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 内閣府が、十歳未満の子供のインターネット使用について調査した。十歳未満を対象にした全国調査は初めてだという。

 新聞で読んで、詳しい調査結果を内閣府のホームページで、あさる。

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低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査 - 内閣府

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 十歳未満の子供の親、二千人に、インターネット利用に関して質問する。

 回答の結果、突出していたのが、七歳と、二歳。

 平日に一日平均75分インターネットを使用する七歳が断トツだが、なぜだか、それに続くのが65分で二歳。

 七歳の子は、自分でタブレットを操作もするし、ゲームだってする。

 だが、二歳というのは。

 ちょうど、うちに二歳児がいるので、どんな感じかというと。もっとも接触しているインターネット機器は、Xbox360だ。書斎で、私はXboxOneを使っているので、旧世代機のXbox360は、リビングでDVD再生機となっているのだった。

(徐々にアップデ-ト対応され続けてきたXboxOneの下位互換は、いまや旧世代機Xbox360を片付けても困らないくらいに実現済み)

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『XboxOneを買ってきた』の話。

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 いま、うちの二歳児は、延々と一時間、ただひたすらに日本中の通勤列車が走り続けるというDVDに夢中である。

 再生の仕組みは理解している。Xbox360に、ディスクを入れると、列車のビデオがテレビに流れる。DVDは彼の手の届かない高い位置に置いてあるので、ディスクを入手するのには大人を呼んでくる必要がある。

 のだが。朝の忙しい時間に、大人しくさせるためにXbox360を起動させていて、そのまま電源だけ落として出かけることがある。大人としての使いかたはそうだろう。私だって、XboxOneにはずっと『Halo5: Guardians』のディスクが入ったままだ。

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『大魔王クッパ様が強すぎる件について』の話。

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 列車のビデオに夢中なら、そのディスクを、わざわざトレーから取り出すのは無意味に思える。だからついやってしまうけれど、二歳児の目はそのときキランと光っているのである。

 帰ってくる。そして大人の目を盗んで、Xbox360の、いつか赤く光ったあのギョロ目を押そうと企む。

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 ディスクが入れっぱなしなのをおぼえているわけではない。ときに大人が、ディスクを抜き忘れてしまうことを学習してしまっている。だからもう、結果としてディスクが再生できるかどうかは、本末転倒な話だが、どうでもよくなっていて、彼は、もしかしたら列車のDVDが再生できるかもしれないXbox360の電源を入れることに必死なのである。

 私は賢い大人だから、HDMI接続で、連動機能もあるのだけれど、あえてそれはオフにしている。つまり、Xbox360の電源が入ったところで、連動してテレビが点いたり、入力が切り替わったりはしない。結果、二歳児はXbox360のギョロ目を押して電源を入れることにはときどき成功するが、お目当てのビデオを自分で再生できたことはいちどとしてない。ないのに、やる。

 「観たい」という思いを、Xbox360に飛びつく行動で示しているのだと解釈できる。デンシャ、と発声することはできるから、口で言えばいいものを。猫よけのトゲまでなんのそのと、フェンスまで乗り越えてがんばっている。

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『幼児をテレビまわりに近づけないための方策』のこと。

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 どうせ観られはしないのに。二歳児というのは哀しい生き物だ。こっちも、これ以上フェンスを高くしてはテレビが観にくいし、言葉がそこそこ通じるようになったので、言葉での教育強化月間中。ひとに頼むことをおぼえなさい。いまからごはんなのに、がんばってXbox360の電源を入れたって、大人はきみのがんばりに心動かされて、ルールを変えていますぐ列車のビデオを観ようか、なんてことにはならないのだよ、大人だから。

 そう。七歳の75分は、きっと、本人の能動的な行動の結果だ。ゲームがしたくてゲーム機の電源を入れたうえでのゲームだ。

 しかし、二歳児は。
 大人が与えた65分だ。

 ……まったく近ごろの子供は、というか親は、という苦言が聞こえてきそうだが、この調査。そもそも、首を傾げるところがありはしないか。

 そりゃまあ、朝が忙しいからスマホでアンパンマンを観て黙らせました、という累計での65分であろうことは想像にかたくないけれども。

 たとえば私の場合。
 ノートパソコンを開いているときに、二歳児がやって来て、膝に座らせろと言われる。仕事中でなければ、そうする。せがまれて、列車の動画を再生してやることだってある。そのとき、DVDビデオ再生と、ネット動画のストリーム再生とを、わけて考えたりはしない。

 というか、我が家は、ひかりテレビだ。

ひかりTVショッピング

 ディズニーチャンネルを観る、その映像を運んできているのは、インターネット網。内閣府の調査の項目にも「インターネット接続テレビ」という項目があって「携帯電話の契約が切れたスマートフォン」と同じくらいの比率で使用されている。まあ、セットトップボックスを経由してテレビに映し出されている、ひかりテレビは、微妙に意図とズレているが、しかし、十歳未満の子供のインターネット利用というお題目に反してもいない。

 多くの親の場合、テレビとスマホの境目も、いまやあってなきものである。携帯電話の契約が切れたスマートフォンも、ネット接続できるテレビも、わざわざ子供にストリーミング動画を見せるために購入したわけではなく、気がつけばリビングにWi-Fi接続された機器が転がっていたという状況だろう。

 常時接続の、余っているインターネット端末で、アンパンマンを観せて子供を黙らすのは、けしからん? おかあさんといっしょ、は長寿番組だ。むかしから、おかあさんは、おかあさんといっしょを子供と観て、いっしょに歌って踊った。いちにち、一時間くらいか。スマートフォンで、おかあさんといっしょのネット配信をストリーム再生して、子供といっしょに踊ったら、けしからんか? 画面が小さいからか?

 いや別に、内閣府は、それが良いとか悪いとかいうことを調査しているわけではなく、はじめて十歳未満の子供に関してのインターネット使用の状況を調査してみましたよ、と言っているだけだ。良いか悪いかということを論じるのは、その調査結果を見た私なのであって、ゆえに私はいまこれを書いているわけだが、いかんせん、プロレスと格闘技の専門チャンネルを視聴するために契約しているインターネットテレビの存在が、脳内議論に水をさす。

 動画をインターネット経由で視聴するかどうかの調査自体が、だからそれでどうした、というふわふわしたものになってしまっている気がしてならない。

 このあいだ、元プロボクサー亀田興毅が、素人相手に四連戦した。ネット中継だった。回線がダウンするほどに視聴者が集まった。私も観ていた。サーバーダウンしたり、やっとつながったのもひどい画像でカクカクだったから、やはりテレビはテレビで観たいなあ、と思いはしたけれど、つまりそれは画像が安定さえすれば、映像を運んでくるのがテレビ回線だろうと衛星回線だろうとインターネットだろうと、どうでもいいということでもある。 

 それはどうでもいいのだが、このあいだ、同じ年頃の子を持つ友人が集まっていて、ごく自然に、おかあさんといっしょ、の番組の最後に流れる『ブンバ・ボーン』の体操をやっている? なんて話になったとき。

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「録画したのをそこだけ何回も再生しているわよお」という。ああ、そうだ、うちのデッキにも『宇宙戦隊キュウレンジャー』のエンディング、キュータマダンシングだけをチャプター編集したデータがある。

 ビデオテープの時代から、アダルトビデオのストーリー部分は早送りされるものだった。だがあれは、けっこう面倒なものだ。数分の絶頂シーンを繰り返し観るのも、片手で仕事しながら、もう片手のリモコンで操作しても、がっちゃんがっちゃん時間がかかって萎えがちなものだった。

 だがしかしいま、インターネット経由の動画を、一部たりとも早送りせずに観るひとのほうが少ないのではないか。私も、ひかりテレビで格闘技を観つつ別のことをしていて、あっと思ったら試合が終わっていたのでKOシーンへ巻き戻す、というのが当たり前のことになっている。

 ちかごろ、ストーリーのないポルノビデオは、確実に増えている。単なるシチュエーションの提示に終始し、はいこの娘はアイドル、この娘はオフィスレディ、と言いはするものの衣装と場所がそれっぽいだけ、という作りだ。

 ものすごく逆説的な話だが、これって、つまり、だれも観ないから、だれも描かなくなったのではないだろうか。いまだと、そういうことを言う先生はクビになるのかも知れないけれど、私の教えてもらった高校の国語教師は「お前らはすぐエロいところに早送りするんだろうけど、いっぺんちゃんと最初から最後まで観てみろって。映画撮りたいけれど撮れずにアダルトビデオ作っている監督なんかが、良い物語を描いたりしているんだ」と語ってくれた。女子もいる、授業中の雑談だったのは問題だったが、それで実際、私はいくつかのエロビデオをちゃんと観て感動したおぼえがある。

 ビデオテープやDVDでは、操作のわずらわしさから流しっぱなしにするということはある。だが、インターネット配信の動画では、そういうことはまずない。ママ友が集まって、最初から最後まで、おかあさんといっしょ、を観るだろうか。ブンバ・ボーンだけををタップ再生して我が子を踊らせてしまわないか。

 内閣府の調査の結果では、幼い子供たちも、半分はインターネットに触れている。私見で言うならば、ある程度の電子機器に耐性は作っておかないと、この先、スーパーやコンビニが無人レジになっていくのは確実だし、インターネット通販のありかたも、もっと生活から切り離せないものになっていくだろうから、幼いうちから、当たり前に普及しているものには、当たり前に触れておいたほうがいい。学生ならば休み時間や登下校時にリアル会話もあるだろうけれど、現代のいそがしい大人の友人や家族の会話はインターネットなくして成り立たない。ネットで発信も受信もできず、会って話さないとなにも決められない大人に育っては、家族崩壊以前に、今夜の夕食の話もできなくなってしまう。

 と思う一方、たかだか三十分の子供番組を、親のほうさえじっと観られず、観たい箇所をクリックが当たり前の視聴形態になってしまったのは、なにかを殺しているという確信もある。

 内閣府には、どうせみんな使っているインターネットを、どれくらい当たり前に使っているかの調査から、さらに踏みこんで、インターネットでの動画視聴が普及していくにしたがって「物語」が、寸断されてはいないかを調べてほしかった。

 村田諒太、疑惑の判定!!

 そのニュース見出しを翌朝見て、どれだけの、昨夜、村田諒太のボクシングの試合を観なかったひとが、動画を検索して観たのだろう。ダイジェストを。相手ボクサーが、ダウンした瞬間だけを。ボクシングがニュースになり、ボクシングの試合を目にしたひとはインターネットの普及でものすごく増えたわけだが、でも、翌朝のニュースで昨晩の試合を観返すことが当たり前になった結果、会場に足を運び、テレビのチャンネルを合わせて、入場から歓喜の雄叫びまでもをリアルタイムに早送りせず観たひとは、増えたのだろうか。まだ増えるのだろうか。

 オードリー・ヘプバーンという美少女が現れたよ、という口コミで、人々が映画館へ足を運んだ時代は終わり、ググって彼女の一部を見定めてから、好みのタイプであることを確信して映画を観に行くひとは行く。予備知識なしに噂だけを聞きつけて一本の映画を最初から最後まで観て「最初はあんまりだと思ったけれどラストシーンにたどり着くころには彼女に恋していたよぼくは」なんていう体験をしなくなる。インターネット網が、なにもかもの断片を与えてくれるために、自分好みでないものに時間を割くことがなくなってゆく。

 直感的なポルノ。キャッチーなダンス。しかし、人間と人間には、物語がある。面倒くさいところがあるから愛せたりするのであって、ググっても彼のことはなにもわからないから、試しに軽いキスでも迫ってみないと、なにもはじまらないのであって。

 映画や小説やマンガ、ゲームがなくなるとは思わない。だけれども、もうすでにインターネットが現存する世界に生まれた世代のあいだでは、ロールプレイング・ゲームが廃れはじめているように見える。タップするだけの簡単操作、なんてゲームを私はプレイする気にならない。でも世間では、簡単であること、物語を排除すること、絶頂シーンだけがあらかじめ詰めこまれていることで、あら素敵とトキメク観客は、どう見ても増えている。

 インターネットで動画を視聴するさいに、アンパンマンの絶頂シーンだけを選んで子供に観せたことがある、という項目も盛っておいてもらわないと。アンパンマンは、バイキンマンとドキンちゃんをアンパンチで海の藻屑とする。そこだけを観せて、うっきゃっきゃ、と二歳児を笑わせるだけでいいのか。バイキンマンにだって悲哀はあるのではないか。そんなバイキンマンのそばにずっと寄り添うドキンちゃんにこそ、読み解けば涙なくして触れられない、深い深い物語が宿っているのではないか。

 内閣府よ。そういうことだ。
 調査が甘い。

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チョロギ。
そういう名前の野菜だそうだ。
調べてみると、酢で赤く染めて正月に食すのだそうだ。
……食べたことねえなあ。
実家が関西のせいか。おせちは自作派だったからか。
しかしこれは、関西の道の駅で買った。
変なカタチだ。
英語で呼ぶと、
Chinese artichoke。
ぜんぜんアーティチョークぽくないが。
ちなみにアーティチョークの和名は、チョウセンアザミ。
漢字表記だと……

中華朝鮮薊?

混沌としている。
Wikipediaによると、
フランスでjaponaise(ジャポネーズ、日本風)と名前に付く料理には、必ず付け合せにチョロギを盛り付ける。
……必ず、という表記がWikiらしい。
そうでないこともあるに違いないが。
でも、それくらいチョロギなのだろう。

アメリカンプロレスを観ると、日本人レスラーは「必ず」言われる。

中国人?
韓国人?
なんだ日本人かよ。

おまえら見分けつかねえ、という侮蔑。
つかないのでキャラをつける。
奇声をあげることが多い。
読めない行動が多い。
口から毒の霧を吐くひと多数。
奇妙であること。
それがジャパンクール。
チョロギは、クセのない野菜だ。
揚げて塩ふって、つまみに最適。
いわばなんの味もしない。
あっさりフライドポテトのよう。
好き嫌いというレベルでもない。
まさしく、付け合わせのカガミ。
味ではメイン食材の邪魔をせず、奇矯な見た目で害はなく、大皿大会を盛り上げる脇役。
……そう思われているのだ。
これが世界の見る日本人なのだ。
辛いも甘いも苦いも酸いもない。
チョロギ的に愉快な変人。
むしろそうであれという願い。
本当にクールなところを魅せたい。
チョロギつまみながら、け、と思う。

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 アメリカとの戦争のあと、日本では力道山が、ガイジンを空手チョップで打ち倒すというスタイルでヒーローになったが、同じことはアメリカでも起こっていた。

 ヤマトとか、カトーとか、トーゴーといった日本軍人ぽい日本人悪役レスラーたちが創造され、倒されるためにプロレスのリングに上がる。特攻隊のバンザイ突撃がアメリカ人にとってホラーだったのは言うまでもなく、戦争には勝ったものの、真珠湾に予告なく自爆攻撃をかける狂気の民族が、ゼロ戦で市街地へ特攻してくる悪夢を、子供たちのみならず、大人だって寝汗をかいて見たことだろう。眠れないから、起きてテレビをつけると、狂ったようにわめく日本人レスラーたちが、正統派アメリカンレスラーにやっつけられている。ああ大丈夫だ、こうしてみれば、日本人というのはまっすぐつっこんでくるだけで、動物のようなものだ。インテリジェンスあふれるマイクパフォーマンスをともなった文明人たるアメリカ人レスラーの敵ではない。

 その流れは、上田馬之助やグレート小鹿、マサ斎藤あたりまで引き継がれる。だが、70年代に入り、日本では新日本プロレスと全日本プロレスが旗揚げされ、アメリカで悪役を演じていた選手たちも、アントニオ猪木やジャイアント馬場へケンカを売って日本へ帰る流れができ、テレビドラマ『スター・トレック』では、アメリカ初の日本人メインキャストとされるヒカル・スールーが登場する。

 苦笑いしたくなるのは、『スター・トレック』が日本でテレビ放映されるにさいし『宇宙大戦争』というタイトルにされたのはともかく、ヒカル・スールーが「カトー」に改変されたという事実である。以後、世界で一番有名な日本人の名は、日本でだけ加藤ということになってしまった。戦後のアメリカンプロレスでグレート・カトーがボコボコにされていた記憶も新しいなか、日系俳優が正義の味方の一員としてアメリカンテレビの超有名人になったという時代の流れを踏まえられるひとがひとりでもいたならば、凱旋した日本人エンタープライズ号主任パイロットを、カトーなどと呼びはしなかっただろう。

 あれが結節点だったのかもしれない。

 スター・トレックに日本人! でも名前が日系アメリカ人だから、日本人にわかりやすく、日本人らしい役名にしてしまおう。

 そういう発想が、アメリカ側から見れば、苦笑どころか爆笑モノだった。カミカゼハラキリホラーな民族は、多民族連合軍のなかで宇宙戦艦の主任パイロットにまで上り詰めた出自の複雑な彼を、わかりやすい日本人として描きたがる可愛い民族だったのだ。

 日本人は怖くないと気づいたあちらの要請に応え、生まれたのはヨコヅナ、そして、ザ・グレート・カブキ。

 悪役ではある。しかし、本物の力士ではないのにヨコヅナを名乗るニセ日本人。毒の霧を吐きヌンチャクを振り回す歌舞伎役者。夢に出てくるホラーの怪物とは、もう呼べない。かなりの割合で、ニヤニヤしながら観るたぐいのものになってしまった。ほら、日本人が出てきたよ怖いね(笑)。

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 そんな風潮で80年代、そして90年代。

 グレート・ムタも、タジリも、奇声をあげて毒の霧を吹いた。

 アメリカ社会に日系人も増えてきたのだろう。フナキは、ちっちゃくて陽気な日本人として、番組でマイクを持つことも多かった。ふつうに英語を話すアジア人が珍しくなくなったために、言語能力を持たない怪奇系キャラにこだわる必要がなくなったのだともいえる。

 ハイブリッドは、ケンゾー・スズキ。

 ゲイシャを連れて、神輿で入場する、アメリカ人よりも背の高い日本人。日本語で話すが、ゲイシャが通訳して叫ぶ。

 アメリカでの日本人レスラーの歴史は、日本人を笑う歴史だ。恐ろしい日の丸軍人のイメージを、戦後の悪役日本人レスラーたちが「でも弱いから安心」という図式で魅せた系譜が、いつしか、コワカワイイ、というニュアンスで描かれるようになった。寡黙で真意がわかりかねるから不気味だったはずの日本人が、かん高い声で日本語をまくし立て、アメリカ人にシッシッと指先であしらわれるのが定番になった。

 そして、二十世紀が終わった。

 アメリカンプロレスに、日本人キャラは、なくてはならないものだった。しかし、チョロギだった。

 二十一世紀、新日本プロレスや、DDTプロレスリングは、全世界に向けてネット中継を繰り広げる。アメリカンプロレスの選手プロフィールに、いま並んでいる日本人たちときたら、どうも二十世紀とはニュアンスが違う。

 Hideo Itami。



 Asuka。



 だれも笑っていない。日本人らしい名前に変え、やっぱりエキゾチックで、けれど、日本人の側も、笑われるためにキャラクターを創っていない。言い換えれば、団体が、参戦する日本人に、そういうモノを求めていない。

 『X-MEN』から派生したテレビドラマ『レギオン』の第一クールをこのあいだ観終えたところだが、妻の記憶をなくした白人男性が、自分の妻は中国人か日本人だったはずだと力説するシーンがあった。ジョークを言っているのではない。アメリカンドラマ視聴者たちは、真顔で「そりゃあ理想の妻はエロ可愛いアジア系さ」と思っているのである。

 単純に、熱狂の提供者としての日本人。

 先日、シンスケナカムラがアメリカで創り出した熱狂に、私は泣き笑いだった。クソ格好良かったのだ。



 あいもかわらずのチョロギである。

 妙だ。日本人て、変だ。
 でも、そークール。

 心底、世界にそう想われていることが伝わってきて、うれしかった。期待通りの日本人レスラーは、いま、ヌンチャクも毒霧も吐かず、日本語訛りの、たどたどしい英語を自分で話す。それさえカッコいい。日本人が来やがったぜ、と観客がワクワクテカテカしているのがわかる。怖がってもいないし、笑い飛ばす気もない。スターとして日本人を観ている。彼らは、その日本人の次の試合を観るまでは死ねないので明日も生きるのだ。

 ところで、いまやクールジャパンの代表格たるジャパニーズアイドルの出世株『バンドじゃないもん!』の生存片割れツインドラムなリーダーの好きな食べ物は、公式にチョロギである。

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バンドじゃないもん公式ウェブサイト / プロフィール

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 完全無欠の創られたファンタジーキャラクターアイドルが、いまもっともアピールする日本の食材はなんだと突き詰めた結果、現れたのはチョロギだったということだ。他のメンバーのプロフィール、年齢りんご5個分、や、出身地プレアデス星団、と並び立つほどに、チョロギは愛らしく日本を象徴する食べ物なのである。

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 赤く染めたほうが可愛いが、揚げて塩のほうが美味い。もう、奇声をあげる必要はない。素の変なところで勝負して通用するチョロギジャパンなのである。

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 たのしまれましたか。
 ゴールデンウィーク。
 私にとっては、やっと終わったゴールデンウィーク。いやまあ、人混みとか嫌いなので、平日が休みな仕事に就いているのは、空いた道をバイクで走る私にとって、よろこばしいことなのですけれども。

 子供の日。
 五月五日。

 保育園が休みで、祖父母も休みで。私を抜きで、みなさんは祝日を堪能していらっしゃって。トイザらスに行ったらしい。

 そして、どこかで駆けずりまわり働いていた父親の意向など、もちろんどこにもなく、帰宅した私の目の前に、こんなものが。

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 タカラトミー社製『トミカ ぐるぐるシュート!! DXトミカパーキング スペシャル仕様 トミカ同梱版』!!

タカラトミーモール「トミカショップ」

 トヨタ社製CH-R同梱ですって。ニュースで見た、納車半年待ちとかいう売れまくっている車じゃないですか。本物は買いに行っても売っていないのに、ミニカーはおまけでついてくる。子供が育ってから、初めて触れた車だってことで実車を買ってくれたりするかもという期待を込めてのことでしょうか。トミカというのはどういうシステムなのでしょう。来月はスバル社のセットが発売されるようなのですが……

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 別に他のセットに比べて安いわけでもない。ということはスバル側がスポンサー料を出してはいない。一方、タカラトミー側が使用料を払うというのもあっておかしくない気もしますが「これからの少子化社会、トミカで出さないと、次世代の乗り手は生まれないんじゃないですかねえ」などという口八丁で、タカラトミー暗躍部隊が各社と話をつけているのでしょうか。

 ともかく、日本のミニカー業界で一強のブランドたるトミカ。なのですけれども、私自身は、幼いころに遊んだ記憶がない。事実、実家にもミニカーは少なくて、我が家の息子も、ちゃんとしたトミカは今回のCH-Rが初めて(クロネコメンバーズのAmazon中毒者という、昨今話題の人手不足の元凶たる私なので、ポイントで貰ったトミカサイズのクロネコヤマトミニカーは何台か持っていたので遊ばせていましたが)。

 おじいちゃんもおばあちゃんも、駐車場買ってくれて、車は同梱の一台だけって、これ、次々ビュンビュン発車するのをたのしむホビーじゃないのかしらん。ああ、ミニカーはお父さんに買ってもらえか。そういうことか。私の意向としては、やっと仮面ライダーは人間が変身してなるものと気づいてくれた息子に、夢を補強すべくそっち方面の玩具など買い与えたいところだが、仕方ない。

(それはいっしょに仮面ライダーエグゼイドを観ていたときのこと。唐突に、息子は振り向き、大騒ぎしはじめた。私になにかを伝えたいらしい。ヘンシン、というセリフはすでに真似ていたが、そうではなくて……ときまさに、画面のなかでエグゼイドが吹き飛ばされ、変身が解除して人間の姿にもどる……あー! あー! うるさいよ。なに大興奮? あれ。うん。ヘンシン? そう。変身解けたね。え? ああ、今それを理解したんだ。そうだよ、あのなかのひととエグゼイドは同一人物で、仮面ライダーになるのがヘンシンってこと。なんだと思って観ていたんだよおまえは。人間が消えて、ライダーが降ってくるのがヘンシンだとでも? ……なんにせよ、ヘンシンという概念を幼子が理解したのは、ほぼぴったり二歳のときでした。つまり、ヒトは二歳で、ヘンシン、と叫んでも自分は変身できないということに気づいてしまう……思えば哀しい瞬間を、私は見てしまったのかもしれぬ)

 開けてみた。デカいな。そして、安全対策なのだろうな、組み立てても壊れやすいな。あと、これはないだろう……

 マップ。
 厚紙なんですけど。

 幼いころにミニカーで遊ばなかった身としては、ビュンビュン車が飛び出てくる駐車場よりも、印刷された道路の部分こそ、夢を広げて遊べそうなギミックに思えるのだが。紙か。破れるね。うん。断言できる。息子二歳は、一週間でこれをビリビリのグチャグチャにする。私には、このオモチャの最重要部分に思える、このパーツをだ。

 というわけで。

 『午前3時の無法地帯』で、本田翼が熱くなるのを待つということを知らずにオダギリジョーに泣きついた縁結びアイテム、ラミネーターである。

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 本田翼的イラストレーターのみならず、私のような本部制作の簡潔アピールPOPなんてゴミ箱に捨てて自作POPで語りたい派の店員も御用達。紙を強化するといえばこれ。プラスチックでコーティングしちまうぜ。水拭きだってできてしまう堅牢さ(実家にもラミネーターがあって、なにに使っているのかと思ったら、父が風呂場へジャズの英語歌詞カードをラミって持ち込むためだそう。ウディ・アレン『ローマでアモーレ』に出てくる風呂場でなら美声な葬儀屋のエピソードを思い出す)。

 オリジナルのトミカマップは、二つ折りなのに、半分がA4サイズよりも大きい。手持ちのコンパクトラミネーターには入らないじゃないか……そこで、スキャンする。オリジナルは原本として保管しておき、スキャンしてプリントアウト。つまりカラーコピーした複製を、A4サイズに収まる三等分で、こう、うまいことする。

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 できた。なにせ、水拭きもできるラミネート。連結はセロテープでよし。剥がしても破れない。ちょっと隙間を空けて貼ってやれば、いちいち剥がさなくても、三つ折りにして、A4クリアファイルへ。

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 旅行にも便利。ああ、ぞっとするなあ。マップはともかく、ちょっとどこかへ行くにも、ミニカー何台も持っていくと言ってきかない時期が来てしまうのか。

 加工しつつ、思う。
 こういうのって公式に、拡張用の紙マップは提供されていないのだろうか。
 ググってみた。
 どうもヒットしない。
 そこでトミカの語句を抜いてみると……

 バンダイ社。

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ブーブステーション | 変身する乗り物ブーブが新登場!

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 「まちをつくろう」のタブから、PDFファイルが各種ダウンロードできる。ブーブは一台持っていた(科学救急車。ブーブはミニカーというよりもパズルとして幼児は遊んでいる)ので、DXトミカパーキングに入れてみると……車長車幅は問題ないのだが車高が高すぎて、すべり台でつっかえてしまう。

 でも、高さの関係ない平面マップならば、トミカと仲良くレースもできそう。レース場をプリントアウトして、ラミってみた。

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 スーパーファミコンの『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』を想い出す俯瞰画面(時速300キロオーバーで走っているのに、カメラが寄りすぎていて、ピットインが至難のわざだった)。私が幼児なら、このレース場とミニカーで、延々とレースを繰り広げるだろう。バンダイさすが。「変身」を登録商標として握っている豪腕さに似合わず、こんなによくできたものを無料で提供しているだなんて。

 一方のタカラトミー社。『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』もタカラ社のゲームだった。ミニカーでは遊ばなかったが、巡り巡ってトミカを売っている会社の作った仮想の自動車玩具で、私も遊んではいたということだ。あのころのスーパーファミコンのソフトよりも、いまのトミカの売り上げのほうが、どれだけスゴいかはオモチャ売場の占有率を見れば一目瞭然である。

 トミカタウン、と親しみを込めて呼ばれていたりする。バンダイさんは道路は売らないが、タカラトミーさんは売っている。

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 それじゃあなあ。道路売っている公式サイトで、無料の道路頒布するのはさすがに商売人としての道をはずれますわな。わかる。わかるけれども。

「ぼくだけのトミカタウンをつくろう!」

 の合い言葉のもと、五千円のパーキングだとか三千円の消防署などを購入し、それらをつなぐのに千円の道路をいくつも買うという……ごめんなさい、ライダーベルトも買いたいです。

 しかし、検索しても、どうしてこう自家製の紙道路を頒布しているサイトにヒットしないのか。山ほどあってもよさそうなのに……はっ……なるほど。プラスチック製どころか紙製の道路まで売っているトミカシステム。インターネットワールドも監視していて、トミカ営業に差しさわりのありそうなヤカラが沸いて出ると、タカラトミー暗躍部隊がそっと喫茶店のテーブルの下で「これであの印刷道路コンテンツをサイトから降ろしてはもらえませんかね」「ずいぶん分厚いんですね」「トミカを守るためならば我々はなんでもしますよ」なんていう封筒を差し出してくださったりするのではなかろうか。欲しいな分厚い封筒。

 ということで、作ってみた。

minicarmap01

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minicarmap03

 印刷してラミネートして。

minicarmap00

 ハサミで切って、セロテープでつないで。豪華にするなら、裏面に両面テープでマジックテープをつけてやると、毛足の長いカーペットとか、ジョイントカーペットなんかに、ぺたっと貼って固定できるかも。

B002NJ6CFI

 逆に、ラミネートなんてしないで段ボールにでも貼りつけて破れたら捨てて次っ、という使いかたも男らしくてよし。

 どうぞ、ご自由に。
 A4横向き、サイズ変更なし、フチなしで印刷してください。

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とかげの月 / 印刷用道路PDFダウンロード 01

PDF Download / Printable road by Yoshinogi Takumi 01


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 ファイル名が01となっているのは、今回はざっくりと直線だけで作ったのですが、できれば、なだらかカーブやS字クランク、縦列駐車場なども作って教習所が完成するようにしたいなあ、という野心はあるから。

 地上波テレビでは、なぜ無料で映画放送ができるのか、きちんと説明できますか? ヒントはテレビコマーシャル。道路は無料ダウンロードだけれども。ついでに広告もクリックしてみると、それによって今回の記事の続編ができるかどうかは、あなたしだい。直線ばかりとはいえ、作るのに小一時間は要したので、今回は時給アップを求める良い機会だと節操なくぶっちゃけます。

 クリックしてもあなたに損はないのに私にとっては最大級の恵み。あたえてください。あなたの愛で私は動く。
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