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 アニメなどの登場人物の性格で、愛らしい「萌(も)え」という感情を意識した書籍や映像、ゲームの市場規模が、03年で888億円に上ることが浜銀総合研究所(横浜市)の調査で分かった。バターやステレオコンポの出荷額と並ぶ規模で、同研究所は「近年大きく膨らんだ市場。無視できないジャンルとして確立している」と分析している。

 浜銀総研は、萌え市場を書籍・映像・ゲームの3分野に分け、書籍は関連するコミックの販売額から273億円、映像は関連アニメビデオソフトの販売額から155億円、ゲームは恋愛シミュレーションゲームの販売額から460億円と推計。おたく層全体のゲームなどの市場規模は約2900億円との推計値もあり、単純比較で3割が「萌え関連」とみられる。

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 あまりにもつっこみどころが多い話題なので、そこかしこですでにとりあげられ、いまさらなにを言うこともないのだが、それでもさらにつっこまずにいられないほど苦笑いできるニュースである(しかし、バターと萌えを同記事内で扱うのはなんとなくやめてほしい、という意見には私もとてもなんとなくそう思うと同意したい。ほかになかったのか、なんか)。

 萌えマーケット。
 語感からして同じ仲間にくくれるのは「ロリータシンジケート」や「少年売春夫」。海外には「かわいらしい」という感情を表現した媒体がないと識者が言う。だとすればこれは日本産の新たな海外戦略商品群ではないのかと日本政府がバックアップを確約する。

 朝のテレビ情報エンタメ番組でもとりあげられる。

 メイド喫茶のウエイトレスが登場して「ご主人様の好きな言葉はなんですか?」と小首を傾げている……好きな言葉をケチャップでオムライスに書いてくれるんだってさ萌える。

 それ以外のすべてがごく普通の喫茶店だが、ドアを開けると

「お帰りなさいませご主人様」

 とウエイトレスが言う。
 そのサービスのみでリピーターを増やした店がある。

 なっちの脱退で、いよいよモーニング娘。は十代前半のグループになった。
 某活動家が指摘していた。

「あれは小児ポルノ産業だ」

 返す言葉がない。



 このコ(紗綾)は11歳Fカップで売り出し中のアイドルだが、先日その水着写真で着用しているのが実は「下着」だったということで話題になった。オシャレランジェリーをカメラマンとおかあさんが紗綾ちゃんに着せちゃったということである。隠している部分は水着と同じだが、いままさに紗綾ちゃんがプロモーションしているセガの『ハウス・オブ・ザ・デッド』というゲームが「赤い血が残虐」ということで自主規制し「緑色の血」という「これならば同じ画だが残虐ではない」という手法を編み出したのと同様の問題なのだ。

 チャイポ法(通称)第2条「児童ポルノの定義」内3-3


「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」


 これをチャイルドポルノと呼ぶ。
 「水着」は胸と股間を隠した状態が完成型であるが、「下着」は完成型の着衣状態から着衣の一部を着けないことによって現れたものである。そして11歳Fカップで売り出し中のアイドルはその存在自体がポルノだ。モー娘。の必要以上のミニスカは衣服の一部を着けないことによって性欲を刺激していると定義できるだろう。

hallo

 ところで先日、シートベルトを締められないほど太っているうえに脚の不自由な人をバーチャルスカイダイビングマシンに乗せて落下させ殺したセガ(このメーカーは『ハウス・オブ・ザ・デッド』というゲームで残虐ではない緑の血という表現を発明した偉大な会社である)の施設には、『サクラカフェ』という喫茶店がある。メイド喫茶の走りだ(というわけでサービスは控えめですが)。この手の話題をとりあげるたびに、セガの名がそこかしこに現れるのは、私の読んでいるニュースがかたよっているせいなのか?

 さて、日本政府の支援も受けるいまや千億円産業となった「萌えマーケット」。
 研究所の試算には、重大な欠陥がある。消費者をおもに独身三十代男性と定義しているのだ。この増加により、生身でないパートナーを求める顧客はよりいっそうのびるであろうと試算されている。

 私は前々から指摘しているが、いまこの日本には、チャイポ法の網の目をくぐって市民権を得たジャンルがある。

 ボーイズラブ。
 現チャイポ法への改正により幾多の小児ポルノ雑誌が廃刊した……チャイポ法とは直接の関わりがないはずの、実写グラビアのないマンガや小説といった専門誌までがばたばたと倒れていったのだ……その一方で、同じ時期に、市場を拡大させていったのがBL誌である。BLといってもその中身は細分化でき、そのうちの一区分として「ショタ」ものがある。

 表現の内容はロリと変わらないが、ショタはいまでも生きている。

 レディースコミックの性描写は規制され18禁だと表紙に明記されるようになったが、BL誌のほとんどすべてにいまだその自主規制は適用されていない。内容が明らかにセックス表現であっても、コンビニの一般誌の棚にBL誌は置くことができるのだ。ここには可能性がある。いやむしろ、かわいらしさを商品にしているのはBLかもしれない。萌えマーケット予測は女性消費者を含めて試算すべきだ。

 と、ここまで考えて。
 はたと気づく。
 メイド喫茶のオムライスは非常に高い。
 ウエイトレスの時給も高い。
 なぜならばそこには料理を運ぶ以外のサービス料が含まれているからである。

 端的に言うとそのシステムはこれに近い。


「勃起したちんこを口に含んでもらってイかせてもらう」


 勃起したちんこを口に含んでもらうよりも「ご主人様」とメイドに笑いかけられてナプキンで口に付いたケチャップを拭ってもらうことのほうにより性的興奮を感じる「萌え消費者」にとって、高いオムライスのオムライス本体以外の料金は、風俗店でのサービス・オプション料となんら変わらない。

 これをふまえて連想するのは、隣にきれいな異性が座る以上のサービスで市民権を得た、あの商売だろう。

 ホストクラブ。
 実質、女性専用のセックス産業などというものは存在しない。
 となれば、ホストクラブは女性向け萌え産業の最高位に位置する。
 そしてそのシステムは、メイド喫茶に酷似している。

 直接的性行為どころか肉体的接触すら伴わない、しかし欲情を刺激喚起するサービスで高額な料金設定が可能。

 キャバクラに通うオッサンどもは、こう言うだろう。

「さわれもせんねえちゃんに茶あ注いでもらってなんで高い金はらわなあかんねん」

 しかし、萌えという概念がそれを可能にした。
 同じ金を払うなら、ちんこ立てるより「おにいちゃん」と呼ばれてニヤニヤしたい。
 メイド喫茶は、男性向けホストクラブである。

 これは、男性が女性化したということなのか。
 これは、女性に男性が追いついたということなのか。
 ひとつ言えるのは、精神性性的興奮が肉体に依存するそれを凌駕して売り上げをのばす国において、決して少子化は改善しないということだ。

 メイドとホストと11歳Fカップとボーイズラブを抱いてこの国は滅びに向かって突っ走る。
 いやまあ、それもキモチイイような気が、しなくもない。
 ニッポンバンザイ。
 政府も応援しているぞ。
 世界を制覇して恥にまみれて地球を滅ぼそうではないか。

 メイドインジャパンの萌えです。
 人生をかけて愛してください。
 こっちも英語勉強しとくか萌え単で。

moetan


 頼むから
 万引きは
 滅んでください


 久世番子 『暴れん坊本屋さん』

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 ファストリも赤字だとか。
 そりゃそうだよな、Tシャツフェアやってんだもん。四月に入ってもさっぱりコタツの片づかない近畿地方……近所の桜の名所も、桜祭りも終わったというのにまだ咲き始めだってことで、夜桜ライトアップの期間が一週間延長したようですが、まだ足りないみたい。五月になってもまだ散りきっていないかもなって勢いです。

 まったくもっての私事ですが、この春から昼間の職場が異動で某関西系ホームセンターでカー&レジャーの担当者になりました。なってみて一ヶ月、前任者の作った売り場を根底から破壊し、とにもかくにもオレ色な売り場に作り替えることに毎日を費やして約一ヶ月。「どこよりも早く季節を先取りしてやる」と豪語してカー用品の企画棚は広告商品以外ぜんぶバイク関連で(そんなホームセンターのカー用品売り場あるかと小言も言われつつ)、レジャー売り場にいたっては最速発注で仕入れた麦わら帽子とプール浮き輪を三月から前面に押し出すという勝負に出て……

 ええ。Tシャツフェアのユニクロ同様惨敗ですとも(笑)。
 ご存じの方も多いかもしれませんが、この四月一日から、二輪車の二人乗りに関する法令が改正されました……条件つきながら高速道路での二人乗りが認められ(昔は良かったんだってね。禁止されてからも事故の量は変わらなかったことが、再度解禁の論拠になったらしい。ひとりで事故しない人は後ろにだれか乗せたらもっと慎重になるし、ひとりでも危険運転な人はだれかを乗せていたって慎重になったりしないってことなんだろう)、それにともない、高速道路以外でも乗せちゃいけない人がタンデムしてたら倍の罰金とられるようになった(ちなみに最高五万円が十万円になりました。免許とって一年未満の人は後ろに人乗せちゃダメ。三年以上じゃないと高速で二人乗りダメ)。
 あれですよ、業界的にはこのあいだ「ケータイつかいながら運転したら罰則」が法令化されたとき、ハンズフリーイヤホンマイクが飛ぶように売れたの以来の追い風と期待してたんですね(まあそれはそれで、前任者が仕入れたもののまったく売れずに余り倒したバックミラー型ハンズフリーキットなんて不良在庫も生んだのだが。近未来的でかっこいいんだけれども。しょせんイヤホンとマイク。ミラー一体型とか言っても一万円とかなると売れんわな、天井に向かって話す姿勢がスタートレック・フリークにはたまらんかも知れんが、トレッカーはそんないないらしい。まるで売れん)。それがあったからこそ、私が企画台をバイク仕様にしたってぎりぎりダメは出なかった。

「高速での二人乗り解禁!!」

 てド派手なポップつけて、適当にそれっぽいヘルメットとかに「当店オススメ高速道路対応品!!」なんて一個ずつ貼っていったんだよ。結構面倒くさい作業でしたよ。で、いざ解禁!! ………………なんにも動きねえの。近所のダイエーに買い物行くのも寒いのに、高速なんて乗るかよバカって感じです。つーか、冷静に考えてみて、ホームセンターで売ってる一番高いのでも五千円くらいのヘルメットが高速対応だなんて嘘ついてもさ(嘘なのか。嘘だよそんなもの。なんだよ高速対応って。半キャップでなきゃなんでも対応だ)、高速で二人乗りできるような条件をパスするベテランライダーは、そんな安ヘルメット買わないって。

 前途多難です。
 あと、なってみてわかったんだけれど。
 カー用品の売り場って、万引きとの戦闘。
 日がな一日防犯タグを商品にとりつけ、とりつけては「そんなところにつけたら後ろの説明が読めへんやろ」とお客様に剥がされて「あーあっちで鳴ってる。こっちでもー」と走り回り。棚を整理しては中身の抜かれたパッケージを見つけ、寒くてシーズンなのに洗車用具もちいっとも動かないってのに「400円のガラコ盗まれました」とかって何枚も伝票書いて……うんざり。なんで盗るかなあ、高額商品にはタグつけているから、おもにそういう小っこいのなんだよね。原付用の豆球とか、もう数が合わなければ「盗られたね」って……だって防犯タグのほうが高いんだもの。小物にまでぜんぶつけられないし。千円、二千円の商品の利益なんて百円とか二百円なのに、数百円のガラコ平気で盗っていくんだもの。そりゃ万引きで本屋が潰れるってのもあるよなあ、としみじみ身に染みて思う(それにしても冒頭引用の久世番子さん。マンガ30%本屋30%残った謎は40%を自認するマンガ家さんですが……新創刊季刊『ウンポコ』の表紙ですよいいなあ、オレも30%のホームセンター店員でネタ書こうかなあ、変な客多いぞウチも(常連さんでさあ、あきらかにカツラが前後ろ逆なおっちゃんがいるんだよね、もう数年来のつきあいだが話しながら頭部を見ないようにするのがいまだにツライ。頼むからだれか言ってやれよ。それとも確信犯なファッションなんだろうか、鏡見れば一発でわかるくらいあからさまに間違っているんだ。笑えるというよりも謎である)……ていうかコメディ増刊作るなら別冊小説W増刊を復活させましょうよ新書館さまぁ、私が売り上げのばしてみせるから)。

 私が書く近未来世界では、警察という国家組織は出てこない。どんな世界観であっても、未来では「いまのような形での警察はない」と私は思っているので、ほとんどすべての作品でそういう設定になっている。警察という言葉は使うが、それは現代とは同じ意味ではない単語として表記される。

 先日、路上駐車の違反取り締まりが民間委託されるという制度についての説明会が警察であって、予想をはるかに越える数の参加申し込みがあったというニュースを読んだ。おもに防犯警備関連企業からの申し込みで、その制度自体の子細はまだまったく決まっていないのだけれど、みんな、そこに新しいマーケットができると確信しているってことだ。
 路上駐車はいっこうになくなんない。
 でもそれを取り締まるために警官の数を増やすのはコストがかかりすぎて税金で動いている警察という国家組織ではできない。
 だから小金をわたして素人に仕事させる。

「違反とってきたらナンボ」

 そこには罰金が発生するのだから、払う小金をそれに見合った額にすれば、このシステムに破綻はない。
 みんなが殺到するのも当然だ。
 この世の悪は無くならない。
 どんなに取り締まっても取り締まっても万引きも路上駐車も根絶なんてできっこないのだから、だとすればそれは視点を変えてみれば「刈っても刈ってもいくらでも生えてくる黄金の稲穂」ということである。

 ここで大事なのは、あくまで後ろに国家権力があるということ……取り締まるのは民間業者でも、罰金を払えと言ってくるのは街金ではなく、届くのは日本国お墨付きの取り立て催促状……黄金の稲穂システムに死角はない。
 これは、事実上の国家公認賞金稼ぎ時代の到来を宣言するニュースなのだ。

 いま、見通しの悪い曲がり角から飛び出してきて「ハイ一旦停止違反ねー」なんていう警官に「きたねぇ」と舌打ちする状況など可愛いものとなるだろう。その近未来では、アルミ缶収集業者と地元自治団体がゴミの日に「捨ててあるんだから」「これは市の財産だ」なんて押し問答をしている現代みたいに、駐車禁止の場所に置かれた車両が五秒で民間業者に根こそぎ摘発されることになる。むろん、現代の警察が黙認している「個人の自宅前の路上に恒常的な違法駐車」なんてものも、あますところなく持って行かれる。自宅前に広い道路が作られている、そのあたりの新興住宅街に行けば、車のセールスをするよりも路上駐車を取り締まる方がいい商売になることだろう。

 そのシステムはいずれ、国家警察の必要性をなくす。
 民間に委託できない警察の仕事ってなんだ?
 凶悪犯の逮捕?
 それは軍隊に所属する特殊部隊でいい。
 民間業者は、高額賞金首ならばシマもへったくれもなく世界の果てまで犯人を追いかけるだろうし。

 結果、近未来の警察は、賞金稼ぎギルドの親玉という存在になる。
 これはもう絶対そうなる。
 そうでしかありえない。

 ……というような思いを、盗られた商品数えて伝票切りながら、あらためて確信した。防犯タグとか、カメラとか、私服警備員とか、売り場にもうひとり店員がいたらとか、そういうコストの問題で「盗られている」現状が解決できない「いま」が正しいわけがない(伝票を書くときになにがむなしいってさ。毎日それやっていると「もう盗ってもいいからパッケージを残して中身だけにして」とか思ってしまうこと。パッケージが残っていれば迷いなく「盗難」でロス切れるんだけれど、まるまるないと調査がいる。盗られたうえに、そんなことに時間を取られる不毛には「盗ってもいいから」なんてつい思ってしまったりもするものだ。悔しい)。刑務所がいっぱいになる心配なんてしなくていいんだよ。路上駐車なんかに比べても、窃盗はあきらかな悪なんだ。捕まえたら罰金300万円にしとけば民間業者が勝手にどんどん参入してそこら中のスーパーやホームセンターで仕事を始めるだろう。

 ……というような近未来を思って、ふと気付いた。そんな未来がきたら、防犯タグなんてとりつけないだろうなあ、と。民間業者に高額な万引き犯を持って行かれるくらいなら、店側も専任の「賞金稼ぎ」を用意して、売り場担当者の私にはこういう指示が来るだろう……

「黄金の稲穂である万引き犯を作れ」

 かくして、盗りやすい売り場を作り、まんまと手をのばす高校生をスタンガン警棒で殴りつけてその両親から300万ふんだくる。九割九分方国家警察ギルド親玉が持って行ってしまうだろうが、いやなに……万引き犯なんていくらでも作り出せますよ任せてください店長、てなもんですね。赤字解消。

 ああ、はやく来ないかな。
 そんな揺るぎなく平和な世界。