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 穴に挿しこまれる。
 くすり指の先。
 手のひらは、ほっぺたに、ぴったりと。
 じぃと、見られてる。

「また。これ、なに」
「なにと言われてもな」
「聞こえない」
「両耳をふさいでいるからなあ」

 くちびるが尖ってしまうくらいに。
 両手がほっぺたに密着している。
 両方のくすり指で、穴をまさぐられる。
 くすぐったい。
 耳の穴は、弱い。

「トモヒロ、と呼ぶといい」
「……ともひろを? 呼んでるし」
「これを、だ」
「ひとのほっぺたに手を当てながら指の先で耳の穴をほじるのを?」
「そうされて染まりゆく、おまえの頬と表情の変化を愛でるのを」
「……もっと、ふつうに愛されたいかも」
「真なる発明は後世に認められる。伯爵のごとく」
「伯爵?」
「サンドイッチ伯爵の偉業を知らないとは。ゆとりめ」

 知ってる。
 たぶん、ともひろ、よりも。
 サンドイッチ伯爵がサンドイッチの発明者だというのは嘘だし、サンドイッチ伯爵はギャンブル好きでもなかったから、徹夜でトランプをしながら食事ができるようにそれを作らせたというのも嘘で、たぶん仕事をしながら食べられるように作らせたというのが有力な説。その料理を、ごちそうされたひとがサンドイッチと呼びはじめたのは本当だけれど、伯爵自身は、ただ自分のいつも食べている料理をふるまっただけだった。ともひろみたいに、自分で自分の名前を命名したりはしていない。

「後悔してる。きっと」

 少しだけ、ともひろの手から力が抜ける。
 だからはっきりと、言えた。

「伯爵が、秘密の料理を食べさせてくれたのに。伯爵の名前をつけようとか、みんなに大声で言っちゃってさ」

 ほっぺたに、手のひら。
 穴を、ほじられて。
 すごい近くで、見られる。
 これを、トモヒロ、なんて呼んだら。
 後世の、みんなが、そう呼ぶの?
 サンドイッチみたいに、だれもが。
 当たり前に、自分が、これを好きみたいに。

「ともひろが、これを好きなんでしょう」

 もっと手の力が抜ける。
 これをされながら、微笑まれるのは好きじゃないみたいな顔。難易度高い嗜好だし、名前をつけたって普及はしないような気がする。
 でも、まあ。

「ぼくは、理解するよ」

 自分が百面相になっているのを、ともひろは気づいている?
 すごい近くで、見る。
 これに名前をつけるだなんて。
 ともひろの。
 ぼくの。
 名もない秘密の。
 そうすべきだったんだ。
 彼も。

EarlofSandwich00.jpg

Yoshinogi Takumi
 Shonen-ai Cooking Elegy
 Song 22
 『He shouldn't have named to His it.』

(吉秒匠
 BL料理哀歌
 21曲目
 『彼は彼のそれを彼と呼ぶべきではなかった。』)

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 晩ごはん、というものは、酒のつまみ。
 酒といっても、ビールやウォッカといった、なぜかロシア人ぽいもの嗜好なため、炙ったイカよりも、サンドイッチが好適。

 しかし、連夜の茶の間プロレス観戦者でもあるものだから、俗にいうBLTサンド的なものはいけぬ。ベーコンは噛みきれないし。レタスはマヨネーズをはみ出させるし。トマトは、みずみずしく滴り落ちるし。

 フキン持ってきて、フキン!
 なんてやってる間にエメラルドフロウジョンが極まって、スリーカウント。録画なので巻き戻せばいいようなものですが、会場には行けないけれど観戦気分で観ているのです。会場でサンドイッチとビールを目の前に広げていたら、バラモン兄弟の餌食にされるだろうし。

 サンドイッチといえば卵もだけれど。
 茹でて、刻んで、マヨネーズで和えて?
 あれもな。
 かぶりついたらこぼれるのな。
 おれの喰いかたの問題なのかよ。
 どうしてあれが歴史上のサンドイッチの定番になっているのさ。

 会場気分だけれど、自宅だ。
 アイアムア・シェフだ。
 ヨシノギ=アイアムアシェフ=タクミ。
 リングネームっぽい。
 それはどうでもいいけれど。

 こぼれず、噛みきれるように作りゃいいんじゃないの。そんな簡単なことが、なぜわからないの。語源からして仕事中毒者なサンドイッチ伯爵が片手に羽根ペンを握ったまま、もう片手で口に押し込めるようにってのらしいし。トマトとか刻んだ卵とかベーコンの脂ぎったのとか、大事な書類に落ちでもしたら惨事ではないか。

 卵サンド、かくあるべし。

EarlofSandwich01.jpg

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○材料

卵 三個
タマネギ 半分
合い挽きミンチ 適宜
ニンニクの芽 適宜
塩、こしょう 適宜

○作り方

卵以外の材料を刻み、溶いた卵に入れ、三等分して卵焼き器で焼く。

正方形に。

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 卵焼き器というのは、こういうの。

B000IAADIQ

 食パンにジャストサイズ!
 と言いたいところだが、たいていの食パンは12センチ角で、卵焼き器は15センチ幅。なので、ちょちょいと端を寄せる感じで焼くとぴったり。

 ニンニクの芽は冷凍庫に常備しているのでそれ入れましたが、むろんミックスベジタブルとかコーンとか、そういうのでも。肉もミンチ肉を使うことで、ベーコンのように噛みきれなかったり油が滴ったりなどが皆無。

 若い男は卵でとじておけばいいのよ。と、モテるお姉さんが言っていたとおり、きれいに食べやすいだけでなく、なに入れたって卵でまとまるからボリューミー。食欲旺盛な胃袋にも満足。

 トッピングはマスタード。
 スライスのピクルスは、こちらを参照。

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『ピクルスのレシピ』のこと。

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 テーブルにはブラックペッパー(ミル入り)とタバスコが欲しい。やさしい心遣いで家族のためにスパイスひかえめに作っているのですが、自分のためにはあとで足すくらいの自由はあっていい。

 あ、できあがり写真を忘れていた。
 こういうふうにタッパーに入れておくと安心。

EarlofSandwich02.jpg

 なにが安心?
 いや子供が起きてきて、また観戦中断とかならないように。タッパーなら蓋を閉じて膝に抱いて食べ続けられる。

 ああ、ええ。うん。詐欺ですよ。できあがり写真が華やかではないから、小説挿写真は、カツサンドにしておいたのでした。
 こちら参照。

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『ロースカツをまとめてあげる』の話。

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 美味い。
 それは認める。
 でも、その卵、こぼれるでしょ。
 刻んだキャベツもキュウリも、こぼれるから。
 カツで口のまわりも手指も脂ぎってたえず拭いていないとならんでしょ。
 ピクルスとマスタードでいい。
 あとタバスコと。
 プロレスと、ビールと。
 それでいいから。
 それがいいのだから。
 観戦のための理想のサンドイッチは、一枚の布みたいなのを挟んだやつに行き着くという、お話なのでした。これまたシンプルな……あ、だって、こぼれたりすると試合に集中できないかもと思って……なんだとこのプロレス愛に満ちた料理もできる娘は運命か……的な感じで掴める胃袋だってありましょうさ。まあ私はモテるお姉さんではないので、成否は保証しませんが。そんなものです。特に、プロレス好きでビール好きとかいう男の薄っぺらさなんてものは。

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Yoshinogi Takumi
 Shonen-ai Cooking Elegy

21曲目『形状と呼応』
20曲目『轢かれ鉄のサイジ』
19曲目『黒い彼が焼いたぼくのための白いパン』
18曲目『となりの部屋』
17曲目『ヴィアール遭遇』
16曲目『アネ化けロースカツ』
15曲目『逆想アドミタンス』
14曲目『恋なすび寿司』
13曲目『バーベキュー厳峻鋼』
12曲目『茄子はダシの夢をみるか?』
11曲目『すっぱくても、平気。』
10曲目『踏み絵ムルギティッカ』
9曲目『ひとくちだけカトルカール』
8曲目『春節の静かな賞品』
7曲目『ナンを焼くと両手がつかえない。』
6曲目『タマレってなに?』
5曲目『あらいぐまのすきなもの。』
4曲目『ピッツァみたいにぼくを食べてよ!!』
3曲目『クリスピー・プロ・フライドチキン』
2曲目『青くてカタいアボカドのパスタ』
1曲目『春餅/チュンピン』






KAMENman.jpg

仮面ライダーに逢ってきた。

昭和ライダーの末期、改造人間の悲哀の極みを描いた雨宮ライダーからハマった私は、ハマったときには昭和が終わり。さかのぼって1号にまで至り、自分もバイクを乗りまわしていたら平成ライダーが生まれるという。変則的ながらもそうであるがゆえ、途切れず人生に仮面ライダー。

大ファンです。

しかしそういうみちすじなので、ライダー人形で遊んだ記憶はない。

そんな私が。
生後14ヶ月の息子を連れ、仮面ライダーショーへ行く。

撮影会もあるという。
生まれて初めての生ライダーだ。
触れたら興奮で失禁必至だ。
むしろ息子を横に置いて撮りたい。
そういう精神状態でおもむく。

しかして観はじめてすぐに。

……ねえあれ、どうにかならんの?

ショーに集中できない。
興奮の極みなのにライダーではなく。
いや、ライダーなのだが。
なかのひとに目が行く。
私と同年代だろうか。私よりもぽっちゃりしたかたで。黒縁のメガネをかけている。声は素敵だ。素敵だけれども。まわりの小学生くらいの子たちさえ、気にしていないようすですけれども、テレビに出ていたなかのひと、平成ライダー美少年俳優とは似ても似つかぬ声である。

ステージのすぐ横で緑の布で、顔の半分だけ隠している。

いや、まるで隠す気はない。

カメラ使えばいいじゃない。
二階からもこのステージ見えるよ?
そんな間近で演じる必要ある?
……ついに口もと見えているし。

隠す気ならば方法があるのに、隠さないのは必要がないから。

私の幻滅なんてどうでもいいんだ。
バックステージを覗いてもいない。
行儀よく興奮して観に行っても。
背中のチャックを見せられる。

大人だからなのかー。
子供がよかった。
仮面ライダーの居る人生は悦び。
だが享受できなかったものもある。
声の違いなんて気にせず、
あのひとなにしてんのとも思わず。
息子よ、きみは、味わうといい。
心底、うらやましい。

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 ウィルスを倒すゲームバトルにドクターたちが参戦!!
 様々なゲームジャンルのちからを身にまとう!!
 すべてのゲームをクリアし、そして。
 すべての患者を救い出せ!!

 

 『仮面ライダーエグゼイド』公式告知

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 最終目的は、人類すべてを救うスーパードクターになること。

 うん。平成ライダーのモチベーションって、ライダーになったのでやむなくとか、自分が生き返るためにとか、けっこう利己的な方向性なことが多いし。守るにしても、近所の町や、愛するだれか。そういう個人的なところではなく、職業人として患者を救うために変身し、果ては全人類を救うだなんて、今回の主人公はカッコいい。

 ドクターたちが仮面ライダーに変身し、ゲームという仮想世界をモチーフに、ウィルスと戦うという設定を最初に目にしたとき、私の脳裏に浮かんだのは、とある舞台劇だった。

『白血球ライダー』

 全日本プロレスの元専務取締役でもある諏訪魔の映画デビュー作として歴史に残る映画『アキハバラ@DEEP』を、私は原作未読のひとは「水槽のブルマ少女を馬面から救い出す」映画と捉えてしまうのではないかと、いつか書いたが。

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『アキハバラ@DEEPとAI人権宣言』の話。

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 水槽にブルマを飼っている名優、佐々木蔵之介を輩出した劇団こそ、惑星ピスタチオであり『白血球ライダー』は、惑星ピスタチオの代表作である。

 今回、唐突に名の出た感のある脚本担当の高橋悠也は演劇畑のひと。彼は東京を主戦場にしているものの、関西の世紀末狂馬と謳われし惑星ピスタチオの『白血球ライダー』を知らないということは考えにくい。

 ところで私は、初めて『白血球ライダー』を観たとき、最後の最後まで、ガーン将軍が、ガン細胞であるということに気づかなかった。ガーン将軍という名前で、最強白血球なライダーに倒されるというのにである。私のうっかり具合も相当だが、それくらい、白血球ライダーが戦う、その姿を追うだけで最後まで観ることができてしまったということでもある。

 もちろん、白血球ライダーは、仮面ライダーのパロディだ。だが、パロディであるからこそ、観ていると立ちあらわれてくる、オリジナルである仮面ライダーというテレビドラマシリーズの構造美学があった。

 高橋悠也脚本のテレビドラマ『エンジェル・ハート』を私は観た。

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 『LUPIN THE THIRD 次元大介の墓標』を。

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 舞台脚本も、小説も、設定こそ遊び心があるが、高橋悠也タッチとはシリアスであると断言していい文体である。

 ふむ。仮面ライダーエグゼイド。

 某バラエティ番組に、レベル1(エグゼイドはゲームモチーフなのでレベルアップ変身をする)のSDキャラ着ぐるみで登場していたのを私も観た。

 歴代仮面ライダーのなかでも、最高級にこっぱずかしい語りで実質最終回を締めた、仮面ライダーゴースト。

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 愛は命を生み出す奇跡のチカラだ!
 おれは想いのチカラを信じる!
 愛のチカラこそ、
 人間の無限大の可能性そのものだ!
 人間の想いのチカラを知らないおまえに、
 本当の想いを!
 愛のチカラを教えてやる!

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『仮面ライダーゴースト』

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 その実質最終回に、お披露目として仮面ライダーエグゼイドが登場した。

 自転車だった。

 お。そういえば。二輪だが、バイクではなく自転車って。それも、変身してからのメイン乗り物としてチャリンコって。いなかった気が。

 ゲーム好きで、チャリ乗りの、医者。
 そういう仮面ライダー。

 また、逆説的に白血球ライダーを思い出す。

 パロディとしてではあるが、人体を侵す「悪」と戦って人類を救うライダーの先輩である。仮面ライダー風であるということによって、ただの免疫機能を正義として描くことが正当化され、描いてみれば、気づいた。

 正義も悪も、どうでもいい。
 観客が引き込まれるのは、その場の雰囲気であり、ノリだ。仮面ライダー風であるということの破壊力たるや。ガーン将軍がガン細胞だと最後まで気づかなかった……つまり物語をまったく理解していなかった私が観ていたのは、白血球を超える抗体というよくわからん設定なのに白血球ライダーという題名な劇の雰囲気が魅せるかっこよさであり、いまのかっこよさであり、次の瞬間への期待だった。

 格闘技に善も悪もない。
 青コーナーの選手の身内は青コーナーの選手に感情移入し、赤コーナーの選手の身内は赤コーナーの選手に魅入る。
 大事なのは、それぞれが吠えることだ。
 見せ場を作ってさえくれれば、物語は添え物でもいい。

 いや。
 仮面ライダーゴーストを観たか。
 最初から死んでいて、生き返れるのに他人を救うことを選び、最後もまたうやむやに生き返りながら、死んだ母を想い出して吠える。

 愛を教えてやる!!!

 正直に言おう。私は今回も、物語をちゃんと追えていたとは言いがたい。一年、一話一話の、提示される見せ場を吟味して、酔いどころを追っているという、仮面ライダー観戦者だった。

 愛を教えてやれ!!!

 けっきょく、ぶっ叩いて決着させただけだけれど。
 愛だのなんだの叫んでいたのは、よかった。

 近年、高橋悠也が深く関わっている新生ルパン三世のシリーズについて、むかしからのファンが苦言を呈している。いわく、スタイリッシュだが、ルパンをわかっているようでわかっていない。浅い、とか。

 私は、新しいルパン三世が、とても好きだ。
 浅く、雰囲気でカッコいい。
 カッコいいのに、魅入らないで、なんか違うところをさがすという観戦を、私は好まない。

 自転車でウィルスをなぎ倒す、妙にカラフルな仮面ライダーは、あまりに浅く、子供だましに、カッコよかった。

 プロレスを「バカでもわかる」から偉大だと言ったひとがいる。子供でもわかる熱狂の図式を描きながら、舞台裏まで含めて深読みして唸る玄人まで生む。

 人口減で滅びようとする国の日曜朝で、愛は命を生み出す奇跡のチカラ、だとか叫んでいる死んだ仮面ライダー。それはなんという哲学だろうか。

 仮面ライダーエグゼイドは、その見た目で、医者で、命を救うために戦う。テレビゲームで、自転車で? 飽きさせないための仕掛けは多いに越したことはない。そういうものは物語の本質とは無関係なのである。

 ウィルスを倒すゲームバトルにドクターたちが参戦!!

 「たち」だ。そして敵は、ウィルスなのだ。戦国時代ではない。仮面ライダー同士の、個と個の潰しあいではなく、救われるのは患者だ。

 シリアスな脚本家を据えるのは、良い。
 仮面ライダーらしくない見た目の仮面ライダーに、仮面ライダーらしさを与えるために、仮面ライダー育ちのモノ書きを連れてこなかったのは正解だと思う。

 浅くて軽い、ゲームや自転車、その見た目。
 だけど医者。
 戦いの目的は、命を救うこと。

 ギャップ。
 毎回、吠える要素はいくらでも思いつく。
 ああもうダメだ、すでに泣きそうだ。
 『エンジェル・ハート』よ。
 最後には、冴羽獠が勝つ。
 さっきまで軽かったからこそ、憂いが映える。
 語る想いが、臭いほど染みる。

 それ、できるホン書きだと、知っているので。
 いっそ仮面ライダーを意識しないで欲しい。
 白血球ライダーで、いい。
 舞台劇での、パロディ。
 仮面ライダーエグゼイドは、すでに仮面ライダーと公式に銘打たれているのだから、仮面ライダー臭いことはなにもやらなくたって、まごうことなき仮面ライダーだ。だったら、引き続き、愛がどうの死がどうの、命がどうのと私を酔わせろ。

 というわけで注目は、いわゆる悪のライダー、仮面ライダースナイプでしょうか。患者を救うためではなく、戦いたいから戦う、手段を選ばない、医者免許を剥奪された闇ドクター。もちろん、改心するに決まっているのです。しかしこれが医者という設定であるがゆえに、ドクターキリコ的なものを期待せずにはいられない。日曜朝に安楽死は扱えないでしょうけれど、彼も、彼なりの号泣必至な理由をもって闇医者を続けているはずなのです。だって、免許まで失っても、なにがなんでも医者を続けなければならない理由なんて、彼を彼たらしめている根幹の部分で譲れない想いがあるのです、絶対。さあもう初回から叫べ仮面ライダースナイプ!!

 私、昭和からの仮面ライダー好きで、雨宮ライダー派なので、ゴーストの黒くてでっかいオレンジの目デザインは大好きだった。だけれども、一歳になった息子がですね。まあもうゴーストを正義の味方と認識しない。というか認識そのものをしない。実質最終回で、はっと振り向いて画面に魅入ったのは、独特なしゃべりとカラフルな見た目でお馴染み画材眼魔キュビちゃん登場シーンと……もちろん、カラフルさならキュビちゃんに負けない仮面ライダーエグゼイドの自転車バトルだった。

 これ、仮面ライダーの名を冠する意味ある? そう、電車に乗ったり車に乗ったり、死んだり、もはや仮面ライダーとはかけ離れた見た目のアメコミ風になったりするたびに彼らは、わめくが。

 昭和からプロレスも好きな私は、いつもジャイアント馬場御大の名言を唱えることにしている。

 プロレスのリングでおこなわれることはすべてプロレスである。

 仮面ライダーの枠でおこなわれることはすべて仮面ライダーである。

 で、あるのならば。
 これまでにないホンを書く血が参戦するのは、純粋なたのしみでしかない。見たことのない仮面ライダーの枠が広がるのならば、来週を待ち望む理由にしかならない。テレビゲームと聞いていたのに、自転車なんてワザがしょっぱなだったのも、やるやんええやんと薄笑いながら観てしまいましたともさ。

 期待しかしていない。
 応えてくれないと困る。

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仮面ライダーエグゼイド | 東映

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 ただし、カラフルなライダーベルトは息子に与える気はない。ゲーム機がモチーフで、カセットって。意味わからん。昭和からのゲーマーだが、あえて言おう。意味わからん。

B01L8KKXCA

 我が家におけるゲーム機とはXbox。




 



 Windows10用『Halo 5: Forge』リリース!!

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Windows 10 PC 用レベル エディター『Halo 5: Forge』無料配信開始 – Xbox Japan Blog

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 本丸『Halo 5: Guardians』に『the Anvil’s Legacy』もやってきたぜヤァヤァヤァハァアアアアンぁんぁああん……ゃ……ぁ……んぅ!!

 『Halo 5: Guardians』で『とかげの月』をググるとヒットする。

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『Halo 5: Guardiansの発売日』の話。

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 発売日は2015年10月29日。

 翌年の九月である現在、およそ一年経って、私のXboxOneでは、ほぼ『Halo 5: Guardians』しか起動していないことは、私のゲーマーカードを確認していただければすぐにわかることだ。

 そして、Windows10用『Halo 5: Forge』が今月になってリリースされたということは、私のみならず、世界的にそれだけの需要があるということ。一年経って、飽きるどころか『Halo 5: Guardians』ジャンキーたちの夏も冬もハロウィンも終わらない。一年中ヘイローだ!!

 がっつり戦うスポーツライクな『Halo 5: Guardians』はHaloの歴史において原点に立ち戻った傑作だということも、以前に書いた。

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『eスポーツとしてのHalo』のこと。

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 しかし、原点に立ち返ってという意味であれば、フォージもまた、ヘイローの礎である。フォージとは、なにか。言ってしまえばマップエディタだ。

(日本語での表記がレベルエディターとなっているのは、前にもここで論じたことがあるが、英語圏ではマップのことをレベルと呼ぶからである。気を利かせるならばマップエディターと訳すべきところを直訳してある。Xbox Japan陣営の仕事には、いつもこういう「おい、そこはちょっと」というところがあるので困る。推敲要員として私を雇う気はないだろうか)

 ゲームのルールも決められる。これは対戦ゲームにおいては、実に危険なことである。素人たちが勝手に作ったマップで、勝手なルールで対戦して、勝手に飽きるという事態を招きかねない。

 後述するが、そのことに関しても『Halo 5: Guardians』は、徴発システムという回答を出してみせた。しかしそのことはまず置いておいて、フォージの危険性は危険性として、それさえもを包み込むへイローユニバースなる運命共同体が十数年の歳月で育ったことは大きい。

 私も含め、彼らは、時間の無駄をへらりと笑ってたのしむ余裕を持ったのだ。なにせゲーム小僧たちも年月を重ねたわけで。さらに日本においては、初代XboxもXbox360も知らないけれどXboxOneで『Halo 5: Guardians』に夢中、なんていうのはごく少数派である。ジャンキーが、ジャンキーとして耽溺している。いつもと違うニュアンスも、わびさびのうち。

 フォージでパンツァー。
 雨降る丘で戦車戦。
 もはや別ゲーム。

Halo5Forge05.jpg

 ジャンキーにもいろいろいて、フォージ好きにとっては、だれもが唸るマップとルールを配信することに生きがいをおぼえる派閥があり、そういう彼らにとっては、ゲーム機ではなくWindowsPCでマップを作れる『Halo 5: Forge』は新時代の到来だ。パソコンで作り、XboxOneでプレイさせる。腐れヘイロリアンどもが、あたしの作ったフォージマップで恍惚となってプレイしているわたまんない、という新たなジャンキーの醸造所が完成である。

 そんなこんなで、『Halo 5: Forge』も投入され、『Halo 5: Guardians』は、まだまだ現役続行中のヘイローなのだ。

 というところで。
 さきほど少し触れた、徴発システムについて続けたい。

 基本を説明するのは面倒だから、公式におまかせ。

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Halo 5: Guardians | 徴発 (REQ) システム チュートリアル

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 2016年03月25日(金)の私のツイート。

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『Halo World Championship 2016』が決着。賞金一億円超。賞金額、ゲーム内課金の総額で決まったんだが『Halo5』の徴発に金払っているひとがそんなにいることに驚く。買わなくてもプレイすれば手に入るものなのに。



twitter / Yoshinogi

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 そういう側面も、むろんある。
 私がおどろくほど、世のひとたちはこういうシステムに課金するもので。制作者サイドが潤うのは、次作のためにも良いことだ。ただ私は『Halo 5: Guardians』のソフトも、腐るほど対戦するのだからデータで買ったほうが快適だとわかっているのに、ディスクという物体で買わずにはいられなかった派閥の人間である。昭和生まれだ。二次元も好きだけれど、さわれる三次元が手に入るならば迷わずそちらを選ぶ。

 なのでツイートの通り、ヘイロリアンだけれど徴発に課金0円で、ああこれ買っちゃおうかなという欲求と戦ったこともない。

 そんなで一年。

 フォージもいいけれど、そればっかりやってんなよと、公式戦にも目を向かせるために導入された徴発システム。とある分岐点に至った私が、きっと日本語でこういうことをググるひとたちが今後多くなるだろうことも期待しつつ、ちょっとだけ書く。いまでも『Halo』の映画化は進行中。ハリウッド映画が公開されてマーベル読み始める日本人は多かった。そういう経路で、現世代ゲーム機で生まれた最初のヘイローである『Halo 5: Guardians』を、数年後にプレイする新たなジャンキーたちもいるはずだから。

 『ヘイロー5、徴発、効率』の話。

 要は、ロスなく徴発カードを集める手順。それも、私みたいに、数年かかかっても、いずれ徴発はぜんぶ集めるんだというようなジャンキーの作法。

 結論は、ひとつだけ。
 上記三文言をググってきたあなたが、私に断言してもらいたいのはこれでしょう? ほら、あげるから咥えて去りなさい。

●結論

 徴発カードは、ブロンズからシルバー、ゴールドの順に開けていくと効率が良い。

 と、いうのも。
 公式チュートリアルを熟読されたみなさまご存じの通り、徴発カードには 一回のみ使用できるシングルユースなものと、永久的に使用できる永久カードの二種類がある。

 そして。

 ゴールド: ゴールド徴発パックには、ノーマルからレジェンドまで大量のカードが入っている。付加価値として、新しい永久カードが二枚必ず含まれる。

 シルバー: シルバー徴発パックにはノーマルからレアまでのカードが入っている。付加価値として、新しい永久カードが二枚含まれる場合がある。

 ブロンズ: ブロンズ徴発パックにはノーマルのカードが入っている。新しい永久カードが一枚入っている可能性もある。

 ポイントは、新しい永久カード。
 シングルユースの徴発カードは、重複してなんどでも出てくるものだが、永久カードは、文字通り、永久にアンロックされる。そこで二分ほど考えると、疑問がわくだろう。

「シルバー徴発パックにはノーマルからレアまでのカードが入っているけれど、ノーマルからレアの永久カードをすべて集めてしまったら、永久カードはもう出てこないということ?」

 正解。
 そういうことである。
 ないものは出ない。

 ところで徴発とは、なにも『Halo 5: Guardians』で発明された単語ではなく、実際の戦争でも使われる専門用語だ。

 意味は「奪い集める」。
 なんと生々しい。たいていの場合、窮地に陥り物資が不足して、徴発令が発報される。

 ゼロ戦を造るためにブリキのバケツを差し出せ人民よ!

 みたいな。
 バケツで戦闘機を造るという時点で、その戦争には負けたということがわかりそうなものだが、極限では、徴発がおこなわれるのである。

 『Halo 5: Guardians』においても、永久アンロックカードを求めて、徴発ポイントを死地から回収してきたプレイヤーたちは、危険だ。もはや与えるものがないのに、ポイントでカードを引いたのだから与えろと無茶を要求する。

 冷静な運営がそれに応える方法は、それだけだ。

「徴発ポイントが返ってくる」

 そう、ノーマルからレアの永久カードをすべて集めてしまったプレイヤーが、ノーマルからレアの永久カードが二枚は出てこないとおかしいシルバー徴発パックを引くと、徴発ポイント返還カードが出る。

 シルバー徴発パックは5000RPで開けられる。しかし、シルバーで出る永久カードをすべて引いてしまうと、代わりに1500RPがもらえるカードが二枚出てくるようになる。すなわちノーマルからレアの永久カードをすべて所有しているひとは、実質2000RPでシルバーを開けられることになる(その他のシングルユースカードも売ってしまえば、実質お得感はさらに上昇)。

Halo5Forge00.jpg

 ゴールドでも同様。

 ゴールド徴発パックは10000RPで開けられる。しかしゴールドで出る永久カードをすべて引いてしまうと、代わりに3000RPがもらえるカードが二枚出てくるようになる。すなわちノーマルからレジェンドの永久カードをすべて所有しているひとは、実質4000RPでゴールドを開けられることになる(その他のシングルユースカードも売ってしまえば、実質お得感はさらに上昇)。

 と、いうシステムなので、ゆくゆくのことを考えれば、安いブロンズでまずはノーマルの永久カードを埋め、シルバーでレアまでを集め、そしてゴールドへおもむくというのが、効率はよい。

 あくまで、ジャンキーの作法である。
 こういうシステムは、希少なアイテムを狙って引くのが楽しいものだというのが正論であることは私も、わかってはいる。ゆくゆくもなにも、数百数千時間『Halo 5: Guardians』をプレイする気のないひとは、いきなりゴールドを引いて、超レアだのレジェンドだのの永久カードを狙うのが楽しいはずなので、そっちをおすすめする。

 ちなみに。
 前述のように、私はひとつの節目に到達した。

 ノーマルからレアまでの永久カードをコンプリートしたのだ。つまりさていよいよゴールドに向かいましょうかねえ、というところ。

Halo5Forge02.jpg

 スパルタンランク85。
 ロードアウト取得率70%。
 ほかもおおむねこれくらいで、レアまでが埋まる。

Halo5Forge01.jpg

 4396人を倒し、5713人に倒された。
 負け越している。
 そのくせ、ゴールド5などという、なんだか弱そうではないバッヂがつけられているのは、私がガチ対戦以外のトリッキーなルールでめっぽう強いからだ。旗を奪うとか、陣地を奪うとか。そういう試合で、キルデス比率を下げてでも、私は前線で敵の銃弾をかいくぐり、仕事をする。奪うのは好きだ。

 時間にして二日と二十二時間=70時間というのは、アリーナルールだけの数字で、ウォーゾーンルールでもほぼ同じ数字だから、倍。キャンペーンも、ほとんど同じ数字だから、三倍。 

 私の約一年の『Halo 5: Guardians』プレイ総時間は、二百時間を越える。廃人というほどではないが、考えてみれば一年のうちの丸々八日ほどを費やしているわけで、間違いなく私の一年のセックスとマスターベーションに費やされる時間よりも長い。つまり『Halo 5: Guardians』の魅力は、それくらいあるということ。いち社会人としては、これくらいひとつのゲームに時間を割くと、ほかにはなにもできない。とか言いながらこのブログを更新し、原稿用紙数百枚の小説を何本か書いて、息子と仮面ライダーショーにも行っているので、ジャンキーにしてもアルコールによる気分転換同様、『Halo 5: Guardians』は私を廃らせるどころか、逆の効果を与えている。

 黙々と戦い、徴発カードを引き、微笑む。
 XboxOneの電源を切って、一階へ降りて筋トレをして食事を摂り、酒を飲んで寝てまた明日も働く。

 生活の一部。
 私の一部。
 八日眠らず食わず、ぶっ続けてプレイしては、こうはいかないのです。二百時間を三百六十五日で割ると、三十分ほどになる。一日、数十分の微笑むこともできる戦場が、我が家に待っている。

 そうやって徴発カードを集めるのが効率的です。

 そうそう、これを書いているさなか、新マップとともに、レアカードが追加されました。

Halo5Forge04.jpg

 むろんシルバー引いたら即認証解放。
 ウィケッドグラスプ。
 ヘイロリアンも見たことのない武器だ。
 説明を読むと……

「この回収された体の一部には、かつてのレクゴロの野性的な面影が覗える。ウィケッドグラスプは追尾するプラズマショットをバーストで発射する。」

 ……レクゴロから回収……
 ヘイロリアンでも、ゲームだけをプレイしているひとでは理解できないはず。その呼称はゲーム中では出てこない。いくつかの映像化と、小説、アニメーションで語られるヘイローサーガに触れていれば、ぴんとくる。
 や、やつの手を……回収して武器に?

Halo5Forge03.jpg

 レクゴロ集合体。
 人類のあいだでは通称ハンター。
 その手をもぎとってきて、人類の武器に。

 おお……人類も末期。

 そんなドラマも、感じてこそのヘイローです。

(上のハンター画像は、Windowsアプリ『Halo Channel』から視聴できる映像作品『Halo 4: Forward Unto Dawn』のワンシーン。レクゴロ集合体の集合していないミミズ的恐怖を堪能したいならばドラマ『HALO: NIGHTFALL』をどうぞ。どちらもディスク化されていますが、データでさくっと観られるのだから、それでいいんじゃないでしょうか)

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Halo Channel – Microsoft ストアの Windows アプリ

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