとを見かけました。
 いいえ。iOSでも使えていませんので安心してください。

 現実にはだれも使えていないのです!!

 なにがライバルはもうすでに、か。
 Halo Waypointのクソ重いのと、落ちるのと。
 できることとして売っているのだから、それは対処すべき。
 数ヶ月待てばそりゃ安定するでしょうよ。
 でも、それって。
 Haloファンに、Haloワールドがもっと空いてくれたら動きやすいのになあ、と思わせるなんて。Smartglassを配布したの、裏目にしか出ていないことになっちゃいますよ、マイキー。
 経済紙はだませても、使っているのは私。
 次の機種買うのも私なんですよ?
 あんだすたん?



 もちろん、SmartglassをXbox360のリモコン代わりにつかったり、Xbox360を起動しなくてもXboxメッセージが読めたり書けたり、ネットの負荷と無関係な使用ならば、いろいろ便利なアプリではあるのですけれど。
 そもそもXbox360経由で観る動画ってもっさりしている動作なので、私も資料をリビングで観ていて早送りも巻き戻しも思ったところで止まらず、けきょくイラついて別の部屋の元データを観に行くといったことが頻繁にあるくらい。Xboxの新型がサクサク動かないことには、ゲーム機を越えてリビングの主役になんてなれません。

 ゲーム機で充分。
 『Halo』があれば充分。
 でも。
 期待させるから、言いたくもなる。
 未来、夢見させたなら、ちょうだいな。
 マイキーはできるコだと信じてる。

Xbox360