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 いやまあ決算期。そして締め切り。
 まだ足りないね。私の体力が足りない。
 朝からにんじんのきんぴらなど大量に作っておりまして(弁当用を休日に小分けして冷凍する習慣)、このあいだの『タモリ倶楽部』で高橋克実さんが濃縮めんつゆの素だけできんぴらを作っているのを見て、彼は東京のきんぴらが甘すぎることへの抵抗だと言っておられましたが、大阪のきんぴらだって甘くって。甘い総菜の苦手なくせに、でも私も自分できんぴら作るときには、みりんを入れてしまっていた。固定観念ですね。というわけでにんじんをごま油で炒めてめんつゆ。大葉とごまと唐辛子をばらまいて。一週間分の弁当副菜の完成です。そんなこんなで、我が家の冷凍庫には弁当箱サイズにカットしたすでに揚げてあるコロッケや白身フライなどが詰まっているのとあわせ、毎日の弁当は三十秒で作れます。

 そうやって、ないところから時間を作って。
 組み上げた毎日の寄せ集めを、まとめて推敲していく月末なのですが。
 軽く規定枚数の二倍以上書いてしまったものを、いまから削ります。
 今日が締め切りです。今回は難産……大雑把にいうと下僕の物語なんですが……しもべ。いわゆるラノベにありがちな、ご主人様キャラに勝手にしもべ呼ばわりされている普通の男子高校生、などという甘っちょろいものではなく、がっつりクロアチアで子供のころにさらわれた孤児で女王のもとで彼女を崇拝しながらすてきなおっさんにまで成長したしもべ、というのが今回の私の愛するわが子でして。
 どうなんですかね。
 女王は不死のヴァンパイア。
 しもべは、ヒトだから老いて死ぬ。
 選べるなら、しもべはみずからも不死の存在になるべきでしょうか?
 でも、彼の人生のすべてが、不死の者という宇宙の法則を超越した存在への畏敬の念によって成り立っているのだとしたら……で、ラストあたりで、セリフをあっちやったりこっちやったり、いろんなパターンでしもべ気分で感情移入して独り芝居してみるのですが。
 いやあ。私ならヒトのまま逝くかな……
 というあたりに傾いている現在午前中ですが、午後にはわかりません。

 いま書いてみて思ったけれど、そんな映画があったな。主人公が神になってしまって、ラストが神なんていっても万能のチカラがあるだけで、万能のチカラがあったって得られないものはいっぱいあるんだというような……なんだっけ。
 思い出した。
 『ブルース・オールマイティ』
 モーガン・フリーマンの「神」が記憶に残ります。コメディなのに、なんか実に神ってああいう感じの存在でありそうで。秀逸です。フリーマンは大統領役なんかも似合っちゃうのが、見た目からすると不思議。どうみてもレゲエのやさぐれたおっさんのほうが似合う風貌なんだが、なにか威厳のある役どころが似合うんだな。そういうバランスが名優の名優たるところなんでしょう。
 ジム・キャリー。
 シリアスに走ってから、どうもぱっとしませんね。
 シルベスタ・スタローンが「映画人生のなかでコメディに立ち寄ったのは時間の無駄だった」と言ったように、ジム・キャリーも徹底したコメディのヒトでいいと思うんだけど。

TIS

 そういえばオリンピックがいつのまにか終わっていました。
 たぶん、一生懸命、数の合わないカーナビの在庫を探しまわっていたころに終わっていたのですが、今回はほとんど時差のないぶん、深夜帰宅の生活ではリアルタイムで競技を見ることはまったくかないませんでした。といって、録画して観ることもなく。オリンピックイヤーにテレビや録画機が売れるというのは、私にはどうもぴんと来ない現象です。
 そんな私も、たまたま祖父の四十九日の法事のおかげで、開会式はリアルタイムで観ていました。

 オリンピックが終わってからの新聞の総括記事で、共産党の独善だと非難されていた開会式。映画好きでプロレス好きの私は、張芸謀(チャン・イーモウ)監督の演出した、巨大ギミックとけばけばしいまでの光、重力を無視したワイヤーアクションに「おー」と歓声をあげながら飽きずに観たのだけれど。あとになって、それはいいのかと叩かれていたのを知った。

 歌の上手な女の子と、容姿端麗な女の子を別々にオーディションして、口パクさせた。
 生中継の表示がありながら、花火がCG合成だった、とか。
 それらを指して、独裁国家の倒錯した自己アピールだと書いていたのは読売新聞。

 ……正直、なにを非難しているのか、私には理解しがたい。
 ちょっと待てよと。
 だったらそもそも、このオリンピックの芸術顧問はスティーヴン・スピルバーグ監督に依頼されていたのである。なぜそれは叩かなかった? スピルバーグは中国の政治を非難して辞退したが、演出はその中国が誇る超絶映像派映画監督のイーモウ。
 ちょっとまちなさいよ、と。
 カメラマンから世界的監督となった彼が仕切るショーで、選択肢があると思うほうがどうかしている。
 イーモウが、口パクに関してこう言った。

「重大な問題ではない。創作の一種だ」

 で、それをデリカシーがないと記事にしている新聞がある。なんでも、会場に歌声だけが流れた少女が、精神的に落ちこんで引っ越しまでしたんだという。で、だから?
 新聞記者はイーモウの『LOVERS』を観なかったのだろうか。
 金城武がCG合成の豪華絢爛な自然世界で愛を戦う名作である。
 私は大好きだ。
 そして私の期待通りの、壮大な演出が開会式では行われていた。
 だったらなにか?
 イーモウが、こう選択すると、本気で思うのか?

「多少感動が薄れても、歌を歌う少女の気持ちに配慮して見目麗しくない本人を舞台に立たせよう」

 まさか!
 ていうか、その選択は共産党の独善だとかいうものなのだろうか、私にはそう思えない、それは映像派の映画監督なら当然そうする選択だろう。それを許した共産党がうんぬんと言うなら、スピルバーグやイーモウに中国がオファーを出した段階で叩くべきだ。イーモウはいいが、その演出は独善? 出演者の心情に配慮して演出すべきだったという論調こそが奇々怪々である。『HERO』の監督が、映像のクオリティを上げるためにできることをやらないなどと選択するはずがないのは、だれが見てもあきらかだと思うのだが、どうやらそうではないらしい。不思議だ。

HERO

 足跡の花火CGだってそう。
 ライブ中継の表示があるのにそれはダメだというなら、新聞はもっと早くフジテレビのK-1や、いまは亡きPRIDEの生中継のリングの上でくるくる回っているCGを詐欺だとこき下ろすべきである。違うだろ。うわ花火で足跡、これマジ、でもウソでもいいよ、だってそれを見て「うわ」と思った興奮は本物だもの。プロレスファンには当たり前の論理展開なのだが、感動した映像が、ガチかどうかなどと論ずるのに、なにか意味があるだろうか。心の揺れ動いた事実が、演出過剰だあれは嘘だったのかと、自分の目でテレビ画面に見たもの以外の情報で貶められるなら、その人の心というのはなんてつまんないものだろうと思う。たぶんそういうヒトはコスプレを理解しないのでしょう。本物ではないから萌えられない? 萌えてしまえば幸せなのに(笑)。
 足跡の花火に見えたんだから。
 イーモウ・マジック。
 さすがっすね監督、すごい画でしたと。
 すなおに私は拍手を送りたい。
 ぜんぜん競技を観ていないから、私にとってのオリンピックは、チャン・イーモウ監督の最新作でした。

 すごかった。
 忘れない。
 あれだけの規模の舞台を、ありったけの金つかって全精力で演出できる……すべての創作者の夢だ……それを見事以上にやりきった、イーモウ監督に「口パクはいかがなものか」と質問した新聞記者の無粋さにミサイルを撃ち込みたい。
 どっかーん。
 アメリカとロシアが、ふたたび冷戦突入か、というなか。
 中国はみずからが大国だと世界に知らしめて。
 隣のあの国は、なんかまた駄々こね出しているし。
 そんなののまんなかに浮かんでいる日の本の国は、けっしてのほほんとしていられる状況ではないと思うのだけれど。

 でも、のほほん、と。
 おたくんとこの監督の演出スゴかったよ。
 そうやって褒めていいんじゃね、と思う。
 なんでこの国の新聞が、オリンピックの開会式を政治にからめて批判するんだ。
 意味がわからん。
 なにかを批判したくて仕方ないのか?

 ちなみにチャン・イーモウ監督の『紅夢』が好きです。DVD化されていないんですけれど、いま私の書いているものが「ヒトの血を飲んで瞳を紅く染める夢に棲む少女とそのしもべの物語」という時点で、多大な影響を受けています。この映画のスタッフは『非情城市』を撮ったメンツの多くだったりもするのですが。

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『台湾旅行記・非情なるジブリの町』のこと。

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 いまになって思うのは、意外と香港ノワールにはまってその影響を受けながら、香港映画ということで一緒に摂取していた、映像派な監督たちの作品も、一緒に血肉になっているなと……きっと、あのころの香港映画が大好きだったみんなが感じていると思うのです。中国のあのころの、稀有なバランスで泳ぐ大国になりきれない流れのなかで創りあげられた作品たちは、ほかの時代、ほかの国ではぜったいにありえない、独特の空気を持ってしまっていて。それはたぶん、オリンピックをやり遂げて、大国復活だとみずから沸いている、ここからは、またちょっと違ってしまう。
 あのときの香港の画。
 いまになると、あれがすごく危うくて、それゆえに二度と作ろうとしても作れない素敵なものだったんだと気づく。いまの台湾の空気が、ちょっとそれに似ている気がするから、いま私は台湾を見てしまうのですけれど。銅メダルばっかりで、やっぱ中国には勝てないのかと、落ちこんでいるらしいですが、なにくそと奮起してもらいたいものです。ゲリラで撮った中国舞台の台湾映画とか、だれか気炎上げて撮らないかな。それも政治無関係に、まったくもってエンタメなやつを。
 出てきそうで楽しみで。
 待っているんですが、なかなか。

 世界が揺らぐとき、映画ファンはわくわくする。
 不謹慎だけれど。
 端正でないもののなかからこそ、うひょってものが生まれると思う。
 いや思うのではなく、映画観てきた人は、知っているのです。
 虚構は現実のミラーではない。
 緊張感高まると、遊ぶ場所は増えるんだ。

 イーモウ監督、一世一代のお楽しみだったはず。
 次の夏オリンピックはロンドンですね。
 イギリスでエンタメの大御所監督といえば……ポール・W・S・アンダーソンで決まりか……会場にピラミッド建てて『エイリアンVSプレデター』を駆けまわらせて、ついでに『バイオハザード』のゾンビ犬も駆けまわらせて、聖火の最終ランナーはもちろんロンドンで高校時代を過ごしたという『DOA』主演、デヴォン青木。もちろん『モータルコンバット』のパイプをぎゅんぎゅんトバされるマシンで登場して聖火台にダイブ。
 うは。楽しみだ。

 四年後だし、もう内定はしているんでしょうね。
 次のヒトも、懲りずに裏切りと呼べるまでの演出を期待します。

DOA

 さあ、地獄の推敲に向かうとするか。
 私も、楽しもう。
 倒れていなければ、また来月、お逢いしましょう。
 いますでにそうとう頭痛しているんですけれど(笑)。
『Xbox.com | Xbox 360 本体の品切れに関するお詫び』

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 いやあ、売れていますね。
 そんななか、実家に帰ったら、なんだか白い箱をわたされて「お父さんがやってみたけれどうまくいかないの」と──おお、こんなところまでMSの猛威が──と思ったかといえば思うわけもなく、まったくの予想通りにWiiでした。生協さんのカタログに載っているらしい。そういえば生協さんで買えないからとDSが超品切れの時期に買わされたのも私でした(各店の入荷状況調べて夜中にクリック準備ですよ。親孝行だな)。

wiiwii

 ちなみにつなげネエと父がさじを投げた主な原因は、ビデオ2の端子にWiiをつないでビデオ1に映らないという初歩にもほどがあるもので……うちの父、一級建築士なんですけれど……そんなやつが家建てていいのかよと本気で心配です。せっかくなのででかいスピーカーに音まわして、これでDVDも迫力サウンドだよと得意げに再生してみたら……あれ? 接続どっかおかしい? うーん私も父のことを笑えないなあ、と原因究明してみたら、なんのことはない。

 WiiってDVDの再生ができないんですね。
 DVDドライブを積んでいるのに。
 なんだそれ。
 やっぱりみなさんには、DVDはもちろんMPEGもDivXも再生可能なこちらがおすすめ。通常版は品切れ中でも、まだこちらは残っています。

Xbox360

 でもそうかWiiが実家にきたなら、あれも買っちゃうかな。
 
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『428』の話。
 
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 実家に泊まったときにちまちま進める用に。
 でも入り浸っちゃいそうな気もするな……
 そんななか、貢いでもらう私と貢ぐMSとのメール交換は、想定外の延長ラウンドへ。
 
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『CATANをプレゼント』のこと。

『CATANをプレゼント』のこと(完結編)。
 
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 で、来たんですよメールは。
 来たんですけれども。
 それに対して私の返信。
 
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Xbox LIVE 事務局 ご担当者様

 昨日(8/16)付けで、このメールをいただきました。

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(Xbox LIVE "CATAN" プレゼントキャンペーン
【ご利用コード】
が記載されたメールでした)

------------------------------

 ところが、本体から記載のコードを入力しても
「コードが無効です」のブレードが出ます。
 ちなみにPCサイトのコード入力で入力しますと
「入力されたご利用コードは使用済みです。別のコードを入力してください。」
 との表示になります。
(PCサイトからこのコードは利用できないと思いますが、
 コードが違う場合は
「このコードはご利用いただけません。もう一度お試しください。」
 との表示になるはずなので、これもおかしいです)

 何度も確認しましたが、入力ミスではありません。
 ご確認をおねがいします。

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そして愛しのMSから返信。

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(要約すると、
「ご連絡ありがとうございます」
 からはじまり、
「お問い合わせ頂いた件には複数のお客様より同様の問い合わせがある」
 こと、
「調べてみたらコード自体が何かしらの原因で使用できない状態」
 であり、
「この点について早急に再度調査を行う」
 こと、そのうえで、
「今しばらくお時間を頂くこととなります」
 何卒、お汲み取りいただきたい、とのこと)
 
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 汲み取りますよ。
 大変ですよね、日々の業務で。
 お金払ってクレームのお客さまてんこ盛り。
 私も接客業に携わる者ですから、よくわかりますとも。
 一応、有料のネットサービス受けているヒト対象のプレゼントなのですが、
 いっても無料プレゼント。
 最優先というわけにはまいりませんよね。
 メールの最後はこう締めくくられていました。

「本件に関してはお時間とお手間をお掛けする事となり、
 誠に申し訳御座いませんでした。
 また改めてご連絡させて頂きます。」

 うん。待ってる。
 もう半年待っているけれど、まだ待つよ。
 だってXBOX360が好きだもの!!
 マイクロソフトが好きかどうかはちょっと微妙……
 延長第二ラウンドとかないだろうな。
 けっこう待つスタミナも切れてきています。

(きっと販促部門のエラいヒトからとにかくキャンペーンを乱発だ話題を作れとせっつかれたんですよね、どこの会社でもよくあること。システムがないのに、とにかく回せ、現場で考えろ、とにかくいまは話題だと……けれど、いまはネット社会。むかし読んだSFよりもSFな未来になっちゃった。作った立役者の大きなひとりがあなたなのにMS……大プレゼントキャンペーン! でも、いまはそのプレゼントがちゃんと届いたかどうかを、ひとりひとりが世界中で読める場所に発信してしまう。とにかく一年中キャンペーンやっていることを印象づけろという戦略で、でもそこに小さな不満が生まれてしまったら、大ケガすることもありうる現代。どんな商売にも通じる教訓です。愛のこもっていないプレゼントって、逆効果。もらえて嬉しいけれど、なんでこんなに気を揉まされたんだろう……最後に残った心がそれって、もったいないことだ。お客さまとの交流は、準備万端のうえでやらなくちゃダメだね)

 しかし無料プレゼントで心証悪くするなんてなあ。
 なかなかできることじゃない(笑)。
 ぜんぜん気にしていないから、
 これからもがんがんキャンペーン打ってください。

 飽きさせないなあ360。


第12回 第一次選考通過
     『(タイトル不明)』
第13回 第四次選考通過(最終選考落選)
     『幸せなモノ』
第14回 第二次選考通過
     『哀しみを癒すモノ』
     『ひとなつのみず』
     『僕の泣く声を聞け』
第15回 最終選考通過
     『みぎみみの傷』
第16回 第四次選考通過(最終選考落選)
     『なぁあお』
第17回 第四次選考通過(最終選考落選)
     『兎の瞳はなぜ紅い。』
第18回 第二次選考通過
     『兎はどこに逃げるのか。』
      編集部期待作・一席
     『とかげの月』
第19回 第三次選考通過
     『ふれうるきずに』
第20回 編集部期待作
     『アスプの涙』
第21回 第四次選考通過(最終選考落選)
     『バオバの涙舟』
第22回 第三次選考通過
     『ささやかな旋律。』
第23回 第三次選考通過(最終選考落選)
     『りんゑの宴、ぼくの唇。』
第24回 第三次選考通過(最終選考落選)
     『うさぎがはねた。』
第25回 第二次選考通過
     『愚かしく魔法使いは。』
第26回 第三次選考通過
     『幽閉の銀の箱』     
第27回 第四次選考通過(最終選考落選)
     『幻追い~とかげ~』
第28回 第四次選考通過(最終選考落選)
     『幻追い/リーリー』
第29回 第四次選考通過(最終選考落選) 
     『造形師ディクリード・フィニクスのヒーローな休日。』
第30回 第四次選考通過(最終選考落選)
     『幻追い~三結神~』
第31回 第三次選考通過
     『幻追い/少年鎖骨電光掲示板』
      第四次選考通過(最終選考落選)
     『ゲームの真髄。』
第32回 第四次選考通過(最終選考落選)
     『ルビオの世界にぼくらはいない。』
第33回 第四次選考通過(最終選考落選)
     『恋愛花電 -A.F.L.-』
第34回 第二次選考通過
     『ゲームのよろこび ~人形の回路~』
第35回 第三次選考通過
     『つちのこ、』
      第三次選考通過
     『永遠のシミラルド』
第36回 第三次選考通過
     『サング=エリミネータ』

※回によって最終選考前の選考が第三次であったり第四次であったりするので、最終選考に到達して落選したものはそれを明記しました……してみて気づく、最終選考落選の数の多いこと……

 編集部期待作、二回。
 最終選考通過、一回。
 最終選考落選、十三回。

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 結果も同じ、感想も同じ。
 ちなみに半年前の第35回の感想を書いたのはこれ。

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『ヴァンパイアと冷たい女王』の話。

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 タイトルに『ウィングス小説大賞』と入れなかったので、ググっても古い記事のほうが引っかかってしまって、これはいまや主宰する新書館の公式サイトよりも上位ヒットするうちがそれを売名行為に利用しない手はないということで、今回はシンプルかつ無気力にタイトルつけてみました。SEO対策ってやつです(笑)。ぶっちゃけ、十二年のおつきあいになる新書館さんからは一円ももらっていませんが、新書館とウィングス小説大賞をググってきてくださるみなさまのおかげで年に何本かゲームソフトが買えるくらいにはふところがあたたまる今日この頃です(Amazonギフト券で紹介料を受け取る場合でも雑所得。脱税はダメだぞっ)。あなたの援助によって吉秒匠の引き出しは増えています。ええ本当です。でも強がりです。そんなことでも言っていないと、なにやってんだこの生まれた赤ん坊が恋を知りはじめてしまうくらいの長い期間、私の指先と脳髄は動き続けているのに生み出したのは虚無だけか、という気分になってしまいますので。

 というわけで、今回も私の結果はさておき。
 大賞なし。
 え、佳作もなし?
 編集部期待作もないの?
 いや、驚きませんね、もう。
 新参者のあなたにオシエテアゲマス(セロっぽく)。
 十二年もヤってんのかとあなたは思うでしょうが、その間、いちどたりともウィングス小説大賞大賞受賞者は出ていないのです(私の記憶が正しければ十五年、出ていません)。ちなみに最後の受賞者は新堂奈槻先生です。いまやもうレジェンドとお呼びして良い存在です。大賞受賞してデビューした新人作家が生ける伝説になるくらいの年月、大賞の出ていない賞なのです。余談ですが大賞賞金はずっと据え置き50万円。時給800円で真摯に働けば600時間くらいなので、あした面接に行って三ヶ月で稼げる額ですね。半年に一回の賞で、もはやこの賞金をモチベーション噴火の起爆剤にしている方は皆無でしょうが、私は、もはや永遠のように思える時空間を受賞者皆無な大賞を獲りたいがためにウィングス小説大賞、ヤってます。
 コンプリートっ。
 したいですね、コンプリート。



 残念ながら新堂☆レジェンド☆奈槻せんせぇの新書館ウィングス小説大賞大賞受賞作『テロリスト』は、密林でも画像なしになってしまっています。ちなみに新堂☆レジェンド☆奈槻せんせぇは、受賞を機に改名されていらっしゃるので、発表の段階では別のお名前なんですけれども。新堂☆レジェンド☆奈槻せんせぇの原作がドラマ化されて大ヒットしたときにでも、吉秒匠に訊きに来るといいよトリビア(笑)。

 と、妙にハイテンションに語っていますが、ほんと賞自体に対して語ることが別になく。
 総評でふれられていますが、私も設定は何度か連続して使っています。いま書いているのもヴァンパイアもので『サング=エリミネータ』とキャラも一部重複しています。もちろんまったくの別プロットですが。章立てにして、五百枚くらいの長編として別の出版社に売り込むことは考えていますし、実際に別の出版社の、これまで見なかった場所で私の名前をごらんになったかたも多いでしょう。さすがに十五年出ない大賞は、もう何十年か出ない可能性が皆無ではありませんから(本当にそう思えるから怖い怖い)。

 今号の、月雪颯火さんの作品を読んで、つくづく思ったのですが。編集部の思惑がよくわかりません。この設定でありキャラ立ては、ビーンズでありビーズログ(つまりは私がまったく手も足も出ない男子禁制の地域)に分類されると思うのですが、だとすれば、描き込みこそかなめの王道少女小説を書くには規定枚数が少なすぎる。そもそもウィングスとは、男性誌と女性誌の中道を行くと宣言しながら女性誌側によろめき、いまでは少女誌の辺境の一角と呼ばれるようになりましたけれど、これがもし、本当に王道そのものな少女小説を売りにしてゆこうと考えているのであれば、賞の規定自体が、他誌のそれに対して不利にしか働かない気がします(月雪颯火さんも、長編を意識して書かれた作品のようです。そのことは前回の評で書いてあったのに、今回は似た傾向の作品が多いことをダメ出し。いや、それ良いんだって思ったんですよみんな。当然です、その流れは。今回の総評もまだ、出来が良ければそれもあり、というように読めます)。
 ウィングスが本気で売れるには、完全に独自路線の新作をメディアミックス展開で、というのは、ファンのなかにも共通した認識だと思っているのは私だけですか? 深夜アニメ化、ゲーム化できる素材で、けれどウィングス印であれば、それは腐女子だけのものではなく、男の私も熱狂できるものであるべきで、決めゼリフとアクションは必須で、男が萌えられる男キャラも女が萌えられる少女キャラも必須で、永遠とか、からっぽの心とかつぶやいて、でもまもったりまもられたりで熱くって。

 んで、某少女漫画誌に連載されているようなのではないアクション主体で血みどろで男同士ででっかいほうが甘えんぼなヴァンパイアものを書いてみたんですが、またどうにも良くも悪くもない位置なので、どうしたものかと思いながらこんどは少女ヴァンパイアに着手です。腐女子さん的には引くかなあと思いつつ、ゼッケン付きスク水着せてみせたり、葉巻吸わせたり(不死なんだからタバコ我慢する意味ないよね)。いや、それもこれも下僕のイイ男を困らせるためのあれやこれやなのでそっちで萌えていただければありがたいのだけれど、あなたに読んでもらうためには、この厚くて破れない壁を越える必要があるのです。
 どうぞ今後とも応援よろしくおねがいいたします。

 そんな感じです。
 ちっとも勝てる気もせず、なにくそという感じでもなく。
 私はたのしんで書いていますが、読んでもらえないことにはその作業も徒労です。
 気合いは、入っているんですけれども。
 オリンピック観ていても思います。
 だれかが金メダル獲って、めっちゃ世界中が熱狂してる。
 それがすべての次の選手のパッションを生むんでは、と。
 なんか、半年ごとに同じことばかり書いているので、もうやめますね。
 ふう(タメイキ)。
 優等生ぶって新書館の宣伝でもしてみますか……
 そうだな、ウンポコが今回も良い感じ。

poko

 例によって自由奔放なウンポコvol.14 。
 『ほわグラ』は良いんでしょうか……読んでいてドキドキしました。
 ざっとあらすじを言いますと……某出版社の「過去のミリオン作家」である小説家の原作で漫画化の仕事を受けた主人公が、描いても描いても原作大御所作家にいちゃもんをつけられ、それはネットで「作画は良いけど原作がね」と叩かれた大御所のへそを曲げたせいなのですが、編集もその大御所を「老害が」と言い放ちながら「作画を変えないと原作降りる」の大御所発言にはもろちん意見に従って、どうなる主人公! というやるせない展開の、その架空の原作が『三千世界の守り人』(通称『守人』くれぐれもモリビトと読む)という。いや新書館で「三千世界」とか単語使って連想するなってほうが無理で……トバしすぎじゃないですか阿部川キネコ先生。次号で最終回とかなっていたら本気で震えてしまいそうです(『ほわグラ』第一巻発売だから震えて待て! とか書いてあるんだもん。編集さん勇気あるよな(笑)買ってあげてください)。

gura

 実はこういう地道な宣伝で新書館女王に余力をつけさせるのが近道かもしれない。
 別冊小説ウィングススペシャル、とか出ていたころの、彼らの冒険の精神にふれたからこそ、私はウィングスと新書館が好きになったんだ……これはなんだ小説なのか? というような、半分が歌みたいな作品とか、べたべたの冒険アクションとかが混在していて、でもそこでもはっきりと存在感を示していたのが、ウィングス小説大賞編集部期待作でデビューの大路メッキーさんだったり。「兄ちゃんは死んだのだ」というフレーズは、いまでも想い出すたびに私の琴線に触れます。いいのかよそれって。それが期待作、ものすごいとこ目指してんな、ぜんぜん売れ筋じゃない気がするんだけれど確かにおもしろそう、私も仲間に入りたい。
 
 そうして、ここです。
 小説ウィングスって雑誌に惚れちゃった。
 これだけ続けてきたら、自分でも、もうマネーとか意地とか関係なくて。
 自信もって言える。

 愛です。

 だから次も冒険します。
 他社用には、かつかつのところまで迎合して書いているけれど、新書館だけは違う。ここにだけは、前向いて、ほかではできないウィングスにしか載せられない小説、を書いている私を拾ってほしい。
 むくわれなくてもいい。
 顔も名前も知らないけれど、ずっと同じヒトなのかどうかもわからないけれど、会議でさっくりなのかもしれないけれど。
 今回も選考してくださった、あなたに。
 ありがとうございましたと伝えたいです。
 やってみたけれど、また届かなかったんですね。
 じゃあ続けます。十年以上も大賞出ないって、どれほど厳しいんだよと思うのは事実ですが、そんなあなたを好きになってしまったのだから、それが私の選択です。

 いまも書いています。
 これは私の人生になりました。
 本当に、あなたに鍛えられたと思います。
 小説以外でも、いろんな場面で感じるんです、心から。
 いちども認められたことはないけれど、私は小説ウィングス育ちです。
 この誇りで、書き続けられます。

(くぅう、泣かせるねヨシノギ……)

 これもダメなのか……おもしろくなかったですか『サング=エリミネータ』。よそに売ってもいいってことなんですよね……悔しい以上に、寂しいです。あなたの好みがまるでわからない……どうやったら悦んでくれるんだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「私は、やさしさを、うけとめてくれるだれかを、すなわちヒトが愛と呼ぶものを欲していて、それゆえにあやまちをおかした」
「すべてのヒトが、そうだと思う」
「血を排除する者(サング=エリミネータ)にとって、いちどのあやまちは、永遠に続く」
「あやまちって……なに」
「こういうことだ」
 彼の濡れた瞳はもう乾き、かわりに見あげた祈(いのり)の目に映ったのは、強く──強すぎるほどに熱い視線を放っている、灰色の瞳だった。
 思わず、生唾を飲み込んだ。
 自分から抱きよせておきながら、祈はまた後じさりたい欲求に駆られる。
 身の危険を、肌が感じて粟立つ。
「……ぇ……?」
 それは恐怖ではなかった。
 むしろ、戸惑いだったのである。
 セディーユは、欲情しているように見えた。



 吉秒匠 『サング=エリミネータ』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 続きを読みたいってメールは、新書館へね

(※追記。
 この記事書いた当初は見落としていたのですが、メールで教えていただきました。第35回って二作書いていませんか、と。はいそうでした。自分で書いたものを、自分でも忘れているという……
 冒頭の表に『つちのこ、』が加わりました。
 悪戦苦闘しながら書いた幻想的な現代物で、自分でもかなり好きな作品なんですが。好きなだけに新書館の発表後に捨てられなくて大改稿をした作品だったのです。そのせいで、自分のなかではウィングスで闘った印象が薄くなってしまっていたようです。
 新書館だけだっ、と吠えるわりに、落選を前提で考えている部分がやっぱりこれだけ長く続けていると出てきてしまっているのですね。私にとって新書館設定というのは「BLではない男同士の微妙な距離感」が非常に大事で、友情より熱くほとんど恋だが欲望ではない、むしろ同志、とか、相棒、といったところの濃い関係。でもそこを押し切った作品というのは、ウィングス以外のどんな少年誌でも少女誌でもあつかいようがないものになってしまうため、この時期にはいつも過剰に吠えてしまいます……自信持って送り出した前回の作品が、けれどやはりこれまでと同じ結果だった。それが知らされるのが、もうすでに次回の原稿をほとんど完成させているこの時期。ここがすごく小説ウィングスのむずかしいところです。心の強さをものすごく要求されますよね。同意します、つらいです。まして今回の私など、前回と同じ世界観のヴァンパイア設定で書いていたので、これ書き続けて送ったところでどうにかなるのだろうか、という弱気はどうしても出てきてしまう。
 考えずに闘えていたころがなつかしくさえあります。
 考えたからって結果がともなっているわけではないので、だったら信じ切って「私はウィングスってこういう方向に行ってほしい」と我を通せばいいのですが……そうですね、傾向と対策をねったあげくに情熱が作品にあらわれなくなるというのは最悪だと、私も思うのですが。むずかしいです。でもとりあえず、総評で書かれている選考者さまの意志としては長い作品の一部でも「一本の物語としてのカタルシス」がそこに見えるように書け、というのが、最重要なまとめのお言葉であって、まったく「長い作品の一部」であることは否定しているわけではないですから。これは完成度が高ければ、そのうしろに長編としてのバックボーンがあるのはむしろよし、ということでもあるのだと……思わないと、続きが書けないので思うことにしまして。ええ、ウィングスの枚数なら、カタルシスって完成度と同義だと。最終的な取捨選択、作品のリズム、読者ノせられるかどうかのビートが大事なんだと、それ詰めていけと。あえてこの時期に出す評ですから、微調整詰めていけってことだと思うのです。
 だから、いまから書きなおすとか、そういうのはどうかなと思います、個人的には。
 いやもう私も、内蔵逆流しそうなくらい、毎日が浮き沈み。
 まったく私事だけれど、二月八月って、棚卸しっていう小売店には精も根も尽き果てる作業の月で、まあ毎度のことなんですが、なにをこの時期に仕事のあと気合い入れてキーボードに向かわねばならないのか、いや好きでやってんだろ、次は勝つんだろ……ええ、やっぱかわんないですよ、体力ある男でも。しんどいものはしんどい(笑)。
 だから、励ましあえて、うれしかったです。
 メールくださったみなさん、どうもです。
 はい。がんばります。
 一緒にがんばりましょう。
 少女誌の辺境の一角、というような書き方をしましたが、この王道の乱立する世に、ウィングスは、やっぱりこころざし持って独自路線を行っていると思うし、この先もそうであってほしいと、いち読み手としても思う。そうだからこそ、私はここで描きたいと願ってる。
 本当に、本当に、ありがとうございます。
 慰められるために吠えているみたいでひどくカッコ悪いですが。
 そう。弱いから吠えるんだよね……強くなりたい……)